17/05/14(日)00:58:19 「ああ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1494691099642.jpg 17/05/14(日)00:58:19 No.426917287
「ああっと!鋭いラリアートが決まったァ!」 リング上では二人の金髪少女が交錯し、髪を結った方の少女が紅茶を吹きながらもんどりを打ってマットへ叩きつけられた。 ホットパンツにトップスというセクシーな装いのアッサムはその長い髪をかき上げる。 「しかしこれは意外な展開だ!体格とパワーで優れていたダージリンオレンジペコのチャーチルシスターズ優勢かと思われていたが、アッップペアのGIガールズが相手の長所を抑え込み、その機動力で優位に試合を進めています!すごいね、柚子ちゃん!」 「そうだね。状況の説明ありがとう、桃ちゃん」 「桃ちゃん言うな!この試合は聖グロリアーナ大洗女子学園協賛でお送りしています!」
1 17/05/14(日)00:58:45 No.426917393
大洗女子の体育館に特設された会場は聖グロリアーナと大洗女子の生徒で埋め尽くされ、血気盛んな女子高生の熱気が渦巻いている。 リングサイドの長テーブルでは、実況の河嶋桃と小山柚子がマイクを握っていた。 「しかし、これで終わりか、終わってしまうのかチャーチルシスターズ!」 地に伏せたダージリンにアッサムが覆い被さる。 ワン。 白黒の縦じまシャツを着込んだルクリリが腕を振り下ろす。 ツー。 ルクリリはダージリンが確実にフォールされているのを注意深く確認している。そのため、背後からの闖入者に気づかなかったのだ。 ルクリリが三つ目のカウントのために手を振り上げた、その時。 「ああー!!!オレンジペコがレフェリーに突っ込んだ!ズルイぞ!!」 コーナーからの助走をつけたドロップキックがルクリリの背中に突き刺さり、リング外へと弾き飛ばす。
2 17/05/14(日)00:59:15 No.426917493
素早く起きあがったオレンジペコは、まだダージリンを押えていたアッサムに襲い掛かろうとした。 しかし、オレンジペコの体は元来たコーナーの方へと吹き飛ばされた。 「ローズヒップの鋭いタックル!横合いからこれを食らうと苦しい!」 ローズヒップは悶絶するオレンジペコを乱暴に起き上がらせ羽交い締めにする。 カウントを邪魔されたアッサムが身動きの取れなくなったオレンジペコに詰め寄る。 観客に見せつけるようにアッサムの右手が振り上げられた。 バシ! 描き文字でも見えるかのような音が会場に響き渡る。 続いて左からも平手がオレンジペコの頬を打つ。
3 17/05/14(日)00:59:53 No.426917629
バシ!バシ!バシ! 「凄まじい連続ビンタだ!しかし何ということでしょう!聖グロリアーナのプロレス道はいついかなるときも優雅だァ!」 打たれる度に耽美な表情になるオレンジペコ。その体から次第に体力が奪われていく。 突如としてアッサムの手が止まった。不思議そうな表情のローズヒップを置いて、アッサムはリング下へ降りてしまう。 「どうした、アッサム?チャーチルシスターズのコーナーで何をする気だ?」 アッサムが手にしたのは高級なティーセットの乗ったお盆だった。ダージリンが持ち込んで、試合中にもオレンジペコがリング上で戦っている時にも紅茶を飲んでいたのだ。 だが、それは近くの聖グロ生へと預けてしまい、その下の丸いテーブルを抱える。 リング上から様子をうかがっていたローズヒップの足元まで丸テーブルを移動させた。アッサムはテーブル(反則)を指差し、ローズヒップと目配せをした。
4 17/05/14(日)01:00:13 No.426917702
「まさか、まさか、ちょっとまて!」 アッサムは再びリングへと上がり、ローズヒップと共にオレンジペコを挟み込んだ。 「やめろー!危険だ、危険だ!レフェリー止めろォ!」 しかし、ルクリリはまだリング下で気絶している。 アッサムとローズヒップはぴったり息を合わせてオレンジペコを持ち上げる。そして小柄なオレンジペコの体は易々とロープ上を飛び越えた。 「ぎゃああああああ!!ちくしょう、やりやがった!大丈夫かあああぁぁ!?」 丸テーブルの天板はVの字に割れ、サンドウィッチの具材になってしまったオレンジペコはぴくりとも動かなくなった。 「くそっ!なにが優雅だ!こいつらイカれてやがる!」 河嶋の罵声もどこ吹く風、撃沈したオレンジペコの姿をアッサムとローズヒップは悠然と見下ろしている。
5 17/05/14(日)01:00:39 No.426917801
あとはダージリンを血祭りにあげればGIガールズの完全勝利。アッサムとローズヒップは手を取り合い、振り返ろうとした時、ローズヒップがリング下へと転げ落ちた。 復活したダージリンが油断したローズヒップを蹴り落としたのだ。不意を突かれて受け身を取り損なったローズヒップが苦し気に這いつくばる。 すかさず、ダージリンはローズヒップに気を取られたアッサムの背後へと回り、下半身をがっちりホールドする。 「スープレックス一閃!決まったァ!!」 ダージリンは見事な反り投げでアッサムをマットへ叩きつけた。天を指すダージリンの人差し指に会場が一気にヒートアップする。 フラフラ起きあがろうとするアッサムを捕まえ、再びマットへ突き刺す。ツー!! そして、三度立ち上がったアッサムをダージリンは容赦なく投げ飛ばす。スリー!!!
6 17/05/14(日)01:01:01 No.426917884
ダージリンはアッサムを沈黙させ、その強さ、高貴さ、優雅さを観客へとアピールし始めた。 「いゃっほう!流石は聖グロリアーナを象徴するダージリンだ!みたか、世界よ!これが優雅だ!」 S・G・G!(St. Gloriana Girls’High School) S・G・G!(St. Gloriana Girls’High School) S・G・G!(St. Gloriana Girls’High School) ダージリンを称える声が会場を埋め尽くす。 しかし、その大歓声は一部の観客の悲鳴と河嶋桃の叫び声をもかき消してしまっていた。
7 17/05/14(日)01:01:18 No.426917932
「うああああ!あぶなーい!ダージリン、うしろうしろー!!!」 復活したローズヒップがリングへと舞い戻り、手にしたパイプ椅子(反則)をダージリンの背に打ち付けたのだ。 ダージリンはその衝撃に悶絶し、よろよろとロープへもたれ掛かる。そして、襲った者を確かめるべく振り返ったところへもう一度、パイプ椅子(反則)が叩きつけられる。 ダージリンの額に椅子のクッション部分が直撃し、ダージリンは天を仰いで倒れ込んだ。 「ちくしょうめ!ダージリンがやられちまった!」 ざわめく会場の中、ローズヒップはアッサムを抱き起こす。意識を取り戻したアッサムは、まだふらつく足で倒れるダージリンをリング中央へと引き摺っていく。アッサムは呼吸を整えてからよく通る声で要求した。 「テーブル(反則)だとぉ!?あいつ、ダージリンまで処刑する気だ!」 アッサムの号令により会場は一層沸き立つ。リングから飛び降りたローズヒップがリング下から長テーブルを取り出す。 リングへ投げ込まれた長テーブルを、アッサムは慣れた手つきで組み上げていく。
8 17/05/14(日)01:01:37 No.426917999
「ああぁ……、やめろぉ……、やめてくれぇ……」 アッサムとローズヒップはリング中央へセッティングされたテーブル(反則)を挟んで立ち、それぞれの側の観客へとアピールを始めた。今からダージリンを処刑すると。 アッサムはダージリンの足元をしっかりと掴んだまま、ダージリンの体をローズヒップの方へと放り上げる。ローズヒップはダージリンの頭を掴み、ダージリンの体へと己の体重を乗せた。足にはアッサム、頭にはローズヒップ、そしてダージリン自身、三人分の体重を乗せてダージリンの体はテーブルへと叩きつけられた。 「なんてこった!この【砲声】がッ!あいつら【砲声】の【砲声】【砲声】【砲声】だッ!!」 河嶋の叫びも虚しく、テーブルサンドウィッチのキュウリになったダージリンは完全に沈黙してしまった。 会場からはテーブル(反則)を使ったことに、大ブーイングが巻き起こっている。 しかし、アッサムはそんな罵声も涼し気に受け流している。一方のローズヒップはコーナーへと上がりブーイングをさらに煽っていた。
9 17/05/14(日)01:02:06 No.426918116
そんな喧騒の中、よたよたとリングへ上がろうとする者がいた。オレンジペコに気絶させらていたルクリリだ。 ルクリリはリング内外の惨状を目の当たりにし、渦中にいるアッサムへと詰め寄る。 「ようやく起きたか、この役立たずが!そいつだ!そいつらがやったんだ!」 ルクリリはきつく問い質そうとするが、アッサムは知らぬ存ぜぬの一点張り。会場の騒音とアッサムの態度に焦れたルクリリが、アッサムの肩を突き飛ばした。 その瞬間、ローズヒップがルクリリの肩を掴んで振り返らせ、拳を腹に突き立てた。よろめいたルクリリをロープへ振り、返ってきたルクリリの首へと腕を打ち付ける。 「やつら、レフェリーにまで手を出したぞ!こんな試合無効だ!ゴングだ!ゴング貸せ!」 河嶋はカンカンカンカンとヒステリックに鐘を打ち鳴らす。しかし、そんなことではリング上の流れは止まらない。 アッサムは倒れ伏したルクリリを肩に担ぎあげ、ローズヒップに指示を出す。
10 17/05/14(日)01:02:35 No.426918210
ローズヒップはリングから飛び降りて実況席へと駆け寄ってくる。 「うわっ!なんだお前!こっちくんな!やめろぉ!」 河嶋は喚くが、ローズヒップはお構いなしに実況テーブル上の物を乱暴に払い落す。 かろうじてマイクだけは守り通した河嶋だが、成り行きを眺めることしかできなかった。 ローズヒップが実況テーブル(反則)をリング下に移動させる。そのすぐ上にはルクリリを担いだアッサムの姿。 「オー……ノー……」 片メガネがずり落ち、呆然とする河嶋の眼前へとルクリリの体が投下された。3つ目のサンドウィッチが完成し、歓声で会場が満たされた。 「オーマイガッ、オーマイガッ、オマイガッ!」 外国人になった河嶋がぶつくさと口走る。 「ヘイ!オマエラ!」 河嶋はローズヒップに詰め寄り、英語っぽい感じの罵声を浴びせはじめた。 しかしすぐ、ローズヒップに首根っこを掴まれ、そのままリングへと押し上げられてしまう。
11 17/05/14(日)01:02:51 No.426918259
「えっ。ちょっとまって。これは聞いてないぞ!?」 不意にリングへと立たされた河嶋はそこから逃げ出そうとするが、アッサムに回り込まれてしまう。 アッサムの手がぽんと河嶋の肩に添えられる。その小さな体とは不釣り合いな力で抑えられ、河嶋は思わず硬直してしまった。 背後には、いつの間にかリングへ上がってきたローズヒップが立っており、いよいよもって逃げ場を失ってしまう。 「ねえ、助けてよ、柚子ちゃぁぁん……」 懇願する河嶋だが、助けを求めた相手、小山柚子はテーブルをリング上に設置している最中であった。 「ごめんね、桃ちゃん。協賛だから私達も体張らないと駄目なの」 観客席からは、かーしまー、がんばれよ~、と気の抜けた声援が飛んでくる。 「……うん」 目を瞑り覚悟をそれなりに固める河嶋桃。 アッサムは河嶋の片メガネをそっと外し、小山へと預ける。
12 17/05/14(日)01:03:09 No.426918326
「ねえ、柚子ちゃん……」 「なあに?」 「私達、なんで戦車じゃなくてプロレスやってるのかなぁ……」 「桃ちゃん、今更それ言う?」 新しいテーブルでオレンジペコとルクリリを侍らせたダージリンはにこやかに紅茶を啜る。 盛り上がる聖グロリアーナと大洗女子の生徒達。 そして河嶋はサンドウィッチになった。 その後、希望者が次々とテーブルへ叩きつけられ、興業は大成功に終わった。 おわり
13 17/05/14(日)01:07:43 No.426919288
これ席にお金取れるやつだ…
14 17/05/14(日)01:08:41 No.426919502
桃ちゃんすごい才能もってるな…
15 17/05/14(日)01:09:14 No.426919627
なんだこれ…
16 17/05/14(日)01:09:30 No.426919676
桃ちゃんは美味しい役だなぁ
17 17/05/14(日)01:09:48 No.426919748
桃ちゃんは砲手以外なら割となんでもそれなりにやってるからな…
18 17/05/14(日)01:11:51 No.426920228
プロレスブームきてる…
19 17/05/14(日)01:12:47 No.426920431
ひどい…
20 17/05/14(日)01:22:23 No.426922616
あ 気付いた これ多分桃ちゃん普通に制服だから叩きつける時にパンツ見えるな
21 17/05/14(日)01:22:38 No.426922671
これ書いたのは一体どの「」なの?
22 17/05/14(日)01:22:42 No.426922685
スレ画が試合後の治療にしか見えなくなった…
23 17/05/14(日)01:24:19 No.426923018
興行て…
24 17/05/14(日)01:25:47 No.426923366
リングで紅茶飲むぐらいだしアンコウ鍋に投げ込むぐらいするかとおもったけどサンドイッチだけで済んでよかった
25 17/05/14(日)01:26:42 No.426923546
>観客席からは、かーしまー、がんばれよ~、と気の抜けた声援が飛んでくる。 主催者…
26 17/05/14(日)01:29:29 No.426924102
大洗側からアリクイさんチームをレスラーに出したらさらに盛り上がるのでは
27 17/05/14(日)01:30:06 No.426924228
>大洗側からアリクイさんチームをレスラーに出したらさらに盛り上がるのでは 死人が出ちまうー!
28 17/05/14(日)01:31:09 No.426924435
>「なんてこった!この【砲声】がッ!あいつら【砲声】の【砲声】【砲声】【砲声】だッ!!」 桃ちゃんなんて汚い罵倒吐いたの…