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17/08/25(金)01:39:17 No.448498523
こんばんわ! 武部沙織だよ! 今夜は、ちょっとだけ恥ずかしい話をするね! あー、ううん! 恥ずかしいわけじゃないの! でも、その、ちょっとみんなに言いふらすのははばかられるって言うか……。 わたしの大事な大親友のおはなし! ◇◆◇ あれはね、三日前の夜のことだったの。 その日はあんこうチームでのチーム練習の後でね、みぽりんとゆかりんは戦車ショップに寄るって言って、一緒に行こうと思ったんだけど部品の受取りだけだからって言うからそこで別れたのね。 それで、残ったわたしと、華と、麻子の三人……あ、この二人は私の大好きな親友だよ! うーん……だった、なのかなぁ……。でもそのときはそうだったの! その三人で、なんだか取り残されちゃったってわけ。 「ね、それじゃさ、今夜うちでご飯食べていかない?」 わたしは何の気なしに言ったの。試してみたいレシピもあったし。 一人分作るよりも大人数の分作ったほうが材料も無駄にならないし、なにより楽しいしね! 一人で食べるのってちょっと味気ないし。あーあ! カレシがいればなー! なんてその時は思ってた。その時はね。
1 17/08/25(金)01:39:38 No.448498574
「麻子なんてどうせたいしたもの食べてないでしょ?」 「否定はしない」 「よろしいんですか?」 「もちろん! スーパー寄ってこ!」 「何作るんだ?」 「へっへー。このあいだぁ、雑誌で見たレシピ! カレシの心をぐっと掴む、精力増進スタミナ料理なんだって!」 「……カレシなんてできたこともないのに?」 「やだもー! 練習だよぅ! そう、チーム練習……そうだ! 麻子と華も手伝ってよね! 一緒に作ろう! 麻子も華もやっといたほうがいいでしょ? れんしゅーれんしゅー!」 「カレシにか」 「必要ありませんけどね」 「もー。そりゃ華はお手伝いさんとかいるかもしれないけどぉ。でもきっとカレシできたら、つくってあげたいー! とか、胃袋からつかんでやるー!とかなるよ?」 「なったことあるんですか?」 「……らしいよ?」 それでわたしたちはスーパーに寄ってね、食材を買い込んだの。 「えーっとぉ。ガーリックと、山芋とぉ、ウナギは高いから……あ! カキ! カキがある! アヒージョつくっちゃお!」
2 17/08/25(金)01:39:57 No.448498613
「レシピじゃなかったのか」 「食材が書いてあったの」 「にんにく、山芋、うなぎ、納豆、にら、ごま……沙織さんこれって」 「健康的でしょ?」 「ちょっと目的が限定されそうだけどな……」 麻子と華が苦笑する。へんなの! だって元気になるならいいことジャン? 「なぁ沙織」 ふー! ごちそうさま! 一緒に作ったお料理を食べきって一息ついてたところで、麻子が言ったの。 「今日のレシピは、その、何か意図があったのか?」 「へ?」 「冷泉さん」 「いや、止めないでくれ五十鈴さん。今日という今日は言わなきゃならないんだ。五十鈴さんだって限界だろう」 「え? なになに? なんか悩み事?」 いいよ、聞くよー! わたしにまかせて!
3 17/08/25(金)01:40:15 No.448498654
わたしは真ん中においてあったテーブルをどかしたの。 「あ、よかったら泊まってく? 待ってね、いまお布団出すから。三人で寝よ!」 「さ゛お゛り゛っ!」 押し入れから予備のお布団を出したところで、麻子が叫んだ。 「え? どうしたの?」 「沙織はさぁ……そういうことしちゃう人?」 「そうですよ沙織さん……あまりにも残酷です……」 「なんでなんで? え、どうしたのさ?」 わたしはね、いつものように。そう、ほんとうにいつものようにだよ?! 変わったことなんて全然なかったの! いつものようにお布団を広げてパジャマに着替えようと思って服を脱いだ。この二人はよく来るから、二人の寝間着も実は置いてある。麻子は宵っ張りでなかなか寝付いてない様子だったりして面白いんだよ! あ、でもその夜は違ったの。
4 17/08/25(金)01:40:34 No.448498691
「あ……うぁ……」 わたしが麻子にパジャマを投げてやって、自分も上着を脱いでナイトブラに変えようと思ってブラを外したら、麻子がいきなり……泣き出したの! パジャマを抱えて、ぽろぽろ泣き出して……! 「麻子! 麻子どうしたの?!」 わたしはブラを放り出して麻子に駆け寄って抱きしめた。 「なんか悩み事? 大丈夫だから! わたしに話してみ? ね、ぎゅってしてあげるから!」 「さ゛お゛り゛ぃ゛……」 「麻子……」 麻子の涙で湿った息が、わたしの裸の鎖骨のあたりに当たって、きっと麻子はなにかつらい思いを我慢してるんだって思ったの。 こういうこと、一度じゃなかったから。 麻子はいつも限界まで頑張っちゃう。天才だからさらっとしれっとやってるようでも、ご両親が亡くなった時とか、おばあが倒れたときとか、麻子はいつだって限界まで頑張ってるんだ。 あんこうチームで一緒に戦車道やれて、わたしは本当に良かったって思ってる。麻子が楽しそうだったから。みぽりんに感謝だね! それと、ちょっと複雑だけど無理やり戦車道やらせた会長にも。
5 17/08/25(金)01:40:50 No.448498719
その麻子が、今はわたしの裸の胸に顔をくっつけてぷるぷる震えてるの。どうしちゃったの? 「さ゛お゛り゛……私、わたしなぁ……」 「うん、うん」 「う、うえぇぇ……」 麻子は何か言いたげなんだけどまた泣き出しちゃう。わたしは黙って麻子の長くて黒い髪(華もだけど、うらやましい! 大和撫子って感じジャン?)を撫でた。それから華の方を見る。 華、びっくりしてるんじゃないかなって。 華と麻子はどっちもわたしの大親友だけど、二人はチームメイト以上ではないと思ってたから。 でも華はじっと赤い顔で膝を見つめて唇を噛んでいた。 「華?」 「……」 「ねぇ、華ひょっとして何か知ってるの?」 華は一度しっかりと目を閉じて、それからぐっとこっちに向き直ったの! え?! 何?! 何?! 「沙織さん。言わせていただきます!」 「え? な、なに?」 「冷泉さんは……」
6 17/08/25(金)01:41:07 No.448498773
「や、やめろ五十鈴さん!!」 「いいえ言わせていただきますッ! このままじゃ冷泉さんもわたくしもダメになってしまいます!」 麻子がぱっと顔を上げて叫んだけど、華は眉間にしわを寄せたままぐっとわたしを睨んだの! え?! わたしなにか悪い事したかな?! でも次に華が言ったセリフはね……やだもー! わたし聞いてない! ってこれから聞くんだけど……。とにかくびっくりしたの! 「沙織さん!」 「はいっ!」 華の真剣な様子に、わたしは思わず膝を揃えたの。上着着てないのがなんかへんだけど。 「冷泉さんは、沙織さんのことが好きなんです!」 「え?」 「そしてわたくしもです」 「え……うん。わたしも大好きだよ?」 「そうじゃないんですッ!」 華はうつむいて、麻子もがっくりとうなだれた。なんか重苦しい空気になっちゃう。へんだな……さっきまで、三人で楽しくご飯食べてて……仲良くおしゃべりして……。わたし、なにか悪かったのかなぁ……。 「わたくしや冷泉さんの好きと、沙織さんの好きとは、きっと違うんです」
7 17/08/25(金)01:41:28 No.448498807
「それってどういう……」 「わ゛た゛し゛は゛ッ!」 麻子は赤い顔で言った。涙と鼻水とよだれでびしょびしょで、本当に必死な感じ。こんな麻子見たことない。ずっと一緒にいたのに。ひょっとしてずっと我慢してたのかな。何かを。 「さおりが好きだっ! 愛してるんだ! 本当は! 沙織の好きじゃない、私は! 沙織を抱きたいんだ!」 「……え?」 「今だってそうだ! そんなに気軽におっぱいだして! 私が……私がどんな気持ちでいるか……。ずっとどんな気持ちでいたか……! 今すぐ抱きたいんだ! キスして! おっぱいにもキスして! くびすじも、うなじも、おなかも、ふとももも、つまさきも、ぜんぶ触れたい! 髪の毛も、まぶたも、指先も、その……そこも! キスしたい! してほしい! 愛してほしい! 友達みたいにじゃなくて! 家族みたいにじゃなくて! 恋人みたいに! 夫婦みたいにしたいんだ! さ゛お゛り゛ッ!」 麻子は一息に言うと、長い髪の毛をお布団に垂らしてはぁはぁと息をついた。 「麻子……?」
8 17/08/25(金)01:41:43 No.448498837
華が顔を上げる。切れ長のかっこいい目(羨ましい!)がうるっとしてる。泣きそう。なんで。え、これわたしが泣かせてるの? 「華」 「わたくしも、同じです。ずっとそうです。沙織さんはとっても素敵で、可愛らしくて、わたくし大好きなんです。中学で学園艦に乗って、わたくし、その、家が家元で、あんまりお友達を作れなくて、でも沙織さんが声をかけて手を引いてくれて……。大好きで……。いつのまにか、その、大好きになったんです」 「華……」 「でもずっと、我慢してました。沙織さんはいつも男性のカレシのことばかりお話されてて……いいえ、そういう沙織さんが好きではあるのですけれど……。でもその、わたくしではきっと代わりになれないだろうと。なら見ているだけでいいと思ってました」 華はぽつぽつと語る。その華の袖を、麻子がそっと掴んだ。 わたしはわかった。わかっちゃったの。 麻子と華が、きっと何かのきっかけでおたがいにそれを知って、それで二人がずっと我慢してたんだってこと。 その……わたしへの恋心を。 そんなのぜんぜん知らなかったもん。
9 17/08/25(金)01:41:58 No.448498867
わたしは本当言うと恋なんてしたことなかったし。だからつらさとかは想像するしかないんだけど、でもあの麻子が、あの華がこんなになっちゃうんだ。 そのくらい。 わたしを。 好きなんだ。 なのにわたしったら、ぜんぜん気づかずに……ウウン、気付こうともしないで呑気に目の前で着替えたり一緒にご飯食べたり一緒に寝たりしてたんだ。 もしわたしが、好きな男の子が目の前で着替えたりご飯食べたり一緒のお布団に寝てたりして、しかもその男の子はわたしの気持ちなんてぜんぜん気づいてなくて、でもってそれを言えないなんてなったら……。きっとすっごく辛いし悲しいと思う。 それを二人はずーっと、わたしと一緒にいる間ずーっと感じてたんだ。 しかもわたしが楽しくしてられるように、普通のお友達……大好きなお友達でいてくれてたんだ。 わたしは胸がギューってなったの! びっくりでしょ?! ギューって! ギューってなったの!! 「沙織……」 「沙織さん……」 こっちを赤い顔で、泣き顔で、でもきっともう一緒にはいられないっていう諦めと絶望の混ざった顔で見る二人を、わたしは抱きしめたの! 一緒に抱きしめたの!
10 17/08/25(金)01:44:08 No.448499107
su1993095.txt 以下てきすとー su1993096.jpg まぁこういうはなしだよ
11 17/08/25(金)01:48:16 No.448499571
きたのか!
12 17/08/25(金)01:51:04 No.448499886
まだ締め切り間に合うよね… 起きようとは思って目覚ましも準備してたんだよ…
13 17/08/25(金)01:53:50 No.448500199
よかったとか面白かったより先にすごいって感想が出る
14 17/08/25(金)01:56:15 No.448500494
いい...
15 17/08/25(金)01:56:45 No.448500547
>……やっぱなんだかなー。買ってはあったんだよねぇー……かわいいパンツ……。 脳みそホイップクリーム
16 17/08/25(金)01:59:26 No.448500850
男前で乙女なさおりんすき
17 17/08/25(金)02:04:46 No.448501430
>「にんにく、山芋、うなぎ、納豆、にら、ごま……沙織さんこれって」 ちんちんが元気になる食材ばっかじゃん…
18 17/08/25(金)02:05:31 No.448501506
これからヤるってレシピ過ぎる…
19 17/08/25(金)02:07:23 No.448501692
ここにみほとゆかりんも入れば完璧だが みほはともかくゆかりんはどうかな…
20 17/08/25(金)02:08:25 No.448501799
レシピ見てふたなりかな?と思った ふたりだった
21 17/08/25(金)02:13:24 No.448502312
ああ…沙織の三懇か
22 17/08/25(金)02:14:46 No.448502457
華麻子を両腿に跨がらせて「いいだろ? 武部沙織だぜ?」ポーズのさおりんいいよね…
23 17/08/25(金)02:17:33 No.448502708
泣くほどに自分を想ってくれて 自分のために限界まで我慢してくれる恋人が二人もいっぺんにできちゃうなんてモテ道も侮れないね
24 17/08/25(金)02:18:43 No.448502821
>自分のために限界まで我慢してくれる恋人が二人もいっぺんにできちゃう 「盆と正月が一度に来たみたいだよね!」 「沙織さんその例えは…」 「違うとおもうぞ…」
25 17/08/25(金)02:25:34 No.448503468
伝えてしまうとこれまでの姦計…関係ではいられなくなるってだけじゃなくて 親しさに十分自信があるからこそノーマルなさおりんから親友を二人奪って悲しませてしまうことにもなるってわかるから苦しさが倍以上になっちゃって 想いを全部口に出すって決めたのにそれに耐え切れずに途中で崩壊しちゃうんやな…可愛いんやな…
26 17/08/25(金)02:27:03 No.448503612
>su1993096.jpg ひどいですー
27 17/08/25(金)02:31:31 No.448504119
おしっこ直飲み待ったなしやな…
28 17/08/25(金)02:39:49 No.448505039
「沙織、これなんだが」 麻子がわたしにA4のコピー用紙を渡してきたから受け取ったの。それはマジックで書いてあって、ちょっとカクカクした麻子の字だったんだけど、その内容はね! 「え、なにこれ?」 「麻子さんと一緒に考えたんです」 「あ、華、麻子のこと名前呼びになったんだ! ってそうじゃなくて!」 その紙には "月-麻子 火-麻子 水-華 木-華 金土日-二人♥" ってあったの! 「……なに? これ」 「華さんと一緒に考えたんだ。いつもいつも沙織にばかり負担をかけてはいけないと思って」 「いや、そうじゃなく……」 ふたりは顔を見合わせて、それからすっごくかわいい顔でこっちをみて笑ったの! 「「夜の性活表♥」」 やだもー! どんとこいだよ!
29 17/08/25(金)02:43:20 No.448505434
よーし!それじゃあ毎晩精のつくもの作っちゃうんだから!
30 17/08/25(金)02:48:19 No.448506096
これさおりん睡眠不足コースじゃ…でもお肌は艶々に…
31 17/08/25(金)02:54:03 No.448506693
恋にLoveしての歌詞を見ると誰かの特別になりたい、みたいなこと歌ってるからな… もうとっくにその願いはかなってるんだよな…
32 17/08/25(金)02:59:01 No.448507147
やたら精のつくメニューを食わされてムラムラムラムラさせられるとか我慢できんわね…
33 17/08/25(金)03:02:03 No.448507402
Ⅳ号に乗ってて(なんかあの三人前と雰囲気違うな…)って気づいちゃうみぽりんと全く気づかないゆかりん