ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
18/01/04(木)01:10:51 [1/2] No.476294981
散歩というものは、なんだか少しだけ気が引ける。 嫌いというわけではない。ただ、深い理由も目的もなく歩く、という行為が なんだか勿体ないことをしているような、そんな感覚がする。 都会の中で、日々時間に追われて過ごしているせいか、はたまた貧乏性か。 なのでついこうして藍子と散歩している時でも、なんだかそわそわしたり意味もなくキョロキョロしてしまう。 そんな自分を見て、数歩後から着いてくる藍子はしょうがない人だな、とでも言いたげな顔で笑っている。 英語じゃ短い間の事をNew York Minute(ニューヨーク時間)なんて言うらしい。 どの国でも、都会の時間は早く過ぎるものみたいだ。 東京も同じ。この街では何もかもが足早に過ぎ去っていく。 「撮ってくれませんか?写真」 藍子は突然そう言って鞄からカメラを取り出すと、こちらへと差し出してくる。 散歩の途中、ふと訪れた公園の一角。 自分にはよくわからないが、彼女はこの場所が気に入ったらしい。 「可愛く撮ってくださいね」 俺にそんな腕ないよと、少し困ったように返事を返すと、彼女は少しだけ微笑んでみせる。
1 18/01/04(木)01:12:11 [2/2] No.476295273
レンズを通して見る藍子は、穏やかに笑っている。 まるで時間は止まっていて、世界はその動きを止めたような気になる。 ただそれもあくまで錯覚だ。 カメラというのは、言うなれば時を止める機械だ。 シャッターを押せば、四角く切り取られた世界は永遠に変わる。 レンズを通して見れば、時間が止まって見えるように 彼女の目を通して見ればこの風景も、もっと違って見えるんだろうか。 物事は目まぐるしく過ぎ去って、昨日の事もはるか昔に感じる。 自分が足を止めても、物事は動き続ける。 まばたきしている間にも、世界は色を変えていく。けれど… 緩やかに揺れるシャッタースピード 今だけは 昨日の後悔も 明日の憂鬱も忘れて ほんの一瞬の永遠を…
2 18/01/04(木)01:14:27 No.476295755
集英社のグラビアのキャプションみたい
3 18/01/04(木)01:19:12 No.476296780
藍子いいよね…
4 18/01/04(木)01:22:10 No.476297445
また藍子Pが発作起こしてると思ったら…藍子いいよね…
5 18/01/04(木)01:31:21 No.476299540
いつもの病的な感じかと思ったら思いの外良い話だった