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17/06/05(月)23:46:55 [『ビリヤード』著:松本KOUSHIROU] No.431660366
つまりね、一緒なのだよ、この遊戯と。私がそうひとりごちると、 どこからともなくラシャの下からくぐもった声が返った気がした。 イヨッ、とキューを突き出す。果たして白球はバーンと勢いよく飛び出した。 ブレイクショット。テリンッと小気味良い音が響く。 込められた運動エネルギーは白球から的球へと刹那のさざなみが如く広がり、伝播した。 淡緑に広がるラシャの上、様々に彩られた球達がランダムに走りだす。 ランダム。自然と出た自嘲の笑みに、頬が上がった。果たして本当にそうだろうか。 7番と2番がポケットに滑り落ちる。テテリン。続いて8番。テリン。 こうして一見不規則に転がる球だが、その実これらの動きを決めるのは 最初の一突き、ただそれだけだ。わかるかね? 5、4、6。テテテリン。 的球が落ちる度、ぴるす君の声が聞こえる気がした。私も歳だろうか。幻聴との会話が続けく。 そして私はこう思ってしまうのだ。この世界もまた同じではないか、と。9、3、1。テテテリン 最後に白球がポケットの下へと消えた。テリン。スクラッチだ。まいったな。 思わず呟いた時、もはや幻聴は止んでいた。
1 17/06/05(月)23:47:27 [あとがき] No.431660489
画面を見てくれている諸兄。拙い文章ではあったが、楽しめて頂けただろうか。 諸兄の中には、私がぴるす君をどのように嬲、失敬、持て成したか、 想像してくれた方がいるかもしれない(作中にぴるす君は登場しないのだが)。 あるいはつまらんと評を下したり、最後まで読まなかった方もいるだろう。 それらは一見、自らが選択した行動のように思われる。 しかし、諸兄の想像、感想、選択は、果たして本当に自らの意志に依るだろうか。 宇宙は遥か昔、ビッグバンによって生まれた。その瞬間、我々の未来は全て決まったのではないか? 我々の見せる意志のようなものは、一見不規則に見えて、白球に突き動かされた球にすぎないのではないか? 下らない妄想だが、私は時々そう考えてしまうのだ。 本書には、そんな私の思いを少々、フィクションの形でしたためさせて頂いた。 もし楽しんで頂けたなら幸いだ。その反応も遥か昔に決められたものかもしれないが。 本書を執筆するにあたり協力頂いた全ての方々に、深く感謝を申し上げたい。 最後に、ぴるす君のご冥福を祈り、本書の締めくくりとする。 ここまでお付き合い頂き、ありがとう。
2 17/06/05(月)23:50:20 No.431661239
(拍手)
3 17/06/05(月)23:54:20 No.431662134
なんか死んでる…
4 17/06/05(月)23:58:44 No.431663031
平和に終わる歌舞伎役者初めて見た
5 17/06/06(火)00:13:22 No.431666284
>平和に終わる歌舞伎役者初めて見た >最後に、ぴるす君のご冥福を祈り、
6 17/06/06(火)00:13:30 No.431666322
平和かな…
7 17/06/06(火)00:16:19 No.431666936
たぶん玉一つでタマ一つだと思う
8 17/06/06(火)00:32:05 No.431670426
頭突いて目玉飛ばしたのかと
9 17/06/06(火)00:34:51 No.431671030
平和で平穏であるのはよいことだ 例えそれが見せかけの気のせいであったとしても
10 17/06/06(火)00:40:38 No.431672421
あとがきで殺してるの初めて見た
11 17/06/06(火)00:40:41 No.431672433
前文に「この奇妙な隣人ともいえる赤く臭い肉塊と緑ジャージの男の愛に本書を捧ぐ」とか描いてある
12 17/06/06(火)00:43:41 No.431673041
なんかまた斬新なアプローチで殺しにきたな