ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
18/04/15(日)00:12:33 No.497767177
数日前アンツィオの戦車事情を調査するため安藤は単身アンツィオ学園艦への潜入を試みたが、その時の荷物を入れたキャリーバックをあけてみると必要な荷物のほとんどの代わりにBC自由学園戦車道隊長であるマリーが収まっていた。 二人は目が合い、数刻見つめ合うと事態を理解した安藤は口を開いた。「何しているんだマリー」と言いかけたところでマリーが安藤の口にその小さな手を押し当てて黙らせる。ころころといたずらっぽく笑うマリーは、自分の口元に人差し指を当てるとしーと安藤を黙らせると、「だって~この前見たドラマの潜入捜査が面白かったから~」と嘘かほんとかわからない口調で言ってのけた。 潜入自体は無事に成功したのだが、マリーがBC自由学園の制服でいたので人目に触れることが出来ずアンツィオで誰もいないとされる旧校舎をベースキャンプとして諜報活動を行った。 「ね~レナ~つまんな~いなんで私はここにいなきゃ駄目なの~」 「その制服じゃあ目立ちすぎるだろ食料から予備の制服までほとんどの物おいてきたからまともに動けやしない」 「それって私が悪いの~」 「簡単に言えばそうだな」
1 18/04/15(日)00:12:55 No.497767324
不機嫌に口を膨らますマリー。それは大体マリーが自分で勝手に動くそして最悪の結果がまっているサインだ。なので途中で買ってきたジェラートを渡す。 「こういう潜入捜査は皆が寝静まった夜にやるもんだろ? 今日はおとなしく夜まで待て」 「そういえばさっきお友達が出来たの! お金貸してって言うから上げたらいい物くれるって!」 「はぁ~!? お友達ってここはアンツィオだぞ? 敵の懐に入って何してんだ!」 「でも~、一人で暇してたら話し相手になってくれて~おまけにグリーンティもくれたわ」 「とにかく我々は敵地に潜入しているんだぞ? 自分の身が危険になるようなことするな」 「いいじゃないその子もスパイなんだって。あ~、きた~」
2 18/04/15(日)00:14:26 No.497767816
気づくと安藤の後ろにはどこからどう見てもアンツィオ生にしか見えない彼女(服装の乱れやだらしのない態度も含めて)が立っていた。ニヤニヤしながら安藤を品定めするように見回すとニィと笑う。 「これじゃあドゥーチェの目はだませないね。ああ……申し遅れた私は知波単から偵察に来ている小野田寛美だ。よろしく頼むよ安藤レナさん」 「自己紹介する前にこっちの名前を名乗るのが知波単流なのかな? よろしくMs.オノダ。訳あってこちらは余計な荷物があってね」 二人はシェイクハンドする。仲間はずれに感じたのかマリーも遅れて手を出すと小野田はシェイクハンドのついでにハグまでして離れた。 「知波単からアンツィオバカンスならもっと気楽だったろうが命令を受ける身は大変だな」
3 18/04/15(日)00:15:29 No.497768179
「ええ。よろしくレナサン。この前まではMI6のMs.シドニーがいたので退屈はしなかったが君たちと入れ替わりで帰ってしまってね。まあ私の方はここに来るのは半分バカンスのような物だがね」 飄々とした語り口で我々に話しかける彼女からはお堅い知波単生には全く見えない。 「そうだ! マリーちゃんの制服持ってきたよ」 「寛美ちゃ~んありがとう~!」 早速その場で服を脱ぎ始めるマリー。が、途中で動きを止めてこっちを見てくる。 「脱がして。服逃がしてちょうだい」 「ハイハイお嬢様」
4 18/04/15(日)00:15:54 No.497768323
嫌そうな安藤の横から小野田が嬉しそうにマリーに近づいていく。その後襟をつかんで引き留めると安藤は心底めんどくさそうにマリーの着替えを手伝うのだった。 マリーの着替えが終わると三人で学校を回る。それとマリーと安藤は朝からろくな食事をしていなかったので食事も行おうという話になった。 「あそこの鉄板ナポリタンの出店がかの有名なアンツッィオ戦車道の副隊長ペパロニさ」 転校生を案内するように小野田が二人を案内しながら歩く。確かにこうすれば学校の施設を説明受けながら歩いていても何の違和感もない。 「おいマリー。店で余計なこと喋るなよ」 「もう! レナは私のこと疑うの~これでも誇り高きスパイなんだから!」 誇り高きスパイならまず人の潜入を邪魔しないがそれを言うと頬を膨らましながら反論されそうで面倒なのでそのまま聞き流す。横にいる小野田も思わず苦笑いを浮かべてた。
5 18/04/15(日)00:17:02 No.497768754
誇り高きスパイならまず人の潜入を邪魔しないがそれを言うと頬を膨らましながら反論されそうで面倒なのでそのまま聞き流す。横にいる小野田も思わず苦笑いを浮かべてた。 「やあお嬢さんがた! 三人ともまだお腹に余裕はあるかな? もう時間も遅いからいつもは30000リラだけど30000リラ! 卵抜きなら20000リラ!」 小野田は素早くそのジョークに笑って見せたがマリーと安藤は表情が固まったままだった。その顔を見るとペパロニは不思議そうな顔押して聴いてくる。 「あれ? 子猫ちゃん達? 見ない顔だね?」 安藤と小野田はぎょっとする。こんな事で潜入がばれるなんて二人にとって計算外だ。 「そうなの~私は服飾科のマリア、小麦色の方がレイラ。彼女も服飾科なの。今日は小学校からの幼なじみの彼女がこっち案内してくれるって言うから普段来ないこっちの方見て回ってたの」 「そうかい。服飾科はお金有るからみんな食堂なんだよな~! 気に入ったら通ってよ!」 「そうね~まずは三人前戴いてからね~」 「一人三人前ずつ?」 「もう! 三人でよ」 「ははは。ごめんごめんすぐ作るから少しまってて。鉄板三人前~!特別おいしいの!」
6 18/04/15(日)00:17:19 No.497768884
三人は近くに席を取って腰掛ける。すると安藤と小野田から小さくため息が漏れる。 「どうしたの二人とも?」 「いきなりばれるかと思ったよ。どうして被服科が離れていてこっちにいないとわかったんだ?」 「服装科よ。潜入する学校の入学案内ぐらい呼んどくといいわ~。ね、私がいて良かったでしょ。レナったら潜入するときから私のことお荷物扱いしてひどかったんだから!」 「レナサンよりマリーちゃんの方が潜入に向いてるかもね。何より度胸がいい」 胸を張るマリー。そこに三人前の鉄板ナポリタンを持ってペパロニがやってくる。 「どうした? ご機嫌だね。ハイ一人30000リラ」 料金を受け取ると、暑いから気をつけてと言いながらペパロニは屋台に戻る。三人は早速パスタをすすると、同時に頬に人差し指を当ててボーノと言った。
7 18/04/15(日)00:17:59 No.497769154
三人が腹を膨らませ旧校舎に帰ってくる頃には日が暮れていた。安藤は腹のを膨らみと共に訪れていた多幸感により忘れていた重大な事実を思い出す。 「参った……今日の宿がない」 「あら~? これだけ観光する場所がある学校なのにホテルの一つもないの?」 不思議そうな目で安藤を見るマリーに安藤は頭を抱えた。 「我々は観光で来たわけではないんだよ。わかっているよなマリー」 「も~人を馬鹿にした言い方する~。そのうちレナ友達いなくなっちゃうわよ~」 「レナサン。安宿ですが私の泊まっている所を紹介しましょう。そこなら宿代を払っていればへたに検索されない」 二人を見かねた小野田が助け船を出すと、二人は一斉に彼女の方に振り向き凄い勢いで場所を聞いた。
8 18/04/15(日)00:20:10 No.497769829
思いのほか長いので残りはテキストで ss311226.txt
9 18/04/15(日)00:28:28 No.497772350
突然悪趣味な設定が出て来ると反応に困るな…
10 18/04/15(日)00:28:56 No.497772477
ちょっと読み辛いな
11 18/04/15(日)00:34:14 [sage] No.497774105
>突然悪趣味な設定が出て来ると反応に困るな… 最初はマリー様と安藤顔風呂でイチャイチャする所書きたかったんだ ほんとだよ >ちょっと読み辛いな 久々に書いたらこんな事になってしまった 詰め込みすぎたかな
12 18/04/15(日)00:36:16 No.497774785
詰め込みすぎな感じはあるけど賑やかでいいとおもう
13 18/04/15(日)00:42:34 [sage] No.497776792
>詰め込みすぎな感じはあるけど賑やかでいいとおもう ありがとう書き始めてから三ヶ月ぐらいかかったからその都度アイデア詰め込んでいったので凄いわちゃわちゃしてしまったのだ
14 18/04/15(日)01:11:20 No.497784583
よくこんなものさらさらする気になるもんだ……