17/06/17(土)23:31:12 SS『S.O... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1497709872629.jpg 17/06/17(土)23:31:12 No.434154394
SS『S.O.S.②』 ケースIF…二人の一年生 いつも書いてる世界線でないIFの澤ペコB・J仕立て *一部オリキャラがでます
1 17/06/17(土)23:31:33 No.434154495
「澤さん。お身体のお加減いかがですか?」 「オレンジペコさん…いつもありがとうございます…少しだけ気分が良いです」 澤梓さんはベッドの上で弱々しく微笑んだ。 でも顔色が冴えない。 「お食事…もう無理そうですか?」 「ごめんなさい…」 澤さんはいつも謝りながら困ったように笑う。 「じゃあ下げてきますね?あっ!私の先輩のお店でケーキを作ってるんで買ってきました。少しだけでも食べてみて下さいね」 お粥とか味気ない食事ばかりだから食がすすまないのかも…そう思ってキーマン様のお店に行って買ってきた。 ストロベリーが載っているショートケーキ。 病院食が沢山残ったトレーを持って、配膳室に返しに行く途中で珍しい人に会った。
2 17/06/17(土)23:32:34 No.434154757
「メイプル様!?」 「ん?オレンジペコか…どうしたこんなところで?」 声をかけると白衣のポケットに手を入れたまま振り向いてくれた。 「メイプル様こそ…今はバーでお仕事されているんじゃないですか?」 この方はメイプル様。私達聖グロリアーナ女学院のOG。戦車道隊とGI6に所属していたお医者様。 「今日はヘルプだよ。お姉様が院長の病院だからな。オペを頼まれた。お前は?」 「私はお友達のお見舞いです」 「そうか。まだしばらくこの病院に居るから何かあれば相談にくると良い」 そう言ってメイプル様は白衣を翻して廊下奥の個室に消えて行った。
3 17/06/17(土)23:32:57 No.434154871
● 「そうだ!澤さん!西住みほさんからお手紙を預かりました」 「えっ!?西住隊長から!?」 言った途端に顔色が変わった。 私は自分のバッグから急いで澤さん宛のお手紙を出して、手渡した。 「お元気でしたか!?」 封筒を見て、ほんのり上気して桜色に変わる頬。 「えっ?ええ…それはもう。来れなくて申し訳ない。そう仰っていました。…しばらく忙しくて来れないけど必ず行くから。そう伝えてくれと」 「お顔見たいなあ…でも西住隊長が元気ならいいんです…それで…」 私にはそれ以上言葉が出せなかった。 西住さんは…大洗の皆さんは廃艦騒動で必死の毎日を送っている…そんな事今の澤さんに言えない…
4 17/06/17(土)23:33:18 No.434154955
● 「おーペコ?どうした?そんな辛気臭い顔して」 「ルクリリ様…大丈夫です。少し疲れただけですから」 廊下ですれ違ったルクリリ様は少し怪訝そうにお声をかけてくれた。 「ペコ、お前がしゃわしゃわ言ってた大洗のあのコ…誰だっけ?えーとぉ…澤さんだ!!元気になったのか?」 前に少しだけお話を聞いてもらっていたので覚えていたようだ。 「毎日行ってんだろ?お前が倒れちまうよ…お前は本当に"おっぺけぺー"だなあ…」 「なんですか?オッペケペーって?」 「アホって事だよ」 そう言ってそのまま自室に戻られた。
5 17/06/17(土)23:33:42 No.434155059
● 「オレンジペコ…お前…少し来てもらう」 いつもの様に病院に行くとキーマン様が心配そうなお顔で私を見ている。 来いと言うので診察室まで付いて行った。 「お前…飲酒しているだろう?それも多量に」 「…はい。申し訳ございません」 「若いうちからアルコールを多量に摂取し続けると臓器はもちろん、脳にも影響が出るんだぞ?」 「はあ…」 「それにバレたら永久追放される。銘はもちろん取り上げられるだろう」 「はあ…」 私の受け答えにメイプル様はため息を吐かれた。 そんな事は言われないでも承知している。 「澤梓の事がそんなに心配なのか?」 「えっ!?…そんな事ありません…」
6 17/06/17(土)23:34:20 No.434155243
「ルクリリの言う通りみたいだな。"おっぺけぺー"さんよ?」 「ルクリリ様が!?何故ご存じなんですか!?お話されたんですか!?」 メイプル様は物憂げにネクタイを緩めた。キーマン様が卒業された時にもらったという想い出のタイ。 「今日の午前中、私に会いに来た。お前の様子を見て欲しいってな。いい加減先輩に心配かけるような真似は止めたらどうだ?」 「でも、私が来ないと澤さんが…」 「医者を馬鹿にするな。お前さんが居なくて処置はきちんとしている」 メイプル様はムッとしたお顔で私を叱るが、なら… 「なら、なんであんなに弱弱しいままなんですか!?内科じゃなくて外科的な治療が必要なんじゃないんですか!?」 思ったまま強い口調で言った。メイプル様はまた溜息を吐く。 「やっぱり…つける薬はないか…それより依存症の治療が必要だ。入院しろ」 「嫌です!!」 そのまま走ってメイプル様の診察室を飛び出した。
7 17/06/17(土)23:34:40 No.434155345
「澤さん…お加減どうですか?」 澤さんのお顔を見るのだけが楽しみだ。それだけで良い。 「オレンジペコさん…お顔の色がすぐれませんよ?ちゃんと食べてますか?大丈夫ですか?」 「私は大丈夫です。それより今日は美味しお店の卵焼きです。甘くて美味しいって評判なんですよ!」 そう言って卵焼きを出した…震える手で… 押さえ付けても震えが止まってくれない。 「大丈夫ですか?メイプル先生に診てもらった方が…心配です…大事なお友達ですから…」 「へ、平気です。装填手ですから…筋肉痛なんですよ。筋トレでバーベルを上げたから…」 そう言うと澤さんは心底安心したようなお顔をしてこう言った。 「オレンジペコさんに何かあると困っちゃいます。大事なお友達でライバルですから…私の片思いですけど」
8 17/06/17(土)23:35:01 No.434155442
● その日の晩も痛飲した私は肝臓付近に走る激痛で救急搬送された。 「起きたか?…オレンジペコⅢ世様?」 気付くとメイプル様がベッドの横に座っておられた。 「私…倒れたんですか?」 「そうだ。酒のせいでな。もういい加減にしろ。大お姉様に報告させてもらったぞ」 「なんでそんな事を!?」 「オッペケペー、良く聞けよ?お前の銘はただの銘じゃない…それにお前が死んだら澤は長く持たないぞ」 「ど、どういう事ですか!?」 銘の事は教えて貰えなかった。 でも澤さんの事は教えて貰えた。気持ちが弱くなっていて免疫が落ちている。血液検査で白血球の数値に異常が出ている。 でも。でも、私が通うことで良くなってきていると… 私が通っていた事は無駄じゃなかったんだ… そう思うと自然と涙が出てきて、止まらなくなっていた。
9 17/06/17(土)23:35:20 No.434155550
「お前の肌にメスは入れてない…澤と寝るときに傷を見られたら流石のお前でも恥ずかしいだろう?」 メイプル様はそう言うと嬉しそうに笑ってくれた。 ○● 「そうです。その地形だと…」 「じゃあこの場合だと挟むように先兵か偵察を…」 私は病室をたまに覗く。 たまあにだ。並べたベッドで横になり仲良く戦車道の教本でお勉強をしている。 「メイプル様。有難うございます。これでオレンジペコも元気になります」 「ああ、そうだな。私の力じゃなくて愛のなせる業だ」 「ところでメイプル様…メイプル様は何者なんですか?」 私を怪訝そうに見るルクリリにこう言った。
10 17/06/17(土)23:35:47 No.434155685
「ただのとおりすがり。とおりすがりのめしやだよ」
11 17/06/17(土)23:36:32 No.434155858
よろしければ読んでみてください su1905572.txt
12 17/06/17(土)23:37:58 No.434156262
澤ペコだああああああ!!!1
13 17/06/17(土)23:44:54 No.434158092
鮨住世界線のウクレレさんだこれ!?
14 17/06/17(土)23:51:44 No.434160417
サナトリウム風味な澤ペコもいいものだね…
15 17/06/17(土)23:53:25 [sage] No.434160972
>澤ペコだああああああ!!!1 ありがとう!がんばってかいたよ… >鮨住世界線のウクレレさんだこれ!? 入れさせてもらいました ありがとう! >サナトリウム風味な澤ペコもいいものだね… ありがとう!いつもじゃなくてしんせんなかんじにしてみました
16 17/06/18(日)00:19:42 No.434169958
>ただのとおりすがり。とおりすがりのめしやだよ おい「」将!ちょっと待てや!作風変わってんぞ うへへ…澤ペコあるじゃねえか…フヒヒッ
17 17/06/18(日)00:24:42 [sage] No.434171669
>おい「」将!ちょっと待てや!作風変わってんぞ きょうははじめてのBJふうだからかえたんだ… >うへへ…澤ペコあるじゃねえか…フヒヒッ ぺこさんがよろこんでくれて何よりだよ…きょうかいたよ… ありがとう!!これでしばらくおとなしくなるといいな…
18 17/06/18(日)00:29:17 No.434173185
今はまだ苦いこの紅茶も甘くなるって信じてるから・・・