17/01/22(日)00:10:31 SS エ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1485011431792.png 17/01/22(日)00:10:31 No.404243920
SS エリみほ 長いです これまで su1720765.txt
1 17/01/22(日)00:11:35 No.404244329
ぱきん、と割り箸を割り、眼前で湯気を立てるうどんに手を合わせる。 機甲科寮内の食堂でみほは一人、昼食をとろうとしていた。ほんの三ヶ月ほど前までは、いつも逸見エリカや他の友人たちと一緒に食卓を囲んでいた。今は、違う。 食堂はそれぞれ数人単位の友人同士のグループたちで賑やかだったが、みほはそのいずれの輪にも入らず、隅の席で独りうどんをすする。そんなみほの側に、歩み寄ってくる者があった。 「みほさん、ここ、いいですか?」 みほが顔を上げると、そこにいたのは同学年のチームメイト、赤星小梅だった。赤星は以前からみほとエリカの両名共に親しい友人であり、またエリカと同じく水没した車両の乗員でもあった。 赤星本人が事故で受けた被害は腕に軽傷を負う程度であったが、エリカが記憶を失って以降、何かとよく少女の世話を焼いていた。それが当人の人柄からか、あるいは少女に対する罪悪感からなのか、みほには判別が付かなかった。あるいは、その両方かもしれない。
2 17/01/22(日)00:13:05 No.404244737
何にせよ、ここ最近はあまり会話も無かった友人の接近に、みほは何らかの意図を感じずにはいられなかった。ただ世間話でもしながら一緒に昼食を食べようという風には思えない。大方何かの相談、あるいは提案でもあるのだろう。煩わしくはあったが、流石にそれを表に出すことはしなかった。 「……どうぞ」 「ありがとうございます」 赤星はみほの対面に座り、むしゃむしゃと猛烈な勢いで角煮丼をかき込み始める。先にみほのほうが食べ始めていたのに、みほが食べ終わる頃には既に食後の日本茶を啜っていた。 ふう、と一息つき、ようやくといった具合に赤星が口を開く。 「みほさん、少し痩せました?」 「え……そうかな?」 「そうですよ。顔色も良くないですし、ちゃんと食事と睡眠、摂ってます?」 確かにみほがこの頃、不摂生な生活を送っているのは確かだった。だがその心配が有難いことだと頭では分かっていても、今のみほには余計なお節介としか思えなかった。
3 17/01/22(日)00:13:38 No.404244890
きたのか
4 17/01/22(日)00:13:48 No.404244950
「……赤星さんこそ、怪我の具合は大丈夫ですか?」 「えっ? ああ、はい! お陰様で、もうすっかり!」 赤星は制服の袖を捲ってみせる。少し前まではガーゼが貼ってあった腕は、もうほとんど怪我の跡も分からない綺麗なものだった。 「……そうですか。 よかったです」 友人の無事を喜ぶ本心とその場凌ぎの社交辞令が半々の言葉だった。 同時にみほは、ほんの束の間、己の抱いたあまりに醜い感情に激しい自己嫌悪に襲われた。 ━━何故エリカの記憶は戻らないのに、他の乗員はのうのうとしているのか。 そんな筋違いの暗い感情が、一瞬だけ鎌首を擡げそうになったのだ。 「エリカさんも、もう包帯は取れましたし……。記憶の方は、まだ時間がかかりそうですけど……」 「……そうですね」 みほは暗い内心を隠すように、愛想笑いを浮かべて見せた。 「……あの、そのエリカさんのお話なんですが……。」 赤星は遠慮がちに話を切り出す。やはり、とみほは内心で嘆息した。おそらくこれが本題だろう。
5 17/01/22(日)00:14:49 No.404245388
「……エリカさん、身の回りのことも色々大変なのに、一生懸命戦車道を頑張ってます。みんなの役に立ちたい、恩を返したいっていつも言ってます」 「……そうなんですか」 みほの冷ややかな目を見て、赤星は身を乗り出す。 「だからっ……! だから……その……エリカさんに……もう少し、優しくしてあげてくれませんか……? みほさん、何だか、最近エリカさんに冷たいように見えて……」 「そうですか? ……普通だと思いますけど」 「……エリカさん、みほさんのことすごく気にしてるんです。とてもお世話になった、すごくいい人だって……自分が記憶を失くして、きっと辛いだろうって……みほさんはどんな人なんですか、どんなものが好きでしょう、どうすれば仲良くなれるでしょうかって、いつもみほさんの話ばかりなんですよ……?」 「…………。 ……そう、なんですか」 「だから……今のエリカさんと、もっとちゃんと向き合ってあげてください……。 このままじゃ、みほさんも、エリカさんも、見ていて私まで辛いです……」
6 17/01/22(日)00:15:40 No.404245684
俯く赤星に、みほは首を傾げてみせる。 「……ですから、赤星さん、気のせいですよ。 私、エリカさんに冷たくなんてしてませんから。 これまでと何も変わりませんよ?」 「……っ……」 赤星は息を吸い、何か言おうとして言葉を詰まらせ、それを打ち消すようにかぶりを振った。 「……そうですか。……とにかく、エリカさんのこと……よろしくお願いしますね、みほさん」 赤星が食器とトレイを持って席を立ってから、みほは大きく溜息を吐いた。 赤星の話は、正しい。確かにみほは、記憶を失ってからの逸見エリカ━━あの少女に冷たく当たっていた。 少女がみほに何かをしたわけではない。彼女本人が気に入らないわけでもない。それなのに木で鼻を括ったような態度をとるのは人として良からぬことだとは分かっているのだが、どうしても改められなかった。
7 17/01/22(日)00:16:17 No.404245906
それは偏にみほ本人の問題であった。 おかしな話だが、みほにはどうしても、かつての逸見エリカと今の少女が同じ人間だとは思えなかったのだ。 性格も価値観も、以前のエリカとはまるで違う。エリカに感じられた戦車道へのひたむきな情熱が、今の少女からはまるで感じられない。そして、自身と過ごした数々の思い出を一つも共有していない少女を、みほはどうしても逸見エリカだと認めることが出来ないでいた。 そしてそんな少女が徐々に機甲科に馴染み、一人の人間としての居場所を獲得していくことに、みほはまるでエリカの居場所が同じ顔をした別人に塗り潰され、奪われていくような感覚すらも覚えていたのだ。そんな焦燥は徐々に、少女への憎しみへと変わりつつあった。己の内から顔を覗かせたどす黒いハラワタにみほは戸惑い、持て余していた。 そうした屈折した感情もみほが少女に冷たく当たる要因だったが、もう一つの大きな理由は別なところにあった。
8 17/01/22(日)00:16:37 No.404245992
みほは事故の際、エリカに言われるままに救助を取りやめて引き返したことに、強烈な罪悪感を抱いていた。 あの時無理にでも自分が助けていれば、こんなことにはならなかった━━そんな思いは日に日に膨らみ歪んでいき、今ではみほは、自分がエリカを見捨てたとすら考えるようになっていた。 だがみほには、その罪悪感を拭うすべが見つからなかった。 殺人の罪は本当の意味では贖うことが出来ない。許しを請うべき相手が既にこの世にいないからだ。 みほが抱いているのは、まさしくその類の苦しみだった。罪の痛みに身を焼かれ、ただひたすらにエリカからの赦しか罰かだけを望んでいるというのに、みほにとってはそのエリカはどこにもいないのだ。 逸見エリカを失ってからの西住みほの日々は、出口の無い煉獄に他ならなかった。
9 17/01/22(日)00:16:55 No.404246120
◆
10 17/01/22(日)00:17:22 No.404246277
「みほ、ちょっといい?」 夜も更けた頃、まほは妹の部屋を訪ねた。みほは寝巻き姿でそれを迎えた。 「……どうしたの? お姉ちゃん」 「うん? うん、ちょっとね」 まほはいつに無く落ち着かない面持ちでキョロキョロと視線を彷徨わせ、意味も無く棚の上の縫いぐるみを撫でてみたりした。 「最近……随分寒くなってきたな」 「……うん、そうだね。昨日、布団を出してきたよ」 「そう……風邪を引かないように気をつけないとね」 中身の無い、回りくどい対話だ。まほは触れにくい本題をいつ切り出そうかと躊躇い、みほもそんな姉の心情を察しているようだった。 「……座ったら?」 「ああ、うん、そうだな」 まほは勧められるがままにみほのベッドに腰掛け、姉妹は隣り合った。
11 17/01/22(日)00:17:55 No.404246469
暫しの間、気まずい沈黙が流れる。普段の二人ならば会話が全く無かろうと、互いに安らぎ落ち着ける関係だが、この時ばかりは話が違った。 その沈黙を破り、まほが口を切る。 「……エリカのことだけど」 絞り出すように言う。みほはぴくりと眉を動かした。 「……エリカさんが、どうかしたの?」 平静を装ってはいるが、みほの口調は普段より硬いものだった。 「あの事故から……もう、どれくらいになるかな」 「……四ヶ月だね」 「そうか……。……もう、そんなに経つんだな……」 「…………」 みほは無言でまほの言葉を待った。
12 17/01/22(日)00:18:25 No.404246611
「……エリカは……私の目から見ても、よくやっていると思う」 本心からの言葉だった。欠けた記憶に様々な面で苦労しつつも、少女は真摯に戦車道に打ち込んでいた。隊員たちもそれを理解し、何かと助力を惜しまなかった。あの事故で黒森峰が負った傷は決して浅い物ではないが、それを抱えて前へと進んでいけるような、明るい兆しが見えようとしていた。 だが、みほは違った。 この頃のみほは常に口数少なく、人付き合いを避けるようになり、特にあの少女に対しては、ほとんどその存在を黙殺するかのような態度を見せていた。少女が傷心を抱くのは当然の事であり、さらに少女を慮る周囲の隊員たちとの間にも波紋と軋轢が生まれようとしていた。 この日まほがこうしてみほの元を訪れたのも、隊長として、そして姉として、その件をどうにかしたいと考えての事だった。 「……どうしてエリカに冷たくするんだ。お前たち、あんなに仲が良かったじゃないか」 気付かぬ内に、まほの口調は姉としてのそれから隊長としてのものに変わっていた。
13 17/01/22(日)00:19:02 No.404246791
「……ないから……」 みほがぼそりと呟く。 「……何だって?」 「……エリカさんじゃ……ないから」 まほは目を見張った。みほは深く俯き、その表情は伺い知れない。 「……どういう……ことだ」 当惑と怒りの入り混じった、聞くものを萎縮させる重苦しい声。しかしみほは意に介した様子も見せなかった。
14 17/01/22(日)00:19:28 No.404246952
「あの人はエリカさんじゃないよ。性格も戦術も何もかも、全然違うじゃない。私の知ってるエリカさんは、あんな人じゃないよ」 みほの語調は、まるで当然の事実を並び立てるかのような淡々としたものだった。 「……本気で言ってるのか……?」 まほの声は震え、掠れていた。 「あれは……あの子はエリカだ。今はただ記憶を失っているだけで……みほの友達の、逸見エリカだろう」 「違うよ」 有無を言わせぬ声色だった。 まほは薄ら寒くなるような感覚を覚える。目の前にいるのが、自分の知っている妹だとは思えなかった。 「……たとえ……お前がそう感じるとしても……。あの子に冷たくしていい理由にはならないだろう」 「……お姉ちゃんには、分からないよ」 その言葉に込められたのは深い断絶であり、対話の拒絶だった。そこでまほは愕然とした。言葉を交わせない、ただそれだけで、たった一人の妹の心がまるで理解できなかったからだ。
15 17/01/22(日)00:20:11 No.404247162
「……いいか、みほ」 まほは妹に向き直り、慎重に言葉を選ぶ。 「正直言って、今の私には……みほが何を考えているのか、よく分からない」 「…………」 「でも、これだけは分かっていてほしいんだ。私は、いつだってみほの味方でいたい。みほにはいつも元気で、笑っていてほしいんだ。それだけは、忘れないでほしい」 「……お姉ちゃん……」 みほは姉に目を向ける。その表情は複雑なものだった。 「……みほ。過去には何も無い。人は今と、そして未来に目を向けるべきなんだ」 「……確かに、そうかもしれない。……けど……」 みほは束の間、逡巡している様子だった。それは自らを案ずる姉に対し、鋭利な言葉を浴びせることへの躊躇いだったかもしれない。 「……お姉ちゃんはいつも、正しいことしか言わないよね」
16 17/01/22(日)00:20:38 No.404247314
それは長年積み重なった澱を吐き出すような言葉だった。まほはその意図が理解できず、しばらく硬直する。 「……何が……言いたいんだ」 みほは悲しげに、あるいはそれ以上の話は無駄だとでもいうようにかぶりを振った。 「……別に、何でもないよ。……もう、いいかな? 明日も早いから。お姉ちゃんも、もう寝ないとでしょ?」 「……あ、ああ……それはそうだが……」 「それじゃあ、おやすみ。また明日」 どうにも釈然としないまま、まほはみほの部屋を出た。後ろ手に扉を閉めたところで深く息を吐き、指で眉間の皺を伸ばし、平静を装って歩き出す。 果たして、みほに自分の思いは伝わったのだろうか。 そうであってほしいと思った。せめてたった一人の妹には幸福であってほしい、正しい道を歩いてほしいというのは、姉として当然の願いであると思った。 故にまほは、みほに今と向き合ってもらうべく、自ら行動に移そうと決心した。 それがどんな結果を生むか、その時のまほは気付いていなかった。
17 17/01/22(日)00:20:59 No.404247458
◆
18 17/01/22(日)00:21:41 No.404247691
美しい人だった。 容姿が、という話━━それもそうなのだが━━ではない。少女は西住みほに出会って、人として、その生き方を美しいと思ったのだ。 記憶を失い、逸見エリカが空っぽの少女として目覚めて、最初に目に映ったのがみほだった。事故の昏睡から意識を取り戻した時、初めて見た泣き顔は、少女の奥底に強く焼き付いている。 何もかも分からないことだらけの中、少女が挫けずにいられたのは、他でもなくみほの支えがあった故だ。みほの優しさは少女にとって救いであり、拠り所であり、先の見えない暗闇の中の光であった。 そしてそんな普段の穏やかさと対照的な、戦車道の際に見せる凛々しさが、少女を強く惹きつけた。みほにそんな表情をさせる戦車道が一体どんな物なのか、気になって仕方がなかった。
19 17/01/22(日)00:22:18 No.404247958
他者から話を聞くと、みほはよく弱々しくて頼り甲斐が無いと思われがちなようだったが、少女はそうは思わなかった。みほは本当の部分で芯の強い、己の足でしっかりと歩いている人間だと思った。 しかし、そんなみほが時折悲しげな表情を見せるのも、自分に対しての態度が段々と素っ気ないものになっていくのにも、少女は気付いていた。 少女はそれを、自分の所為だと思った。みほの無二の親友であった逸見エリカ━━記憶を失う前の自分━━と今の自分とでは、似ても似つかないらしい。大切な友人を失っては、心優しいみほがひどく傷つくのは当然だと思った。 少女はそんなみほの為に自分に何が出来るか考え、そして一つの答えを出した。 自分が、元の逸見エリカに近付けばいいのだ。
20 17/01/22(日)00:22:41 No.404248092
戦車道でも日々の生活でも、かつての自分に負けない、いや、追い越すほどに活躍してみせる。親友を失ったみほの心の穴を、自分が埋めてみせると決意した。 そして少女は誰にも知られぬように、しかし死に物狂いで努力をした。毎日かつての自身が残した資料や記録を読み漁り、練習は毎日誰よりも早く、誰よりも遅くまで。対人関係も話に聞く逸見エリカのようにではなく、誰にでも柔らかく優しく、たとえ都合のいい人間だと思われようと、貧乏くじを引こうと、表向きだけでも友人と呼べるような相手を増やすべくひたすら奔走した。 辛いことも多かったが、みほの為だと思えば耐えられた。 ただひたすらにいい人間に、みほが認めてくれるような素晴らしい人間になろうと思った。 その努力は、もうすぐ報われようとしていた。それが少女の望んだ形であるかは、別として。
21 17/01/22(日)00:23:33 No.404248369
年が明けて間も無いその日、黒森峰機甲科の隊員一同は練習中もいつになく浮き足立っていた。 黒森峰では夏の大会後に三年生が引退してすぐ、次年度の大会に向けての選別が始まる。隊員各々の技量、個人的資質等に合わせて次年度のチーム編成がなされるのだ。そのチーム分けの発表がこの日であり、当然隊員たちはその話題で持ちきりだった。少女も例外ではなく、自分がどのチーム、どのポジションに割り当てられるのかずっと気が気でなかった。 そんな浮ついた雰囲気の練習も終わり、隊員皆が待ちに待ったミーティングで、隊長であるまほが咳払いをして口を開く。 「さて、皆分かっているとは思うが、今日はチーム編成の発表がある。 今回発表するチームに来年度の新入生を加えたチームで、次の大会まで一緒に練習と試合を行ってもらうことになる。何か質問は? …………無いな。では、早速発表に移る」
22 17/01/22(日)00:24:31 No.404248631
黒森峰の編成は車両単位のチームの上に多くの分隊、その上に小隊、さらに四つの中隊からなる。 話に聞く逸見エリカは、小隊長の地位を目指して努力を続けていたらしい。二年生で小隊長に選ばれるというのはさらに次の年、三年生時での活躍も期待され経験を積ませるための抜擢という面が大きく、その狭き門に滑り込むのは中々に難しいことであるが、少女は今の自身ならば実力的には十分可能だと自負していた。 「……以上が第三中隊の編成となる。では、次に第四中隊の編成に移る」 第一中隊、第二中隊はそれぞれ隊長の西住まほ、みほの姉妹が隊長を務める。つまり実質的に中隊長に抜擢されるのは二人となる。第三中隊は実力・人格共に有望な三年生が隊長が選ばれたが、未だに少女の名は読み上げられていない。つまり、少女は第四中隊の配属であり、次に選ばれる第四中隊の隊長が少女の直属の上官ということになる。本音を言えばまほかみほの中隊に配属されるのが理想だったが、仕方がない。果たして誰が選ばれるのか、そして自分は小隊長に就任できるのか、少女は固唾を呑んだ。
23 17/01/22(日)00:25:00 No.404248785
「……第四中隊 隊長、逸見エリカ!」 まほの発表と同時に、少女の周囲からわっと歓声が上がる。 「エリカさん、やったね!」 「凄いわエリカ! 二年で中隊長なんて!」 「……え……?」 状況が理解できず、少女は惚けた声を漏らす。 「何ボーッとしてるんですか! 中隊長ですよ! 中隊長!」 「あ……わ……私が……!?」 驚愕に目を丸くしてまほを見遣ると、彼女は微笑と共に頷いた。それでようやく、少女にも異例の抜擢の実感が湧いてくる。願ってもいなかった幸運に少女は困惑と重圧を覚え、そしてそれを遥かに上回る歓喜に包まれた。 「あ……ありがとうございますっ! 精一杯頑張ります!」 少女が勢いよく頭を下げると、改めて周囲が歓声と拍手に包まれた。次々と続く友人たちの祝福に応えるので手一杯で、遠く離れたみほの反応は伺い知れなかった。
24 17/01/22(日)00:25:19 No.404248873
◆
25 17/01/22(日)00:25:50 No.404249012
暗闇を心許ない蛍光灯の明かりだけが照らす寮の廊下を、少女は息を切らして走っていた。友人や先輩たちに中隊長就任祝いと称して連行され、カラオケやケーキバイキングに引きずり回されている内にすっかり時間を食ってしまった。 本当は真っ先にみほに会って、話がしたかった。 中隊長といえば、名実共に隊長・副隊長に次ぐ立場だ。ずっと感じていたみほとの距離がぐっと縮まったような気がしていた。そしてかつての自身の目標を更に越えたことで、みほもきっと自分を認めてくれると思ったのだ。 これでようやく、自分を見てもらえる。みほに褒めてもらえる。そう考えただけで、少女は天にも昇る心持ちだった。 みほの部屋の前に到着し、少女は息を整え、手鏡で乱れた髪を直した。高鳴る鼓動を抑えるように胸に手を当てる。大きく深呼吸をして、努めて平静を装いながらチャイムを鳴らした。 閉じられた扉の向こうから近付いてくる足音に、少女は顔が熱を帯びるのを感じずにはいられなかった。
26 17/01/22(日)00:26:08 No.404249092
「……はい、どなたですか」 チェーンの掛かったドアの向こうから、みほが顔を見せる。 「あっ……みほさん……! いっ……今……大丈夫ですか……!?」 「……あなたでしたか。……どうしたんです、こんな時間に」 「その……ちょっと……みほさんとお話がしたくて……! い……いいですか……?」 みほはしばらく少女を見つめた後、大きく息を吐いてチェーンを外し、ドアを開いた。 「……どうぞ。散らかってますけど」 「ありがとうございますっ! ……お……お邪魔します……!」 急いで靴を脱ぎ、みほの背に続く。浮き足立った少女は、みほの暗い表情にすら気付かなかった。
27 17/01/22(日)00:27:24 No.404249414
当人の言葉通り、みほの部屋はゴミこそ無いものの物が多く、だいぶ散らかっていた。数ヶ月前、少女が退院してすぐに一度だけ招かれた時には片付けられた綺麗な部屋だったが、少女はきっと自分が急に訪ねた所為だろうと納得した。 「……それで」 みほは少女に振り返り、立ったまま口を開いた。 「……話って、何ですか?」 少女は一歩踏み出し、意を決して切り出す。 「あのっ……! 私……今日……中隊長に選ばれたんです……!」 「そうですね」 あまりにも素っ気ないみほの反応に、少女は呆気に取られた。 「え……そ……そうですね、って……」 「それで、私に何か?」 みほは少女と視線も合わさず、目を伏せている。少女はぐっと唇を噛んだ。
28 17/01/22(日)00:27:56 No.404249577
「わ……私……みほさんと……友達になりたいんです……」 「……友達? 私と、あなたが?」 「そうです……! 私、ずっとみほさんに……それに、前の私にも追い付きたくて……それで、今まで、頑張って……!」 「……無理ですよ」 「どうしてっ……!」 噛み付くように身を乗り出す少女に、みほは薄っすらと笑みを見せる。嘲るようなその笑みは、しかしどこか痛ましげだった。 「……あなたを見てると……私……辛いんです」 「……え……」 少女は、言葉を失った。
29 17/01/22(日)00:28:31 No.404249735
「あなたを見る度に、後悔ばかりを思い出すんです。……どうしてあの時、私はエリカさんを助けられなかったのか、どうして引き返してしまったのか、って……。試合なんて、どうでもよかったのに」 少女はみほの暗い瞳を覗き込み、ぞっとした。 直感で理解する。その眸子は目の前の少女を映してはいなかった。その目はあの時の━━半年前のあの雨の日を見つめ続けていた。 一体、いつから━━。 自分が不甲斐ない所為か。友を失った痛みに耐え切れなかった所為か。いいや恐らくは、みほは最初から一度たりとも、少女とその目で確と向き合ったことはなかったのだ。 少女は拳をぐっと握り込む。 「……みほさんは……みほさんは悪くないじゃないですか! 私、聞いてます! みほさんは一度は助けに来てくれたけど、私がそれを追い返したって……だから……みほさんは……!」 「……悪くない、って?」 「……っ……そうです……! みほさんが気に病むことなんて、何も無いじゃないですか……!」 みほは少女をじっと見つめ、深々と溜息を吐いた。
30 17/01/22(日)00:28:59 No.404249870
「……そうかもしれませんね……。でも、その言葉は、エリカさんから言われなきゃ、意味が無いんです。他の誰から許されたって、何の意味も無い。私はエリカさんに許されたいんです」 みほは淀みなく、さも当然のことのように話した。少女はその言葉の意味が飲み込めず、思わず惚けたように立ち尽くす。ひどく喉が渇いていた。 「みほさん……わ……私……エリカです……逸見エリカですよ……?」 少女は訥々と、混乱した頭でなんとか言葉を紡ぐ。 「違います」 それをみほは、噛んで吐き出すように撥ね退けた。 「あなたはエリカさんじゃありません。何もかも、全然違うじゃないですか」 「な……何を……」 「あなたは何も持ってない。私との思い出も、戦車への情熱も、何もかも空っぽです」 「……そんな……」 その言葉は今の少女にとって、最も鋭利に突き刺さる刃だった。目の前のみほが、自分の知っている優しくて穏やかなみほとはまるで別人に見え、少女は愕然とした。
31 17/01/22(日)00:29:52 No.404250117
「エリカさんは強い人でした。あなたは違う。あなたが人に接する態度は優しさなんかじゃない。他人に捨てられては生きていけないから、必死に媚を売っているだけでしょう」 「違う……違います! 私はそんな……!」 少女は必死に否定しようとしたが、みほは聞く耳を持たなかった。 「……もう、私に関わらないでください。こうして話しているだけでも、耐えられないんです」 みほは俯き、少女に背を向ける。その静かな呟きは、しかし明確にして厳酷な拒絶だった。 だが、少女はそれでも引き下がらなかった。唇をきつく結び、静かな決意と共に口を開く。 「……みほさんは……前の私が強い人間だったって、そう言いましたね」 「ええ、そうです。エリカさんはとても強い人でした」 「それは、違うと思います」 無言のままゆらりと振り向いたみほに、少女はびくりと身体を震わせた。 「……今、何て?」 少女の知るみほからは想像もつかない、それどころか彼女の姉が試合中に見せるものよりも強烈な、底冷えするような威圧感。つい先程の決意が脆くも吹き消されそうな思いだったが、少女はそれでもみほに正面から向き合った。
32 17/01/22(日)00:30:34 No.404250309
「……前の私は、きっと本当は強くなんてありません。それどころか臆病で、誰よりも傷つきやすい……そんな人間だったはずです」 それは少女が目覚めてから多くの人々に聞いた話と、自らの脳裏に朧に残る曖昧な感覚から成る、記憶を失う以前の自分━━逸見エリカについての、少女なりの解釈だった。他人からすればほとんど根無し言とも取れるものだったが、少女はその感覚に確信に近い自信を持っていた。 「その弱さを他人に見せたくなくて、だからこそ強い自分であろうと振舞って……。みほさんだって、本当は分かってるはずです!」 「……あなたに……何が分かるんですか」 「分かりますよ。……自分のことですから」 「違います……あなたは……」 まるで駄々を捏ねる子供のように、みほは何度も首を振る。
33 17/01/22(日)00:32:47 No.404250871
「みほさん……お願いです。私を……どうか私を見てください……」 「黙って……ください……」 少女は項垂れるみほの肩を掴んだ。 「私はエリカです! あなたの知っている逸見エリカです……! だから、どうか……!」 ひゅっ、と空気の漏れる音がみほの口から聞こえた。そう思った次の瞬間には、みほの両手が少女の細首を絞めあげていた。 「あ……ッ……はッ……!」 「黙れッ!! 違う違う違う!! 違うッ!!お前なんか、エリカさんじゃないッ!!」 みほは半狂乱で喚き散らし、更に腕に力を込める。少女はみほの腕を引き剥がそうとしたが、既に思うように力が入らなかった。 喉が圧迫され、呼吸ができない。酸素が足りない。視界が霞み、暗くなっていく。こんな感覚をいつか味わった事があるような気がしたが、上手く思い出せない。
34 17/01/22(日)00:33:27 No.404251021
少女はぼやける視界の中で、間近にあるみほの顔を見た。みほの表情は怒りと狂気に染まってはいたが、その両の瞳には、確かに少女だけを映していた。 ━━ああ、それなら。……こんな終わりも、悪くないかもしれない。 少女は場違いな満足感と共に、蒼白い顔に薄笑いすら浮かべていた。 そうして少女が、泥のような安寧に身を委ねようとした時━━。 「何をしている!!」 薄れ行く意識の中で、少女の信頼する隊長、西住まほの声が聞こえた気がした。
35 17/01/22(日)00:33:47 No.404251095
◆
36 17/01/22(日)00:34:24 No.404251244
寒々しい海風が埠頭を吹き抜けた。 少女は大荷物を抱え、忙しなく行き交う人の群れをただ何の気なしに眺めていた。 その日は黒森峰学園艦が久方ぶりに母港に停泊する日だった。黒森峰の生徒たちは皆、この束の間の停泊期間に諸々の用事や買い物などを行うことになっている。そのためか舷梯を降りていく生徒たちの顔は皆、一様に晴れやかで楽しげなものだった。 だが、少女は違った。 「……本当に行くのか」 背後からの声に振り向くと、そこに立っていたのは少女と同じく厚いコートを着込んだまほだった。隊長としての立場ゆえか毅然とした態度は崩していないが、どこか沈んだ空気を隠しきれていない。 「……はい。もう、決めたことですから」 少女はまほに向け、なんとか笑みを作ってみせた。だがそれは、却ってまほの纏う暗然たる雰囲気をさらに深めただけだった。
37 17/01/22(日)00:34:49 No.404251361
「エリカは……何も悪くない。お前が出て行かなきゃならない理由なんて、どこにも無いんだぞ」 あの日、まほの手によってみほは止められ、少女は今もこうして生きている。一件は表沙汰にはならず、みほはまほから謹慎を言い渡された。まほは何度も少女に首を垂れて謝罪し、しきりに気遣ってはくれたが、結局少女は戦車道から、そして黒森峰から離れることに決めた。 「理由なら……あります。 ……私がここにいると……みほさんはきっと戦車道が出来ないから。そんなの、嫌なんです。……私、戦車に乗っているみほさんが好きなんです」 当人にどう思われようと、みほは少女にとって恩人であり、憧れであり、想い人だった。何があろうと、今でもそれは変わらなかった。 だからこそ、自分の存在が彼女の妨げになるのなら、その身を引こうと思った。それでみほがまた昔のように笑えるのなら、それで少女は満足だった。たとえその笑顔を、自らは見ること叶わなくとも。 「……すまない……!」 まほは俯き奥歯を噛み締め、掠れた声で言う。
38 17/01/22(日)00:35:23 No.404251513
「……まほさんこそ、何も悪くないじゃないですか。……みほさんだって。誰も、悪くなんてないんです」 「違う! 罰されるべきは私だ。私は何も出来なかった。もっとお前たちを理解して、正しく導いてやるべきだったんだ……!」 ふと改めて、まほの顔を見る。 なんとか隊長としての体裁は保ち、踏みとどまってはいるものの、その顔はやつれ、疲れと心労が滲み出ている。ほんの少し前までの凛々しく覇気のある姿からは似ても似つかない。 不器用な人だ、と思う。 何もかも自分で抱え込み、自分で何とかしようとする。周囲に自らを慕う人間、案ずる人間がどれだけいようと、それを頼ろうとしない。それはきっと、妹であるみほも同じなのだろう。だからこそみほは耐え切れず、折れてしまったのだ。 「……まほさん、そんな事言わないでください。私、まほさんには本当に感謝してるんです」 「やめてくれ……! 私は、そんな人間じゃないんだ……!」 声を荒げたまほは、まるで何かに怯えているかのようだった。 少女は何か言葉をかけようとしたが、出来なかった。沈黙を誤魔化すように、荷物を抱え直す。
39 17/01/22(日)00:36:14 No.404251763
「……それじゃあ私、もう行きますね。まほさん、どうかお元気で……」 「……ああ。……エリカも……身体に気を付けて。何か困った事があれば、すぐに連絡してくれ」 「はい。ありがとうございます。……それと……みほさんに……」 少女はそこで顔を伏せ、言い淀んだ。 「……みほさん……に……」 『みほさんに、ごめんなさいと伝えてください』。 ただそれだけの言葉が、どうしても出てこなかった。 みほの安寧の為にここを去るのであれば、そんな謝罪は意味がない。それどころか、みほの心に刺さる棘をいたずらに増やすだけだろう。 みほの為ならば自分などどうなってもいい。そう思っていたはずなのに、まだ有りもしない何かにしがみつこうとしている。かき消そうとしてもその度に何度もみほの顔が浮かび、目頭が熱くなるのを抑えられない。 「……エリカ、お前……」 様子に気付いたまほが声をかけてくるが、少女はそれに背を向けた。 「……何でもありません。……さようなら、まほさん」 「……エリカ!!」 少女は振り返らずに、足早にその場を歩み去る。これ以上、まほに心配はかけたくなかった。
40 17/01/22(日)00:37:09 No.404251988
「忘れるな、エリカ! 帰りたくなったら、いつでも戻ってきていいんだぞ! 待ってるからな! エリカっ! 待っているぞ!!」 まほに何とか笑顔を見せようとしたが、出来なかった。だから少女は、無言でタラップを駆け下りた。 動悸が早まるにつれて、足も段々と早くなる。縺れそうになりながら埠頭に降りて、しばらく歩いたところでようやく振り返る。 学園艦、黒森峰女学園。何物にも揺るがぬその威容は朝陽に照らされ、荘厳な美しさを放っていた。
41 17/01/22(日)00:37:54 No.404252173
たった半年。されど少女には、その短い時間が世界のすべてだった。 黒森峰での日々が、友人や隊員たちが、みほのことが、そして彼女の言葉が胸に去来する。 『あなたは何も持ってない。私との思い出も、戦車への情熱も、何もかも空っぽです』 確かにその通りだった。少女は病室で独り目覚めてから、その事ばかりを考えていた。何も持たぬ自分は、この先どうやって歩いていけばいいのだろうかと。 そんな少女の空虚さを埋めてくれたのは、みほだった。そして黒森峰での日々だった。空虚さはいつの間にか、暖かさで一杯になっていた。その恩をいつか返したくて、必死に努力を続けてきた。 だがそれも今、こうして失った。少女はまた、元の空っぽに戻った。 果たしてこれからまた、この空虚を埋められるものが見つかるのだろうか。みほを失った穴は、独り目覚めた時のそれよりもずっと、途方もなく大きなものに思えた。 それでも少女は一人で生きていくしかないのだ。みほはもう、いないのだから。 朝陽に背を向けて、少女は再び歩き出す。 溢れた哀しみが、頬を伝った。
42 17/01/22(日)00:38:18 No.404252276
◆
43 17/01/22(日)00:39:06 No.404252457
少女を見送って、まほは一人、自室に戻った。今日は学校も機甲科の練習も休みだ。日課のランニングも自主練習もやる気になれず、他にする事もないのでただベッドに横たわった。 窓の外からはいくつもの楽しげな声が聞こえてくる。きっと彼らはこの休日には学園艦から降りるか、そうでなくとも友人と共に遊んだり、愉快なことが沢山あるのだろう。 だがまほは違った。休日に一緒に出かけるような友人などいない。一人で打ち込むような趣味も持ち合わせていない。まほには物心ついた頃から、戦車道しか無かった。そのあまりの空虚さに気付き愕然としたのも、もう随分と昔のことだ。 ごろりと寝返りを打つと、卓上のいくつものトロフィーや賞状が目に入った。自分の成果を眺めて悦に入る趣味は無かった。これは一種の戒めだ。自分の立場を忘れない為の。 今自分が置かれている立場は、収めてきた数々の成績は、多くの戦車乗りたちを踏みつけて勝ち取ってきたものだ。故にそこには責任が生じる。彼らの夢や努力を手折って自分が上に立った以上は、その屍を糧にする責任があるのだ。 それがまほの信念であり、信条であり、呪いだった。
44 17/01/22(日)00:40:00 No.404252657
この部屋にある表彰品ははまほ個人に対して与えられたものであり、黒森峰というチームに与えられたものは機甲科のレストハウスに飾られている。まほはその中の優勝旗に思いを馳せた。 全国大会十連覇。 前人未到の偉業だ。無論それは多くの先達の努力の賜物であるが、自分が丁度その代で隊長を務められたことに、誇りを感じないわけではない。多くの人々が━━あの鉄面皮の母までもが━━大いに祝福してくれた。 だが、一体その勝利に、何の意味があったのだろう。 結果を見れば、まほは誰より愛する妹の幸福と、大切な後輩にして優秀な戦車乗りの未来を失った。 守ろうと思った。守らなければいけなかった。その為ならばどんな事でもしようと思っていたのに。 自分は何も出来なかった。それどころか選択を誤り、みほとエリカをなんとか繋ぎとめていた最後の糸を断ち切ってしまった。 姉としても隊長としても、失格だと思った。そして残された西住まほというただ一人の人間は、やはり途方も無く空っぽだった。
45 17/01/22(日)00:40:32 No.404252785
西住流の後継者。優秀な戦車乗り。国際強化選手。そして、黒森峰の隊長。幼い頃から常にまほには期待と信頼という仮面と鎧が与えられ、自分でも気付かぬままにそれを着込んで生きてきた。 それを剥ぎ取られた今、まほに何も残らないのは当然の帰結だった。 「……何の意味があったんだ……。あの勝ちに、何の意味が……」 ベッドの中で膝を抱えて、譫言のように何度も繰り返す。どうしようもなく悲しくて仕方なかったのに、泣き方が思い出せなかった。
46 17/01/22(日)00:41:35 No.404253017
今回はここまで! もうちょっと続きます ありがとうございました
47 17/01/22(日)00:45:57 No.404254061
ここから大洗エリカルートに…
48 17/01/22(日)00:49:17 No.404254891
いいぞ…
49 17/01/22(日)00:50:36 No.404255206
この世界のみほはラスボスか…
50 17/01/22(日)00:51:25 No.404255386
ダークサイドみぽりんに勝てるのだろうか…
51 17/01/22(日)01:08:24 No.404258944
折れちゃった闇ぽりんは凄く強そう…
52 17/01/22(日)01:09:24 No.404259167
肝心のエリカの力も記憶喪失でやや落ち気味…か?