18/03/04(日)19:23:29 「村雨... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1520159009560.jpg 18/03/04(日)19:23:29 No.488826617
「村雨はちょっと働きすぎなんじゃないかって私はたまに思うんだよな」 「……まあ、世間一般の社会人よりは遥かに働いてるだろうとは思うが」 執務室のソファに座り、右足を左腿の上に置きながら焔は質問してきた。 スカートではなくジャージ姿での出で立ちではあるものの、まったく行儀の悪い話だ。 「曲がりなりにも天下の鳳凰財閥の経営者の端くれだ。上がサボってちゃ示しがつかん。もっとも、部下にそれを強いたくはないものだが」 「……ま、村雨がそれで納得してるみたいだから護衛の身の自分がどうこう言う権利もないけどさ」 「随分歯切れの悪いことだな。お前らしくもない」 「私らしくない、か。そりゃ私だって、言葉を選びたくなることはあるさ。大切な雇い主相手なら尚更な」 「言わんとする事はわかるさ。最近の俺はあまり修行もしてる時間がないからな」 「う」 図星とばかりに焔はポニーテールの側を掻いた。
1 18/03/04(日)19:23:50 No.488826733
「忍に未練がないと言えば嘘にはなるが、お前達の相手をしてるのはそれはそれは楽しいんだよ。 飛燕で皆を守れはしなかったが、こういった俺ならではの形で人に貢献できるということがお前達がいると分かりやすく判るからな。それに」 「……それに?」 「あの時詠を救えたことで俺の忍としての鍛錬は無駄じゃなかったって、そう思えるからな」 その事についてだけは確信を持って言える。ある種の感慨と共に俺は自分の右手の掌を見つめ、そして握った。 「なるほどねぇ……ん?」 何かを感知したように扉の方に目を向けた焔は、僅かに目を伏せてから楽しそうに唇の片側を吊り上げた。 「どうした?」 「いんや、詠の奴はずるいよなって思っただけだ」 「なっ……別に、焔だって俺の手の届く範囲ならきっと守ってやるさ。大人の世界の力で、だがな」 「そいつは殺し文句だな……別に実力で救ってくれてもいいんだぞ!詠みたいに」 「……そんな日は未来永劫やってこないと思う」
2 18/03/04(日)19:24:48 No.488827005
「詠お姉ちゃん風邪でも引いたの?顔まで真っ赤だけど」 「な──なんでもありませんわ……なんでも……」 聞き耳を立てるつもりはなかったのだが、執務室に偶然入ろうとした時に飛び込んできた”殺し文句”で詠の思考は真っ白になってそのまま踵を返してしまったのだ。 その場でへたり込まなかっただけマシと言う他ないぐらいの、まさしく穴があったら入りたい心境で詠はしばらく悶々とし続けたのだった。
3 18/03/04(日)19:38:20 No.488831388
次に会った時にまともに顔見れるかな…
4 18/03/04(日)19:54:01 No.488837288
やめなよサラッとノロケるの