ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
17/06/02(金)07:50:33 No.430877779
私は夢を見ているのだろうか 私は湿地を一人彷徨っていた 私には愛する家族が そして子ども達がいた 家族と一緒ならどんな困難にも立ち向かえた だが今は独り 満足に食事を得ることすらできていない そんな私を暖かく迎え入れてくれた群れがいた 違う種族でありながら私をお母さんと呼んでくれた 家族とは血や種族の繋がりではなく 心の通じ合った仲間のことだと理解した 風景が変わった この風景は知っている 夜の山 あの巨大セルリアンが出現した夜だ かばんが自分の身を省みずセルリアンへと立ち向かい サーバルを救い出した そしてかばんはセルリアンに食われてしまった 私はその場には居なかった つまりこれは私の記憶じゃない ヒグマ先輩の いや パークの記憶？ ヒグマ先輩なら自己犠牲なんて両方が不幸になるだけだと言うかもしれない ヒグマ先輩はそんな場面に何度も遭遇している しかし私は あの子の見せた献身 無償の愛 それこそが母には必要だと思った
1 17/06/02(金)07:50:58 No.430877809
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2 17/06/02(金)07:51:22 No.430877832
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3 17/06/02(金)07:51:40 No.430877858
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4 17/06/02(金)07:52:44 No.430877917
ﾋｯ
5 17/06/02(金)07:53:06 No.430877940
増えるな増えるな 朝から濃厚なスクすぎる…
6 17/06/02(金)07:53:37 No.430877968
あのこれボス機能停止して…
7 17/06/02(金)07:56:49 [2/4が間違ってましたごめんなさい] No.430878181
また風景が変わった ここは港か かばんがバスに乗って島を離れていく 私はここにいた これは私の記憶だ あの時 もうかばんには会えないかもしれないという考えが頭をよぎった しかし不思議と悲しくはなかった あの子は強い子だ 何も心配することはない それに 離れていても心は繋がっているという確信があった 母は自分の手元から離れていくわが子を引き止めるべきではない 信じて見守るべきなのだ 子ども達が怖い目に合い 震えていれば抱きしめてあげればいい 傷つき疲れ果てていれば愛情で満たしてあげればいい もし子ども達を怖い目に合わせるような何かがあれば 取り除いてあげればいい たったそれだけのこと 全身に痛みを感じる 木々の間から青い空が見えた ここはどこだろう そうだ 思い出した ボスが体調を崩したんだ 博士達の助言に従い ボスを元気にするためのお茶を貰いにカフェに行った帰り ロープウェイから落下したんだった どれくらい時間がたったのだろうか 考えてもしょうがない ボスが震えてお母さんの帰りを待っている 痛みを堪え わが家へと駆ける
8 17/06/02(金)07:58:32 [3/4] No.430878288
わが家についた ボスは ボスがいない どこに行ったのだろう 何か手がかりはないか よく見ると足跡が二つ これは鳥のフレンズの足跡か？ まさか誘拐？ 馬鹿な このジャパリパークにそんな悪意を持ったフレンズが居るわけがない 痕跡は僅かだがこれなら追跡できる 追跡索敵は私のやくめ 痕跡は図書館の方向に続いている 耳をすませると足音が聞こえた これはボスの足音だ 足音の方向に向かうとすぐにボスを見つけた ボスがこちらをじっと見ている 震えている？ お母さんが居ない間に怖い目にあったのだろうか 誰がやったにせよ絶対に許すことはできない ふいに後ろからセルリアンの気配を感じた ボスはこいつに怯えていたのか 結構大きい 頭頂部に石がある ジャンプしただけじゃ届かない しかし 左前脚を砕き 右前脚を砕き セルリアンが前のめりに倒れた これなら届く セルリアンが完全に消滅したのを確認し ボスのほうに目を向ける まだ震えている よほど怖かったのだろう ボスを抱きしめ カフェで貰ったお茶に母乳を加え飲ませてあげた 震えがとまった どうやら落ち着いて寝てしまったらしい
9 17/06/02(金)07:58:49 [4/4] No.430878307
もう大丈夫だろう 私はボスをタライの中に降ろし寝かせてやった 本当はもっとボスの面倒を見たい けどそれは私の願い ボスがお母さんの元を離れたいのであれば それを引き止めてはいけない ボス 元気でね 辛いときはいつでもお母さんを頼ってね 遠くからヒグマ先輩とキンシコウ先輩の声が聞こえた 私を呼んでいる そう 私は母でもありハンターでもある 胸の奥から湧き出すオーダー パーク中のあらゆる種類のフレンズつまりわが子の笑顔を守らなければならない お母さんを頼ってくるわが子を無償の愛で満たしてあげなければならない わが子を怖がらせる存在すべてを排除しなければならない オーダー了解です このオーダー必ずこなしてみせます ヒグマ先輩とキンシコウ先輩が息を切らしてこちらに向かってくる お母さんはここにいます 胸が張る感覚 私は子ども達のほうに向かった 両手を広げ子ども達を抱きかかえる 本当の愛はここにありますよ