虹裏img歴史資料館

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17/04/24(月)01:43:27 とこよ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1492965807211.png 17/04/24(月)01:43:27 No.422850990

とこよさん 例えば薔薇姫さんがある日突然かやのひめさんを無視するようになったらって話なんですが 討伐中とかは表面的なやり取りしかしてこなくなって二人きりになると完全に無視するようになってですね 日頃追っかけられる側でそっけない態度を取ってる方なのにかやのひめさんが薔薇姫さんに必死に話しかけるっていう逆の立場になってしまうんですけども ある日二人きりになった時、薔薇姫さんが大きく溜息をついてようやく口を開いたと思ったら「うざい」とか「陰口叩かれてる嫌われ者とせっかく仲良くしてやろうとしてたのに、暴力ばっか振ってきてさー…今更下手に出るんだ?」とか酷い言葉を一杯かやのひめさんに吐きかけて立ち去られてですね かやのひめさんは顔を真っ青にして何も言えずに立ち尽くしちゃうんですけど ふらふらと屋敷に戻ったら心配する狗賓さんにも何も答えず晩御飯も食べずに真っ暗な小部屋にこもって寝込んじゃうんです

1 17/04/24(月)01:44:18 No.422851100

そこでかやのひめさんは自分が今まで目をそらしていた自分の気持ち 本当は薔薇姫さんに構われることは決して嫌じゃなかったこと、仲直りがしたいこと、そしてきっともう取り返しがつかないかもしれないことを直視してぽろぽろと泣いてしまうんですね 許されないかもしれないけど薔薇姫さんに謝ろうと決意したその時、窓の外で何か足音がしてですね、そっと覗きこんだら薔薇姫さんがどこかに行こうとしている姿を月明かりの中に見つけてしまうんです かやのひめさんは取るもの取らずに薔薇姫さんを必死に追いかけて薔薇姫さんに追いついて、思いつく限りの謝罪の言葉を投げかけるんですけども、薔薇姫さんは一度も振り返らずにただただズンズン歩いていくんです かやのひめさんは本当は嫌じゃなかったこと、過剰反応してしまっていたこと、反省していること、仲直りがしたいこと、何をあげてもいいから許してほしいこと 思いつくままに薔薇姫さんの背中に言い続けるんですけども段々涙声になってきて言葉に詰まり出して徐々に薔薇姫さんとの距離も開いていって そして「……本当は好きだった」って小さく呟いて立ち止まってしまうんですね

2 17/04/24(月)01:44:40 No.422851155

すると薔薇姫さんはピタリと立ち止まってゆっくりと振り返るんです 町から離れた何も無い野原、満月に照らされた薔薇姫さんは三日月より細い嗜虐的な笑みを浮かべていて すっと腰から西洋剣を抜いてかやのひめさんに向けて…… 「離れろ偽物!」 そんな叫び声が後ろから轟くと同時に、何かが突風の様に薔薇姫さんに突っ込んで激しく斬り合いを始めるんです 突っ込んでいった黒い塊は銀髪でマントをしててすばしっこい……何か凄いキレてる薔薇姫さんであることに気づいたかやのひめさんは武器も無く何が起きてるかも分からずただ立ち尽くすしかないんですけど 猛攻をしかけられ続けられて段々遅れを取り始めた方の薔薇姫さんが腹に深い一撃を受けると何やら良く分からない獣の姿をしたあやかしに姿を変えて、お腹を庇って脱兎のごとく逃げて行くんですね 深追いはせずあやかしを警戒するようにじっとあやかしの逃げていく方を睨んでる薔薇姫さんの背中にかやのひめさんはおずおずと声をかけるんですけども 薔薇姫さんがばっと振り返ってですね 「かやちゃん大丈夫!?」 っていつものバカみたいな笑顔で聞いてくるんですね

3 17/04/24(月)01:45:49 No.422851294

かやのひめさんが混乱しながら色々状況を聞くと、薔薇姫さんが数日前あやかしに負けてよく分からない所に閉じ込められてたこと さっき何とか抜け出したら真夜中で、自分にそっくりな誰かをかやのひめさんが追いかけてるのを見かけたからこっそりつけてたことが分かったんですね 「じゃあ私が言ってたこと全部聞いてたの!?」 「うん、最後辺りは良く聞こえなかったけど」 「バカ!なんで黙って聞いてるのよ止めなさいよバカ!」 「えーだって状況分からなかったし……まぁ大体分かったんだけどねー」 顔を火照らせながら叫ぶかやのひめさんをどうどうと押さえるように手を広げて薔薇姫さんは聞くんですね 「ねぇかやちゃんアイツに酷いことされたんだよね?」 薔薇姫さんに似つかわしくない冷たく怒りに満ちた顔にかやのひめさんは、それが自分のために怒ってくれていることが分かりながらも、薔薇姫さんに化けていたあやかしの冷たい顔、そして言葉を思い出してしまうんですね 「……その、酷いことしてたのは私の方、だから」 うつむきながら消え入りそうな声で続けるんです 「ごめんなさい」 「何で?」 そう薔薇姫さんは間髪入れずに聞き返して来るんです

4 17/04/24(月)01:46:16 No.422851349

「だって、私すぐ怒って暴力振るってたから……あんたが、怒らないのを良いことに」 「いつもあたしが怒らせてただけじゃんか、かやちゃん悪くないよ」 「……嫌じゃなかった?無理してなかった?本当は、本当は無理に私と仲良くなろうとしてなかった?」 「そんな訳ないじゃん、あーもーかやちゃんはバカだなー」 薔薇姫さんは照れもせずにかやのひめさんの両肩に手を置いてはっきりと言うんです 「ずっと、大好きだよ」 その言葉で決壊したように、かやのひめさんの大きな目からぼろぼろ涙が溢れ出て、わんわん声を上げて泣き出してしまうんです 薔薇姫さんはちょっと困った様に眉尻を下げて「こっちこそごめんね」って囁いて、ぎゅっとかやのひめさんを抱きしめるんですね 泣き止むまで、何も無い野原でずっと その後泣きはらしたかやのひめさんと一緒に屋敷に戻ったら狗賓さんに見つかって狗賓さんが薔薇姫さんに食って掛かるんですけどもそれは別の話で まあ例えばの話なんですけどね

5 17/04/24(月)02:05:45 No.422853933

とっても素敵なお話だったよ文ちゃん! ちょっとかやのひめちゃんがかわいそうかなって気もするけど…これからは素直な気持ちで薔薇姫ちゃんと仲良くするかやのひめちゃんの姿が目に浮かぶようだよ 雨降って地固まるだね!

6 17/04/24(月)03:15:21 No.422859299

なげえ!

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