18/01/22(月)22:42:09 「トー... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1516628529071.jpg 18/01/22(月)22:42:09 No.480467339
「トータもイビルウィンドもお疲れー」 からりと木戸を開けて、薄紅色の湯帷子を纏った鈴鹿御前は露天風呂へと足を踏み入れた。 「おう、お疲れ!」 乳白色の湯が湧く湯船に浸かった俵藤太がひらりと手を挙げ出迎える。 百の階を駆け上がる中途、勢いよく飛び込んだ一室は何故か温泉の脱衣所。 三人を飲みこんだ瞬間に閉じた扉には『混浴しないと出られません』などという 実にふざけた文言が浮かび上がった。 どれだけ斬りつけようと傷一つ付かぬ扉と透明な膜の張られた温泉を前に、 「っつーか、そろそろ疲れたし! 休んでもよくなくなくない?」 という鈴鹿御前の一言もあって、そういうことになった。 「おっじゃましまーす」 混浴、ということに頓着するような三人ではなかったのも好都合だろう。 そも男女分かれて湯に入るという習慣が生まれたのは江戸になってからのこと。 平安時代の人と戦国時代の人は、大して気にしはしないのだ。
1 18/01/22(月)22:43:26 [sage] No.480467666
「っはー! 温泉マジ最高だし。もー、ココ超疲れるんですけどー」 んーと背伸びをして、ずるずると肩まで湯に浸かった鈴鹿御前は息を吐く。 「うむ、何やら妙な力が働いておるようだな」 「ええ、普段の我らならばこれほど疲労することはないでしょう」 真面目な顔で塔のことを話し合おうとした三人だが、 「「「……はふう」」」 気合の抜けるような息三つ。心地よいお湯に浸かっていては難しい話などできない。 「うーむ、しかし戦でも思ったがいや、真に天女のようだなあ。よいものを見た」 「へ? ああ、このカッコ? そーそー、これ結構イケてるんでよねー、ピンクでさー」 「まるで天女のようであった」「まるでじゃなくて天女だっつの」 「おっと失礼つかまつった。では詫びにこれでもどうだ?」 背後に置いた俵をごそごそと漁る。二人に放られる黄色くて丸いもの。
2 18/01/22(月)22:43:51 [sage] No.480467753
「わお、ミカンじゃん」 「風呂で物を食うのは行儀が悪いが、たまにはよかろうさ」 「オッケー、マスターにもナイショね」 しーっと親指を立てて鈴鹿御前はくすくす笑う。 「三人だけの秘密、ってことで」 その微笑みに、藤太は満足げに笑い、小太郎は頬を赤らめる。 「わあっ、あの、えっと、はい。ひ、秘密です!」 蜜柑に隠れるように身をちぢこませる小太郎に、藤太と鈴鹿御前は楽しげに声を上げた。 忘れられた扉はどこか寂しそうに、カタンと開いた。
3 18/01/22(月)22:44:50 No.480467996
作中の接点できた!
4 18/01/22(月)22:44:51 [sage] No.480468003
T(とうた)S(さんばんて)JKで温泉いいよね……って思いました
5 18/01/22(月)22:48:44 No.480469020
怪文書スレに慣れてるとこういうまったりしたやつがありがたい
6 18/01/22(月)22:51:01 [扉] No.480469650
…マスター早く来ないかなー…
7 18/01/22(月)23:06:52 No.480473825
和鯖温泉三人組いいよね
8 18/01/22(月)23:29:24 No.480479609
>和鯖温泉三人組いいよね いい……けしてセクハラ問題にならなさそうで
9 18/01/22(月)23:30:44 No.480479908
こうして見ると絶妙なチョイス マスター関連で恋愛の切った張ったにはならないし 混浴だからどうたらこうたらにもならないし ゆったりと流れる時間…