17/02/12(日)12:44:47 聖グロ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1486871087726.png 17/02/12(日)12:44:47 No.408506548
聖グロリアーナ女学院OGねつ造物語 すごいお待たせしました キング・ジョン 本日の題名は『査問』 su1747730.txt
1 17/02/12(日)12:45:05 No.408506588
査問 午前十時開廷。 その十分前に、被疑者達は順に会場に迎え入れられる。ウヴァ、ローズヒップ、そしてアッサム。 早朝から清められ九時には各元帥が入廷し、審議前の軽い打ち合わせが始まっていた。その裁定はすでにトップによって定められている。あとは各元帥達が各々の役割を演じるだけだ。 アッサムはシミ一つ無いタンカージャケットをまとう。もう二度と袖を通すことは無いかもしれない戦闘服だった。 聖グロリアーナ女学院戦車道の隊長を任ぜられた者は、卒業後“元帥”の称号を賜る。これはチャーチル派、マチルダ派、クルセイダー派の三会派の方針に口を出すことが許され、また学院の運営そのものにも口出しをすることが出来る。従って戦車道と直接関係ない生徒でも卒業後贔屓の“元帥”を指示した。 「アッサム様。時間です」
2 17/02/12(日)12:45:29 No.408506655
オレンジペコが声をかける。黒髪にブラシを入れながらアッサムは言った。 「なんだか寝癖が取れないのよね。右側がはねちゃって」 「誰も気にしませんよ。っていうか気になりません。そろそろ行きましょう」 ほっとため息をついた。振り返ったアッサムは穏やかな微笑だった。丁寧に撫でつけられたボブに、切れ長の目、薄い瞼、まっすぐに通った鼻梁はかぎ鼻で特徴的ではある。だが皆が言うように不器量ではない。オレンジペコはそう思う。何もかも細く薄く見えるのに真っ黒な髪を修道士のようなボブにしているところが、無駄に生真面目で几帳面で厳しい人物に見せていて、その欠点が彼女の鼻の形に象徴されているのかもしれない。 「充分に、美しいですよあなたは」 「なに? 隊長としての私にかけてくれる最後の優しい言葉?」 アッサムはもう自分が隊長の座を降ろされることを諦めている。それが冗談めかした言葉ににじみ出ていた。もしかしたらこの人は、もう戦車道を辞めるきではあるまいか、とオレンジペコは思って、ぐっと奥歯を噛む。ただ表情だけは出来るだけにこやかに、アッサムの忠実な小姓はそっと手を伸ばして、主の右手をとった。
3 17/02/12(日)12:46:36 No.408506863
「あなたのことは、ずっと綺麗だと思っていました。あなたが紅茶を淹れている姿を見て、私は初めてどの学園艦に入ろうか決めたのです」 「あなたはそう言うけれど、どこで私が紅茶を淹れているところなんて見たの? 前にも言ったけれど、私、学校見学にあなたが居なかったことを覚えているわ。それ以外に紅茶を注ぐ手を見せたことなんてあったかしら?」 「ありましたよ。月刊戦車道でね」 オレンジペコの言葉にアッサムは首を傾げた。これは本当に覚えていない顔だ。オレンジペコは根気よく説明する。 「昨年の月刊戦車道の十月号。あなたは紅茶の園の一員として、記念写真に収まっていた。美しい金髪を垂らしたダージリン隊長の傍らで、あなたはとても美しい手で紅茶を注いでいた。ローズヒップ、ウヴァも腰掛けているなか、あなた一人が立って給仕をしていた。それを見て私は、ああ、このダージリンという人はこの人を次の隊長にするつもりだな、と思ったんです」 「え?」
4 17/02/12(日)12:46:55 No.408506923
「一年通して行われる戦車道大会準決勝で、聖グロリアーナはサンダースを破り決勝に駒を進めることになりました。一月に行われる決勝戦の前の特集号です。皆が座して写真に写っている時、あなただけが隊長に奉仕する権利を得ていたのです。そしてそのティーポットを持っていた手が、とても白く整っていて、良かった」 アッサムは困ったように肩をすくめた。 「随分情熱的なのね」 「私は幼少の頃から、空手をしてきました。それなりに強いんですよ? 私は。だからこそたくさんの拳を見てきた。私は人物を観察するのに手を、その仕草を見ます。 あなたの手はとても美しかった。だから私はグロリアーナに来たんです」 「訂正するわ。あなたはフェチシストなのね」 アッサムの言葉に、オレンジペコは跪いた。 「あなたに、真の忠誠を誓います」 「忠誠の証は何度も貰っているわ」 「いいえ。これからもし、私が裏切っているように見えたとしても、それは私の忠誠から出たものです」
5 17/02/12(日)12:47:20 No.408507003
「いいえ。これからもし、私が裏切っているように見えたとしても、それは私の忠誠から出たものです」 「疑うわけないでしょう? オレンジペコ」 「……もう一度呼んでください。わたしを……」 「オレンジペコ」 「アッサム様。お時間です。……!」 ドアから顔を覗かせた伝令が息をのむ声が聞こえた。アッサムの左手がオレンジペコの柔らかい髪にかかる。 「行きましょう、次の幕が始まるわ」 「……はい」 立ち上がったオレンジペコの頬は珍しく赤く染まっていた。さっきまで右手の甲に触れていた唇が、燃えるように熱くなっていた。
6 17/02/12(日)12:48:45 No.408507266
su1747735.txt 長いのでテキストー
7 17/02/12(日)12:49:23 No.408507382
待ってた!
8 17/02/12(日)12:57:35 No.408508906
昔の大会は一年を通してやってたのか 技術向上が試合を迅速に進める手立てになったのかな
9 17/02/12(日)13:01:33 No.408509568
きたのか!
10 17/02/12(日)13:04:19 No.408510023
>昔の大会は一年を通してやってたのか >技術向上が試合を迅速に進める手立てになったのかな 個人的な設定では、一年通してやってたのが、近年短縮されて、みほ周りの事件が起こったときには一年大会だった、って話にしてます 理由はプロリーグが興隆してきて高校大会の期限を短くしたいのと、戦車道人気が落ちてきているからスポンサーがお金落とさなくなった
11 17/02/12(日)13:13:38 No.408511634
オレンジペコの献身がいい…
12 17/02/12(日)13:18:25 No.408512471
赤星!?
13 17/02/12(日)13:22:29 No.408513225
百合百合してらっしゃる…
14 17/02/12(日)13:22:37 No.408513260
次回は頑張って今月中には 題名は『獅子心王』です
15 17/02/12(日)13:30:04 No.408514554
リプトンは逆輸入かな
16 17/02/12(日)13:30:48 No.408514690
2年どころが終身するまでぶち込めるように他の罪状もどんどん被せられるようになる事件はもうちょっと後か
17 17/02/12(日)13:31:24 No.408514793
”絢爛”のダージリンもじゃね
18 17/02/12(日)13:36:53 No.408515682
>”絢爛”のダージリンもじゃね もともと絢爛ありきでリプトンが現れたんじゃなかったっけ? 前の会議も締めは絢爛だったし
19 17/02/12(日)13:39:08 No.408516043
ああ…ややモジャなのは赤星だからか…
20 17/02/12(日)13:42:17 No.408516592
私の方は前回の議長はキャンベルです 絢爛のダージリンはケイダジの人の持ちキャラです ブランド会社アヴァロンの社長さん
21 17/02/12(日)13:43:56 No.408516882
やっぱり最後の章まで書いてから出せばよかったな 現行のキャラが実は過去で全部繋がっててってのは個人的に隙じゃ無い仕掛けなので そうなってる意味があるんですが、ううん 次早く出せるように頑張ります