虹裏img歴史資料館

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17/09/23(土)23:29:39 ガルパ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1506176979577.png 17/09/23(土)23:29:39 No.454918035

ガルパンSS ・姉の異常な愛情 または如何にして西住まほは戦車道に対して意義を感じる様になったか これまで su2036110.txt su2036112.txt

1 17/09/23(土)23:29:59 No.454918112

第八話 【愛しいしと事】 上 -1- 西住家本邸。 西住まほは家元でもあり実母でもある西住しほに呼び出されていた。 和風の家に相応しい襖と畳が敷き詰めえられた、かつてみほが母親に戦車道を止めると宣言したこの部屋にて広い部屋でまほは母親と対面していた。

2 17/09/23(土)23:30:25 No.454918228

「……上手く立ち回ったものね、まほ」 「何の事でしょうか」 「有力者にも分家にも働きかけてみほの進退の安定を図り、その存在を認めさせた。  まったく見事なものね」 「私からは何もしていません。  向こうから呼び出されたので、応対したまでの事です」 「……本来なら跡取りとして腹芸ができる事は喜ばしい事なのでしょうけど。  兎も角、一度止めると宣言しておきながら目の届かない所に行ったのを良い事に勝手をするなど許されない。  貴方は外堀から埋めて安心したのかもしれないけれど本丸である私は決して許さない」

3 17/09/23(土)23:30:41 No.454918296

「確かにみほが義理を欠いていたのは認めます。  ですが、何故そこまで固執を?  みほには戦車道の才覚があるのは御存知の筈です。  戦車道に復帰したのならそれは西住流にとっても喜ばしい事なのでは?」 しほはふぅっとため息をひとつ吐いてから言った。 「貴方、みほを死なせたいの?」

4 17/09/23(土)23:31:03 No.454918398

「……それはっ!」 「まほ、貴方ももう解っている事でしょう?  あの子は危うい。何をするか解らない。自分の身すら軽んじている。  ……いや、ひょっとするとあの子にとって自分の命もチップの一つなのかもしれない。  それも他人の命と同じ天秤に載せられる程度の重さでしかないチップに。  貴方の知ってのとおり戦車道は絶対に安全な競技ではない。  それもそうよね。武道ですもの。  柔道ですら過去30年間で100を超える中学・高校生が死んでいる。  学生野球もかなりの死者がでている。  ましてや戦車道においてはもっと危険なのは貴方の知ってのとおりよね?  そういった事故に直面した時、あの子は我が身も省みず、もっと言えば自分の命よりも他人の命すらも優先する。

5 17/09/23(土)23:31:19 No.454918472

 そうはならない様に私が長年をかけて"矯正"したのに貴方は学園艦にいる事を良い事にそれを外した。  ……尤も、これに関しては私も同罪ね。  ひょっとしたらって期待もあって黙認していたのだから。  でもその結果が去年の決勝戦。  私は決意したわ。  徹底的に西住流のそれを叩き込むか、又は戦車道そのものをやめさせるか。  みほを守るにはそれしかないと思ったから。  ところがみほは戦車道を止めると行って安心させたのも束の間、直ぐに戦車道を再開したわ。  これを聞いた時に私の心境が貴方に理解できる?無邪気にみほが戦車道を再開して喜んでいただけの貴方が。  怒りもしたわ。親心の解らない、親不孝者めと。ここまで私が身を案じているのにそれを平気で無視し、裏切るのだから。  不安にもなったわ。今この瞬間にもまた危険な事をしているのではないかと」

6 17/09/23(土)23:31:38 No.454918554

「……」 それはまほも確かに考えもした事だ。 しかし、甘く、軽く見ていた事も間違いない。 決勝戦のあの日とみほが別れを告げたあの日に死ぬほど後悔したのに、みほがまた戦車道に戻ってきたという事実がまた淡い期待を抱かせ、危機感を喪失させていた。

7 17/09/23(土)23:31:53 No.454918611

「……まぁそれはもういいの。  あともう少ししたらそんな心配も無くなるのだから」 「……それはどういう意味ですか?」 「文科省は予算の削減・効率化の為に学園艦の規模縮小を立案し、既に実行に移しているの。  特別な成果を挙げていない人数も減少傾向にある学園艦を対象に廃艦する事になっている」 「……まさか!」 「そう、大洗はその対象。  今年末に廃艦が決定している。  ……ただ、どうやら学園の生徒会長が直接交渉して、戦車道にて優勝したのなら廃艦を撤回するという約束を取り付けたらしいわ。  それでみほも殆ど無理やり戦車道に参加させられたようね」

8 17/09/23(土)23:32:10 No.454918682

それを聞いたまほの心中では複数の異なる感情が沸きあがり、奔流となって渦巻いていた。 みほを無理やり戦車道をさせた事への怒り、復帰させてくれた事への感謝。 そして戦車喫茶で見た大洗の友人と楽しそうにしていた妹。それが廃艦になる事で消えてなくなる事。 「大洗が廃艦になったらみほは黒森峰に連れ戻します」 「……それは徹底して西住流を叩き込むということですか?」 もしそうであるならば勘当されるといった最悪の結果よりはマシなのかもしれない。 少なくとも一緒に戦車道ができるのだから……。

9 17/09/23(土)23:32:29 No.454918787

「いいえ、戦車道はさせません。  普通科に入らせます」 「お母様!それは!」 「そして卒業次第、この家に連れ戻し、外に出しません。  一生、私の目の届く範囲内にいさせます。  もう二度と勝手な真似はさせない。  自由にさせない。  私の傍にいさせる」 そう言い切ったしほの表情にまほは言い知れぬ悪寒を覚えた。 何故なら、しほのその瞳に怪しげな光が灯り、何ともいえない色の炎がちらついていたからだ。

10 17/09/23(土)23:32:48 No.454918876

「本来なら黒森峰にもいさせたくないのですが、高校くらいは卒業させてあげましょう。  それにあそこなら私の目も届く。  卒業したらこの家から出さない。自由に外出もさせない。  外に出る時は私が家を離れる時だけ。  ……そうね、西住流家元の補佐役だとかそういう役職を与えればいい。  実力はあるし見せているのだから師範代にしても問題はないでしょうから」

11 17/09/23(土)23:33:06 No.454918964

しほはまるで明るい未来像を語るように楽しげであった。 それを聞きながらまほは戦慄していた。 そうだ、何故母がみほを理解していないと思っていたのだ。 この世の誰よりも、自らの腹を痛めて血肉を分けて文字通りみほが生まれた時から傍にいたのが母ではないか。 私が愛している様に、母もみほを愛していたのだ。 ……私以上に!

12 17/09/23(土)23:33:23 No.454919038

「……解るわよね、まほ?  そう遠くない将来、貴方が家元を継ぐのよ?  ……つまり、家元補佐という役職をみほに与えたら、家元となった貴方がみほの面倒を見るのよ?  …………決して目を離すことなく、その身の傍に常に置いてね…」 それは正に悪魔の取引でもあった。   続く

13 17/09/23(土)23:36:33 No.454919873

みぽりん…やはり魔性の娘…

14 17/09/23(土)23:37:13 No.454920024

母子百合キテル…

15 17/09/23(土)23:37:50 No.454920188

> 菊代もきっと喜ぶわね。 この一文入れるの忘れていた

16 17/09/23(土)23:39:50 No.454920638

そりゃ親が一番身近だからね…

17 17/09/23(土)23:44:17 No.454921726

菊代さんとしぽりんのサンドイッチ…

18 17/09/23(土)23:44:57 No.454921891

赤星の丑の刻まいりの対象が話が進む毎に増えてない?

19 17/09/23(土)23:47:43 No.454922593

家に閉じ込められる御嬢様を哀れに思った菊代は密かに家元がいないときを見計らって助け出そうとするが…

20 17/09/23(土)23:50:39 No.454923328

菊代さんが見せしめにみぽりんの目の前で縄化粧されてしまう…

21 17/09/23(土)23:53:52 No.454924156

そりゃまあ娘に一番入れ込んでるのは血を分けた親だよね…

22 17/09/23(土)23:56:35 No.454924890

しぽりんの入れ込みようが尋常じゃない…

23 17/09/23(土)23:59:22 No.454925559

実は一番のみぽりん狂いだった

24 17/09/24(日)00:02:23 No.454926319

西住流はサイコの巣窟…

25 17/09/24(日)00:05:21 No.454927080

サイコにはサイコを

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