18/03/30(金)19:54:11 どこに... のスレッド詳細
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18/03/30(金)19:54:11 No.494452787
どこにいても相応しくないみたいで、発したのは独り言みたいで、誘いの言葉を知らないのに断る言葉ばかりを覚えて。僕は、多分、少しおかしいのだろう。そうだと思いたかった。 日々をただ生きること。それがこんなにも苦しくて、悲しくて、重たくて、単純に言うならば、きついと感じてしまう僕は異常なのだろう。生きているとは楽しいことなのだ。素晴らしいことなのだ。だから、だから帰りたいなんて呟いては自分の居場所を探して、死にたいなんて呟いては生きることの価値を確認するのだろう。 その日々は月の暗い夜。彼女に出会うまでの毎日。 それからは月の青い夜。遠回りしたくなるような道のり。 生きたい。生きて、生きて、貴方の声を聞きたい。その笑顔をまた見たい。誰でもない誰かに贈られた言葉を僕だけのものだと勘違いしたい。 時間は大河のようで、人は、アイデンティティを確立させるかの如く自分という錨を下ろしてその中で自身を確固たるものとする。僕の錨は僕自身にはない。貴方の存在である。
1 18/03/30(金)19:55:07 No.494453018
帰りたいという言葉は最早仮初めの幸せの過去に向けられたものではない。未だ届かぬ貴方の元にである。死にたいという言葉は最早苦痛からの解放を望む叫びではない。それは正しく人生への賛歌である。 どこに居ても相応しくない僕が貴方の側に。発した独り言は貴方への感謝に。誘われないのに覚えた断りは貴方への照れ隠しに。 ありがとう。 ぽつん、携帯電話の画面に一雫。しかし、世界の全部がふやけてしまったみたいにぐちゃぐちゃに歪んだ。 ぽつん、ぽつん。雨粒みたいなそれらが数滴、画面を汚した。それはいっぱいに映った僕の女神を滲ませて、さながら思い出の中の水彩画のように不確かなものへと変えた。 藍子。行かないで。僕はそんな事を言おうとした。いや、違う。初めから此処にいない存在にその言葉は無意味だ。初めから何処にもいない存在がどうして、今この時代を漂う僕を引き止める事ができようか。 それでも僕は、分かっていても尚、どうしてだろうか。信じてしまうのである。高森藍子という女性が僕をこの世に繋ぎ止めてくれる錨だと。