18/02/03(土)17:35:49 鈍色の... のスレッド詳細
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18/02/03(土)17:35:49 No.482746075
鈍色の視界が徐々に像を結び、朧げに人がいるのだと理解できた。 どうにも人が人を叱っている。そんな様にも思えた。 そも人を叱る行為とは。陵辱でもあり、教え導く事でもある。 更生して欲しいと願いつつも辱める。そこには二律背反の対極にある矛盾を孕む。いや、果たして一元化されない対立軸があると思う事が間違いなのではないのだろうか。 人の記憶とは五感に対する刺激の知覚の貯蔵である。刺激の強さと思い出す回数に貯蔵期間は正比例する。 そう。強く辱める事でその人の脳裏へとこの体験を刻み、更生して欲しいと思う事に矛盾は無い。 眠りから覚めたばかりの頭でぼんやりとそんな当たり前の事を今更ながら認識していた。 叱責の声が止んだ。次代の幸四郎が足早に立ち去っていく。 一陣の風が鼻腔にアミノ酸を感じさせた。恐らくは硫酸によって加水分解されたペプチド結合の切れたタンパク質の残り香だろう。 まか子の「ご飯が出来ました」との声で私は一切の事を忘れていた。 アディショナルタイムの1日が幕をあげた。 なかなかばかにならない。点が入る、あわよくば逆転する。それくらいの意欲と心意気を持ちたい。