17/01/31(火)23:45:06 カチュ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1485873906964.jpg 17/01/31(火)23:45:06 No.406246841
カチューシャ誕生日おめでとうSS 『プラウダ』 オリキャラメインだけど su1732629.txt
1 17/01/31(火)23:45:47 No.406247090
ゲームをプレイしている。 プラウダの学園艦で私はいまだにへばりついて、ゲームをやっている。 お父さんもお母さんも、私が予備校で勉強しているって信じている。 実際は電気料金のメーターをぐるぐる回しているだけだ。冷房は快調。パソコン続行。 「先輩」 背中から小さな声が聞こえる。 うるさいなあ。お前なんかに用は無いよ。 それでも声は、繰り返す。 「あの、先輩」 気を使った、おどおどした声。未熟者。雑魚。チビ。でも私は無視する。無視することでカチューシャが話しかけてくるのが、ぐつぐつ煮えたぎった腹の中をなだめてくれるような気がした。
2 17/01/31(火)23:47:22 No.406247572
「その……びっくりしちゃいました! 綺麗好きな先輩が、こんな部屋に住んでいるなんて。もしよければ、カチューシャがキレイにしましょうか?」 ボーン。 小爆発を繰り返す私の戦車。 「……っさいわね――」 振り返ると、下着と酒瓶と積みあがったインスタント食品のゴミの間に、ちんまりと座った女がいた。 泣きそうな顔をして、こっちを見ていた。 目をそらしたのは、私の方だった。 私は自分を、戦車道のために生まれてきた女だと思っていた。 だから二年生の段階で隊長になったことを驚きもしなかったし、敗れたとはいえ黒森峰に一矢報いた重防御戦術に誇りを持ってい 吹雪いたステージの持久戦を結局制したのはあの黒森峰の西住まほだったが、それだって来年やりあえば必ず勝利できると踏んでいた。聖グロリアーナのジンジャーエールは紙屑のように粉砕したし、おなじみのマジノはそのお家芸の要塞を押し潰してやった。 無敵のつもりだった。
3 17/01/31(火)23:48:24 No.406247859
一年の頃からノンナはすでにJS2に乗って狙撃手としての腕を磨いていた。というよりも、私が乗せたのだ。彼女はたぐいまれない砲手だった。黒鉄にふさわしい黒い髪と、白い肌を持っていた。 「ノンナ」 そう私が呼べば、彼女は目を伏せて一礼する。美しく白い女が、あの頃は私のものだった。 「先輩、ちょっとすいません」 思い出の糸を甲高い声にさえぎられて、思わず舌打ちが出る。 ああ……うるさい。 「ちょっと、このカップ麺のゴミ、捨てちゃいますね? このペットボトルも、中身全部捨てちゃいます」 にこにこした声。媚びる声。そのペットボトルの中身が、全部私の尿だと、こいつ判っている。カチューシャには何度も汚いことをさせた。
4 17/01/31(火)23:51:44 No.406248754
明るい金髪と、笑顔の少女。愛嬌があるくせに、時折見せる何もかも見抜いたような目つきが嫌いだった。 何度も”粛清”した。 作戦の立案中、私は私室にこもる。そこにあいさつに来て、尿瓶の交換と、食事の差し入れをするのが一年生の仕事だった。 カチューシャの鋭い目が嫌悪を増し、にらみつけたことは何度もある。そのたびに私は彼女を蹴り、自分が何者なのかを思い知らせたのだった。プラウダは美しく強く、非情であり鉄壁である。 まさに私こそプラウダだった。 プラウダの星輪芳江と言えば、うねるような黒髪に意志の強い眉、黒目がちの瞳として知られていた。手に携えた元帥杖は私がプラウダの隊長にふさわしい人物であることの証だった。桜の木と銀の飾りで作られた指揮棒は、聖グロリアーナにも黒森峰にもあったと聞く。その指揮下にあった私の親衛隊は、特別なエンブレムを持っていた。星に輪をかたどったもので、その重攻撃部隊が、突破口となる生贄を追い立てながら前進する。あるいは二重包囲を駆使して、前衛が相手を痛めつけた後で、おもむろに後衛が敵をもみ潰す。カチューシャは前線で囮になる役目だった。
5 17/01/31(火)23:52:49 No.406249109
「あの、先輩」 おどおどしたカチューシャの声がする。 私は無視を続ける。 カチューシャはしゃべり続ける。 「お土産、持ってきました。ノンナがね。持って行けっていったの。ノンナもね。先輩を、心配してたから……」 バン。 部屋の隅で無線マウスが弾けた。苛立って振りむけば、カチューシャの震えた笑顔があった。 「嘘をつけ、カチューシャ」 ぱっとカチューシャの顔が明るくなった。私が反応したからだ。その笑顔に思わずひるむ。かつては私の一挙一動におびえるだけだった女が、余裕を手に入れたということなのだろうか。 「これがノンナのお土産で、これはカチューシャが選んだお土産です」 そそくさと差し出した箱、一つは何が入っているか判らなかったが、もう一つはすぐに分かった。新宿高野のフルーツチョコレートだ。果実の繊細な甘みがするチョコは一つ一つが柔らかい色合いの包装に包まれていて舌の上でとろける。 私はチラ、と壁のすみを見た。 薄汚い棒が、立てかけてあった。 プラウダの元帥杖だった。
6 17/01/31(火)23:54:01 No.406249410
ということで、長いので su1732629.txt 例のあれは遅れて本当にごめん
7 17/02/01(水)00:08:03 No.406252298
スターリン!!チキショーメ! 読むぞ!「」レープス
8 17/02/01(水)00:10:33 No.406252792
暗い… 深い… いい…
9 17/02/01(水)00:13:59 No.406253438
いい…ものすごくいい!!
10 17/02/01(水)00:14:52 No.406253617
ほんとかー オリキャラメインだけどほんとうか でもありがとう
11 17/02/01(水)00:16:53 No.406253937
愛憎半ばなのがすごく出てる 久しぶりに読めた感じするな 聖グロOGのも待ってるからね?
12 17/02/01(水)00:17:45 No.406254130
独裁者とは孤独な者でもあるのだ…
13 17/02/01(水)00:18:38 No.406254285
>聖グロOGのも待ってるからね? こんしゅうには
14 17/02/01(水)00:21:03 No.406254730
らぶらぶ作戦で この計画書を見て下さい!きっと勝利を… って言ってた頃のカチューシャを思い出した
15 17/02/01(水)00:23:14 No.406255119
「」ブなのかい!?
16 17/02/01(水)00:23:27 No.406255162
まさかノンナさん前政権の遺した機材やノウハウを総動員してカチューシャ日記を…
17 17/02/01(水)00:26:53 No.406255789
>こんしゅうには 嬉しい!!けど無理はしないでね?
18 17/02/01(水)00:27:46 No.406255954
すごい久しぶりに見た気がする 良かった
19 17/02/01(水)00:29:18 No.406256220
su1732691.txt ほんとはこっちを誕生日のつもりで書いてたんだけど ちょっとアレだったからメインはそっちにした
20 17/02/01(水)00:34:25 No.406257163
>su1732691.txt >ほんとはこっちを誕生日のつもりで書いてたんだけど >ちょっとアレだったからメインはそっちにした Till Death Do Us Part…俺は好きだよ
21 17/02/01(水)00:39:41 No.406258119
ありがたい…
22 17/02/01(水)00:41:06 No.406258372
久しぶりだな! 相変わらずオリキャラのキャラ立ちが良い
23 17/02/01(水)00:42:02 No.406258561
査問会に出てきた気がする
24 17/02/01(水)00:42:46 No.406258704
>査問会に出てきた気がする ノンナはカチューシャ一人にしたって叫んでたね
25 17/02/01(水)00:42:52 No.406258719
書いてはいたんだけど、こっちにはあげてなかったんだ ケイダジの人とケイダジ書いたりしてた