虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

1 17/07/03(月)23:55:28 No.437503967

　桜舞い散る春。それは始まりの季節。 　多くの人々が新たな生活を送り始める時期である。それは、彼女達にとっても例外ではない。 「かおりん！　おばちゃん！　こっちこっち！」 　大洗学園艦にある学校へと続く桜並木道。そこで亜麻色の髪の彼女は、元気よく走りながら後ろに向かってぶんぶんと手を振った。

2 17/07/03(月)23:55:47 No.437504033

「もー待ってよなほりんー！」 「そうよ！　走らないの！　それに、おばちゃんじゃなくてお姉さんでしょ！」 　その後に、二つの人影がゆっくり歩きながらついていく。 　明るい髪色の二人はとてもそっくりで、親子だということはひと目で分かった。 「へへっ、そうだった。ごめんねお姉さん」 「うん、分かればよろしいの」 「よかったー。それじゃいこ！　かおりんおばさん！」 「うん！」 「…………」 　おばさんと言われた女性は、諦めたような表情でやれやれと頭を抱えながらも、手を繋いで歩いて行く二人の後についていく。

3 17/07/03(月)23:56:05 No.437504104

　三人はそうして、他にも多くの生徒達が歩く大洗女子学園の門をくぐった。学校は新入生でごった返しており、大洗女子学園が学校として非常に賑わっているのが伺えた。 　その人混みを避けながら、三人は新入生とその家族を迎え入れる受付へと行く。そして、受付に座っている生徒に話しかけた。 「ようこそ大洗女子学園へ。新入生の方ですね。お名前をお願いします」

4 17/07/03(月)23:56:21 No.437504171

「はい、武部香織です」

5 17/07/03(月)23:56:36 No.437504224

　それに最初に応えたのは、かおりんと呼ばれた少女だった。 　武部香織は、受付の生徒から名前の書かれた、花のついたリボン記章をつけられる。 「へへっ、どうなほりん、ママ、似合ってる？」 「うん、とっても似合ってるよ！　ねぇおばさん！」 「だからお姉さんって……あるいは、沙織さんって呼びなさい！」 　武部沙織は、なほりんと呼ばれた少女に怒る。と言っても本当に怒っているわけではなく、あくまでそういうていであり、本当に怒っているわけではない。沙織にとって、これはいつものことなのだ。

6 17/07/03(月)23:56:54 No.437504296

「ほら、あなたも花もらいなさい。なほちゃん」 「はーい。えーっと、私の名前は……」 　そうして、彼女は自分の名を名乗った。

7 17/07/03(月)23:57:11 No.437504361

「西住なほです！」

8 17/07/03(月)23:57:32 No.437504435

　桜舞い散る春。それは始まりの季節。 　大洗のあの激闘から、十七年の月日が経っていた。 　つづく

9 17/07/03(月)23:57:54 [す] No.437504532

とりあえず今日はプロローグだけ 短くてすまない……

10 17/07/04(火)00:04:53 No.437506237

きたのか！

11 17/07/04(火)00:07:12 No.437506797

スレ画の勢いに吹きそうになったが楽しみだ

12 17/07/04(火)00:14:00 No.437508600

このメモ住殿も久々だな！

13 17/07/04(火)00:17:04 No.437509448

次世代の話か！ 楽しみである

14 17/07/04(火)00:20:25 No.437510352

そういや確かに次世代的なSSは少ない気がする

15 17/07/04(火)00:30:18 No.437512964

よかった…結婚できなかったさおりんはいないんだね…