虹裏img歴史資料館

1 18/01/13(土)21:03:18 No.478498537

さて、確かにそろそろ夕食時だ。 読んでいた本がいいところだったがためについつい残って没頭してしまっていたが さすがに帰路につかなければ、夕食に遅れるか。 私は読んでいた本を学生鞄にしまうと席を立とうとした。 「いやあ！6番がご飯作るんだって！？絶対辛いよ！カラいと書いてツラいよ！ 　あいつ絶対変なものを入れるって、そう思うな！ねえ2番はどうさ？」 立とうとした、が、腰を浮かせるすんでのところで 目の前の席にすらすらと言葉を並べながら座る生徒が一人。 自分とは、別のベクトルで頑固そうな髪の生徒、出席番号8番だ。 縁なしの眼鏡の向こうには好奇心の強そうな眉と瞳が元気に揺れながらこちらを見つめ 返答を今か今かと待っている様子で、楽しそうに口元には笑みが浮かんでいる。

2 18/01/13(土)21:03:48 No.478498664

「………確かに」 「だっろー？だってあいつ前に私に激辛ソース飲ませておいて、水を頂戴って言ったら 　その水にも激辛ソースを入れてたんだ、間違いない、絶対にとんでもないことになると読んだね！」 そういえばそんな騒ぎもあった気がする。 あの時は6番は大笑いしながら8番になかなかキレのあるビンタをもらっていたようなはずだ。 自分が同意すると、８番は実に楽しそうに笑みを浮かべながら、うんうんと頷いている。

3 18/01/13(土)21:04:10 No.478498760

「それにしてもいつの間にか10番も混ざっちゃって…………10番、10番かあ」 何やら意味ありげに「10番」と繰り返している8番に、そういえば彼女はレズ疑惑があったようなうわさがあったことを思い出す。 まさか、彼女は10番に恋慕しているのだろうか、いや、まさか、そもそも、その話を何故私に振る。 いや、いや、まさか10番は囮で………他にターゲットが？待って、さすがにそれで勝手な先入観を抱くのはむしろ失礼。 ここは冷静に次のセリフを待ってみてから考えてみよう。 「悪口みたいだけどさ、うちのクラスって太腿が太い子、多いよね、いや、ホントに悪い意味じゃなくてさ 　むしろこう………健康的に太ももが太い、みたいな？」 やっぱりレズみたいなこと言い出した。

4 18/01/13(土)21:04:37 No.478498875

しかし、確かに一理あるような気もする。 「H組は平和のH」と言われるような平穏なこのクラス。 だが、学年1の俊足を誇る4番……背こそ低いが、運動神経抜群のスキンシップが大好きな姉御肌の生徒は 足は筋肉と脂肪が程よいバランスで束ねられ、太くはあるが 決してそれは怠惰ではなく、健康的で美しい文字通りの「太腿」だ。 先ほど、演劇部に連れられていた10番にしても確かにPC部ということで運動不足な面はあるが、 私は毎日の通学中に爪先立ち運動で美脚にしようと努力していることを知っている。 4番ほどの運動量もないが、だからと言って完全に弛んでいるわけもない、 柔らかく、それでいて弾力のある文字通りの「太腿」だ。

5 18/01/13(土)21:04:59 No.478498955

頭部より生えた獣の耳に、猫のようなアーモンドアイ、縦に割れた瞳孔が特徴的な生徒18番。 彼女はこのクラスのマスコットとも言える背丈で、それに応じるように手足に対して未だ首と胴、そして腿が太い。 それだけを言ってしまうとまるで悪口ではあるが、高校生でありながらのその体つきは 危うい感情を抱きかねない魔性の魅力を持っている。 いずれは細く見えるようになるまで成長する可能性を持っている、文字通りの今はまだ「太腿」だ。 他にもぽっちゃり油断がち体系な7番ゲーリングも浮かべば、テニス部の20番。 運動部の22番と意識してみれば美脚そろいな我がクラス………。

6 18/01/13(土)21:05:32 No.478499105

「………確かに」 「だっろー？同性ながらになかなか「いい…」と思ってしまうよね？ 　でさ、でさー………誰が一番イイと思う？」 これはまた難しい質問が飛んできた。 みんな違ってみんないい、みんな意識してしまえば「いい…」足だ。 それぞれに強みというものが存在するわけで、それぞれに弱みという存在があるわけだ。 そんな「太腿」のなかで一番というのはなかなかに浮かばない………しかし8番は私の返答をまたもや 今か今かと待ちわびている様子、ここで答えないという選択肢は浮かばない、浮かべられない。 しかし、どれを、と言えばいいのか、否、悩んでいても仕方がない。 こうなったら一番太い人物の名前を挙げるとしよう、太い人物？誰だろう、難しい………。 と、混迷を極める私の思考に、ふと、別の人物の声がかけられた。

7 18/01/13(土)21:06:04 No.478499234

「あら？珍しい組み合わせ、どうかしたの？お二人さん」 「あ……」 「あ、24番じゃん、ちょっとねー！んふふ……！」 そこに現れたのは出席番号24番、我がクラス唯一の（というか他のクラスにいるのだろうか）ケンタウロスの生徒だ。 背丈の都合上、こちらを見下ろす形になる彼女の明るい色をしたツインテールが揺れ、 丁寧に切り揃えられた前髪の向こうから優しげな瞳がこちらがじっと見つめていた。 その下半身は実に大きい、走り込みが多く、吊革に捕まったままでも眠れるほどの脚力を誇る。 つまり彼女がケンタウロスであることに全く矛盾しない。 人のものとは違う、実に、実に大きく、逞しい腿に大きな尻。（ふと気づいたがこれは丸見えではないのだろうか、なにがとは言わないが） 動物的でいて、それでいて整っているその足こそ、このクラスで最も「大きい」のだろう。

8 18/01/13(土)21:06:21 No.478499311

「………24番かな」 「おー………確かに、これはこれで」 「え？なに？なんなの？私？」 唐突に自分の名前を呼ばれ、きょとんとした顔で目を丸くしている24番を尻目に 8番もまた24番の下半身を眺めて、納得を行った表情でまじまじと見つめ しばらくして、私のほうへと視線を向けてきた。

9 18/01/13(土)21:06:43 No.478499399

「いいよね……」 「いい………」 相変わらず自体を理解していない24番を放置して、私は言葉少なく8番に同意する。 私達はそっとお互いの手を握り、微かな友情を確かめると、同時に席を立った。 そろそろ本格的に夕食時だ。 「そろそろ帰ろう………」 「あ、本当だ、もうこんな時間じゃん、帰ろ帰ろ！」 「え？なんなの？ほんとに何なの、ちょっと！説明してよ！なんで私で「いい…」なの 　ちょっと！待って！待てってば！蹴るよ！蹴っちゃうよ！？」

10 18/01/13(土)21:07:04 No.478499498

二人でゆっくりと学生鞄を背負うと、そのまま立ち去っていくのを24番が追いすがる。 8番が一瞬私に目配せをして…………いきなり走り出した。 私は目配せの意味を理解してなくワンテンポ遅れて走り出す。 もちろん24番から足で逃げるなんて無謀なことだ、追いつかれることをわかっていての冗談の一種みたいなものだ。 すぐに後ろから「待てえ！」という高い声と蹄が廊下を叩く音が追い付いてきた。 8番が思わず笑いだす、私も、思わず笑っていた。

11 18/01/13(土)21:07:48 No.478499703

お粗末様でした。 2番さんと8番さんは勝手にキャラ付けしちゃってごめんね…。 どうしてもドット絵の「ふとももが太い」連呼にこのネタがやりたくて仕方なかったんだ…

12 18/01/13(土)21:08:56 No.478500003

いい…

13 18/01/13(土)21:15:55 No.478501850

太腿いいよね…

14 18/01/13(土)21:21:19 No.478503171

ssまで出たか…

15 18/01/13(土)21:22:09 No.478503383

>ssまで出たか… 実はこれ二作目だよ

16 18/01/13(土)21:25:58 No.478504426

Hいいよね…

17 18/01/13(土)21:27:39 No.478504902

ある意味トラブルがなくて一番平和なクラスだよね

18 18/01/13(土)21:29:08 No.478505300

いい…すごくいい…

19 18/01/13(土)21:31:24 No.478505850

馬…いいよね…

20 18/01/13(土)21:35:36 No.478506870

1は過去スレにある？

21 18/01/13(土)21:38:16 No.478507554

>1は過去スレにある？ っちーにあるよ

22 18/01/13(土)21:38:40 No.478507684

>馬…いいよね… いい…

23 18/01/13(土)21:38:48 No.478507718

>>1は過去スレにある？ >っちーにあるよ ありがとう

24 18/01/13(土)21:52:32 No.478511476

一番青春を謳歌しているクラスまである