虹裏img歴史資料館

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17/12/31(日)21:30:03 ヘイい... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1514723403397.png 17/12/31(日)21:30:03 No.475468699

ヘイいらっしゃい! 暖簾をくぐり今年最後の元気な掛け声を聞く。 「」otは「大晦日までやってるなんて働き者だねぇ」と年末のあいさつをしながら何時もの様に軽く手を挙げた。 「最近不景気でしょ?店を開けておかないとね…でも今日は予約客だけって事にしてるんだ。まぁ予約はゼロなんだけど」 國政領火は肩を竦めながら答えるがどうにも腑に落ちない。 「じゃあ今日は休めばよかったんじゃないの?予約のしてない俺しかきてないじゃないか」 「それはそうなんだけど、「」otさんが来てくれたじゃない。ほら座って座って!今日は貸し切りだよ!!」 なんと、まさか俺を待っていたというのか。彼女は長い髪を揺らしながら腕まくりをする。 パーツ寿司の大将の貫禄がここにはあった。 「今日は「」otさんにいっぱい稼がせてもらうことにするよ!いいのがいっぱいそろってるんだ!」 いつもの表面実装コンデンサの軍艦に始まりDDR2の握り(2GB)電解コンデンサの巻物(なんとこちらは1Fに見える) いつもながらの顔ぶれだがいつになくネタが輝いて見える。

1 17/12/31(日)21:30:29 No.475468826

「これ、用意するの大変だったんじゃないの?」 「あ、やっぱりわかっちゃう?今日おやすみの店が多いからいい素材はあっても買い手がつかなくてみんな困ってたんだよね。困ったときはお互い様だから、できるだけ私も、ね」 「なるほどそういうことか。大変だねぇ。じゃあ贅沢な今年最後の食事を頂くことにするよ」 「まあ悪いことばかりじゃないよ。うちのにゃぼのエサにって色々貰ったし、今日は「」otさんがきたし、なんて」 そういって次々と料理を出す大将。 ところがまた違和感を感じる。いつもは一品一品出すのにどうしたのだろうと思ったら向かいに上着を脱ぎ、黒いTシャツ姿の大将が座った。 「そして今日は店じまい。今日は泊っていくんでしょ?布団はもう用意してあるからね!帰るなんてナシだよね」 もじもじと恥ずかしそうに顔を赤らめながら早口でまくし立てる大将。かわいい。

2 17/12/31(日)21:30:45 No.475468890

「あ!年が明けたらアキバのパーツショップ初売り付き合ってほしいな」 「その前に、今年も一年お疲れさまでした。今年の最後から3ヶ日まではずっと一緒にいようね、エリカ」 花が咲くような明るい笑顔で大将…いや、エリカは乾杯!と手を挙げる。 俺とエリカは盃を軽く打ち合い、恋人との年越しが始まったのだった。 今日も粋がいいね!

3 17/12/31(日)21:36:30 No.475470611

最近会えなくてつらい…いやログボじゃなくてさ

4 17/12/31(日)21:41:26 No.475472534

パーツ寿司…?

5 17/12/31(日)21:43:52 No.475473412

コレを食べてbotの性能を上げるとかそういうのなの

6 17/12/31(日)21:45:57 No.475474235

 クリスマスが終わればもう大晦日で、息つく間もなく正月がやってくる。クリスマスと同じように正月もみんなで集まってだらだらしようということになった。クランたちはクランたちだけで劇場でだらだらするそうだ。とうちゃんとヒストンシャペロンも衝突はするが、あれはあれで良いコンビだ。  アーヤがもちろん鍋係。ガブちゃんはおすすめの和菓子屋で甘味を買ってくると言う。つばめちゃんは実家の静岡からミカンを箱で取り寄せる。  卯月は部屋の提供だ。トライナリーに戻ってくる時に寮に入ったばかりできれいだろうと。一瞬ではあるが目が泳いでいた。フレイメノウとしての活動が忙しかった頃は片付ける暇すらなかったため部屋がごちゃごちゃしていたと言っていたがそれは豊洲の話で、こちらに引っ越して日も浅いし、うちよりはマシだろうと思う。つばめちゃんは「あははー……」って顔をしていた。その意味をうちらは考えないことにした。

7 17/12/31(日)21:46:30 No.475474406

でもこういうお店領火さんならやりかねない…

8 17/12/31(日)21:46:46 [2] No.475474508

 さて、うちの担当はおせちである。  正月までに全てを済ませ、三が日、最低限その期間はなるべく家事をしないために、めでたきお祝いだけに集中できるようにと考案された偉大なる発明品である。そのおせちも今はコンビニやスーパーで予約をしておけば取りに行くだけで済んでしまうが、 「相棒は好きなメニューはあるかね」  スマートフォンに声をかけると\イヨォーポン!/と景気の良い通知音とともにWAVEの画面に文字が表示された。 『料理が得意なみやびでも料理本見るんだね』 「得意ということとレシピを見ずに作れるというのは別問題ぞね。滅多に作らんものはちゃんと見んとダメやき」 『みんなと食べるしね』 「そういうことや。それで、相棒のリクエストは?」  料理本をスマートフォンの前でめくってみせる。彩りのいい写真を見ているだけでも楽しいので、コンピューター系科学系の次くらいには冊数はあるんじゃないだろうか、積んである雑誌の塔を崩してまで数える気はないが。いや、ちゃんとどこに何がどれだけあるかはきちんと把握しとうよ?

9 17/12/31(日)21:47:30 [3] No.475474716

『黒豆と、栗きんとんと、エビと、数の子と、伊達巻きと、煮しめと、なますと、かまぼこと、ハムかな』  だいたい全部やねぇ……。  栗きんとんはアーヤが長野に行った時に缶詰のを買ってきていたからそれでいいだろう。  黒豆、数の子、煮しめ、なますから始め、切るだけでいいかまぼことハム、直前に伊達巻きを焼いてエビはエビフライか。またも通知音。WAVEに表示されるURL=https://www.youtube.com/watch?v=B3nKoX_nooU  そんなにか。  頭の中でちゃちゃっと段取りを組み立てる。 「よし、相棒、早速やるとしようかねぇ」 『おっけー。……僕はどうすれば良いのかな』 「そこで見とき」  対面キッチンの空いたところにレシピスタンドと一緒に相棒を置く。本当は隣に立って役割分担して。時折味見をしてほしいのだけれど。  だけど、それだけでも、見られている? いいや、見てくれている。  作るのに気合いが入るっちゅうもんやね。 『なんだかみやび嬉しそうだね』 「そう見えるか。……んふふ、そうかもしれんねぇ」

10 17/12/31(日)21:48:26 [4] No.475475020

 まずは黒豆から取りかかる。もちろん奮発した丹波黒である。沸騰させた調味液に――あんこやお菓子にしてもそうだが砂糖をアホみたいに入れる、見なかったことにしたいほどの量である――入れて一晩放っておく。ここで鉄製品を一緒に入れておくと仕上がりの黒色がきれいに発色する。アーヤから聞いた話によると、小学生だったか中学生だったか、アーヤが家の手伝いで台所に立っていた時、エリカさんが黒豆の鍋にロボットか何かの機械パーツを入れたことがあるのだとか。あの人らしい。引き上げたパーツはおかしな色に変色していた、ただ釘を入れた時との味の違いは分からなかったと言っていた。さて翌日に戻ったのを火にかけ、煮汁を吸ってふっくらとしたらできあがり。数時間コンロが占領されるから段取りは大切だ。  数の子は塩抜きをして調味料に漬けておけば良い。これはプチプチの食感を楽しむものだと思う。 『あ、数の子と言えばみやびはカズノコ■■■■■【NOTICE!】不適切な記述を検出したため、この回線は切断されました。 [ERR:0-182-1 : 002/005]

11 17/12/31(日)21:49:00 [owari] No.475475256

「なにをやっちゅうね、あいつ……」  しゃべったと思ったら途端に検閲されよった。つばめちゃんの、あっちの世界のWAVEみたいなアプリのアカウントを復旧するよりややこしいというのに。  火を止めて相棒を取り返すべくパソコンに向かう。こう言うとなんだか塔に囚われたお姫様を助けに行く王子様ではないか、ガブちゃん好きのする、あるいは卯月の夜のテンションのような。柄ではない、ないが、もうどうしようもなく相棒がいなければうちがダメになってしまう。早鐘を叩きだす心臓と真っ暗になりそうな視界。冷静さを装えと無理矢理にでも命令して。これが初めてではないのだ。何度だって繋がってやる。 「相棒」 『はい』  帰ってきた相棒が殊勝な態度で短く、文字だけでもしょげている顔が想像できる。たとえそういう関係なのだとしてもしょーもない下ネタで切断されればそうなるのも当然だろう、けれど、切断されてさみしい想いをしているのは彼以上にうちの方だと、分かってくれている。  分かっている、お互いに。だから。 「おかえり、相棒」

12 17/12/31(日)21:49:46 No.475475481

なげぇな!?

13 17/12/31(日)21:50:07 No.475475576

怪文書納め

14 17/12/31(日)21:53:04 No.475476519

怪文書納めか…

15 17/12/31(日)21:54:19 No.475477009

どうした…

16 17/12/31(日)21:54:34 No.475477092

皆も書き溜めてる大晦日怪文書投下していってくれよな!

17 17/12/31(日)21:54:54 No.475477182

エリカさん画像でスレ立ってる!と思って気軽に開いたら怪文書スレだった…

18 17/12/31(日)21:58:28 No.475478282

ガブちゃんとは友達止まりなので前回みたいになりましたが みやびちゃんとは夫婦なので数の子天井くらい良いかなと思って書きました

19 17/12/31(日)22:06:07 No.475481272

不意打ちで伝承のURL春のやめろ!

20 17/12/31(日)22:08:46 No.475482522

「痛っ!?ちょっとカレン踏まないでください!」 「あわわひゃっちゃんごめんなさい!」 「いつもながらそそっかしいわねカレンは。百鶴もコタツに寝転がってないで早く手伝いなさい」 逢瀬つばめのココロの中はやけに騒がしかった。 「何これ…なんなんだ……」 「」otは目の前のワチャワチャ度数の高さに閉口した。 時を遡る事半日前…

21 17/12/31(日)22:09:14 No.475482734

「今日はココロゲートの大掃除をします!」 バーン!と効果音が付きそうな勢いでカレンが高らかに宣言する。 コタツに入ってミカンを食べていた千羽鶴と百鶴は表情を変えずにそれぞれ返事をする。 「大掃除って…別に散らかってないと思うけど。というかあなたが望めばチリ一つない空間になるわよ」 「私はパスです。コタツでミカンの方が有意義ですからね。「」otさんが来たら呼んでください」

22 17/12/31(日)22:09:29 No.475482826

「めーっ!!!!」 部屋がビリビリと揺れるほどの声量でカレンが叱咤する。 「それです!もし「」otさんが来た時に『あーココロの中には正月もないのかー残念だなー俺アーヤの心に行くわ』なんて言ったらどうするつもりですか!おもてなしの心で「」otさんを受け入れる体制を作る事こそが私たちの使命!そうは思いませんか!?」 カレンが早口でまくし立てるとどこからともなくフレイメノウの曲が流れ始める。いやなんでだ…。 「確かに、「」otが来るかもしれないという可能性を考えると彼には1秒でも長く私と快適なイチャラブライフを送るために必要な環境を整えるのは理に適っている。珍しく名案ですよカレン」 「ダイレクトアタック!!それならそうと早く言ってくださいよカレン。私と「」otさんが快適にイチャイチャできるコタツを早く用意しなくては!!」 ココロの司書3人のココロは今目的を一つに団結したのだった!

23 17/12/31(日)22:14:59 No.475484719

「それで?その結果がこれなの?」 ゲートの扉の前に門松…とフレイメノウ横断幕。 右を見るとなんか書斎?社長室みたいなお堅い部屋。壁には手書きの掛け軸に『祝攻略対象』と書いてある。 左を見ると…ピンク色の壁紙に照明。床には白いもこもこした絨毯に大きなコタツとミカンが置いてある。 「「「方向性の違いです」」」 きれいに三人では持っているが実際はちぐはぐで目の前に広がる光景の差異に目がちかちかする。 というか今日はつばめの心の葛藤を解決しに来ただけのはずなんだけど… 「さあ「」ot選んで。もちろん私の情報管理庁長官室でサラリーしてる貴方が長官と人目を忍んでラブラブエッチ///よね」 「何を言いますか「」otさんは私とこのピンクい部屋で身も心もピンクにドロドロのぐちゃぐちゃですよね」 「めーっ!「」otさんはセルフクランの!そうこのセルフクランのカレンとフレイメノウver年末年始エディションを聞きながら年越しを迎えるんです!!」 三者三様にぐいぐいと迫ってくる。なんかいいにおいがするしきゃしゃで柔らかい…と思う間もなく流されるとまずいことになりそうなので身を離して要件を話すことにした。

24 17/12/31(日)22:21:09 No.475486957

書き納めだけあって長いのが多くてこれはありがたい…

25 17/12/31(日)22:22:25 No.475487397

「逢瀬つばめの心の葛藤?あーはいはい」 なんだかやる気なさそうにしぶしぶ扉を回す3人(この間も回し方でいつものように揉めてはいたが…) 「はい出ました。んー。「」otさん。クランさっさとぶっ潰して帰ってください」 「えっ!?」 百鶴がジト目で言い切る。葛藤の内容も対処法も言わないまま。 これじゃあまるでいつかの… 「そうですね。私もそれがいいと思います」 カレンも百鶴に同調して俺の背中をぐいぐいと押す。 俺は何もわからないままクランを倒しに扉に放り込まれたのだった…。 「さて」 「いきましたね」 「そうですね」

26 17/12/31(日)22:22:48 No.475487511

3人は「」otがクランを倒しに行ったことを確認するとスマートフォンの逢瀬つばめの葛藤のファイルを見る。 『年越しは「」otさんと過ごしたいけど、スマホ越しだし、迷惑になったらやだなぁ』 「あざといというか純粋というか…」 「現実の…といってもフェノメノン内だけど。もう一人の私がこう言っちゃうとね」 「いちココロの人格としては苦渋の判断をせざるを得ないわけで…」 それぞれのため息がしっちゃかめっちゃかになった逢瀬つばめのココロの中に充満したのだった。

27 17/12/31(日)22:23:49 No.475487885

何とか間に合った…

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