17/04/17(月)01:21:59 ダーペ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1492359719147.jpg 17/04/17(月)01:21:59 [su1826093.txt] No.421456667
ダーペコ怪文書 ダージリン様がさいていなダーペコ
1 17/04/17(月)01:22:16 No.421456702
「ペコ、こんな言葉を知ってる? 散る桜 残る桜も 散る桜」 「辞世の句じゃないですか、それ。どうしたんですか。悔い改めるおつもりですか」 「いつか、変わってしまうのだなって。そう思ったのよ」 「そうですね。変わりました。こんな関係になるだなんて想いもしませんでした」 私、オレンジペコはダージリン様に抱かれていました。 出会ったときは、こんな爛れた関係になるだなんて、想像すらできなかった。 いまは、お互い、裸。ダージリン様は後ろから覆いかぶさるように、私の首に手をまわして抱きしめています。 さっきまで私の髪に顔をうずめて、ゆるやかに首をふったり、髪の匂いを嗅いだりしていたと思ったら、急に他人の言葉を引用しだしました。 いつもの自慢気な声とは全く違う、聞こえるか聞こえないかの小さな声で。
2 17/04/17(月)01:22:32 No.421456733
「ダージリン様のせいですよ。こんなになったのは」 「あら、言い訳? 好きだって、言ってくれたのは、ペコの方からじゃない?」 「ひとは変わる、って話でしたね」 話を逸らしました。あのとき、ダージリン様を素直に好きだった私からは、変わったのです。 あのときのことを本人に持ち出されるのは、恥ずかしい。 人は変わるものです。蕾が開いて花になるように。そして、散ってしまうように。 散る桜。 いまはそんな時期ではないけれども、桜の季節というのは、私たちにとって大きな意味をもちます。 次の桜の季節には、私たちは別れているから。 三年生と一年生。 卒業の季節。 なんだか憂鬱な気分に浸っていそうなダージリン様というのは、とても『らしくない』けれど、そう思ってくれることが嬉しいと感じる私は、悪い女なのでしょうか。執着されて喜ぶだなんて。求められている感じがして。
3 17/04/17(月)01:22:48 No.421456779
この格言とセックスと下品なジョークが大好きな、最低の女に求められて喜ぶだなんて、私も歪んでしまったものです。 ダージリン様が、また、私の後頭部にぐりぐりと頭を押し付けます。 「私は、嫌いじゃないですよ、桜」 ダージリン様と出会ったのは、桜の季節だから。 あれは、新入生を勧誘するための校内の練習試合でした。 片方のチームを新隊長が直々に率いると聞いて、新生聖グロリアーナがどのようなチームになるのか、双眼鏡片手に 観客席のいい席に陣取って、チームの一挙一動を見逃すまいと気合を入れて観戦するつもりでした。 私は衝撃を受けました。 こんなにも美しい戦車道があるのかと。 優雅で、華麗な指揮に驚いて、いったいどんな方が隊長なのだろうと、双眼鏡を覗き込んで、息を飲みました。
4 17/04/17(月)01:23:06 No.421456812
桜舞い散るなか、砲塔から身を乗り出して、戦車を駆るダージリン様。 指示を振るうその指先ひとつまで美しく、散る桜を背景に、舞っているようにすら見えました。 うっすらと笑みを浮かべて、楽しそうに戦車隊を動かす彼女に、私は心奪われました。 こんなにも美しい人がこの世にいるのかと。 ねえ、ダージリン様。私は、そんなあなたに惚れたんです。 決して、ベッドの上で後輩を虐めて悦に浸る、性欲に塗れたあなたではない。 二人きりのときにだけみせる、その官能的な笑みは、また別の意味で美しくて、時折どきりとさせられてしまうのですけれども。 「ねえ、変わってしまうのよ。人は。私も永遠ではないし、あなたも永遠ではないわ。それは、とても悲しいことね」 首に回された右手が、私の左頬をゆっくりと撫でます。 私はしばらくされるがままにされてから、片手を重ねて口を開きます。
5 17/04/17(月)01:23:22 No.421456855
「そうですね。私もあなたがこんな方だと知ってしまわなければ、ずっと憧れていられたのですけどね。悲しい変化です」 そうして、ダージリン様の手を私の口元に連れてきて、指の先に軽くキスをしました。 さよなら、私の初恋。優雅で、美しい人。 こんにちは、私のセックスフレンド。淫らで、美しい人。 「ひどいわ。あんなに素直で、目を輝かせて私を慕ってくれたオレンジペコは、いったいどこにいってしまったのかしら」 「だから、変わったのではなく、変えられたのです。あなたに。残念ながら。私も純真でいたかったのですけれど」
6 17/04/17(月)01:23:38 No.421456894
「調教されたの? レイプ目ってやつかしら?」 「ダージリン様はなぜすべてそういう発想に至るんですか!? ふだん何召し上がっていらっしゃるのです!?」 「紅茶よ。もちろん」 ダージリン様の顔は見えませんでしたが、その、ひどく楽しそうな声に、私は覚悟を決めました。 さっきまで頬を撫でていたダージリン様の細い指が、ひとつひとつ独立した動きで、いやらしく私の身体を這い回って行きます。 さよなら。私の甘い時間。 こんにちは。クソみたいな、失礼。最低な時間。 はじまってしまいました。
7 17/04/17(月)01:23:57 No.421456939
私はダージリン様にやめてほしいことが、ふたつあります。 ベッドの上で格言を披露すること。 もうひとつは、ヤリながら、失礼。その、行為の最中に下品なジョークを連発すること。 ああ、どこでスイッチが入ったんだろう。油断していました。珍しく、弱っていた風だったから。 キス? あそこで? 誘ってしまった? 誘ったというと、その、甘い関係に聞こえるかもしれませんね。これは誘発したというべきでしょうか。誘爆かもしれません。危険物に火がつきました。 ああ。聞くに堪えない時間がはじまります。
8 17/04/17(月)01:24:15 No.421456985
「うふふ、私が純真無垢なオレンジペコを染めてしまったのね。ふふ。興奮する。興奮するわ。ペコ。白いキャンパスを思うがままに汚していく気分よ。純真無垢。ねえ、無垢ってなにかえろくないかしら? 垢って、ほら、その、殿方のそういう、恥のほうの。連想しないかしら? そういう意味では純真無垢で、まだそういう経験のない少年のほうが、少年から青年にかわりゆく美しい時間のほうが、無垢ではないと思うのよ私。無垢ってムクムクって、ムククって、擬音も連想するし、剥くと裸になるじゃない? あ、服の方よ? 皮じゃないわよ? もう、やっぱりオレンジペコってば、えっち。そういうことばっかり考えて」
9 17/04/17(月)01:24:33 No.421457029
「ダージリン様って、ほっ、んとうに、あっ、救いようの、ない、クズですよね」 本当に、なんでこんなこと喋りながら私の胸を責めるのでしょう。なんの調教のつもりなんでしょう。 私の、自分でいうのも残念ですが、慎ましやかな胸を、撫でまわす、ダージリン様の白い指。周りから、円を描くようにすこしづつすこしづつゆっくりと頂点へと近づいて行きます。 それでいて、もう片方の手は、私のお臍の下あたりをさすっていて、でも致命的な部分には至らなくて、もどかしい気持ちにさせてきます。 あっ、耳は、やだ。
10 17/04/17(月)01:24:52 No.421457074
「クズですって。ああ、純真無垢なペコはもうどこにもいないのね。でもやっぱり純真無垢ってそういうことだと思うの。純真無垢だったペコが、こんなにいやらしくなったみたいに。ビフォーアフターのギャップってやつね。裏にエロスがあると感じるのよ。エロスと純真さは表裏一体。エロスと純真さとリビドーのトライアングル。昇技トライアングル・ドリーマー。ああ、昇るって天に昇るってことね。つまりイクってことね。サタンクロスも二心一体だし。やはりすべてはつながっているのよ。身体的な意味で。サタンクロスとサムソンティーチャーみたいに。私は裸の女で、あなたは裸の女よ。そこになんの違いもありはしないでしょうが。違うの? そう、立場が違うのね……私が責めて、あなたが受けて。プロレスって受けが大事というものね。さあ、プロレスごっこよ。ベッドの上の。キン肉をぶつけあって、そして獣になるの。白いマットレスのジャングルに今日も嵐が吹き荒れるわ。虎よ。虎になるの。野獣のように二人求めあう。そう、二人。ダブル。光と闇が戦うの。陰陽合一。つまりセックスよ。ティーガーじゃなくてチャーチルだけど」
11 17/04/17(月)01:25:08 No.421457111
だまれ。だまってくださいダージリン様。そうして、私を、気持ちよくしてください。 いや、ちがう、私の好きな人は、初恋の人は。 もっと、違う形で、恋したかった。 ちょっとずつ、ちょっとずつ、下腹をさするダージリン様の指が下に降りていって、指の先が私の敏感なところに触れるか触れないかで、突然止まりました。 「あっ、えっ」 愚かにもそんな声を漏らしてしまう私に、ダージリン様が、とても、とてもいやらしい声で、囁きます。 「続けてほしい?」 「あっ、う、あ、ああ」 「いいわ。続けましょう。プロレスの話を」 「ぁか、ばか! ばか!」 そっちじゃない。 いやいやをする私を無視して、ダージリン様は最低なジョークを続けます。
12 17/04/17(月)01:25:24 No.421457143
「受け責め交代してもいいかもしれないわ。ねぇ、責めて、オレンジペコ。来て。カモン。カモンカモンカモンカモンアステカイザー。責めて私のプロレスの星を。乳首を星マークで隠す文化はどこ発祥なのかしらね。光の星かしら。ウルトラサインって体に描いたら淫紋っぽくみえないかしら。あらペコ、ウルトラブレスターなんかでは我慢できないの? いいのよ、私も期待しているの。はやく私をウルトラスパークさせて。だめよ、ギガバトルナイザーなんかより、あなたの指がいいの。挿れて、私のはしたないレッドマンに。そうだ、トリプルファイトするのは私経験ないの。こんどヤッてみる?」
13 17/04/17(月)01:25:42 No.421457197
「絶対に、ごめん、です」 「ふふ、私以外に触られたくないのね。そんなに私のことが好きなのね。じゃあタッグマッチもダメね。いいわ、ふたりきりでマッスルドッキングしましょう? 夜の四十八の殺人技を見せてあげるわ。ハメハメしましょう? ああ、ペコが責めだったわ。私が呪いのローターでイかされてしまうのね」 もう、最低です。 そんな言葉の間も、私の下腹をゆっくりと撫でているダージリン様の指。 やだ、こんなのじゃ、イケない。 こんなのじゃ、イキたくない。
14 17/04/17(月)01:25:59 No.421457231
私は動き回るダージリン様の腕に首を寄せて、すこしでも抵抗の気持ちを噛みついてやります。 耳元で、声にならない声が、吐息が漏れるのを感じました。 「ふふ、素敵。噛みつきだなんて、ペコもプロレス好きなんじゃない」 あ、まずいやつです。 いま振り返ったら、ダージリン様の、美しい表情が見れるでしょう。 とても、淫らで、官能的で、美しい笑みが。 「そうね。セメントでやりましょう。もっと。ねえ。もっと噛んで」 言い終わるかどうか。身体を強引に向き直されて、ダージリン様と私の顔が近づいて、私の口内は蹂躙されました。 舌が、歯列の裏をなぞって、絡み合って、唾液が送り込まれて、もう、めちゃくちゃで。
15 17/04/17(月)01:26:16 No.421457269
さようなら、理性。 こんにちは、快楽。 何度も、何度もキスされながら、私からも舌を絡めて、ふたり黙り込んで、ただただ、お互いを求めあって。 口づけをかわしながら、下腹と、胸をいじられて、痺れが走って、私の頭は何度も真っ白になりました。 「ダージリン様、なんで私なんですか?」 「なあに?」 ベッドから起き上がりもせずに、天井を見つめながら私はダージリン様に声を掛けました。ダージリン様は私のそばで上半身だけ起こして、ほどかれてウェーブした私の髪を弄んでいます。 「おもちゃにするなら、もっと素直な子がいるでしょうに」 「オモチャだなんて。えっち」
16 17/04/17(月)01:26:34 No.421457312
「ちゃんと答えてください」 すこしの間、沈黙。珍しい。そういうとき以外で、ダージリン様が黙り込む、なんて。 「ペコは、どうして私から離れないの?」 「もう、質問に質問で返さないでください。……なんででしょうね」 一目惚れの、残滓。 美しい女。美しさの種類は変わっても、美しいことは変わらない。 だから、離れられない。 いや、実のところ、ダージリン様は変わっていないのです。 戦車の上では、あのときのまま、優雅で、美しいのです。 それが、なんだか、無性に腹が立って、吐き捨てるように、言いました。
17 17/04/17(月)01:26:52 No.421457361
「……ああ、顔は、好きです」 「あら、『顔は』だなんて。ひどいわ」 「それ以外も好きだって言って欲しかったら、好きにしてください。私を、ダージリン様に惚れさせてください」 もう、惚れているんですけど。 「わかった。好きにする」 頬に手を寄せられて、軽いキスを唇に落とされます。 「そういう意味ではありません」 耳元に吐息がかかり、身体を竦ませました。 次に来る快感に構えて、目を閉じて、背筋を緊張させます。 ……なにも起きない。 来るはずの快感がやってこないことを訝しんで、私が目を開けた時でした。 聞こえるか、聞こえないか、またダージリン様らしくない弱弱しい囁き声。
18 17/04/17(月)01:27:12 No.421457419
「ペコ、離れないで。卒業しても、一緒よ」 ああ、ダージリン様に求められている。 それが、とてもうれしい。 「どうでしょうね。わかりません」 私たちは一年しか、一緒にいれない。 「だから、私が離れないように、ちゃんと惚れさせてくださいね」 次の桜の季節にも、私があなたの横にいられる言い訳をつくってください。 こんな格言を知ってる? 恋愛というものは、こちらが惚れれば惚れるほど、よろこびと同時に心配や不安といったものが起こってくる。
19 17/04/17(月)01:27:34 No.421457459
テキストー su1826093.txt 卒業シーズンにお出しするはずだった
20 17/04/17(月)01:27:50 No.421457493
なおよしまで
21 17/04/17(月)01:31:20 No.421457985
きたのか!
22 17/04/17(月)01:37:00 No.421458744
キン肉マン更新あった直後に…
23 17/04/17(月)02:05:35 No.421462221
こんなべらべら喋りながら攻められるのもある意味才能かもしれない…
24 17/04/17(月)02:20:45 No.421463859
綺麗なシメ方しやがって
25 17/04/17(月)02:23:29 No.421464122
円谷プロに喧嘩売りやがった
26 17/04/17(月)02:27:25 No.421464492
言葉の洪水がCVキタエリで流れ込んできた
27 17/04/17(月)02:29:36 No.421464703
これ二人とも一目惚れなんじゃ…
28 17/04/17(月)02:30:17 No.421464775
退艦の日までに素直になれるといいね…二人とも
29 17/04/17(月)02:37:40 No.421465375
>散る桜 残る桜も 散る桜 必ず貴女を追いかけます だから…待っていて下さいダージリン様 きっと貴女の御傍に参りますから
30 17/04/17(月)02:39:15 No.421465501
最低だけど最高なダージリン様だ
31 17/04/17(月)02:43:12 No.421465818
>いや、ちがう、私の好きな人は、初恋の人は。 >もっと、違う形で、恋したかった。 でもそんなダージリン様にどうしようもなく惹かれるペコさんなのであった