虹裏img歴史資料館

1 17/05/23(火)22:55:57 No.428992491

. . 　ある日の事。私はみぽりんと一緒に帰り道を歩いてたんだ。 　まるで鬼灯みたいな夕日の色に染まる学園艦は何時もと違って見えて、なんだか新鮮な気持ち。 　その日にあった事とかを他愛なくみぽりんと話していたら、みぽりんは急に眉をにゅにゅっと寄せて、困ったような、しょっぱい様な表情を浮かべたよ。 「みぽりん、どうかしたの？」 　私が聞いてみるとみぽりんは小さく苦笑を浮かべてこう言ったの。 「最近、耳が痒くって…ちょっと困ってるの」 　綿棒で優しく掃除してるんだけどね。自分でやると怖くって…って呟くみぽりんに私はうんうん、と頷いた。 「その気持ちよく分かるよぉ。私だって自分で自分の耳を耳かきするの怖いし。麻子なんてしょっちゅう耳かきをねだるしさぁ」 「へぇー…でも、沙織さんの耳かきかぁ…なんだか気持ち良さそう」

2 17/05/23(火)22:57:07 No.428992830

私の言葉を聞いて、どこかちょっとウットリとしているみぽりんに私は妙な気恥ずかしさと可愛さを感じたけれどっ、それはさておき！ 　私も戦車道を履修してから、無線機の大きなヘッドフォンを被るようになって確かに耳垢が増えたよーに思うなぁ。だから定期的に耳のケアをするようにしてるよっ。不潔なのは全然乙女の嗜みじゃないもんね！　やり過ぎると炎症になったりするらしいから、やり過ぎないようにしているけれど。 　あんこうチームの四号戦車だけでなく、チーム全体の指揮を執らなきゃいけないみぽりんも頻繁に大きなヘッドフォンをつけている訳で。もしかしたらソレの所為でみぽりんの耳は痒くなっちゃったのかな？　って私は考えたの。それに蒸し暑い時期になると蒸れたりするもんね。 　だから、私は――… 「ねぇみぽりん、ウチに寄ってかない？」 「ふえ…？」 「耳かき、してあげる！」 　何の気もなしに、そんな事を言っちゃった。 . . .

3 17/05/23(火)22:57:37 No.428992984

きたのか！

4 17/05/23(火)22:58:19 No.428993186

「お邪魔しまーす」 「私、耳かきの準備するから、楽にしてね！」 「うん」 　学園艦での自宅とも言ってもいい私のアパートに、みぽりんと一緒に帰りついたよ。 　私が準備している間、みぽりんは部屋の隅っこでポツンとしてたクマのぬいぐるみを抱っこしながらのんびりとしてたけれど、みぽりんってば本当にクマが好きだよねぇ…一番好きなのがボコられ熊のボコじゃ無かったら、とっても女の子っぽくて可愛いのになぁ。うーん… 　さておき！　準備が出来たよっ！ 「みぽりん、こっちおいでー」 「はーい」 　私の隣に移動してきたみぽりんに、優しく説明してあげたよっ 「まずは、蒸しタオルで耳を暖めよっか。血行のめぐりが良くなって気持ちいいよっ」 「そうなの？」 「そうなのっ」 　キョトンとしているみぽりんを説き伏せて、私はみぽりんを膝枕に寝かせてあげたよっ。それから、蒸しタオルを優しく耳に当ててあげたの。 「どう？　熱かったりしない？」 「ううん。なんだかサウナみたいで…気持ちいいかも」

5 17/05/23(火)22:58:35 No.428993265

「でしょでしょー？　これをちょっとの間続けるの。それから、耳の周りをタオルで拭いてあげるね。それも結構気持ちが良いんだよ」 「へぇ～…」 　心底不思議そうなみぽりんに、私はこの子を美容室のエステとかに連れて行っちゃったらどれ位アワアワするのかなーって思っちゃった。 　…でも、何だかそんな風にアワアワしているみぽりんを他の人に見られるのは何だか勿体無いような、悔しい様な…そんな気分にもなったりして…って。 　ええい！　何考えるの武部沙織っ！　耳は敏感な部分なんだから、邪な事考えてる暇無いよっ！　みぽりんの耳に怪我とかさせられないでしょっ！ 　気を取り直してっ。 「じゃぁみぽりん、耳の周りを優しく拭くよ？　楽にしてね？」 「うん」 　もう一つの蒸しタオルで、耳の周りを優しくコシコシ。前に一度、疲れてた華にしてあげた事もあるけど、これって意外と気持ちいいんだよねー。

6 17/05/23(火)22:59:06 No.428993406

>きたのか！ 久々にきたよ

7 17/05/23(火)22:59:27 No.428993485

…にしても、みぽりんの耳、なんだか形が可愛いなぁ。丸くって、耳たぶの辺りがちょっとキュッとしてて。 　耳の裏側とか、結構汚れが溜まってるんだよねぇ…気付かないよねぇこう言う場所の汚れって。 「どーぉ？　みぽりん。気持ちいい？」 「ふあ、ぁ…。うん…気持ちいいよ…沙織さん…」 　…ヤバ…今のみぽりんのウットリとした声、何…？ 　こんな声、麻子や華にしてあげた時も聞いた事無かったよ…？ 　なんだか聞いてるコッチがドキドキして来ちゃう！　やだもぉ！ 　えーっと、次行こ。つぎっ 「それじゃぁ耳かき棒で、優しく耳掃除するね！　耳の奥にある耳垢は無理に取ったりしないから、安心してね？」 「う、うん…」 　私はみぽりんの背中をトントンとしてあげながら、耳を上に向けて貰ったの。その時のみぽりんの顔が、ちょっと赤く染まってる様に見えたのは気のせいかな？ 「…耳かきして貰うの…菊代さんにして貰った時以来かな…？」 　ぽつりと、みぽりんはそんな事を呟いたよ。…何でかな。私今すっごくジェラシーを感じてるよっ。

8 17/05/23(火)23:00:59 No.428993945

「もー。みぽりんのイケズ。私の事を見てよね？」 「あはは。ごめんね？　それじゃぁ、えっと…あの…沙織さん。お願い」 　急にしおらしくなったみぽりんの声にドキッとしつつ、私は呼吸を整えたよ！　気が散ると危ないからね！ 　私はみぽりんの耳の中をそっと見たよ。灯りに照らされたみぽりんの耳の中は、そんなに汚れては無かったよ。 　ただ、耳の中の壁にぺったりとくっついてる大きな塊があって、これがとっても痒そうだなって私は感じたよっ。これがみぽりんを困らせてる原因かな？ 　そっと耳かき棒を入れて、コショコショと引っかくよ。するとみぽりんは 「ひゃぅ…ん…っ」 　って、すっごい甘酸っぱい声を出したよ！？　映画の際どいシーンみたいな！

9 17/05/23(火)23:01:31 No.428994081

私は必死になって、戦車のデータを纏めたノートの内容を思い出して平静を保ったよ！　こんな状況で手元狂わせたら、大変だからねっ！ 　…だけども同時に、私はちょっと嬉しく思った。こんな声が出ちゃうってことは…みぽりんは今、とっても気持ちが良いんだよね？ 　何かと色々と難しい事を考えて、大洗の学園艦の未来を賭けた戦いの責任も背負ったりして、疲れてるはずのみぽりんが、私の耳かきで気持ちよく成ってくれる。それって…凄く嬉しいよね？ 　コリコリと、ゆっくり時間をかけて、みぽりんを苛めてる大きな耳垢をやっつけたよ！　まるでマウスみたいに大きくて、ビックリしちゃったんだから！ 「みぽりん、お疲れ様ー。耳かき痛くなかった？　動いたりしなくて、えらいねー」 　私はそう言うとみぽりんの頭をぽんぽんって優しく撫でてあげたよ。 「うん…とっても…気持ち、良かったから…」 　そしたらみぽりんは、ふやけた声で、嬉しそうに言ってきて… 　みぽりんってこんなにフヤフヤにふやけちゃうんだ。って私は関心したりびっくりしたり。だけども、まだまだ私のみぽりんリラックス作戦は終わらないよっ！

10 17/05/23(火)23:01:51 No.428994146

「じゃぁ次。綿棒で細かい垢を取っていくよぉ？」 　私は綿棒の先を乳液に浸して、優しくみぽりんの耳の中を拭いていったよっ。これ、麻子にしてあげるとくすぐったいって言いながらも喜ぶんだよねぇ。 「ぁっ…んっ…は、ぁっ…ぁっ…！」 　…みぽりんには、効果は抜群みたいです。なんだか聞いてて恥ずかしくなるような声が聞こえてくるけど、今は無視。無視！　みぽりんの安全が大事なんだから！ 　綿棒で、細かい垢を取り終わったら、今度は耳たぶのオイルマッサージ！　指にオイルを絡めて、優しく撫でてあげるの。 「みぽりん、ちょっとヒヤッとするけど、大丈夫だからねー？」 　無言で小さく頷くみぽりんに、私はオイルを垂らした手で触れるよ。指先がみぽりんの耳のくぼみとか、耳の縁を撫でるだけで、みぽりんの体が小さく揺れる。 「んひ…ぁっ…！」 　耳へのマッサージをするだけで、みぽりんの顔はリンゴみたいに真っ赤に染まっちゃった。もう此処まで来ると、私はただただ嬉しくなっちゃった。みぽりんが、私の手で気持ちよくなってくれる事が。

11 17/05/23(火)23:03:03 No.428994468

いい…

12 17/05/23(火)23:03:21 No.428994558

数分間のマッサージを終えて、私はみぽりんの耳を優しく拭いてあげたよ。エステが終わったみぽりんの耳は、なんだか食べちゃいたいくらいにピカピカになったよ。 「みぽりん、どうだった？」 　私が恐る恐る聞いてみると、みぽりんはゆっくりとした動きで体を起こすと、真っ赤な顔でモジモジしながらこう言ったよ。 「…沙織さんの耳かき…すっごく…気持ち、良かった…」 「…っ…！」 　私は、私は…っ 「…ぁ…沙織、さん…？」 　私は、もう、我慢が出来なくなって。 　みぽりんの事を優しく押し倒すと… 「んむ…」 「…ぁ…んぅ…」 　…唇を重ねちゃった… .

13 17/05/23(火)23:03:44 No.428994665

「…みぽりん…」 「…ぁ…さおり、さん…」 「……もっと、気持ちよく、なろ……？」 　私がそう言うと、みぽりんは恥ずかしそうに頷いて… 　私はもう一回、みぽりんの唇を、味わうみたいに、キスをしたよ… . . 　私は分かっちゃったんだ。誰かを好きになるのに、性別なんて関係ないって事。 　だって、だって…私の友達は、こんなにも可愛いんだから…！ . .

14 17/05/23(火)23:05:31 No.428995170

以上と成ります お付き合い頂きありがとうございました テキストはこちら su1875114.txt 久しぶりな事も相成って拙いわ短いわとトホホな感じになってしまいましたがお楽しみ頂けたなら幸いです

15 17/05/23(火)23:05:39 No.428995214

ｷﾃﾙ…

16 17/05/23(火)23:07:24 No.428995721

いやいや結構なお手前で…

17 17/05/23(火)23:07:37 No.428995781

みほさお良いよね… 甘酸っぱいんだ…

18 17/05/23(火)23:09:44 No.428996358

甘酸っぱいみほさおいい…

19 17/05/23(火)23:14:27 No.428997799

おずおずと一歩踏み出す百合百合しいみほさおの百合っていいよね…

20 17/05/23(火)23:17:30 No.428998690

甘酸っぱいだ？ 甘あまじゃねえか！ すごく良かったです

21 17/05/23(火)23:18:50 No.428999093

>甘酸っぱいだ？ >甘あまじゃねえか！ >すごく良かったです 本音は口から角砂糖をボトボト吐きまくるようなの書きたかったのよ…

22 17/05/23(火)23:28:33 No.429001806

いい…

23 17/05/23(火)23:30:06 No.429002202

ｷﾃﾙ…

24 17/05/23(火)23:33:08 No.429003018

なんか読んでてリラックスしてきたよ…

25 17/05/23(火)23:33:53 No.429003255

ｷﾃﾏｽ…

26 17/05/23(火)23:35:17 No.429003671

もしよかったらイアーエステ系のASMR動画を流しながら読んでみるとさおりんにイアーエステしてもらってるみぽりんの気分に浸れる…かも知れません

27 17/05/23(火)23:40:42 No.429005400

めっちゃｷﾃﾙ…

28 17/05/23(火)23:41:26 No.429005635

いいねえ…