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18/02/21(水)00:25:26 エリみ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1519140326409.jpg 18/02/21(水)00:25:26 [su2258784.txt] No.486406572

エリみほ みほゆかは付き合ってる かわいそうなエリカさんのバレンタイン

1 18/02/21(水)00:25:53 No.486406673

最初に言っておく。これは私がかなりひどい目に合う話だ。  バレンタインデーなんて、と思ってちゃんと向き合わないと大変なことになる。私、逸見エリカはそれを強く思い知った。  それでも、仕方ないのだ。そもそもが大変なのだもの。なんせ女子ばっかりの競技で隊長職なんてやっていると、それなりに数をもらってしまうものだし、チーム内での友チョコの贈り合いなんてのもあるし、とにかくいろいろとカロリーがかかる。精神的にも、お財布にも。しょうもないイベントだなんて思うこともあるけれども、どうせやるならそれなりに見栄も張りたいし。ああ、ドイツにいるまほ隊長に贈ったチョコ、ちゃんと届いているといいな。本当は卒業前にちゃんと直接手渡したかったのに。  まほ隊長から私が隊長を引き継いだように、チームも三年生が引退し、体制が変わっていろいろと忙しい。そんなときだから変なストレスがかかるイベントは本来ならば遠慮したい。私は元来細かいことが気にかかる性質で、結構負担に感じてしまう方だし。  渡すかどうか迷って結局渡せない、とか、そういう精神的な負荷はごめんだ。  それも、片想いの相手にとか。

2 18/02/21(水)00:26:18 No.486406792

「しっかし、まあ」 「どうしました?」  私の漏らした独り言に、横を歩く赤星小梅が反応する。口に出してしまったか、と肩を竦めて仕方なしに続きをぼやく。 「こんな日に練習試合頼むウチもウチだけど、受けるサンダースもサンダースよね……」 「こんな日って、ああ、バレンタインですか?」 「よく受けてくれたわね、ケイ……いや、アリサか」 「さすがになんかちょっと迷ってたみたいでしたよ。向こうも思うところあったみたいで」 「へえ、そうなの」  明日はバレンタインデー。そして我が黒森峰対サンダースの練習試合。我々が新体制になったように、向こうも三年生は出ないでアリサがチームを率いるという。  今回の練習試合は小梅の発案だ。なにを思ってこの日程で提案してきたか知らないけれど、隊長としてはノーと言う理由もなかったので承認した。若干の士気の低下は懸念していたが、チーム内からは意外なことに表立った不満は出なかった。どうせ学園艦ごと移動するのだ。渡したり渡されたりに対した影響はないということだろう。そもそもウチは女子校だし。

3 18/02/21(水)00:26:39 No.486406882

だから、私も西住みほへのチョコは、送らないでいいかなって。  試合があるから。戦車の方が大事だから。そんな理由で。そんな理由を自分に言い聞かせて。  それに、みほには恋人がいるし。秋山優花里と言う名のバカが。  そう。私の片想いは、もうとっくに失恋済み。  黒森峰時代からずっと好きだった。あの子が大洗に行ってしまって、それから後もいろいろあって、結局私は西住みほへの気持ちを伝えられないまま。その間に秋山優花里が勇気を出して告白して、晴れて二人は恋人同士になった。私は自分の気持ちに素直になれず、変な意地を張ったり、秋山優花里とかいうバカの恋愛相談を受けたりしていた。  だから本当は私がチョコを渡すなんて可笑しい話なのだ。  きっとみほはあの馬鹿から貰うんだろう。あの馬鹿で、素直で、あの子のことが大好きな恋人から。きっと。そしたら私のチョコなんて意味がないじゃないか。笑える。そもそも私の自己満足だ。なにも変わらない自己満足。友チョコだって言い張って、気持ちを隠して、でも、それでも渡したい、自分を慰めるみたいなバレンタイン。

4 18/02/21(水)00:26:59 No.486406970

だったら、いい。バレンタインなんてなくていい。試合で、ちょうど良かったんだ。  かくして私はここにいる。提案から試合のセッティングまでを担当した小梅を副官に、私は明日、二月十四日の試合に備えて偵察行動に出ている。移動用にケッテンクラートを二台駆り出して、二人で戦場となる地を見て廻る。  試合会場はゆるい丘陵へと続く開けた平野。試合にあたって留意しておくべきなのはぽつぽつと茂る森林と、試合エリアの真ん中を貫く川、そして丘陵地帯にあるかつての採石場だろう。とくに採石場、このやや特殊なポイントが鍵を握りそうだと私は踏んでいる。既に本来の役割としては機能していないのだが、いまだ映画やテレビの撮影などで使われているとのことだった。実際、この後もサンダースの映画スタジオが撮影に使うという。学園艦に映画スタジオがあるというのもすごい話だ。なにかあって、明日の試合に影響がないと良いのだが。  撮影というのに一抹の不安はあるけれど、良い面もあった。普段から撮影に使われているからか、この採石場へと続く近隣の道路はきちんと舗装されている。足回りに不安が残る我が黒森峰の重戦車にとっては有り難い話だ。

5 18/02/21(水)00:27:22 No.486407070

「この採石場がやっぱりポイントになるわね……」 「そうですね……ここに陣取るというのも選択としてはありだと思います。ただ向こうもそれは警戒しているでしょう」 「そうね」  向こう、ね。アリサはなにをやってくるやら。向こうも思うところあったみたい、と小梅は言っていたっけ。アイツならタカなんとかっていう片想いの相手にチョコを渡す渡さないでムシャクシャしていそうだ。その辺を精神的に突いてやる、というのはアリだろうか。兵は詭道なりというが、西住流としては……。 「……ちょっと待って、向こうも思うところってなによ。向こうも、って。も、って」 「なにがですか?」 「向こうもって、まるで、こっちも……」 「あー! やっぱり逸見殿だ! 逸見殿ー!」  聞き覚えのある間の抜けた声が耳に飛び込んできた。反射的に振り向いて、遠くで大きく手を振るもじゃもじゃのシルエットと、その少し後ろをゆっくりと歩く少女の二人組を目にする。

6 18/02/21(水)00:27:43 No.486407144

「げっ、秋山……とみほ……」  秋山優花里と西住みほ。私の頭を悩ましている二人だ。チョコレートを渡すかどうか、ずうっと迷っている相手。  優花里は手を振りながら一度私の方へと全力でダッシュした後、みほが後ろにいることを思い出したのかそのままの勢いで走って戻った。そうしてみほと一緒に小走りに近づいてくる。  その動きに、私は興奮する愛玩犬を連想した。  近くまで来た二人が、軽く息を切らしながら私たちの名を呼ぶ。 「逸見殿ぉ! 赤星殿ぉ!」 「エリカさん、小梅さん」  私は多分阿呆みたいな面を晒していたことだろう。目の間に二人がいることが頭の中で噛み砕けなくって、そろそろと二人を指差して呟いた。 「なんで、あなたたちここに?」 「明日試合だってさっきケイさんに聞いたから、もしかしたらと思ったら……会えてよかった」  みほがはにかむように微笑む。私はなんだか気恥ずかしくて目を逸らした。横で小梅がクスっと笑った気がした。うう……小梅め……。

7 18/02/21(水)00:28:03 No.486407220

「我々はサンダースの映画スタジオに用がありましてぇー」  間延びした優花里の声で、ここに来る前の試合会場の説明を思い出す。 「ああ、なんか言ってたわね、このあと撮影に使うとか」 「そう! すごいんだよ! 映画の再現してくれるの!」  再現? 私は辺りを見回す。 「この……採石場で?」 「あそこに青いシートがあるでしょ! もう用意はじめてくれてるみたい!」  確かに採石場の一角にビニールシートとタイガーロープで仕切った箇所があった。放棄された廃材かなにかかと思っていたが、撮影用の大道具だったのか。どうせ弾除けにも遮蔽にもならない大きさだから、大して気にも留めていなかったけれど。 「なんの再現?」 「エリカさん! よく聞いてくれました!」  ふと口を突いた疑問に、みほが満面の笑みで答える。 「ボコです!」  あ、聞いちゃいけなかったやつだ。

8 18/02/21(水)00:28:23 No.486407286

「そうなの! ボコの第12シーズン、ボコRX、最終話でね! あ、このシリーズは特撮風だから着ぐるみタイプのボコで撮影してるんだけど、光の杖でボコボコにされたボコがね! すっごいことになるシーンがあるんだ! でね! 似たようなシーンをここなら許可が下りて撮れるからって! 優花里さんがね! サンダースのひとにお願いしてくれて!」  みほはボコのことになると早口で気持ち悪い。 「ケイさんとはなんだかんだで仲良くしてもらってましてぇ、その縁で、サンダースの映画スタジオの特技班に。一緒に撮影もするからちょうどいいって」 「それは……酔狂なことで」 「エリカさん?」  嗜めるような小梅の声におっと、と口を噤む。ボコを貶すと、みほはどういう反応をし始めるかわからない。余計なことは言わないが吉だ。幸い聞き咎められなかったか、いかに作品が素晴らしいかを普段とはまったく違うよく回る舌で話し続けている。私はそれをほとんど聞き流しながら優花里に質問した。 「秋山がわざわざ手配したの?」  頷く優花里を遮ってみほが興奮した様子で言う。満面の笑顔。 「そうなの! 優花里さんからのバレンタインのプレゼントなんだ!」

9 18/02/21(水)00:28:43 No.486407359

「バレンタイン……。そう、良かったわね」  バレンタイン。あまり聞きたい単語ではなかった。せっかく試合に集中して考えないようにしていたのに。しかも、渡そうか迷っている本人の口から。  そんなものが恋人からのプレゼントになるというのか、疑問がないでもなかったが。 「あっ、いけない、チョコ、持ってくればよかった」 「チョコ」 「うん、友チョコ」  みほの口から出た単語に、ちょっとだけ息苦しくなるような思いがした。当たり前だけれども、みほと私の間のチョコレートは、友だちの間のチョコだ。  一年生の頃を思えば、友だちでいれるだけ、まだマシか。 「その、私に?」 「エリカさんと、小梅さんに。黒森峰に送っておいたから……食べてくれると嬉しいな」  私はみほの顔を直視できなくって、誤魔化すように優花里へと矢を向ける。 「ふーん、秋山、あなたは」 「あはは、すいません忘れてましたぁ」 「あなたねえ……」 「すみませんこれから用意します! ちょっと黒森峰に届くのは遅れるかもしれませんが! ちゃーんとお二人に送りますねぇ!」

10 18/02/21(水)00:29:07 No.486407463

「友チョコ! ですからね! エリカさん! とーもーちょーこ、です!」 「わかってるわよ!」  なぜかみほは私が秋山優花里を狙っていると勘違いしている。  私が好きなのは西住みほ、あなたなのに。  厄介な話だ。  ああ、もう解放して欲しい。この子たちとバレンタインの話なんて、したくない。なんで。こんなことに。なんでまるで狙ったみたいに、試合の前日にこの子たちが……。  ……狙ったみたいに?  放っておくとみほはまたボコについて語り始めだったので、適当に話を打ち切って、本来の目的である下見へと戻る。二人は撮影の準備とか言ってビニールシートの周りでなにかわちゃわちゃとやっていたようだったが、しばらくすると手を大きく降って去って行った。  ちょうどその頃には私たちも地形の検討に目処をつけて、ため息をひとつ。 「で。小梅」 「なあに、エリカさん」 「仕組んだわね」 「大変だったよぉ。私、策士は向いてないんだよ?」

11 18/02/21(水)00:29:54 No.486407653

眉の下がった人の良さそうな笑顔で小梅が言う。ちょっぴりすまなさそうに。最近気づいたのだけど、こいつはこういう顔をして、全然すまなそうに思っていないときがある。なにが向いていない、だ。いろいろと影で動き回っているくせに。 「はあーあ。一応、礼を言うべきなのかしらね。気を遣ってもらったのかしら。余計な気をね」 「で、エリカさん、渡さなくていいの? その、鞄の中に入れっぱなしのチョコ」 「……なんで知ってるの」  どきりとした。  確かに私の鞄には、送るかどうか悩んで機会を逃し続けたチョコレートが入りっぱなしになっている。どこかで見られたか? 恐るべき観察力だ。まさかそこまで見通して、この採石場での出会いを仕組んだのか? どこまで見通して? いや、さすがにまさにこの場所で会うのまでは偶然だろうけど。きっと秋山優花里からサンダースへ行くことでも聞いて、この練習試合を仕込んだのだろう。どこかで出会うことを期待して。私がみほにチョコレートを渡す機会が生まれるように。  目の前で笑う小柄な女の子のことが怖くなってきた。  策士は向いていない? 一体どこが。

12 18/02/21(水)00:29:57 No.486407662

txtでまとめてるなら書かなくていいのでは…

13 18/02/21(水)00:30:24 No.486407766

「エリカさんのことだもん。隊長のことはしっかりサポートしてあげないと」 「そういうのを余計なお世話って言うのよ」 「追いかけないの?」  私は目を瞑って、数秒間だけ考えて、大きく息を吸って、吐き出した。 「小梅」 「なんですか、エリカさん」  鞄を開けて、片手に収まるくらいの小さな包みを一つ取り出して差し出す。 「はい。これ」 「え? ……私に?」 「友チョコってやつよ。お世話になってるし。あ、違うわよ。あの子たち用のをそのままあなたに、ってのじゃないからね。ちゃんとあなたのために買ったやつだから」  自分でもよくわからない台詞を喋りながら、一日は早いけど、と突き出すと、小梅はなんだかびっくりした顔をしながら両手で受け取った。 「……エリカさんから貰えるなんて、思ってなかった」 「なによそれ、あの子たちにあげて、あなたにあげないわけないでしょ。友だちなんだから」  小梅がにっこりと笑う。ちゃんと嬉しそうに。 「そういうとこ好きだな。エリカさん。もっと素直になればいいのに」

14 18/02/21(水)00:30:45 No.486407839

「もう! 小梅!」 「きゃー!」  楽しそうな悲鳴をあげて、笑いながら逃げていく。  ほんと、なにが策士は向いてない、だ。ひとでなしめ。 「エリカさーん!」  遠くで小梅が叫ぶ。 「私、先戻ってますからー! ごゆっくりー! このあと、なにがあっても私は見てませんからねー!」 「うるさいわよ!」 「追いかけるなら早い方がいいですよー!」 「ほっときなさいよー!」  まったく、もう。  私は唇の端をほんのすこし歪めて小梅を見送る。  余計な気を回すんだから。  さて、どうするか。とりあえず小梅には渡したけれど、あの子の言う通り追いかけて渡す? なんだかちょっと必死じゃないか、それ。恥ずかしい。  そんなことを考えながら辺りを見回せば、あの子たちが撮影に使うという一角が目に入る。何の気なしに近づくと、輸送用のコンテナみたいな木箱の上に、クマのぬいぐるみが置いてあった。

15 18/02/21(水)00:31:09 No.486407921

「ボコじゃない」  あの子たち、散々ボコがどうとか言ってたわりに、忘れて行ったのだろうか。  持って行ってあげようか。  クマと落し物って、なんだか童謡みたい。 「お嬢さん、お待ちなさい……って、そんな間抜けじゃないわよ私は」  まあ、みほのことだ。あれだけのボコき……ボコ好きだ。すぐ気づいて取りに来るだろう。  持ち上げてしげしげと眺めていると、ふと、ボコの背中に気がついた。  チャックがついている。こんなタイプもあるのか。なんだか子どもの夢を壊しそうだけど。着ぐるみタイプとか言っていたっけ。劇中の再現か。中を開けると、ほんのすこし空間がある。自身の綿で圧迫されてあまり大きなものは入らないけれど、ちょっとしたポーチとしても使えるのだろうか。  ……そうだ。  渡すのはどうしても、恥ずかしいから。  気づくでしょ。あの子なら。  気づかれなかったら、それはそれでいい。  言うのも渡すのも恥ずかしいし。気づかれたら、ちょっとラッキー。それくらいで。

16 18/02/21(水)00:31:31 No.486407994

みほへ、とだけ書いたカードと一緒に、片手に乗るくらいの小さなチョコレートを熊の人形に詰め込む。溶けたって知るか。どうせずーっと鞄に入れっぱなしだったんだ。もうどうなっても知らない。  ひとつ入れて、ふと思う。  あいつのはどうしよう。あのバカのは。  秋山優花里のは。  一応あるのだ。友チョコだけど。  忘れてましたぁじゃないわよ。なんなのあれ。わたしだけ意識してるみたいで、むかつく。もう、あげないでおこうか。  でも友チョコだとしたら、みほにだけで優花里へはないってのも、なんかその……変な感じだ。みほへのサプライズみたいで。あの子が特別みたいで。特別っていえば、特別なんだけど。好きだったし。いまでも、好きだし。  でもあの子は優花里の恋人で。  でも私は優花里が嫌いになれなくて。

17 18/02/21(水)00:32:02 No.486408111

「あーもう! バカ秋山!」  ペンを取り出して、優花里へ、と書いたカードにおっきくバツをつけ「バカへ」と書き直す。もやもやする心を優花里への怒りに変換しながら、ちょっと乱暴にボコへと詰めた。  ケッテンクラートでもう少し気になるところを見回って、チームへと合流する。帰り道で数台のバンとすれ違った。あれが撮影隊とやらだろうか。思ったより時間を食ってしまった。 「遅かったじゃないエリカ!」  なぜか黒森峰のベースを訪ねていたサンダースのケイに、ハグで出迎えられた。この人のこういうノリは正直苦手だ。そのままヘッドロックのような体勢に移られる。 「で、アリサたちには勝てそう? 強いわよー来年のウチは」  私はもがいて抵抗しながらも、出来るだけ自信満々に言ってやる。こういう言い方は悪役っぽく見えるからやめろと、たまに小梅に注意されるんだけれども。 「勝つに決まってるでしょ、黒森峰をなんだと思ってんのよ」 「オゥ! 言うじゃない! まあ撮影時間ギリギリまで粘って下見してるんだものね! いい作戦思いついたのかしら? もうちょっと遅かったら巻き込まれてそのケッテンクラート、撃破されちゃうところよ!」

18 18/02/21(水)00:32:24 No.486408200

耳に覚えはあるけれど、違和感のある言葉があった。撃破? 「撃破? 撮影で?」  なぜ? なんで撃破されるんだ? 砲撃されるわけでもあるまいし。 「そう! 採石場でスーパーヒーローものを撮るからね! 火薬使って」 「火薬……?」  なぜ撮影で火薬? ヒーロー? 「あれ? オッドボールとミホから聞いてない? 一緒にほら、あのクマ、ボコだっけ? ボコも爆破シーン撮るのよ」 「クマ? 爆破?」 「最近なかなか爆破許可降りるとこがなくてウチの映画スタジオも困っててねー! 試合会場ならどうせ砲弾飛び交うから許可も下りやすくって!」  ええと、それは、つまり。 「爆破って? 爆破するってこと? あそこ」 「Sure、爆破」 「それって、爆発する爆破?」 「なに言ってるの? もちろんよ。エクスプロージョン。最近はCGで済ませるところもあるけど、ちゃんとガソリンいれたりセメント入れたりするプロフェッショナルのテクニックがあるのよ。昔うちのスタジオが島の地形変えちゃったのよね! めっちゃ怒られてー!」 「爆破?」

19 18/02/21(水)00:32:45 No.486408270

「だからそう、爆破」 「ボコを?」 「イエス、ボコよ」 「じゃあ、私のチョコは?」 「チョコ?」  遠くから、腹に響く轟音が聞こえてきた。  そのあと小梅が土下座でもしそうな勢いで平謝りしてきたので、ひとまず頬をつねって、それから一緒にチョコレートを買いに行った。ついでに罰として高くて美味しいチョコケーキを奢ってもらう。  とりあえず、贈れたから、許す。

20 18/02/21(水)00:33:03 No.486408332

>txtでまとめてるなら書かなくていいのでは… ばっきゃろースレで見るのが乙ってもんだろ

21 18/02/21(水)00:33:14 No.486408380

テキストー su2258784.txt バレンタインって2/21だよねたしか

22 18/02/21(水)00:36:31 [sage] No.486409145

>>txtでまとめてるなら書かなくていいのでは… >ばっきゃろースレで見るのが乙ってもんだろ そういってもらえるといっぱいうれしい でも「」ちゃんにいっぱい怒られたらちゃんとする

23 18/02/21(水)00:37:35 No.486409369

小梅はいいポジションだな…

24 18/02/21(水)00:39:31 [sage] No.486409764

ひさしぶりだったので過去まとめtxtを貼ろうと思ってたけど うっかり消してしまったので復旧してる スレ落ちるまでには貼れると思う いろいろすまない

25 18/02/21(水)00:39:59 No.486409860

乙な乙

26 18/02/21(水)00:46:37 No.486411206

みほから恋敵に勘違いされているのいいね…

27 18/02/21(水)00:48:16 No.486411541

月に足跡残せるこのご時世に爆発オチか…

28 18/02/21(水)00:50:43 No.486412078

えっ月面探査に参加してうっかり月面公開ラブレターを書いてしまうエリカですって?

29 18/02/21(水)00:52:58 [sage] No.486412580

su2258865.txt 過去詰め合わせでございます >月に足跡残せるこのご時世に爆発オチか… これはピンク「」が爆発オチで書けって…

30 18/02/21(水)01:02:29 No.486414425

赤星さんは気がきく子だよ…

31 18/02/21(水)01:02:46 No.486414465

>>月に足跡残せるこのご時世に爆発オチか… >これはピンク「」が爆発オチで書けって… まあこのレスも俺なんだがな… がんばって書いたね 偉いぞ

32 18/02/21(水)01:05:37 No.486414990

>これはピンク「」が爆発オチで書けって… あいつ…やりおる

33 18/02/21(水)01:06:16 No.486415081

赤星がいい味出してる…

34 18/02/21(水)01:06:22 No.486415096

ピンク住「」!!

35 18/02/21(水)01:06:56 No.486415190

この「」仮面ライダー好きすぎる…

36 18/02/21(水)01:06:57 No.486415196

>大変だったよぉ。私、策士は向いてないんだよ? 嘘つけ!

37 18/02/21(水)01:08:26 No.486415409

親父殿これはひょっとしてエリゆかではござらぬか?

38 18/02/21(水)01:09:05 No.486415500

秋山ァ!!

39 18/02/21(水)01:09:24 [sage] No.486415540

>>大変だったよぉ。私、策士は向いてないんだよ? >嘘つけ! 同志レッドスターはプラウダのスパイだから嘘と工作はお手の物

40 18/02/21(水)01:10:05 No.486415624

砕石場の時点で不穏感満載すぎる

41 18/02/21(水)01:11:09 No.486415786

この「」いつもピンク「」とイチャイチャしてる…

42 18/02/21(水)01:11:49 No.486415874

次のホワイトデーボコは不穏なBGM込みで竹薮でやって欲しい

43 18/02/21(水)01:16:27 No.486416446

>この逸見いつも秋山とイチャイチャしてる…

44 18/02/21(水)01:17:38 No.486416625

廃墟ボコ…あんたかよ!

45 18/02/21(水)01:23:00 No.486417309

>えっ月面探査に参加してうっかり月面公開ラブレターを書いてしまうエリカですって? エリみほセブン

46 18/02/21(水)01:23:29 No.486417382

おいらに勇気をー与えてくれー 仮面ボコ 真ーっ赤な血 仮面ボコ 黒い内出血 仮面パンツァーBOCKO RX!

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