17/04/13(木)00:02:12 ダー... のスレッド詳細
削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。
画像ファイル名:1492009332457.jpg 17/04/13(木)00:02:12 No.420569630
ダージリン様の言いつけで私ことオレンジペコは紅茶の買い付けに来ていた。ご所望のルクリリを手に入れて急ぎ学園艦に戻る。 「ああ…早く戻らないとダージリン様が紅茶を待っているはず。あの人は自分で煎れられないから…」 早足で駆ける私は足をもつれさせてつまずいてしまう。 「あっ!」 しかし私は固い地面に倒れ込むことは無かった。 「大丈夫かい?ペコ。こんなに焦ってダージリン様も悪い人だ。」 私は正面から抱きかかえられる。まるで極上のベットに倒れ込むかのような抱擁だった。 「ありがとうございます…でもルクリリ様?どうしてここに?」 「なに、ペコの事が心配でね。やはり後を追ってきてよかった。」 ルクリリ様の手が腰に回り強く抱き寄せられる。私は強く体が触れあうとともに自分の体温の上昇を感じていた。
1 17/04/13(木)00:02:52 No.420569780
「ペコ、好きだ。離したくない。」 その言葉にペコの心臓は張り裂けんほどの鼓動で答える。 「ペコのドキドキ感じるよ。このまま一緒に…。」 そう言いながら抱き合った二人はその体を自由落下に任せて落ちていく。落下への本能的な恐怖で背筋が凍る。その寒さが二人の体が重なる熱さによってより際立たせられているように感じた。 「怖がらなくてもいいよ愛しいペコ。もうすぐ終点だから。」 「え……」 突如として私たちはこの奈落の底にぶつかる。柔らかく、一面が白い世界。 「ルクリリ様?ここは?」 「布団の世界。ペコったらお寝坊さんね。紅茶をくださる?ペコ。」
2 17/04/13(木)00:04:06 No.420570081
抱きしめていたルクリリ様が突如としてダージリン様に変わる。周りの景色も白い布団の世界から紅茶の園へと変わっていく。 「ペコ!ペコ!ぺk…」 「ああ…早く煎れます。今、蒸らしますので…」 「ペコ!起きてペコ!!」 その声により自分の目が開く。瞬時に自分が大量の寝汗をかいていることと同室のルームメイトが私を起こしてくれたことがわかった。 「ねえペコ、大丈夫?ルクリリだとか今煎れますとか言いながら苦しんでるみたいだったけど…」 時間は夜中の二時を回ったぐらいで、学生が活動し出すにはあまりにも早すぎる時間だった。
3 17/04/13(木)00:04:27 No.420570169
「ごめんね。私のせいで起きちゃった?」 「ううん、大丈夫トイレに起きたらペコがうなされているからビックリして起こしちゃった。大丈夫?辛いことがあったら聞くぐらいなら出来るけど。」 「大丈夫。ちょっと疲れているから変な夢を見ちゃっただけ。変な夢を…」 「?…なら良いけど、辛いことがあったら話を聞くことぐらい出来るから、言ってね。」 「うん。寝るの邪魔しちゃってごめんなさい。おやすみ。」 「ほんとに辛かったら言ってね。おやすみ。」 ペコは布団に潜って寝ようとしたが当然寝られるはずも無く、悶々としながら朝日を拝むこととなった。
4 17/04/13(木)00:06:47 No.420570706
オレンジペコは周りから静かと評される。しかし、今は目にできた隈も相まって、その静かさが凄みに変わり、周りの者に威圧感を与えている。 「ねえペコ。その目…」 「大丈夫です。」 ダージリンが心配で声をかけるが。一言で一蹴する。 「でもペコ。何かあったなら…」 「何もありません。大丈夫です。」 なおも食い下がるダージリンを突き放すペコ。その姿を見て哀れに思ったのかアッサムはペコに今日は休みなさいと伝え下がらせた。 「では、すいませんが本日は休ませていただきます。」 下がるペコを見送りながらダージリンは大きくため息をついた。 「ペコったらどうしてあんなになってしまったのかしら。」
5 17/04/13(木)00:07:23 No.420570837
「それはダージリン。あなたのせいです。」 「後輩を狂わせてしまうなんて私も罪な女ね。」 アッサムは大きなため息をつく。 「きっと、ダージリンの格言三昧のせいでノイローゼになったのでしょう。かわいそうなオレンジペコ。」 感情のこもっていない声で、嘆いてみせるアッサム。 「私のためになる格言を、すしざんまいみたいに言わないでくださる。」 「すしざんまいの方がおいしいお寿司が食べられるので…」 「傷つくわ。…ねえ、アッサム?あなたの好きなローズヒップがあのような反抗期に入ったらさみしいと思わない?今、私はさみしいわ。あなたの言葉も含めてね。」 「ダージリン。私はローズヒップのことは好きでは無いですわ。」 「あら?あんなにかわいがっているのに?」
6 17/04/13(木)00:07:43 No.420570900
「私はローズヒップのことは、大大大超絶絶頂空前絶後東西南北春夏秋冬山海珍味五里霧中南方戦線独立独歩寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚水行末雲来末風来末(省略)長久命(寿限無のくだりはこのあと二回繰り返された)抱腹絶倒めっちゃ大好きですから間違わないでください。ってあれ?ダージリンどこ行ったの?」 しゃべり終わったアッサムの周りには誰も居なかった。
7 17/04/13(木)00:08:49 No.420571148
オレンジペコは部屋に戻りながら昨日の昼休みのことを思い出していた。ペコは教室でお昼をいただいた後に戦譜を読んでいた。そこでクラスの生徒たちの話が耳に入ってくる。 「マチルダ隊のルクリリ様ってかっこいいよね~。あ~憧れちゃうな~」 「聴いて!私この前ルクリリ様に手を振ったらウインクしてくれて!手を振り替えしてくれたの!ちょ~イケメン!」 「ルクリリ様となら私、付き合ってみたい!」 「女性同士だよ?でも、ルクリリ様なら良いかな?そこら辺の男より格好いいしね。」
8 17/04/13(木)00:09:11 No.420571218
「付き合ったらどんな感じ?」 「腰に手を回してきてね、体抱き寄せて耳元で囁くの!愛の言葉ってやつ?」 「愛の言葉!!詩人かよ!でも抱き寄せられたい!!ベットに二人で倒れ込みたい。」 「うつむいている私の顔をね、私の顎に手をやって顔を上げるの。目と目が合う二人、互いの顔は近づいていき、唇が重なる…なんてね!」 「やだ!!エロい!エロ詩人かよ。欲求不満過ぎね?盛りすぎ。」 ペコは聞いている間はくだらないことに先輩を使わないで戴きたいと心底思ったが、いざ自分の夢に出てきて、ここまで自分の心を惑わした後では己もクラスメイトと同類と認めざる終えない。 頭の中で邪な妄想と戦いながら廊下を歩いていると足がもつれてしまう。思わず廊下とキスをしそうになるが、ペコが廊下に倒れる前に誰かによって抱きかかえられる。
9 17/04/13(木)00:09:39 No.420571330
「おいペコ。大丈夫か?」 その声の主に思わずペコは慌てふためいてしまう。 「る、るくりりしゃま…?」 「大丈夫か?呂律回ってないぞ?」 そう言って自分の額をペコの額にくっつけたルクリリ。 「熱があるな、それに目も充血している。部屋まで歩けるか?肩を貸そう。」 ペコは、もし漫画の世界なら私は今目が渦巻き表現されているのだろうな。と余計なことを考えながらルクリリの肩を借りて…のはずが、反対から自分の肩を抱き上げられる。 「ルクリリ様、練習に遅れてしまいます。急ぎましょう。」 「ああ、そうだなニルギリ。それに早く横にしてやった方がいいだろう。」 こうして自室に運び込まれたペコは睡眠不足もあり早々に眠りにつかされたのだった。
10 17/04/13(木)00:12:24 No.420571941
夕暮れ時、橙色の太陽光が部屋を染める。ああ、寝てしまったんだな。練習を休み眠っていたことに罪悪感を覚える。自分のやましい気持ちが原因で休む事への後ろめたさからか、この橙色に染まった部屋のせいか、言い知れぬ不安に襲われる。そこへドアのノックする音が聞こえる。 「ペコ、入るね?」 そう言うとともにニルギリは部屋に入ってきた。 「大丈夫?体調よくなった?」 「うん。寝たらよくなった。疲れてたみたい。」 「そう、よくなったのなら良いわ。じゃあ隣で寝ているルクリリ様と何があったか説明戴ける?」 急ぎとなりを見るとベットにはルクリリ様が添い寝をする形で眠っていた。
11 17/04/13(木)00:13:04 No.420572060
テケリリ先輩!
12 17/04/13(木)00:13:07 No.420572072
「ねえペコ。ダージリン様の寵愛を受けて、ルクリリ様と不貞をを働いて、良いご身分ね。私のルクリリ様と!!」 ニルギリの顔が黒く塗りつぶされる、その中で眼鏡だけは妖しく光を反射している。とにかく逃げようと私はもがくが体が異常に重くうまく逃げ出せない。 「ペコ。コレが私の気持ち。受け取って。」 いつの間にかニルギリがマチルダに乗って砲塔を私の方に向ける。私はなんとか謝ろうとするが呂律が回らずに口から言葉では無い何かが発せられるだけだった。 一瞬間を置いた後、その砲塔から砲弾が飛んでくる。ああ、マチルダの砲弾ってこんなに大きかったっけ?迫ってくる弾への恐怖がその疑問を思考の片隅に押しのけていく。
13 17/04/13(木)00:13:42 [おわり] No.420572214
「いや!」 思わず飛び起きるとそこはいつもの自分の部屋で夕暮れの橙色に室内は染まっていた。 「ねえペコ?大丈夫?うなされていたけど。」 「ニ、ニルギリ?それにルクリリ様?」 「練習が終わったから様子を見に来たんだ。本当はダージリン様も来ると言っていたんだが、あの人は昔風邪を引いたアールグレイ様を看病したら病気が悪化したというほど看病が下手だからおいてきた。」 誰からとも無く笑いが漏れる。ついには三人で声を上げて笑い出した。 この日からペコはその腕で抱きしめられる夢を見ていない。ただ、夢の中ならもう一度くらい抱きしめられたいと思っては、ニルギリの姿を思い出して考えを改めるのだった。
14 17/04/13(木)00:18:35 No.420573302
全然意識してない人とかキャラが夢に出てきて気になっちゃうのは稀によくある
15 17/04/13(木)00:22:03 No.420574119
最近自分の想像の斜め上にアッサム様が突き抜けてきて辛い テキストですお納めください ss288480.txt
16 17/04/13(木)00:22:42 No.420574315
アッサム様のお脳がローズヒップ愛しすぎて不憫なことに…
17 17/04/13(木)00:23:29 No.420574484
シスター「」かい?
18 17/04/13(木)00:25:24 No.420574896
>シスター「」かい? はい シスタールクリリの中の人です
19 17/04/13(木)00:27:30 No.420575356
待ってたよ!シスター「」のルクリリさんは男前でカッコイイから大好きだ
20 17/04/13(木)00:27:38 No.420575387
ニルギリはルクリリ様にお熱か…
21 17/04/13(木)00:28:05 No.420575477
このルクリリ様は惚れるわ
22 17/04/13(木)00:28:29 No.420575552
アッサム様のお脳がヒップにキまってる…
23 17/04/13(木)00:28:53 No.420575637
アッサムさんは好楽師匠か何かなの
24 17/04/13(木)00:32:49 No.420576351
>このルクリリ様は惚れるわ そりゃ惚れるよ ニルギリのために親友と決闘するルクリリ先輩だからね…鎧が大鎧だったけど
25 17/04/13(木)00:33:42 No.420576510
なんか文章に起伏が無い感じがするな オレンジペコ…色を知る歳か
26 17/04/13(木)00:34:45 No.420576696
ローズヒップ好き過ぎるアッサムいいよね…
27 17/04/13(木)00:34:47 No.420576705
親友と一緒に名誉の草むしりするのもこのルクリリ様だっけ
28 17/04/13(木)00:43:03 No.420578112
>なんか文章に起伏が無い感じがするな 淡々と書きすぎたかな もう少し盛り上がりを意識してみるよ
29 17/04/13(木)00:45:26 No.420578474
>今は目にできた隈も相まって、その静かさが凄みに変わり、周りの者に威圧感を与えている 一年前に鮨住用にこんなペコさん作ったっけ… su1820269.jpg シスタールクリリのシリーズを追って読んでるとルクリリ先輩とニルギリさんの絆の深さが描かれてる 今回もニルギリさんにとってのルクリリ先輩の存在感や関係性の大きさが滲み出てるようですごくいいんだ
30 17/04/13(木)00:45:53 No.420578544
しっとりしてて良いと思う いかにも夢って感じで
31 17/04/13(木)00:48:01 No.420578884
シスターのシリーズ通しで読み直したくなるのよ 前に一回まとめのtxtあったよね
32 17/04/13(木)00:51:09 No.420579400
ダーさん風邪のアー様にマーマイトトーストとか食わしたのかな
33 17/04/13(木)00:53:22 No.420579759
>しゃべり終わったアッサムの周りには誰も居なかった ひどいなダー公!
34 17/04/13(木)00:54:59 No.420580037
>シスターのシリーズ通しで読み直したくなるのよ ss288484.zip >前に一回まとめのtxtあったよね コレかな
35 17/04/13(木)00:56:23 No.420580246
>ひどいなダー公! そりゃあペコの看病に行きたいのに寿限無聞かされたらねぇ
36 17/04/13(木)00:56:41 No.420580290
>親友と一緒に名誉の草むしりするのもこのルクリリ様だっけ 親友の先輩に頭突きをかましたり 親友の後輩の白鳥に悪戯したり でもそれもパーシーやニルギリの名誉を守る為だ
37 17/04/13(木)01:00:07 No.420580768
また投下してね もっと読みたい