18/02/14(水)19:39:46 ガルパ... のスレッド詳細
削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。
画像ファイル名:1518604786936.jpg 18/02/14(水)19:39:46 No.485077981
ガルパンSS 短いです ※昨晩上げた者に加筆修正したものとなります
1 18/02/14(水)19:40:02 No.485078031
バレンタイン前、にもかかわらず、BC自由学園では、やっぱり内部生と外部生は熱く冷たい骨肉の争いを繰り広げていた。 友チョコも本命チョコも、内部生・外部生、それぞれの生徒の間だけ送るのが暗黙の了解。 両者のいがみ合いは、恋人達の祝福の日にも及んでいたのだった。
2 18/02/14(水)19:40:20 No.485078079
とはいうものの、マリーは相も変わらず、のんびりとしていた。 いつもの戦車道格納庫で、にらみ合う押田と安藤たちを前に、ケーキを食べている。 「せっかくのバレンタインくらい、仲良くしましょうよ~」 隊長のマリーはサント・ノーレを食べる手を止めて、言った。 「貴女たち、それぞれがチョコを贈り合えばいいじゃない?」 「な、なんでそんな事をしないといけないんだ!」 「ま、マリー様の言葉は絶対だ、口を慎めっ!」 押田が安藤に人差し指を突き付ける。 「押田、安藤、みんなを連れてチョコを買って来なさいな」 サント・ノーレを食べ終えたマリーが紅茶をひとくち、口に含む。 「よぉし、この私が外部生の貴様らにふさわしいチョコを選んで贈ってやるっ!」 「なにおぅ? お前たちこそエスカレーター組にふさわしいチョコに感謝するんだなっ!」 「「よしみんな、いくぞ!」」 「よろしくてよ!」「おうっ!」 内部生代表の押田と外部生代表の安藤、それぞれが威嚇のポーズを取りながら、マリーの座っているルノーFT戦車の前から後じさりしていった。
3 18/02/14(水)19:40:44 No.485078166
「で、私たちに何を贈るつもりだ、言えっ!」 「君こそ何を企んでるか知らんが、正直に白状したらどうなんだっ!」 「言えるわけ無いだろう!」 「なんだとぉ!?」 (しかし、今からチョコを作るわけにもいくまい) (チョコを輸入してる時間なんかないな) 安藤と押田はルーティーンのとっくみあいをしながら……何を贈るかを考えていた。 簡単に、たくさん、手に入るチョコがいい。 スッキリするまでひとしきり組んずほぐれつしたあとで――取り巻きに傷の手当てを受けながら、安藤と押田は生徒を引き連れスーパーへと向かう。 ((なにがいいか……)) 外部生・内部生、また生徒だけでなく学園艦の住人も利用する大きなスーパーマーケット。 きゃいきゃいとチョコ選びをしている部下を尻目に、二人はスーパーのチョコ売り場を見て回る。 本命チョコ・義理チョコ・友チョコ・決闘チョコ……さまざまなチョコをああでもない、こうでもないと選んでいく。
4 18/02/14(水)19:40:59 No.485078228
「ん?」 「これは?……そうだ!」 「「これだ!!」」 安藤と押田は、別々の場所で、同時に答えを見いだした。
5 18/02/14(水)19:41:14 No.485078276
バレンタインデー当日。 格納庫のルノーFT戦車の前に外部生と内部生の集団が対峙する。 それぞれの手には、チョコの入った大箱が携えられていた。 「ほら外部生ども、お前たちにはこんな安チョコがお似合いだ!」 ブラックサンダーの包みが、安藤たちに向かって投げつけられる。 「そーれ! 鬼は外、福は内!」 「エスカレーター組の諸君、これでも食べて人生のほろ苦さを味わうがいい!」 「そーれそれそれっ!」 カカオ95%の箱が、押田たちに向かって投げつけられた。
6 18/02/14(水)19:41:32 No.485078332
バレンタインのチョコの投げ合い勝負。 勝敗ははすぐに決した。 「う、うぐぐぐぐぐ……」 「み、水をくれ……水ぅ!」 「ふっ、この勝負我々の勝ちのようだな、悔しかったら全部食べてみろ!」 「くっ、受験組は苦労しか知らないからこんな卑怯な手を思いつく」 「え~? そんなに苦いのぉ?」 この有様をを見守りながら、サントノレの最後の一口を頬張っていたマリーが、カカオ95%の包みを開けて中のチョコを口に含んだ。 「あ、マリー様、食べないで下さ」 「もぐもぐ……ごくん……!」
7 18/02/14(水)19:41:47 No.485078385
「にっがーい! どうして私がこんな苦いものを食べなきゃいけないのぉ~? ふぇぇぇぇぇ!!」 「貴様らぁ! マリー様が泣き出したじゃないか、どうしてくれるんだ!」 「うるさい! 宥めるのは君たちエスカレーター組の役目だろ! ……ボリボリ」 「……ところでその安っぽそうなチョコ、美味いのか」 「美味いぞ、食うか? ……ぼりぼり」 「いや、遠慮しておく。下賤なチョコで舌が鈍ったらいけないからな」 「ほほう、では下賤な外部生からの贈り物で貴様らも鈍くしてやろうか」 押田の口に新たなカカオ95%が放り込まれるたび、自慢の金髪が大きく揺れて、玉の汗が飛び散る。 安藤はその様子を満足げに眺めつつ、見下した目をしながら――さらにカカオ95%を口に詰め込んでいった。 「うらうら!苦いか!苦いか!?」 「もががっ!、み、水~!!」 「あーっもう! この苦いチョコをなんとかしなさーい!!」 「「あっはい!!」」
8 18/02/14(水)19:42:21 No.485078489
マリーの命令は絶対である。 その場で対策が立てられた。 残ったカカオ95%は外部生が集めて溶かして、砂糖と生クリームとミルクを加えチョコフォンデュに化けた。 「おいしい! チョコおいしい!」 フルーツやマシュマロとともにマリー様の胃袋に収められていく。 「良かった、機嫌が直ったようだ……バリバリ」 ばらまかれたブラックサンダーは一つ残らず綺麗さっぱり外部生によって美味しく回収された。 「口直しの手作りチョコだ、エスカレーター組はチョコは作れないだろう。ほら食え」 「受験組にはこんなチョコめったに食べる機会無いぞ、オテル・デュ・キャップ エデン=ロックだ、じっくり味わって食べたまえ」 内部生には、外部生同士で交換する予定だった手作りチョコの数々が、 外部生には、豪華なフランス産のチョコレートの数々が振る舞われた。
9 18/02/14(水)19:42:42 No.485078572
こうして、バレンタイン戦争は終わりを告げた。 なお、チョコフォンデュを一人で平らげたマリー様は、よりいっそう下半身が安定したという。 おしまい
10 18/02/14(水)19:55:30 No.485081108
仲良いなこいつら!
11 18/02/14(水)20:10:59 No.485084820
マリー様の下半身はこうやって拡大していったのか…
12 18/02/14(水)20:12:59 No.485085326
チョコフォンデュの一人食いはヤバい
13 18/02/14(水)20:13:01 No.485085334
>「にっがーい! どうして私がこんな苦いものを食べなきゃいけないのぉ~? ふぇぇぇぇぇ!!」 自分で食べたんじゃん…
14 18/02/14(水)20:19:22 No.485086982
バレンタインデーをダシにいつも通りイチャイチャしてるだけだこれ!
15 18/02/14(水)20:26:52 No.485089029
盛りすぎる…