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17/07/10(月)07:30:46 西住S... のスレッド詳細

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17/07/10(月)07:30:46 No.438784909

西住S! 初めての人は初めまして久しぶりの方はおまたせしてすいません 前回までのあらすじ! わたし西住みほは大洗に住んでいる高校二年生 ある日ピンクの戦車に乗った六人のわたし、西住Sがやってきた 元の世界に帰れなくなった彼女たちを元の世界に戻すべく仲間を集めていると、わたしたちを狙う人たちが現れる 黒い戦車を操る影住と、片腕を失ったわたし、欠住 混迷する事態のなか、わたしは全ての過去と未来を繋ぐ古今東西住と出会い予言を託される 集まった仲間に、迫る危機を伝えるつもりだけど、果たしてこれからどうなっちゃうの!? su1931840.txt

1 17/07/10(月)07:31:47 No.438784962

14  学校から帰ってきたわたしはぐったりとベッドに突っ伏した。  ダメ。  疲れた。  もう一歩も歩きたくない。 「……ベタ住、靴下くらいは脱いだ方がいいよ」  鬱住に手をひらひらさせる。  ありがとう、でもそっとしておいていまは。なんだかわたしとっても疲れたの。 「あんたの足がくさいのよ」  if住が厭そうな声を出した。がばっと起き上がってわたしは乱暴に靴下を脱いでif住の顔めがけて投げつけた。 「ハイハイ悪かったわね!」  丸まった靴下を闇住がぱぱっと受け止めた。そのままわたしの顔にシューッ! 「ぐわ!」  顔面で受け止めて倒れ込む。

2 17/07/10(月)07:32:19 No.438784985

「なによ! みんな優しくないなあ!」 「うるさい八つ当たりしないの」  闇住はそう言ってテレビに顔を向けた。  憤慨してみせてもみんなボコに夢中だ。全く。なんであんな子供番組を。  西住Sが言うには、ここの世界以外のボコは、ずっと負け続けなんだって。絶対勝てないのに喧嘩ばかり売るボコ。戦えど戦えど勝利すること二度とあたわず。  ぱっと聞いた瞬間、あ、売れなさそうだなって思った。いやいやいや、売れないでしょそんなの。例えばアニメとかのサブマスコットキャラならまあいけるかもだけれど、やっぱり商品にするならちゃんと勝利した方がいいと思う。変な設定つけたら売れないよ、監督。 「何を言うのベタ住」  冷ややかに言ったはずのif住が拳に力を込めた。 「そこがいいんじゃん!」  えー? そうかな。やっぱり強くて優しくて、相手をボコボコにするボコの方がかっこよくない? そういう意味ならここのボコはセオリー通りだ。売れないはずがない。  ボコについてもう二三付け加えようとしたら、偽住がわたしの隣に腰掛けた。

3 17/07/10(月)07:32:38 No.438784999

「なに荒れてんのさ」  ぽんぽんとお尻を叩く。ばか! もうなにすんのよ! 「よかったじゃないか。みんなに、きちんと話は出来たんだから」 「そうは言ってもさあ」  ごろんとわたしは寝返りを打つ。いつもの木目のある天井を見ながら、わたしは小さくため息をついた。  朝早く学校に集合。  その連絡網はしっかりと皆に回された。みんなすんなり連絡回してくれるって。ねこにゃーさんの番号は知らなかったんだけど、西住Sから番号を聞いてかけた。どの世界でも携帯電話の番号は同じらしくてちゃんと掛かったときは驚いた。  それでわたしは西住Sと登校したってわけ。うざ住は眠いから寝てるって言ってついてこなかった。自由気ままでうざ住らしい。 「ちょっと、西住さん!」  校門を抜けようとしたところで風紀委員の人に呼び止められた。 「朝早くから登校するのは偉いけれど、また部外者を連れてきたの? そういうのダメって……」 「そどこさんだ!」  わたしに向かって説教する彼女をわっと取り囲んで西住Sは歓声の声を上げた。

4 17/07/10(月)07:33:07 No.438785021

「よかった! 風紀委員は風紀委員だ!」 「どの世界でも変わらぬお味!」 「な、なによなによ?」  おかっぱの風紀委員さんは目を白黒させる。確かこの人は園先輩。“わたし”達に取り囲まれてブルルッと首を振った。 「ちょっとなによ! こんな風に取り囲むの! 校則違反よ!」  キャーッとあがる歓声の声に、西住Sがわーっと歓声をあげた。さすがに他の風紀委員の人たちも駆けつけてくる。臆すること無く西住Sは話し掛けた。 「パゾミさんとゴモヨさんだ!」 「ほんと変わらないね、癒やされる」 「……みんな、びっくりしちゃうから、ほら」 「え? え?」  ほらやめなよ、風紀委員の人たちも困ってるでしょ! どうしようか困惑していると、どこから現れたのか麻子がずいっと西住Sの間に割り込んだ。 「そどこ」 「冷泉さん……」 「どうやらお前達が最後のパーツのようだな。来い」 「え? ちょ、ちょっと!」

5 17/07/10(月)07:33:36 No.438785042

麻子は園先輩の手を取ると、のしのし歩き始めた。 「金春さん、後藤さんもだ」 「え? だ、ダメだったら!」  園先輩はイヤイヤしたものの、力が抜けているのか引っ張られるままになっている。それでもわずかばかりの抵抗をしようとした先輩の目を麻子はしっかり見つめた。 「これが片付かないと、私はぐっすり眠れないんだ!」 「え? ね、寝るって?」  ぽーっと先輩の頬が赤くなる。 「言葉通りの意味だ」  麻子が胸を張る。赤面する園先輩の顔を見つめてからニヤッとする。 「もちろん。そどこと一緒に寝たい。朝までぐっすり眠りたい」  もし人の顔から蒸気が出るなら、いますごい勢いで園先輩の顔から湯気が吹き出ただろう。それくらい真っ赤な顔をして、彼女は言葉だけ取り繕った。。 「しょ、しょうがないわね。そ、そういうことなら一緒に行ってあげてもいいわ」  え? ちょっとそれ、どういうこと?  なにがきっかけになったやら、園先輩は大人しく引っ張られるままになる。麻子は続けて二人にも声をかけた。 「ゴモヨ、パゾミ、お前達もだ」

6 17/07/10(月)07:34:07 No.438785060

 麻子の言葉に二人は目をパチパチ。そりゃそうだ。いきなりこんな仇名をつけられたら……ん? そういえば西住Sもそんなこと言ってたっけ?  ただ二人は慌てて首をふるふる振った。 「ちょっと、厭だよそんな名前!」 「どうしてそんな呼び方するんですか?」 「後藤モヨ子でゴモヨ。金春希美でパゾミだ。変わった仇名も悪くないだろ」  サラッと言われて思わず納得しそうになる二人。でもやっぱりちょっと引っかかるよね。 「「そんな変な名前いりません!」」 「でも私達には君らが必要なんだ」  はっきり、言い切った!  強いな麻子さん。その欲求の根っこは恐らくさっき言った通り。“ぐっすり眠りたい”だ。他の世界の冷泉麻子が、奪っているという睡眠の量。今回の異変が片付いたらそれが確保できると信じているのかもしれない。もしくは他の世界の自分に直接文句でも言いに行くのかな。そのあまりの迫力に、二人は顔を見合わせる。 「どうする?」 「うーん……」 「いいわ。二人とも、一緒に行きましょう!」  園先輩の鶴の一声だ。 「冷泉さんきっての頼みよ。一肌脱ごうじゃないの!」

7 17/07/10(月)07:34:50 No.438785104

 全員が集まったのは体育館だった。  今日はバレー部も練習していないということでガラガラにあいているのだという。磯辺さんが「体育館でも使えば」と提案して、桃様もそれでいいだろうとオーケーを出してくれた。 「会長……」  杏会長が来てくれた。  彼女はスラリとした長身を少し居心地悪そうに桃様と柚子様の間に収めている。自動車部ももう来ていた。歴史情報研究会の人たちも。 「待っていたぞ西住」 「俺たちの力を借りたい、ということならなんなりと」 「ソウルネームを知った仲間に隠し事は無用だ」 「あの……ボクも応援するから」  エルヴィン、カエサル、左衛門佐、そしておりょう。  男子生徒の力強さも必要かもしれない。  そして。 「西住先輩!」  澤梓ちゃんが手を振ってくれた。 「ついに話が動くんですね」

8 17/07/10(月)07:35:05 No.438785123

「動くってそんな大げさな」  微笑んで見せて、それからわたしは自分の顔をパンパンってはたいた!  そうだよね! そうだ言う通りだ!  初めの計画通り、西住みほが集めてって言った人たちが一同に集まった。影住と、それを操る欠住の存在も知れた。そして古今東西住も……。  このこんがらがった状態を解きほぐすことが出来る。それはしっかりと自覚しないと――。 「いや、どうでしょう」 「え?」  いきなりわたしの横に人が現れてぎょっとする。確かこの子は、丸山紗希さん? 難しい顔で顎に指を当てて考え込んでいる。 「おそらく嵌まるべきピースは全て嵌まっていると思うんです。ただそれなら――」 「それなら?」 「いえ、こっちの話です。だってこれはあなたの物語なんですから。西住みほさん」  わたしの物語?  それは全ての人にとって人生は自分が主人公の物語ってことなのかな。そんな話じゃないか。紗希さんの目の奥は磨き上げられた水晶のようでその本心を悟らせない。もしこれで口数が少なかったらほんとに何考えているんだか判らないキャラだったろうけれど、彼女は無口じゃなくてよかった。

9 17/07/10(月)07:35:26 No.438785144

「とにかく話してください。  いま何が起こっているのか、そして起ころうとしているのか」  そしてわたしは皆に改めて自分の身に起こったことを話し始めたのだ。  朝、家を飛び出したときにピンク色の戦車が飛び出してきたこと。  彼女たちが他の世界の西住みほだということ。その乗り物、スーパーアンコウがあらゆる次元を突破出来るものなのに、何故かここから移動できなくなったこと。  この原因を解きほぐす為に、他の世界から来た西住みほと関わりの深かった仲間を探し出すことにしたこと。  影住という謎の勢力が西住みほとスーパーアンコウを狙っていること。 「そして――」 「そしてその影住を操っている、もう一人の西住さんがいるんだ」  話に割って入った会長に、集まった皆がざわっとする。 「彼女は僕に交換条件を出してきた。僕の世界にある技術を教える代わりに、僕の――僕の願いを叶えるって」 「願いってなんですか!」  ねこにゃーさんが叫んだ。わたしが何か言おうとしたとき、桃様がそっと手を挙げて質問を遮った。 「何があったかは、全てが終わった後に語らせてくれないか」

10 17/07/10(月)07:36:00 No.438785171

「みんなも、知りたいよね。でも、もう少し時間を頂戴」  柚子様も一歩踏み出して、会長の手を取る。バツの悪そうな顔で会長は顔を伏せた。 「ただ、僕が出会った西住みほは、右腕が無い、少し寂しい微笑を浮かべる人だったよ」 「そして彼女を利用しようとしているモノの存在が、つい最近判ったんです」  わたしの発言に、今度こそ周囲がざわめいた。 「これは一つの予言のようなものなんですが,メッセージがあります。  我が風を覚えしとき。  我が己の内より輝きしとき。  災いが空よりふりかかるであろう。  わたしたちは、戦う為に集まる必要があったんです」  戦うってなによ! と叫んだのは園先輩だった。 「ちょっと、なんか変なことが起こっているっていうのはともかく、戦うとか物騒なこと言うの止めてよね。大体どうやって戦うっていうのよ!」 「戦うのはこっちでやるよねえ?」  ナポリンが笑顔で親指を突き出した。

11 17/07/10(月)07:36:21 No.438785192

「一対一なら負けないよ」 「うん。それなんだがちょっといいか」  そっと手を挙げたのは麻子。  なにその難しい顔。  いや、それはさおりんも秋山さんもそうだ。  まず麻子が口火を切った。 「何故、全員揃っているのに何も起こらない」 「え?」 「いや、戦うのは構わない。少なくとも私は。私には私の目的があるし協力しよう。  しかし本当なら、全員揃ったところで、何かが起こってしかるべきじゃないのか」 「あ!」  麻子の言葉の意味が分かった。  そうだ。集めるべき仲間が全部集まって、そこでなにか特別なことが起こってもいいはずだ! ムスッとした麻子から失望の色が見て取れる。  さおりんが困ったように言った。 「あのねみぽりん。わたし、もしかして次にやることを教えてくれる新しい西住みほさんが来るんじゃないかなって思ってたの」

12 17/07/10(月)07:36:50 No.438785217

 それから周囲を見回す。やはり待ち望んでいた変化はなく、さおりんは小さく息をつく。 「でもそうじゃないってことは、もしかしてまだ欠けている人がいるんじゃないかな。  あ! そうだ。この集まりに欠けてるの、先生とかじゃない? 顧問の先生」 「顧問はいるけれど先生じゃない」 闇住が首を横に振った。if住が口ごもる。 「でも、欠けた要素が他校の隊長たちでは無いと思う。これは、確証が無いけれど」  あのう、と秋山さんが尋ねた。 「攻めてくるのは、おそらく別の世界のなにかなんですよね? おそらく」 「え? うん。そうだと思うけれど」  首を傾げるわたしに、秋山さんが怪訝な顔をした。 「その、もし他の次元からやってくることが出来る力があるとするなら、もうとっくに攻撃を始めていると思うんですよ。向こうだってこちらが力をつけるのを待っている必要無いわけですから。  でも仕掛けてこないってことは、その準備が終わってないからじゃないかなって思うんです」

13 17/07/10(月)07:37:12 No.438785241

「ふうん。あれから欠住とやらが積極的に攻撃を仕掛けてこないというのもおかしいな」  桃様が眉間に皺を寄せた。視線の先には会長がいる。会長はぷいと横を向いた。 「あれから僕に連絡は無いよ!」 「そんなこと言ってないでしょう会長」  柚子様が困ったように笑いかけた。 「でも一度学校に襲撃をかけてきたんですよね」 「秋山さんの言った通り、なにか準備があるんだと思う。ただ僕には西住さんを操っている誰かは見えなかったな。彼女が自分の意志で動いているように見えた」 「つまりこっからは、あっちの出方次第ってわけか!」  華が拳を自分の手の平に打ち付けた。  いや、まあそうなんだけどさ。  ただ、そう。  さっき麻子が言った「何か起こる」がもしかしたら古今東西住のことなのかもしれない。いや、でもあれはわたしが呼んだから出てきたわけで。だから何かが襲ってくるって判ったんで……。  うわー! 頭がこんがらがる! 「はいはい。あっちが出てくる前に、こっちも準備済みですよ」

14 17/07/10(月)07:37:29 No.438785255

 偽住がダンボール箱を持ってわたしの前に立つ。 「西住研究所とうちの天才が作ったオーアライトだよ。持ってってね」 「え? これ西住研究所の!?」  ESP研究会のナカジマさんが目をパチパチさせて駆け寄った。 「へえー。どんな力があるの?」 「なんでも意志の力を照らし出せるんだって。お互いの場所を教え合うことくらいは出来るとか」  まっさきに受け取ったESP研究会がスイッチを入れる。光は無い。その代わりミニ四駆が、四人のポケットから飛び出した。 「え?」 「なに!」  驚いてナカジマさんがライトを消すと、くるりと車が宙返りして体育館の床に着地してぎゅんっとESP研究会の四人の身体を駆け上った。まるで『ちゃんと力が働いているよ』とでもいうかのように。 「なるほどね。さすが西住さんのお姉さん」 「情報を物質化して見せたわけだ」  ホシノさんがスイッチの入り切りをする。  わたしはえっと声を上げた。

15 17/07/10(月)07:37:48 No.438785271

「え? そ、そんなこと出来るの?」 「情報の実体化はESP研究の悲願でしょ」  スズキさんが不思議そうな声を出した。 「それが出来たらさ。ダイレクトにESPAを現実世界に持ってこれるじゃない」 「それはそうなんだけど、でもあくまでESPAはなにかを媒体にすることで作用するものでしょ。触れているだけで個人データを吸い上げて照射するなんて、そんな――」 「そこが天才のセンスだね。  西住さん、見て。微妙に発光してるでしょ? 西住まほさんは、光を媒体にしてデータを照射する方法を思いついたんだよ」  ツチヤさんが我がことのように自慢した。  あ、そうか。ネットワーク空間と同じだ。あれだってデジタルのフィールドのなかで、光に情報をのせている。それをなんの接続も出来ない空中に飛ばしているだけだ。  いや……これすごい発明だ。  つまりこれを持ってスイッチを入れるだけで、勝手にESPAが作られるんだ。もしこれがUSBなんかでパソコンに繋ぐことが出来たら、すぐに最新のESPAをインストール出来るに違いない。  でもどうしてこんなものを?

16 17/07/10(月)07:38:09 No.438785293

「ま、何故かって凡人共には判らないだろうけどね」  弾んだ声が聞こえて,皆がハッとその方向を見た。  そこにはもう一人のわたし。 「初めまして。わたしこそが、そう! 西住みほを越えた西住みほ! 才能、美しさ、そして知恵を持つウルトラジーザスアメージング西住!  略してうざ住です!」  ああ……という声が周囲に漏れた。バカ、あんたそれじゃただの変な人じゃん。っていうかウルトラスーパージーザス西住の略じゃなかったっけ?  ふふんと目を細めてわたしを見ると、うざ住はもったいぶって皆の前に立って言った。 「これはお守りみたいなものだからね。必ず身につけておいてよ。お風呂もトイレもね。  西住研究所の天才西住まほと、その恋人逸見えりかが丹精込めて作り上げた一品なんだから」

17 17/07/10(月)07:38:24 No.438785305

 みんな話は聞いてくれた。  理解もしてくれた。きっと協力もしてくれるだろう。 「西住殿。正直、納得しがたい説明もありました」  そう秋山さんは言った。 「でも、西住さんを信じます。と、友達だから!」  うん。おかしかったよね。異世界から新たな知的生物がやってくるような研究じゃないって秋山さんに説明したはずなのに、わたしがこんなことを言い出すんだもの。  でも秋山さんはわたしを信じてくれている。  一緒にいろんなことを体験したからかもしれない。それでもまるごと信じてくれる友達が居るのは心強い。 「みほ。あたしがいるからには、好き勝手はさせねえよ!」  力こぶ作ってみせる華。 「多分、もう一つピースが必要なんだ。きっかけになるもの……案外今日がギリギリのラインだったかもしれない」  思案する麻子。 「なにがあっても、わたしたちは味方だからね」  太鼓判を押すさおりん。  それだけでなんか百人以上の力を貰った気がする。

18 17/07/10(月)07:38:39 No.438785316

 ――とはいえ。 「なーんかしっくり来ないんだよね」  わたしは足をバタバタさせる。 「敵が来るのは判った。でもどうやってこの世界に現れるわけ?」 「そりゃ、スーパーアンコウみたいに次元を抜けて、こう……」  闇住が言って、ああ、と間抜けた声を出した。 「それが出来るっていうなら、とっくにやってるってことか」 「ベタ住、なにか知ってることあるでしょ」  if住が痛いところを突いてくる。 「なにが“我が風を覚えしとき”よ。  空から災いが降り注ぐ云々言い出したんだから、なにか判ったことがあるんでしょ!」  ……そう、だけどさぁ。 「なんていうか、説明難しい。明日話す!」  わたしはもう面倒くさくなって、もう一度ベッドに突っ伏した。  お姉ちゃんにも「ライト渡したよ」って電話しなきゃいけなかったけれど、とりあえず全部明日で。

19 17/07/10(月)07:38:59 No.438785338

「なんかさー、かっこつけてあんなこと言ったのが今更恥ずかしくてさあ」  素直に言ったらハモった声がした。 「「「「「わかる」」」」」 「それにしてもベタ住は今日、頑張ったよ」  ポンポンと頭を叩く偽住に、わたしはわざと知らん顔してやった。  埋めた枕に、真っ赤になった顔は隠れちゃっていたけど。 「悪い奴らめ! やっつけてやるぞ!」  ボコが戦う声が、まどろみのなかで聞こえてくる。  ボコは敵と友達になることは出来ないのかな。  そんなことを考えながら、わたしは真っ暗な眠りに落ちていった。

20 17/07/10(月)07:43:43 No.438785594

次回予告! ついに引き起こされた大事件! それは予想もつかない事件で予想もつかないからこそどうなるのか全然わからなくて…… 大洗、学校、みんな、エリカ、お姉ちゃん…… わたしの前で欠住が不敵に笑う! 「もう君たちに進む道はない これから始まるのは無限の荒野……穴だらけの月作戦です」 「その作戦名と今の現象となんの関係があるの?」 「……」 「かっこいいと思ってやった?」 「全てを0に戻すんです!」 あ、ごまかした! 次回 西住S 籠城します! 次回ってお姉ちゃん、明日のことです!

21 17/07/10(月)07:48:21 No.438785832

久しぶりに見た

22 17/07/10(月)08:13:37 No.438787395

会社行こうとしてここ覗いたらびっくりした 今は読めないから帰ってきたら!

23 17/07/10(月)08:16:48 No.438787560

きたのか…!

24 17/07/10(月)08:21:22 No.438787831

連載開始は去年の春だった気がする西住S

25 17/07/10(月)08:29:03 No.438788269

西住Sが帰って来た!

26 17/07/10(月)08:30:20 No.438788351

>次回ってお姉ちゃん、明日のことです! えっ!

27 17/07/10(月)08:34:46 No.438788595

来たのがとても嬉しい 嬉しいが何故月曜の朝!!

28 17/07/10(月)08:40:00 No.438788910

>久しぶりの方はおまたせしてすいません 再開信じて待ってたぜ >前回までのあらすじ! 情報量すごいけど「うひゃー遅刻遅刻!」から何度も読み返してたから全部覚えてるのやっと見つけたよ続きを読める感動、フフ…私にも理解るよベタ住…だって私もメモ住の「」だもん

29 17/07/10(月)08:43:39 No.438789134

ついに登場CV:井澤詩織        井澤詩織        井澤詩織

30 17/07/10(月)08:48:04 No.438789434

空に災い…

31 17/07/10(月)08:52:47 No.438789757

読みたいけどなんだか読むのがもったいない気がするけど読むね月曜だけど だって「」だから!無職だから!

32 17/07/10(月)09:05:29 No.438790538

れまそどキテる…

33 17/07/10(月)09:06:57 No.438790633

>変な設定つけたら売れないよ、監督 せいじはこういう事する

34 17/07/10(月)09:09:42 No.438790798

良かった 止まってなかった

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