虹裏img歴史資料館

1 17/05/01(月)03:39:40 No.424260440

「手伝ってみないか？」そう声をかけたのはパイマンさんからだった 心のバランスが落ち着かなくてついゲルちゃんにわっきゃーしてたつばさちゃんに対し 託児所の手伝い、実質上保母さんのお仕事。ハタから見ればそれは間違った選択かもしれない。 けど、けどパイマンは勧めた、自傷行為のあまりゲルちゃんのように肌色がどんどん生傷で真っ赤になっていくつばさちゃんに対し、パイマンさんのとった行動は つばさちゃんにとって、どう響いただろうね、響いただろうか まずはつばさちゃんの罪の意識、自分を許せないという心のケアが必要、必要だってパイ マンは思った。故の決断だった。もしかしたら殺傷沙汰で託児所営業の危機が訪れるかもしれない。くぅ様騒動の時も園児のほとんどがいなくなった、あの日のような事が起きるかも、しかしいまのつばさ、ド新人にはこれが、これが必要なんだ。

2 17/05/01(月)03:40:05 No.424260458

だからつばさちゃんには保母さんのお手伝いなんだ。 己で痛めつけた傷をうつつちゃんに直してもらいながら 「怖い…怖いです私、また、またゲルちゃんみたいにあの仔達を…わっきゃーってしてしますかも」 そうこぼすつばさちゃんにうつつちゃんは頸を横に振る 「そんなことない、つばさちゃんは優しい仔、だから大丈夫。大丈夫はじめや清音だってみんなと遊んでる、だからつばさちゃんにも…きっとできる」 そう額の掻き傷を癒やしながら諭すうつつちゃんは、いやうつつ先輩である。 Gメンバーとしても託児所の保母さんとしても先輩だからこそ、こうしてつばさちゃんを支える事ができる。 生傷が消える度許されない自分の証が消えるようで怖くてしかないつばさちゃんをそっと 抱き寄せるうつつちゃん、自分の身体は自分では癒せない。 LOAD君につけられたであろう二の腕や鎖骨には包帯が厚く巻かれているけど つばさちゃんの身体は元のように癒えていく。まるでゲルちゃんの前ではじめて 自分自身にわっきゃーする前の、とても健康な身体に戻っているようで

3 17/05/01(月)03:40:25 No.424260475

―――託児所には下は乳児、上は小学校3年生まで鍵っ子達がおかあさんおとうとさんの 帰りを待っている、児童デイサービスとか幼稚園じゃないから特になにか学んだりする事はないんだけど、 だいたい乳児ははじめ先輩とパイパイが見ていた、おしめ替えてミルクつくって飲ませて だっこしてお昼寝させる、つたえ歩きできるようになったらすごいっすねーって抱きしめてあげる、パイパイはだいたい四肢や顔を乳児にしゃぶらてる 清音センパイとはじめセンパイの赤ちゃんについてはこの際触れてはいけないけど 今、この瞬間のはじめちゃんはとても楽しそうで代価行為のソレとは違って 純粋に赤さんたちとクタクタになるまえ遊んでる、ミニ滑り台がはじめちゃんの特等席だ その様子を見るだけで普段病んで首絞めてる二人しかみていないつばさちゃんいは異様というか異質、別人をみているようにも見えたけど、けど幸せそうなはじめセンパイを見るとなんだかホッとできる、できたんだ

4 17/05/01(月)03:40:41 No.424260489

清音先輩とうつつ先輩は少し年中年長さんとお遊び、こっちは体力勝負だからうっすら 汗をにじませながら清音先輩もなれない子供付き合いを頑張ってる どう接したらいいかわからかった先輩だけど唯一の男のせんせーって訳で鬼ごっこや 容赦なく背中から覆いかぶさってふざけたりしてくる その度鎖骨や肋骨、大腿骨が響くけど、けど笑顔の子供達がいるから先輩も自然と笑える やせ我慢も我慢も内だし、これもリハビリなのかなって自己解釈できる、そしてなにより 子どもたちといると笑顔になれる。そんな気がする先輩の心はどんどん癒やされていく うつつちゃんははじめちゃん直伝のパッチワークと切り絵と折り紙を女の子達と遊んでる はじめちゃんの指があれだからうつつちゃんが代わりにやる。徐々に腕もあがってきているみたいだ。完成品を持ち帰る子どもたちの笑顔はとてもうつうつしません。 そして、そして当のつばさちゃんはどうなんだろう？どうなんだろうね

5 17/05/01(月)03:41:01 No.424260510

何かしないとって思うけど何もデキないで固まっていた、うつつちゃんの折り紙教室に参加しようにもあ…ってなって途中でリタイアしちゃう。託児所の中に混じりこめない自分に苛立ちと寂しさを覚えながら体育すわりしてると手を差し伸べてくれるのは 先輩達ではなく、園児達「つばさおねーちゃんだいじょうぶ？」「ぽんぽんいたいの？」 いいよる子ども達に「ううん大丈夫だよ、心配しないで」と無理して返事をするつばさちゃん 心の中は不安と恐怖と何かしなきゃけどなにもできない焦燥感でどうしにもなってしまいそう また、また自分に”わっきゃー”してしまう。そうなれば全ては破滅だ だからこの臨界寸前の状況を打破する為になにか、なにかしないと―――

6 17/05/01(月)03:41:16 No.424260525

そう焦ってるつばさちゃんの傍には自然と人だかりが 「だいじょうぶ」「だいじょうぶだからね」「こわくないよつばさおねーちゃん」 次々に声をかけてくれる子ども達はやさしくおつむや肩を撫でてくれる そこには優しい世界が、広がっていて。つばさちゃんは一人にならなかった この光景にはパイマン園長もほっこり、これを狙っていたのかもしれない 園児達には申し訳ないけど園児を通してつばさちゃんの心を少しづつ癒やしていく はじめちゃん育児ドクトリン「こまった子がいたらまず声をかけるッス！」 これが実行された証拠でもある。だから大丈夫

7 17/05/01(月)03:41:35 No.424260545

そして閉園19;45分に最後のおかーさんが迎えに来て。店じまい ぎこちない体つきで掃除機をかける先輩と手すりや壁という壁をアルコール除菌するうつつちゃん それを横に洗い物を二人で片付けるつばさちゃんとはじめちゃん 「すいません・・・私何も役にたたなくて」ってしょぼくれるつばさちゃん 「いいんスよいいんスよーこれでいいんス」 そう眩しい笑顔で答えるはじめちゃん、そう役にたとうなんて行動しちゃいけない みんなの輪に入って癒やしてあげればこの託児所はいいんだよ 役に立とうと何かして最終的に最悪の結果を招いてしまったつばさちゃんにとって この託児所パイパイはきっとそういう事に気づかせてくれる場所になってくれる パイパイとはじめちゃんはそう思ってる、そしてゲルちゃんとの付き合い方も きっと変わってくる、だから大丈夫。

8 17/05/01(月)03:43:03 No.424260625

して、半べそになりながらも3号室に帰ってくるとゲルちゃんがまってる 「頑張ったんだね」 その一言しかゲルちゃんはいえなかったけどボディランゲージで全ての意思疎通はこなせた こなせたと思う 疲れた経ててゲルちゃんになだれ込むつばさちゃんを抱きしめる。それだけできっと きっと二人の心は通じ当てると思う そしてこの後いつものようにわっきゃーするつばさちゃんに一瞬、唾を飲んで覚悟を決めるけど、そんな事ない、そんな素振りはなく ただただゲルちゃんの胸の中で泣くつばさちゃんを受け入れるゲルちゃんはちょっとホッとしたから大丈夫 大丈夫、もう歪んだ正義感と暴力の連鎖だけが二人を結びつけてるわけじゃないんだ 今日一日の体験、体験がきっとこれからのつばさちゃんの心とゲルちゃんの心に変化を もたらしてくれるかもしれない。だから今日はわかりあわないよ 自分へのわっきゃーもしない自分もゲルちゃんも傷つけない、頸も絞め落とさない ただただ二人疲労感と互いを支え合ってる多幸感に満ち溢れながら 着の身着のままでベッドに転がり込むんだ だいじょうぶ、ゲルちゃんとつばさちゃんは、今後とも大丈夫。

9 17/05/01(月)03:48:47 No.424260923

お ガ ど

10 17/05/01(月)03:53:22 No.424261155

つばさちゃんも大丈夫そうでよかった

11 17/05/01(月)03:57:46 No.424261357

大丈夫？

12 17/05/01(月)04:17:07 No.424262117

本当に大丈夫そうで良かった 良かった？

13 17/05/01(月)06:55:19 No.424266862

おはよう大丈夫