18/03/06(火)06:24:06 ガルパ... のスレッド詳細
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18/03/06(火)06:24:06 No.489150032
ガルパンSS エリアリ エリカ誕生日おめでとう
1 18/03/06(火)06:24:26 No.489150042
冬の寒さも和らぎ、日中は春の穏やかな日ざしが感じられる3月の初旬、エリカは、満足げな表情で寮までの帰り道を歩いていた。 ささやかな黒森峰の誕生パーティーが終わり、プレゼントを受け取り、ドイツにいるまほからもビデオレターを受け取った。 その表情は普段のクールな雰囲気を漂わせながらも、どこか口もとが嬉しそうで、楽しかったさっきまでの出来事の余韻に浸っているよう。 皆からのプレゼントはボクササイズのグローブ──さて、そのはめ心地は……などと考えつつ歩くエリカの視線の先。 寮の前に、見慣れない人物が立っていた。 短いお下げの赤毛髪……ええと確か、あれは──。 「お帰りなさい、サンダースのアリサよ」 「ああ、誰かと思えば……いったい何のご用?」
2 18/03/06(火)06:24:42 No.489150054
普段のタンクジャケットとは違う、ちょっとロリータがかったガーリーな格好をしたアリサは、すこしもじもじしながら、背中から花束を差し出した。 「誕生日おめでとう、エリカ」 「???」
3 18/03/06(火)06:25:02 No.489150060
よく片づけられたシンプルな──悪く言えば殺風景な部屋。 エリカはアリサを招き入れると、電気ケトルに水を入れて2人分のお湯を沸かした。 アリサは部屋の花瓶に花束を入れると、エリカがお湯を沸かしてる間にバースデーケーキをテーブルに置き、プレゼントの入ったラッピングをちょこんと乗せる。 「飲み物はコーヒーでいい?」 「構わないわ、急いでたから飲み物まで手が回らなかった、ごめん」 「何ならノンアルコールビールもあるけど」 「要らない、……やけ飲みしそうだから」 「はぁ? 私の誕生日に何でやけに?」 「まぁいいわ。とにかく、ハッピーバースデートゥーユー、エリカ」
4 18/03/06(火)06:25:23 No.489150081
奇妙でささやかな誕生日パーティー、の二次会。 本来ここにいるはずのない──ほぼ面識のないサンダース大付属の隊長アリサが──黒森峰の隊長の逸見エリカの誕生日を祝う。 よく分からないシチュエーション。 小さなデコレーションケーキの8本──1本は大きめの蝋燭、の火を吹き消して、アリサがわざとらしく拍手をする。 「プレゼントも有るわよ」 「ありがと……ってなにこれ」 「なにこれって……、手編みのマフラーだけど」 「春がもうすぐだってのに手編みのマフラーは無いんじゃないの?」 「うっさいわね! まだ寒いからマフラーだって必要な日はあるわよ!」 「ていうか手編みのマフラーを彼氏でもない相手にプレゼントするってどうなのよ、だいたいあんたに誕生日を祝われる筋合いはないわ! なんか裏があるんじゃないの!?」 「裏なんかないわよ! ただムカつく事があったから……祝いたいだけよ!」 「はぁ!? ムカつくことって!?」
5 18/03/06(火)06:25:40 No.489150095
アリサは語った。 好きな人に渡そうとしてメールボックスに入れたバレンタインチョコに、自分の名前を書き忘れるという大失態を犯した彼女は……、 ホワイトデーまでに劣勢を挽回すべく、慣れない手つきで編んだ手編みのマフラーと、メッセージカードを添えた花束を用意して、意を決してプレゼントをしようとタカシの寮の近くにやってきた。 そこで──彼女は目撃してしまった。
6 18/03/06(火)06:26:12 No.489150115
「タカシがね……他の女の子と歩いてるのを見かけてさ。仲良さそうに」 「はぁ」 「なんかすごく悲しくなって、ムカついて……さ」 「それで?」 「それでもなにも、ムカついたからどうしようか、家でフライドチキンでもヤケ食いしようかと考えてたら、あんたが今日誕生日だってのを思い出して!」 「思い出して?」 「ケーキを買ってオスプレイを飛ばしてお祝いに来たのよっ!!」 「なによそれ、話が繋がってないわ、全然関係ないじゃない」 「関係なくないわよ!このアリサ様が祝福に来たのよ! だいたい何よ! あの子が好きなんじゃなかったのタカシは!!! なんで別の子と歩いてるのよ! ホワイトデー間近のこんな時期に!!!!」
7 18/03/06(火)06:26:29 No.489150132
「ここでこんな事言われても困るわよ! だいいちわたしがなんであんたの愚痴を聞かないといけないの!?」 「愚痴じゃないわょお! こころの叫びよ! タカシは何でそうなのよーーーーーー!!!!!!」 「あーっ!うるさいっ! 隣に迷惑でしょう隣にっ!」 「なんで振り向いてくれないのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 わんわん泣き出したアリサの口にエリカがケーキを放り込む。 むぐむぐとケーキを飲み込むと、またタカシー! タカシー! と号泣が始まる。 「あ゛ーーーーーっ!!!」
8 18/03/06(火)06:26:49 No.489150149
業を煮やしたエリカは、アリサの首根っこを掴んで夜の街へと繰り出した。 「──というわけでやってきたわにカラオケボックス! ここで好きなだけしゃべくりなさい!」 「ううううっ……ぐすっ。……ふっふっふ、タカシへの思い、ここでぜぇんぶぶちまけてあげるから覚悟しなさい」 「とりあえず中島みゆきと西野カナ50曲入れといたから」 「あらぁ、助かるわぁ……って! なんでその二人!?」 「ほらマイク! まず一声上げなさい、さんはい」 「タカシの、ばかああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
9 18/03/06(火)06:27:13 No.489150165
◇◆◇ 所変わって大洗学園艦、みほの部屋。 あんこうの5人がこたつでダラダラ過ごしながら、みほはスマホをポチポチと操作していた。 「エリカさん返事無いね、誕生日プレゼント届いたのかな」 「去年はすぐ返事が来たのに、おかしいですねぇ」 「あ、なんかメッセージ来た……ええと、『アリサとカラオケ50連発!』……?」 「? 変わった組み合わせですねぇ」 「何があったんだろ、えりりん」 「アリサさんと、カラオケ……ですか」 「どうせろくな理由じゃないだろ、でもこの写真、楽しそうだな」
10 18/03/06(火)06:27:33 No.489150184
「何歌ってるんだろうねー、ん……『わかれうた』ってなに?」 「──道に倒れてなんとやら──中島みゆきだな」 「……古い歌知ってるね」 「でも、アリサさん超気合い入ってますね」 「撮ってるえりりんもきっと楽しいよね」 「いい誕生日になって、よかったんだよ、きっと」 『誕生日おめでとう、エリカさん』 次いで、肩を組んで二人で熱唱する自撮りも送られてくる。 みほを始め、あんこうの面々もこの奇妙なコンビの誕生日カラオケを、遠くから祝福していた。
11 18/03/06(火)06:28:13 No.489150208
おしまい エリカとアリサは多分相性いいから書いてみました エリカ、誕生日おめでとう!
12 18/03/06(火)06:33:19 No.489150412
面倒見のいいやつすぎる…
13 18/03/06(火)06:37:43 No.489150611
こんな時間にキテル…
14 18/03/06(火)07:01:34 No.489151567
早朝からなんなの…
15 18/03/06(火)07:11:37 No.489152004
アリサにうらみ・ますを歌って欲しい
16 18/03/06(火)07:25:16 No.489152702
もうタカシは諦めた方がいいんじゃないかな
17 18/03/06(火)07:25:30 No.489152708
キテル…
18 18/03/06(火)08:18:44 No.489156287
キテル...
19 18/03/06(火)08:19:46 No.489156372
この2人のヤケカラオケはすごい想像できる
20 18/03/06(火)08:32:21 No.489157413
>エリカとアリサは多分相性いいから書いてみました ドリタンでもめっちゃキテたよねこの二人