17/02/21(火)00:05:14 ある時... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1487603114470.jpg 17/02/21(火)00:05:14 No.410249050
ある時、我が家へと戻って來て、恰度夕方玄関へかゝると「お歸りなさい」と云乍ら、通りがかつた父の顔を見れば、アナ訝し！真赤な鬼の顔！ 「おのれ妖怪ご参なれ」と酸の壜に手を掛けたが、さすがに思慮深い役者の家の子供である。 じつと氣を靜め、目を閉ぢて少時して再び見ると、常に變らぬ父の顔である。 「危し危し」もしや彼の時酸を振り掛けなば、父を殺す所であつたらう。 「世には魔の通り路がありとかや、その路に當りし者は、耳に運化を聞き眼に怪異を見る、我幸にして此事に氣付きし爲め、魔はそのまゝに通り過ぎたが、ハテ何事か無ければ宜いが」 ……翌日、隣家にあたつて悲鳴が起つた。驚きスイと行つて見ると、隣人が殺されたといふ騒ぎであつた。 何故殺したかはその當人すら夢の様で、男の顔がぴるすに見えたので、前後の思慮もなく殺したものらしいとの事だ。 その有様その次第を見るにつけ聞くに付けても、覺えず全身に水をかけらるゝ心地がする。
1 17/02/21(火)00:12:00 No.410250833
明治の文豪
2 17/02/21(火)00:15:14 No.410251616
青空文庫
3 17/02/21(火)00:21:43 No.410253370
>耳に運化を聞き ここだけわかんないや あと顏の字だけ気になった
4 17/02/21(火)00:34:54 No.410256876
>ここだけわかんないや http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/905675 この本の『魔の通り路』という話から取っていて「運化」は調べたのですがわからなかった
5 17/02/21(火)01:02:19 No.410262925
耳にうん…こ？