18/03/07(水)00:19:26 SS「エ... のスレッド詳細
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18/03/07(水)00:19:26 No.489321986
SS「エリカとえりか」
1 18/03/07(水)00:20:20 No.489322207
『黒森峰女学園、無限軌道杯一回戦にて敗北!』 そのニュースは各学校に衝撃をもたらした。 確かに黒森峰は西住流の次期家元である西住まほが海外留学をしたため、弱体化したと見られていた。 とは言え、重戦車を多用するその戦法を用いられれば、厄介な相手であることは間違いないとも見なされていた。 だが、結果は一回戦において敗北という、誰もが予想していない結果となった。 このことにショックを受けるものは多かった。 特に、当然のことながら黒森峰の生徒達は言葉を失った。 王者黒森峰のまさかの陥落。それは、先の全国大会での敗北以上に黒森峰生に衝撃と絶望を与えた。 そして、そのバッシングは新しく隊長となった逸見エリカへと浴びせかけられた。 「やはり西住隊長じゃないと駄目ね」 「どうして隊長はあんな子を新しい隊長に選んだのかしら」 「王者黒森峰が見る影がないよねぇ……」 その数々の言葉は、エリカを苛んだ。 なによりも、当のエリカ本人がその心無い生徒達の言葉と同じことを思っていた。
2 18/03/07(水)00:21:10 No.489322419
「やっぱり……私が隊長じゃ駄目だったのよ……」 エリカは思い出す。ドイツにいる西住まほとインターネットを介して交わした会話を。 「あなたはあなたの戦車道を見つければいいのよ」 まほはエリカにそう言った。 エリカもその言葉を胸に抱いて戦った。 しかし、結果は一回戦敗北。 黒森峰の歴史における汚点とも言うべき惨めな敗北だった。 「隊長……どうして行ってしまったんですか……」 エリカは自室で一人引きこもりながら膝を抱いて言った。 エリカの心の中では今、後悔でいっぱいだった。 あのときああしていれば。そんなことばかりが浮かんだ。そして、自分以外にも隊長に適した者がいたはずだという考えに取り憑かれていた。 そう考え始めると、エリカが最終的に思い至る人物が一人いた。それは、まほの妹でありかつての黒森峰の副隊長である、みほだった。 「みほが、みほさえいてくれれば……こんなことには……」 エリカはかつてみほのことをライバルと見ていた。共に切磋琢磨しながらも、越えるべき目標として見ていた。しかし、今のエリカにはとてもみほをそうは見ることができなかった。
3 18/03/07(水)00:21:29 No.489322483
「私があの子とライバルだなんて……笑っちゃうわよね……私に、そんな実力はないのに……」 かつてのエリカなら絶対に思わなかったであろうことを、今のエリカは考えるようになっていた。 それほどまでに、エリカの心は傷つき、疲れていた。 そんなエリカの味方は黒森峰には殆どいなかった。みな、エリカは隊長には相応しくないと思っていた。 だが、そんなエリカを未だに思いかけてくれる人物もいた。 「エリカさん……」 エリカの自室に入ってきたその少女――赤星小梅も、その一人だった。 小梅はエリカが黒森峰に入学してからの友人だった。エリカとずっと一緒に戦車道をやってきたし、エリカが隊長に選ばれたときは心から喜んだ、エリカの数少ない味方だった。 「……何よ」 「……そろそろ訓練が始まりますよ」 「……今日は体調が優れないの、悪いけどあなたが指揮を取って。きっと、みんなもそのほうが喜ぶでしょ」 今の小梅はエリカの副官、黒森峰の副隊長だった。
4 18/03/07(水)00:21:45 No.489322556
そのため、エリカの代わりに指揮を取ることも多々あった。 「そんなことありません。私達の隊長はエリカさんなんです。それは私も、まほさんも認めています」 「でも、みんなは認めてないわよ。……私だって」 エリカは小梅に背を向ける。しかし、小梅は諦めなかった。 「とにかく、ずっと引きこもっていたらそれこそ本当に体に毒です。……お願いですエリカさん、頑張ってくれませんか」 「……分かったわよ」 エリカは小梅の言葉を受け、立ち上がって部屋を出た。 そして、すれ違いざまにエリカは言った。 「……あなたも、結構残酷よね」 「これが、エリカさんのためですから……」 そうしてエリカと小梅は一緒に訓練場に向かった。 訓練場には、戦車道を履修している黒森峰生が整列していた。その面持ちは、みな一様に暗かった。 エリカと小梅はその前に立つ。視線がエリカに集まる。その目から、エリカは責められているような錯覚を受けた。 「……っ。……みんな、集まっているわね。それでは今日の訓練を始めるわ」
5 18/03/07(水)00:22:10 No.489322652
その視線に痛さを感じながらも、エリカは言う。 そして、その日も訓練が始まった。 訓練は概ね滞りなく進んだ。意気消沈しているとはいえ、エリカも隊長としての役目はしっかりと果たした。 しかし、隊員達がそれについて来るかどうかは別であった。 「ちょっとそこ! 遅れているわよ! 何やってるの!」 「……すいません」 無線越しから反抗的な意志が込められた声が帰ってくる。 エリカの指示には従いたくない。そんな意志が感じられるようだった。 その気持ちを、エリカは痛々しいほどに理解した。 誰もこんな隊長についていきたくないだろう。エリカはそう思った。 だが、一度隊長として指揮を始めたからには妥協は許されないと、エリカの真面目な性格が彼女の語気を荒くした。 「そんなことじゃ次の試合には勝てないわよ! もっと頑張りなさい!」 「はい……」 あからさまに不満そうな声だった。 エリカはそうやって指示をして声が帰ってくる度に、自分の隊長としての資質の無さを痛感すると思った。
6 18/03/07(水)00:22:52 No.489322807
訓練はそのようにエリカと隊員の間で意志の隔たりがありながらも、問題事態は起きずに終わった。 「それでは今日の訓練を終了します。ありがとうございました!」 『ありがとうございました……』 終わりの挨拶にもどことなく覇気が欠けている黒森峰生。 エリカは、この調子では次の試合も勝てないと思った。 黒森峰は近々試合を控えていた。それは、練習試合でありながらも、負けられない戦いだった。相手はプラウダ高校。黒森峰とはずっと全国大会で優勝を競い合ってきた相手だった。 エリカは次の試合こそは負けたくないと思っていた。次の試合で今度こそ勝利し、黒森峰を元の黒森峰に戻したいと考えていた。 だが、その自信がエリカにはなかった。今の自分では勝てない。そんな風にいつも考えてしまっていた。 「お疲れ様です、エリカさん」 ついつい暗い方向に考えがちなエリカだったが、そんなエリカを気遣ってか、小梅があえて笑顔でタオルを渡してきた。 「……ありがとう、小梅」 エリカはそのタオルで訓練で流した汗を拭いた。
7 18/03/07(水)00:23:09 No.489322864
「エリカさん……あまり思いつめないでください。確かに無限軌道杯は負けました。でも、あれは相手がこれまでの戦車道とは違った奇抜な作戦をとってきたからです。大洗の優勝後、そういった奇抜な作戦が流行るようになっています。でも、それはあくまで一時のものです。ずっとそんな戦法が通じるわけがありません。最後に勝つのは、私達黒森峰の王者の戦いです。だから……」 「……分かったわ小梅、分かったから……」 エリカは小梅にタオルを返す。 確かに小梅の言うことにも一理あった。黒森峰が負けたのは、相手が黒森峰対策に特化した奇抜な作戦をとってきたからであった。それは二度とは使えないような作戦だった。 だが、エリカは負けたのは事実であるし、その作戦に対応しきれなかった自分に原因があると思っていた。 故に、小梅の言葉はエリカには届かなかった。 それだけではなかった。 「あーあ、やっぱり私みほさんに隊長になって欲しかったよ」 それは何気ない隊員同士の会話だった。だが、エリカは聞き逃さなかった。 「だよねぇ、みほさんが黒森峰に残っていれば、こんなことにはなってなかったよねきっと」
8 18/03/07(水)00:23:31 No.489322927
その言葉がエリカの胸に刺さる。 エリカには隊長は相応しくない。その言葉を堂々と隊員が話していたのだ。 それはエリカが常々思っていることと一緒であった。 「そこ! 何言ってるんですか!」 その発言に、エリカの代わりに小梅が怒りをあらわにした。 話をしていた隊員達はその言葉にビクリと体を震わせる。 「す、すいません!」 「べ、別に私達隊長達に嫌味を言おうと思ったとかそんなつもりじゃ……」 「だからと言って、言っていいことと悪いことがあります! 今の黒森峰の隊長はエリカさんなんですよ! そのエリカさんを信じなくて、どうするんですか!」 「……めて」 「……すいません」 「そもそも、みほさんが転校した原因は私にあります。私が戦車を水没なんてさせなければ……責めるなら私を――」 「やめてっ!」 小梅が強い言葉で隊員達を叱りつけているのを、エリカは大きな声を出して遮った。 そのエリカの言葉に、その場にいた隊員達はみなエリカのほうを向いた。
9 18/03/07(水)00:23:50 No.489322990
「……もういいのよ小梅。彼女達の言っていることは間違ってないわ」 「エリカさん……!」 「私じゃなくてみほが隊長だったら、黒森峰は盤石だったわ。その黒森峰の土台を揺るがしてしまったのは、間違いなく私ですもの。だから、彼女達に非はないわ」 「で、でも……!」 「いいの! ……いいのよ、小梅……」 そこまで言うと、エリカは一人歩き始めた。そのエリカの後を、誰も追うことができなかった。 「……うっ、うああああああああああっ……!」 部屋に帰ったエリカは、膝から崩れ落ち泣き始めた。 「私、もう駄目……!」 エリカは涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、泣き言を吐いた。 「もう私に隊長なんて無理……! 私には黒森峰を勝利に導くことなんてできない……! 私は、黒森峰の汚点だ……!」 エリカは後悔していた。
10 18/03/07(水)00:24:08 No.489323090
隊長を辞退すればよかったと。戦車道をやらなければよかったと。そうすれば、自分の大好きな黒森峰に、西住流に泥を塗ってしまうこともなかったと。 「私じゃ、私じゃなければ……!」 エリカはもう限界だった。 自信の喪失。隊員達からの不信。戦いへの不安。失ったものへの未練。 「どうしれば……どうすればいいのよぉ……助けてよ、みほぉ……!」 そうしたものすべてがのしかかり、今にもエリカを壊そうとしていた。 「私じゃ……私じゃなければこんなことには……私じゃ……なければ……」 エリカの瞳から光が消える。 限界に来ていた彼女の精神は、そこで一つの答えを導き出した。 「そうよ……簡単なことだったじゃない……私じゃなければいいんだわ……私じゃなければ……はは、はははは……」
11 18/03/07(水)00:24:31 No.489323176
◇◆◇◆◇ 「エリカさん、もう朝ですよ。エリカさん」 翌日の朝。小梅はエリカの部屋の前に来ていた。 小梅はエリカの精神が不安定になってからというもの、毎朝エリカの部屋に通っては、一緒に登校するのが日課となっていた。 そうでもしないと、エリカが壊れてしまいそうで不安だったからだ。 小梅が扉を叩いてから少しして、扉が開かれた。 「あっ、おはようございます、エリカさん」 小梅はエリカに挨拶する。 その挨拶に、エリカも返してきた。その返事に、小梅は驚いた。 「おはよう、小梅さん」 エリカが笑顔で、まるで他人のような口調で小梅に挨拶してきたからだ。 「えっと……エリカさん、ですよね?」 「ん? そうだよ小梅さん。私“えりか”だよ? もう、朝から変なこと言うなぁ小梅さんは。ふふふ」
12 18/03/07(水)00:24:54 No.489323269
クスクスと笑う“えりか”。小梅はその様子に違和感しか覚えなかったが、どこか既視感のある印象も受けた。 「いつも迎えに来てくれてありがとうね小梅さん。それじゃ学校行こっか」 「は、はい……」 小梅は混乱しながらも上機嫌な“えりか”と共に学校へと歩いていく。 その道中で“えりか”は、小梅の知っているエリカからは考えられないほど、沢山の話をした。 「あっ、焼き立てのパンの臭い! 美味しそうー! 私朝はご飯だったけど、やっぱりパンもいいよねぇ、今度一緒に買いにいこうね、小梅さん」 「は、はい……そうですね……」 「あっ! 猫だ可愛いー! ほらほら、こっちおいで……あっ、行っちゃった……ううーん残念だなぁ。小梅さんだったら怖がられずに猫来たかなぁ?」 「ど、どうでしょうか……」 小梅は正直に言って今の“えりか”がとても不気味に思えた。 小梅の知っているエリカとはまるで人格が反転してしまっているのだ。そう思うのも当然だった。 そして、それがどこかで見たことのある言動なのも、小梅は引っかかっていた。 その引っ掛かりの正体を、小梅は次の瞬間理解することになる。
13 18/03/07(水)00:25:15 No.489323332
それは、通りにある古いポスターを見かけたときだった。 「あっ! ボコだー!」 “えりか”はそのポスターに描かれているキャラクター、ボコられ熊のボコを見た瞬間目を輝かせた。 「えっ……」 「かわいいー! こんなところにボコのポスターなんてあったんだねぇ! ふふ、得しちゃった気分」 そのとき小梅は気づいた。 今のエリカは、まるでみほのようだと。 ボコはみほの大好きなキャラクターだった。それをかつてエリカは「気持ち悪い」と一蹴していたのを小梅は覚えている。 そのはずのボコを“えりか”はとても愛おしそうに見ている。その視線は、まるでみほそのものだったのだ。 「エリカさん……どうしちゃったんです……!?」 小梅はとうとう耐えきれずに聞いた。しかし、“えりか”はそんな小梅に笑顔を見せ言った。 「ん? どうしたって? “えりか”は“えりか”だよ? 変なこと聞くなぁ小梅さんは。あっ、急がないと学校遅刻しちゃう! ほら! 急ごう小梅さん!」
14 18/03/07(水)00:25:33 No.489323391
「えっ? あっ……!」 小梅は笑顔の“えりか”に手を引かれ一緒に走る。 その手は確かにエリカのもののはずなのに、小梅は他人に手を握られているような感触しか受けなかった。 「それでは皆さん、今日の訓練を始めます。よろしくお願いします」 “えりか”は隊員達の前でそう挨拶した。 隊員達も彼女の豹変に動揺していた。目の前の“えりか”が昨日までのエリカではない。そのことは誰しもが感じ取っていた。 しかし、誰もそのことを口に出せず、訓練を始めた。 そして、訓練を始めるとまたも驚くことがあった。訓練における指揮が、まるでエリカの指揮とは別物だったのだ。 それは、まるでみほの指揮のようであった。
15 18/03/07(水)00:25:52 No.489323472
失敗をしたときの対応もまるで違った。以前のエリカなら失敗をしたときは厳しく叱責された。だが、今の“えりか”は―― 「大丈夫ですか? 落ち着いて次に活かしましょう」 と優しい言葉をかけてくれるのだ。 その“えりか”の指揮に、みな困惑したが、そこはさすがの黒森峰生である。すぐさま順応していった。 指揮の方向性が違ったことに困惑こそしたが、その指揮の内容が卓越した指示であったために、黒森峰の生徒達はむしろ充実感さえ感じていた。 「それでは今日の訓練を終了します。ありがとうございました!」 『ありがとうございました!』 訓練を終了し、黒森峰の生徒達は思った。今日は充実した訓練が送れた、と。 「なんか今日の逸見隊長変じゃなかった?」 「うん、そうだねー。でも、前の隊長よりはいいかも」 「そうだね、なんだか今の隊長なら勝てそうな気がするよ」 訓練後、隊員達はそんな会話を始めた。 みな、今の“えりか”のことを歓迎しているようであった。
16 18/03/07(水)00:26:15 No.489323578
だが、小梅は違った。小梅はその話を聞いてつい口を出したくなるほどイライラしたし、今の“えりか”ではなく早く元のエリカに戻って欲しいと思っていた。 小梅は“えりか”と一緒に帰った。その道中でも、“えりか”はまるでみほのような言動を取った。 そのことが、小梅の中で不満を大きくさせた。 「それじゃあ小梅さん! また明日!」 “えりか”は彼女の部屋の前まで行くと笑顔で小梅に言う。 「え、ええ……また明日……」 小梅は顔を無理矢理笑顔にして“えりか”に答えた。 そして一人で帰路につきながら、小梅はポツリと言った。 「……あんなの、エリカさんじゃないよ……」 翌日。 小梅は不安になりながらもエリカの部屋の前を訪れた。 彼女は思う。 ――またあのみほさんみたいな“えりか”さんだったらどうしよう。私は素直に笑って対応できるだろうか。できれば、いつものエリカさんに戻っていますように。
17 18/03/07(水)00:26:39 No.489323662
そんなことを考えながら、小梅はエリカの部屋の扉を叩いた。 そうしてしばらくして、扉が開かれる。出てきたのは―― 「……おはよう、小梅」 いつものエリカだった。 その事に、小梅は心底安心し心からの笑顔で言う。 「おはようございます! エリカさん!」 「……? なんか妙に元気ね小梅」 「いえ、そんなことないですよ。それより早く学校に行きましょう!」 「え、ええ……」 エリカは何がなんだか分からないと言った様子で小梅を見ながらも、小梅と一緒に登校する。 ――良かった……いつものエリカさんだ……! 小梅はそのことに喜ばしい気持ちになり、エリカに話しかける。 「今日はいい天気ですね、エリカさん」 「……ええ、そうね……」 しかしエリカはどこか不機嫌そうだった。
18 18/03/07(水)00:26:59 No.489323729
小梅はそこで、今いるエリカは未だ自分が隊長であることで悩んでいるのだと気づいた。 昨日とは違って、今のエリカは苦しみで満ちているようだった。 そこで小梅は気になった。 昨日のエリカは、一体何だったのだろうかと。なので、小梅は聞いてみることにした。 「あの、エリカさん……」 「ん? 何よ」 「その、昨日のことなんですけど……」 「昨日? 昨日がどうしたって言うのよ。何か変わったことがあった?」 「え?」 小梅は不思議に思った。エリカは昨日のことは覚えていないのだろうか? そう思い、さらに小梅は聞いてみることにした。 「あの……覚えていないんですか?」 「覚えてるって何をよ。別に昨日もいつも通りだったじゃない。いつも通り通学して、いつも通り勉強して、いつも通り戦車道で下手くそな指揮してみんなから馬鹿にされて……はぁ……どうして私ってこんなに駄目なのかしら」 どうやらエリカの中では昨日もいつも通りの一日を送ったことになっているようだった。 小梅は思う。では昨日現れた“えりか”は一体何者だったのか、何故エリカは昨日も普通に過ごしたように言っているのか。
19 18/03/07(水)00:27:19 No.489323811
考えれば考えるほど謎は深まるばかりだった。 小梅はそんな疑問を抱きつつも、昨日の事に触れるのはなんだか恐ろしく、それ以上話題に出すのは止めた。 そしてやってくる戦車道の時間。 「……それでは訓練を始めるわ」 エリカが覇気なく言う。そのエリカを見て、隊員達はがっかりしていた。 声に出さずとも小梅には伝わってきた。皆思っているのだ。 どうして昨日の“えりか”隊長ではないのか、と。 そのことが小梅を心から不快にさせた。あまりに不快だったせいで、その日は何度からしからぬミスをしてしまうぐらいだった。 そして訓練を終え、隊員達と共に小梅とエリカも一緒に帰った。 その道中に言葉はなかったが、小梅はエリカがエリカであることが嬉しかった。 できれば明日もいつも通りのエリカでいて欲しい。小梅はそう思った。 「それじゃあエリカさん、また明日」 「……ええ、また明日」 小梅は去り際にエリカに笑顔でそう言う。エリカはその小梅に暗い面持ちで返した。 そしてその翌日から始まったのだ。
20 18/03/07(水)00:27:39 No.489323887
エリカと“えりか”。同一人物のようで同一人物ではない、二人のエリカを迎える生活が。 エリカが“えりか”になるのは不定期だった。ある日突然“えりか”になり、それは一日だけで終われば数日間続くこともあった。 “えりか”でいるときの彼女はとても温和だった。 「うん! みんないい感じです! これなら次の試合もきっと勝てますよ!」 そう言って黒森峰の隊員を励ます“えりか”は、どんどんと隊員達の心を掴んでいった。 ただ優しいだけだからではない。“えりか”の戦略は、黒森峰の戦い方である西住流とはかけ離れていたが、それでもとても優れた戦い方だった。 おそらく“えりか”がエリカと戦えば、“えりか”が勝つであろうと、みなが思うほどには、変幻自在の戦い方を見せた。 だからこそ、黒森峰の隊員達はみな“えりか”を望んだ。 「今日はあっちの“えりか”さんだといいなー」 「そうだねー、元のエリカさんの訓練はただキツイだけで成長してる感じがしないよねー」 「うんうん、やっぱ“えりか”さんの戦い方が見事って言うかさー。理想の隊長って感じだよねー」
21 18/03/07(水)00:27:56 No.489323964
黒森峰の隊員は堂々とそんな話をしていた。 それを“えりか”は聞いているのか聞いていないのか分からなかった。ただ、隊員達にとてもフレンドリーに接していた。 一方、元のエリカはどんどんと求心力を失っていった。エリカの指示をロクに聞かない隊員が出て来るほどであった。 それは日常生活にも現れていた。みほのような性格をした“えりか”はクラスでも人気者になった。 「“えりか”さん! 一緒にお弁当食べようよ!」 「ねぇ“えりか”。勉強教えてよー」 「ねぇねぇ“えりか”! 昨日のテレビ見た?」 “えりか”の周りには常に人だかりができていた。 それに対し、元の性格のエリカのときは、誰も彼女に近寄らなかった。それは、エリカが周囲の人間を遠ざけているというのもあった。 だがそれ以上に、みな元のエリカよりももう一人の“えりか”を求めているという部分が大きかった。 「なんだー、今日は元のエリカさんかー」 「あーあ、今日は一緒に遊んでもらう約束だったのに」 「はいはい解散解散、触らぬ神に祟りなしってね」
22 18/03/07(水)00:28:18 No.489324043
エリカはどんどんと孤立していき、もう一人の“えりか”は友達を増やし充実した生活を送っている。 それは、まるで正反対の立場であった。 小梅はそんな状況が面白くなかった。 ――どうしてみんなエリカさんを無視するんですか!? あっちの“えりか”さんはあくまで偽物じゃないですか! 元のエリカさんだっていいところはいっぱいあるんですよ!? 小梅はどんどんとフラストレーションを溜めていった。 彼女にとってもうひとりの“えりか”が持て囃されている状況はとても面白くないものだった。 だが、その状況はさらに悪化していくこととなる。 もう一人の“えりか”が出て来る回数が多くなり、ついには対外試合のときまで“えりか”であることが多くなったからだ。 その契機は、“えりか”が髪を切ったことだった。 「あの、“えりか”さんその髪型は……」 「ん? ああイメチェンしようかなって。どう? 似合ってる?」 その髪型は、西住みほそのものだった。
23 18/03/07(水)00:28:45 No.489324143
それからと言うもの、エリカよりも“えりか”が表でいることが殆どになった。 対外試合での最初は、練習試合を予定していたプラウダでそうだった。 「あなた……エリーシャ?」 プラウダの隊長カチューシャは最初目を疑っているようだった。 「そうですよカチューシャさん、“えりか”ですよ。今日はよろしくお願いしますね」 カチューシャは以前会ったときとはまるで別人な“えりか”を怪訝に思いながらも試合に望んだ。 試合の結果は黒森峰の勝ちだった。 その内容は、巧みな戦術で黒森峰がプラウダを翻弄したものだった。 「見事ねエリーシャ! 今日の試合は今までの黒森峰との試合で一番楽しかったわ!」 「ありがとうございます! これからもよろしくお願いしますね、カチューシャさん!」 そう言ってカチューシャと“えりか”は握手をした。 そのとき小梅は思った。カチューシャは、“えりか”を認めたのだと。 それ以降、“えりか”は次々と他校との練習試合に臨み、どんどんと他の学校の隊長から認められていった。
24 18/03/07(水)00:29:06 No.489324229
サンダース、聖グロリアーナ、BC自由学園……そのどれもに勝利し、“えりか”は黒森峰以外でも人気者になっていった。 どうやら“えりか”には人誑しの才能があるようだった。小梅は、なんだかそれが面白くなかった。 元のエリカが否定されているような気がしてならなかったのだ。 さらに小梅が不機嫌になったのは、“えりか”が部屋にボコの人形を買い込むようになったことだった。 彼女の部屋はあっという間にボコだらけになった。“えりか”はまるでみほのようにボコ好きだったのだ。 意外なことに、元のエリカは部屋にボコが増えているのをおかしいとは思っていないことだった。 「なんだか気づいたらあるのよね。まあ別にいいんだけど……」 小梅が増えるボコについてエリカに聞いたとき、エリカはそう答えた。そのエリカの口調はとても荒んだものだった。 小梅から見て、エリカはどんどんと厭世的に、自暴自棄なっているように感じられた。 まるで“えりか”が人気者になっていくのに反比例するかのように。 このままではまずい。
25 18/03/07(水)00:29:22 No.489324299
小梅の中でそんな焦りが生まれるようになった。このままでは分からないが、エリカさんが消えてしまう気がする。そんな焦りが、小梅の中に生まれたのだ。 しかし、どうしていいか分からない。一度病院に連れて行こうかとも考えたが、元のエリカも、もう一人の“えりか”も、なんと説得すればいいか分からなかったし、病院にどう説明するべきかも分からなかった。 そうしていくうちに、どんどんと時間が流れていった。気づけば季節は春を目前とした三月となっていた。 それは、エリカの誕生日が訪れることを意味していた。
26 18/03/07(水)00:29:39 No.489324357
◇◆◇◆◇ 三月六日。 その日は、大洗女子学園との練習試合があった。あのみほがいる学校であり、昨年の全国大会の優勝校である。黒森峰としては負けられない相手だった。 「いよいよ来たわね……頑張りましょう、小梅」 その日のエリカは、元のエリカだった。 そのことに小梅は心から喜んだ。 「はい! エリカさん!」 小梅は、みほとだけは元のエリカに戦って欲しかった。 もう一人の“えりか”ではなく、エリカ自身に。それは、エリカがみほに対し特別な感情を抱いていることを、小梅は知っていたからであった。 だが、隊員達は不満そうだった。 「あーあー、せっかくの大洗との試合なのに今日はこっちの隊長かー」 「運が悪いなー。あっちの“えりか”隊長ならきっと勝ってたのに」 「今日は諦めようよ……またいつか機会はあるって」
27 18/03/07(水)00:29:55 No.489324406
その態度が、小梅は気に入らなかった。 「あなた達! なんですかその態度は! そんな態度で試合に挑もうとするのなら今すぐ帰りなさい! これはお遊びじゃないんですよ!」 「は、はい……! すいませんでした副隊長!」 小梅は隊員達を叱りつけると、エリカの元へと戻った。 「ん? どうしたの小梅」 「いえ、少しやる気のない子がいたので叱ってきました」 「そう……本来ならその仕事は私の仕事なのに……すまないわね、小梅」 「いいえいいんですよ、これも副隊長の仕事のうちですから」 そんな話をした後、小梅とエリカは大洗の生徒達の前に整列した。 エリカと小梅が一歩そこから前に出る。すると、相手のほうからは隊長であるみほと、新しく副隊長になったらしい澤梓という子が一歩前に出てきた。 「エリカさん! 今日は楽しみましょうね!」 大洗の隊長であるみほが、一歩前に出て言った。 「……ええ、負けないわよ。絶対」 エリカはただ一言、そう返した。
28 18/03/07(水)00:30:33 No.489324535
小梅はその一言に、エリカの強い意志を感じた。この試合にすべてをかける。そんな意志を。 「それでは、両者挨拶!」 『よろしくお願いします!』 そうして始まった。エリカと小梅にとっての、運命の一戦が。 「そこまで! 大洗女子学園の勝利!」 試合会場に高らかに声が響き渡る。それは、エリカ率いる黒森峰が敗北した証だった。 そのことに、黒森峰は全体的に暗い雰囲気になる。 一番苦しそうにしているのは、当然の如くエリカだった。エリカは悔しがっていた。今までにないほどに。 エリカは思っていた。みほにだけは負けたくないと。すべてを自棄的に考えるようになった今でも心の底ではそう思っていた。 だが、負けた。 そのことがエリカには悲しかった。 試合後、戦車から降りた両隊長と副隊長が並び立つ。そして、挨拶をする。 そうして挨拶を終えたエリカは早速帰ろうとした。その日の試合を反省するために、だ。
29 18/03/07(水)00:30:58 No.489324627
だが、そのエリカをみほが呼び止めた。 「エリカさん」 「……何よ」 「今日はいつも通りエリカさんらしい戦い方だったね」 「……それが、どうしたって言うのよ」 エリカがぶっきらぼうに返す。すると、みほが言った。 「……その、最近のエリカさんは新しい戦い方をしてるって聞いたから期待しちゃってたり……でも今日は黒森峰らしい戦い方だったから、ちょっと残念かなって」 「……っ!」 それを聞いた瞬間、エリカは黒森峰の学園艦に向けて駆け出した。 「あっ、エリカさん!?」 「エリカさんっ!」 みほと小梅がエリカの背中に向けて言う。誰しもが突然走り出したエリカに唖然とした。 その中で動いたのは、小梅だけだった。 「待ってください! エリカさん!」 小梅は、エリカの後を追った。
30 18/03/07(水)00:31:33 No.489324773
エリカはどうやら自室に戻ったようであった。それに続いて、小梅もエリカの部屋に入る。 「エリカさん、どうしたんですか……エリカさ――」 「あっはははははははははははははは!」 エリカは突如笑い始めた。ボコだらけの部屋でボコに囲まれながら、笑い始めた。 「私なんていらなかったんだ! やっぱり、私はいらない子なんだ! みほからも、他の子からも必要とされてない! 私は不要な人間なんだ! 私なんて……私なんて……あっはははははははははははははは!」 「……エリカさん?」 小梅は突然のことに言葉を失う。 そしてその次の瞬間、エリカは小梅を見て言った。 「……あっ、小梅さん! どうも!」 そこにいたのはもうエリカではない。“えりか”だった。 「……どういうことですか……さっきまでのエリカさんは……」 動揺して何が何だか分からない小梅。 その小梅に、“えりか”は言った。 「ん? ああ元のエリカ? 死んじゃったよ? たった今」 小梅に向かって、笑顔で。当然のことを言うように。
31 18/03/07(水)00:31:56 No.489324883
「……は?」 「だから、死んじゃったって言ってるの。私はねぇ、エリカが産んだ理想の“えりか”なんだ。エリカのこうありたい、こうあって欲しいっていう隊長像を作ったんだ。それが私、“えりか”。まあ、大分西住みほに影響されたっぽいけど……それで、エリカが辛いと思ったり、苦しいって思ったときは私が前に出てきたんだよね。いままでずっと」 “えりか”は小梅に説明を始める。 小梅は突然の説明に困惑した。だが、その話していることが聞き逃せないことなのは理解できた。 「でね、それでずっとうまくやってきたんだけど……どうしてもエリカは西住みほにだけは自分を認めて欲しかったらしいんだよねぇ。だから今日の試合はエリカにやらせてあげたんだけど……さっきの言葉がトドメになっちゃったんだよねぇ。西住みほが、エリカじゃなく、私を求めたことがね。だからもう、エリカは自分はいらないって思ったの。だから消えた。自分で自の心を、殺したの」
32 18/03/07(水)00:32:12 No.489324938
「……嘘だ……」 「嘘なんかじゃないよぉ。小梅さんはずっとエリカを支えてくれていたよね、ありがとう。でもね、もうその必要もないよ。だって今の私はみんなからの人気者で、戦車道も強い、理想の“えりか”なんだから!」 「嘘だああああああああああああああああああああああっ!」 小梅は膝をついて慟哭した。 喉がはち切れんばかりに、血涙を流さんばかりに。 信じたくなかった。否定したかった。 小梅の大好きだった、逸見エリカがもうこの世にいないなんて、思いたくもなかった。 「泣かないで小梅。エリカは死んじゃったけど、その代わり私がこうして今ここにいるから。私が……“えりか”がエリカの代わりになるから。だから泣き止んで、小梅」 “えりか”は笑顔で小梅の肩に手を置いた。 小梅はその手を振り払った。 「うるさいっ! 返してください……! 私の好きだった、エリカさんを返してくださいよ……! 返してくださいよぉ……!」 「小梅……」
33 18/03/07(水)00:32:27 No.489324988
“えりか”は小梅を憐れむ目で見た。 その目を見て、小梅は思った。 ――ああ、エリカさんは本当に死んじゃったんだ。だって、エリカさんは私にこんな目を向けるはずがないから。 「ああああああ、あああああああああああ……」 小梅は泣いた。泣くことしかできなかった。 エリカを失った悲しみに。そして何より、苦しんでいたエリカに何もできなかった自分の無力さに。 逸見エリカの心は死に、新しく逸見えりかが生まれた。 その日付は、三月六日。 奇しくも、逸見エリカの誕生日だった。 おわり
34 18/03/07(水)00:33:50 No.489325312
寝る前になんてものを……
35 18/03/07(水)00:34:49 No.489325544
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36 18/03/07(水)00:34:53 No.489325560
心という器は……
37 18/03/07(水)00:35:50 No.489325793
なんで誕生日にダークサイドやるんだよ!
38 18/03/07(水)00:35:53 No.489325802
カタルシスは…わるい黒森峰一般生徒がこの結果に後々罪悪感抱えたりするカタルシスはないのですか…
39 18/03/07(水)00:35:55 No.489325809
二度とは…
40 18/03/07(水)00:36:02 No.489325840
読んでいただきありがとうございました su2280650.txt 過去作もよかったら ・シリーズもの su2280653.txt ・短編集 su2280655.txt
41 18/03/07(水)00:36:38 No.489325963
そんな顔しないで下さい小梅さん…あのね…今日は『わたし』の誕生日なんだ…えへへへ
42 18/03/07(水)00:38:01 No.489326264
やつが幸せだからハッピーエンドだねッ
43 18/03/07(水)00:38:02 [す] No.489326266
>なんで誕生日にダークサイドやるんだよ! 誕生日だからに決まってるだろ! これが私なりの誕生日プレゼントだ!おらっ受け取れ逸見!
44 18/03/07(水)00:38:49 No.489326432
どうしてこんなになるまで放っておいたんですか…?
45 18/03/07(水)00:39:06 No.489326510
この世界にツェスカがいたらどうなるかすごい気になる
46 18/03/07(水)00:39:14 No.489326551
寝る前にこんな心を深淵に引っ張りこむようなのをよくぞ… おつらいけど面白い…
47 18/03/07(水)00:39:32 No.489326607
>これが私なりの誕生日プレゼントだ!おらっ受け取れ逸見! ありがとうダーク「」さん なんだかテレますね…あはは
48 18/03/07(水)00:40:07 No.489326728
エリカの命日でえりかの誕生日なんだ…
49 18/03/07(水)00:40:30 No.489326786
絶対これいいやつの顔してるやつだよ…
50 18/03/07(水)00:41:06 No.489326919
ところでだーくさいど「」 とちゅうでちょっとだけでぃすらなかった?
51 18/03/07(水)00:41:49 No.489327094
>確かに無限軌道杯は負けました まてまてまてまて
52 18/03/07(水)00:42:45 No.489327325
新しい逸見君の誕生だよ!!!!ハピバスデッ!!!!11!1!!!1
53 18/03/07(水)00:43:13 No.489327415
>絶対これいいやつの顔してるやつだよ… su2280672.png
54 18/03/07(水)00:44:12 [す] No.489327629
>カタルシスは…わるい黒森峰一般生徒がこの結果に後々罪悪感抱えたりするカタルシスはないのですか… 異端なのは元のエリカを望んでいた赤星だけで他のみんなは“えりか”になってハッピーだし…… >ところでだーくさいど「」 >とちゅうでちょっとだけでぃすらなかった? お姉ちゃんをディスるなんてとんでもない! 悪いのはガバガバオババです
55 18/03/07(水)00:44:45 No.489327743
えりかの指揮の下次の年度は優勝してみほとも結婚できるんだろうな
56 18/03/07(水)00:45:08 No.489327818
>新しい逸見君の誕生だよ!!!!ハピバスデッ!!!!11!1!!!1 あい!デスマンでちょうど後藤さん回でした!
57 18/03/07(水)00:46:06 No.489328021
新しい逸見君の誕生だ!!!!ハッピバッスデートゥーユー!!!!!!
58 18/03/07(水)00:48:21 No.489328493
私は面白かったわダーク「」リちゃん だって心の底で助けを求めていた相手に本当の自分を否定されてしまえば壊れもするよね 当のみぽりんの言葉に悪意のカケラも無い事が更にやつを追い詰める 更に赤星も自分ではダメだった事に気付いてしまって倍率ドンだ
59 18/03/07(水)00:58:43 [す] No.489330653
>新しい逸見君の誕生だよ!!!!ハピバスデッ!!!!11!1!!!1 >新しい逸見君の誕生だ!!!!ハッピバッスデートゥーユー!!!!!! 鴻上会長多すぎる…… >私は面白かったわダーク「」リちゃん >だって心の底で助けを求めていた相手に本当の自分を否定されてしまえば壊れもするよね >当のみぽりんの言葉に悪意のカケラも無い事が更にやつを追い詰める >更に赤星も自分ではダメだった事に気付いてしまって倍率ドンだ ありがとう「」ールグレイ姉さん…… いやあ最初はもっとエリみほ分濃厚にしようと思ったんですがDTMでエリ梅尊い……ってなっていつの間にかエリ梅主体になってました 赤星にはエリカさんに届きそうで届かないぐらいの位置が似合うと思います!
60 18/03/07(水)00:58:55 No.489330707
新しいやつの誕生だ大いに祝おうじゃないか
61 18/03/07(水)01:06:52 No.489332009
次の日… 「おはよう!小梅さん」 「おはようございます!えりか殿」
62 18/03/07(水)01:09:12 No.489332350
>赤星にはエリカさんに届きそうで届かないぐらいの位置が似合うと思います! 鬱なエリカを追い詰める赤星の激励いいよねよくない…(ゾクゾク
63 18/03/07(水)01:11:27 No.489332668
みんなこわれていく…
64 18/03/07(水)01:12:52 No.489332873
みぽりんが去った時点で逸見の崩壊は始まっていたのだ
65 18/03/07(水)01:13:12 No.489332928
カミーユやつ
66 18/03/07(水)01:15:19 No.489333302
地味に澤ちゃんが副隊長になっている と言うことは桃ちゃんは無事卒業して天王町へ…
67 18/03/07(水)01:16:33 No.489333508
これは終わりではないッ 始まりだッ!