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17/01/15(日)21:47:54 ガルパ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1484484474044.jpg 17/01/15(日)21:47:54 No.403172304

ガルパンSS 「如何にして西住まほは無関心な戦車道に対して意義を感じる様になるか」 前作シリーズ su1713878.txt 前話 su1713879.txt

1 17/01/15(日)21:48:16 No.403172402

第二話【イグノラムス・イグノラビムス】  -1- 西住みほは戦車自体は非常に好んでいた。 何せ何処へ遊びに行くにもⅡ号に乗って行く程であり、戦車という機動力を得てからみほの活動範囲と行動内容は幼児の其れを逸脱し、ほとほと親を困らせていたものであった。 そんなみほの"遊び"を両親が有る程度自由にさせていたのも、戦車を好むという性質を良しとしていたのとまほというストッパーが常についていたからであっただろう。 そんなみほが母親から基礎練習を学ばされる事を伝えられては、より一層戦車に触れる事と姉と同じ事ができるという点で待ち遠しくも感じていたのだった。 あちこちに戦車を乗り回すのを好んでいただけに、戦車を乗り回す基礎練習には最初はある程度の熱意を持って挑んでいたのだ。 ところがいざ基礎練習を受けていくとみほのその熱意という炎は徐々に鎮火していってしまった。 元々自分にとって興味のある事以外にはあまりやる気を出さない子であったから、自由に乗り回せる"遊び"と違ってああしろこうしろと言ったり、これはするなと枠に嵌める様な事には楽しさを覚えなかったのだ。

2 17/01/15(日)21:48:35 No.403172505

と言ってもみほは馬鹿ではない。 これが自分に課せられた責務であることも何となくではあるが理解していたので、熱意こそ無いが不真面目という訳ではない程度に半ば義務的にこなしていった。 それが一変したのはみほがまほの試合風景を見学してからである。 みほが「お姉ちゃんと一緒に戦車道をする為に私も頑張る!」と決意を宣言したとおり、それからみほの西住流戦車道に対する意識は目に見えて変わった。 高いモチベーションを持って、意欲的に取り組むようになったのだ。

3 17/01/15(日)21:49:05 No.403172672

-2- 西住まほは自分を天才だと理解していた。 これは決して彼女の自惚れでは無く、年齢以上の聡さを持つ彼女なりの周囲との比較し、分析した結果の結論であった。 少なくとも客観的に見てこの自己評価は正しいと言えただろう。 社会性、精神年齢、学力、言語能力、読解能力、観察力、計算能力、空間認識能力、記憶力どれを取っても同年代どころか一定以上の年齢差の相手よりも上回っていたのだから。 知性面のみならず戦車道においては特に顕著であったと言えるだろう。 同年代は比較対象にすらなりえず、アマどころか一部プロすらいる西住流門下生の中に混じって練習とはいえ試合ができる程であった。

4 17/01/15(日)21:49:35 No.403172883

特に卓越した能力としてまほは相手の考えが読める事が挙げられる。 より正確に言うのであれば考えが読めるのではなく相手の行動が全て予測の範囲内に収められるのだ。 更にまほにはその予測を元に相手が取りうる行動パターンを考え、どのパターンが来ても最大公約数的に最良の結果が残せるような行動と対応策を思いつけた。 流石に門下生相手ではまだまだ腕は並ばないが、これは決して彼女達がまほの予測から外れた行動をとるのではなく、予想がついてもまだ其れに追いつける経験と身体が備わっていないからである。 それでも戦車道において優秀な門下生達はそのまほの能力には気づいていたので、この若き未来の自分達の王を末恐ろしい思いを抱きながらも歓迎していた。 結局の所、まほが戦車道において楽しさも遣り甲斐も見出せなかったのはこの能力によるものであった。 全ての過程と結果が解りきっているものにどうしてその様な物を感じえる事ができようか。 まほにとって戦車道とは計算方法も答えも知っている計算問題を延々とやらされる様な物であった。

5 17/01/15(日)21:49:56 No.403173032

ところが…だ。 まほはある時から徐々に自分が通常の人間とは一線を隔した天才である訳ではなく、単に凡人の延長線上に存在しているに過ぎないという事を自覚した。 それはみほが高い熱意を持って戦車道に取り組むようになってからである。 大人の……それもプロの門下生の行動すらまほの予測の範疇であったが、みほの行動はどんなに想像の翼を羽ばたかせてもその枠内に収まる事は無かったのだ。 いや…これは戦車道に限ったことではなかった。 物心ついた時からまほにとってみほの行動の全てが予想外であった。 遊びに行けばその行き先や内容はコロコロ変わり、興味の対象や会話の内容も二転三転するのだ。 同じアニメや絵本をとってもまほの感想は年齢からすれば登場人物の心理等の考察として深く鋭い物を述べるが、言ってしまえば大人や賢い人間なら述べれる内容である。

6 17/01/15(日)21:50:24 No.403173179

一方でみほの感想は……異質であった。 年齢の違いや知性面の違いだとかそういった物ではなく、そもそも着眼点の土台からして普通人とは懸け離れた物であった。 しかも、その上でよく説明されればそこには彼女なりの理が通っており、成る程と納得できるものであった。 絵を描けばその構図や色使いも奇妙奇天烈としか表現しようが無い物が出来上がるが、それらの解説を本人から聞けば思わず唸る様な考えがそこにはあった。 戦車道においてもその異質なセンスは十二分に発揮されたのだ。 それを見る度にまほは、所詮自分は凡人という点が存在する一次元上で表現される同一線の延長上でしかないのだと自覚したのだ。 まほは確かに天才的な予測と対応ができる。 しかし、それは常人にも時間と労力をかけさえすればできる事だ。 勿論、それを常人より遥かに容易くできるのが彼女の凄さではあるが、結局は結果だけを見れば同じレベルの世界の話である。

7 17/01/15(日)21:51:45 No.403173563

一方でみほの其れは常人がどれだけ時間をかけようと、それこそ思考に何万年費やそうともその結論には達し得ない。 何故なら思考の出発点が違う。経路が違う。理が違う。世界観が違う。 例えるなら…ある紙に書かれた二つの点Xと点Yを最短距離で結べと言われた時、この二つの点の間に線を引くのが凡人やまほである。 まほと凡人の差をあげるなら線をどれだけ正確に素早く引けるかだろう。 それに対して紙を折り曲げて二つの点を直接接触させるのがみほである。

8 17/01/15(日)21:52:04 No.403173675

そんなみほのセンスを大人達はあくまで一風変わった、そして子供故の自由さの一種としか捉えなかった。 戦車道での一見無茶に見える突撃も、意図の解らぬ位置取りも普段のみほのやんちゃ振りから出た行動だろうと微笑ましい物を見るように見ていたのだ。 尤もこれをもって彼女らを頑迷・狭量・短慮と責めるのは酷であろう。 まほがそういったみほの才覚に気づいたのも前述したラプラスの悪魔の様な卓越した"予測する能力"があったからこそ、その予測外に存在する箱の中のみほに気づけたのだ。 予測外だからこそみほの行動の異質さが浮き彫りになり、そしてそれを不思議に思ったからこそまほが後にその行動を検証する事で一見では解らなかった有用性が理解できたにすぎない。 極普通の人間には当然ながらそのような気づきなどできる筈も無く、みほの行動はセオリーを知らない子供特有の無鉄砲かつ気まぐれな行動にしか見えなかったのだ。

9 17/01/15(日)21:52:43 No.403173838

  "かくてラプラスの魔の自然認識は、吾々人間自身の自然認識のおよそ考えうべき最高の段階をあらはすものであって、従って吾々は自然認識の限界にあたってこれを基礎にもってくることができるのである。 ラプラスの魔にして認識できぬことは、それよりもはるかに狭小な限界の中に閉じこめられている吾々の精神には全く永久に知られずにおわるであろう。 -エミール・デュ・ボア=レーモン"   第二話-Bへ続く

10 17/01/15(日)21:52:59 No.403173922

きたか…

11 17/01/15(日)21:53:07 No.403173973

来たのか!

12 17/01/15(日)21:54:43 No.403174406

ちょっとずつでいいから毎日進めようと思って立てたけど短すぎるし話進んでないしちょっと後悔した 次はちゃんともっと書いてから立てよう…

13 17/01/15(日)21:57:35 No.403175178

箱の中の猫はラプラスの魔でも確定できないからしょうがないね

14 17/01/15(日)21:59:54 No.403175800

みぽりんやっぱりそういう天才か

15 17/01/15(日)22:06:53 No.403177776

相変わらずお姉ちゃんはみぽりんが大好きだな… 前のいつだっけ 読んだ覚えはあるんだけど

16 17/01/15(日)22:08:50 No.403178346

>ちょっとずつでいいから毎日進めようと思って立てたけど短すぎるし話進んでないしちょっと後悔した >次はちゃんともっと書いてから立てよう… 俺は読めてうれしいよ!

17 17/01/15(日)22:08:55 No.403178368

>相変わらずお姉ちゃんはみぽりんが大好きだな… >前のいつだっけ >読んだ覚えはあるんだけど 結構前だけど一番最初に張ってあるよ

18 17/01/15(日)22:11:23 No.403179022

つまり凡人やまほが有限オートマトンとするとみほがチューリングマシン?

19 17/01/15(日)22:14:27 No.403179788

前回のみぽりんの喜びが生き甲斐になってる話大好きだったから続きが来てくれてとっっても嬉しい

20 17/01/15(日)22:15:22 No.403180016

二点を同じ経路で結ぶのにしても光速を超えられるのならそれはそれで異能じゃねえかな…

21 17/01/15(日)22:16:10 No.403180261

>二点を同じ経路で結ぶのにしても光速を超えられるのならそれはそれで異能じゃねえかな… まほ視点だから自己評価が低いだけで事実天才かどうかはまた別物って気がする

22 17/01/15(日)22:16:51 No.403180491

そして最終的には斑鳩先輩のアレが発動するに到る…

23 17/01/15(日)22:17:24 No.403180627

>つまり凡人やまほが有限オートマトンとするとみほがチューリングマシン? んんん? いや、別にそうはならないならないと思う どちらかというと通常コンピューターと量子コンピューター? 計算速度の差ではなくできる事とできない事だから

24 17/01/15(日)22:18:30 No.403180928

今回の話も斑鳩さん活躍…いや暗躍してくれるのだろうか?

25 17/01/15(日)22:19:28 No.403181152

>今回の話も斑鳩さん活躍…いや暗躍してくれるのだろうか? 活躍はするけど暗躍はしないんじゃないかな どっちかっていうと黒森峰がみぽりんに挑む話になると思う

26 17/01/15(日)22:20:34 No.403181452

>二点を同じ経路で結ぶのにしても光速を超えられるのならそれはそれで異能じゃねえかな… 普通の人間ができる事を素早く効率的にできる と 普通の人間ができない事をできるの差だな…

27 17/01/15(日)22:21:01 No.403181582

>>ちょっとずつでいいから毎日進めようと思って立てたけど短すぎるし話進んでないしちょっと後悔した >>次はちゃんともっと書いてから立てよう… >俺は読めてうれしいよ! そういってもらえるだけで頑張って書こうって気になる 頑張る

28 17/01/15(日)22:21:31 No.403181737

みぽりんは絵が下手だからなあ

29 17/01/15(日)22:28:49 No.403183719

次はちゃんと少なくとも二話が終わってから投げる その時は混乱しないようまた最初から貼るね

30 17/01/15(日)22:39:44 No.403186778

>次はちゃんと少なくとも二話が終わってから投げる >その時は混乱しないようまた最初から貼るね ありがてぇ! でもこの寒い時期だし無理はしないでね 俺はあんたの作品が好きなんだ

31 17/01/15(日)22:40:54 No.403187087

原作でも天才としか思えない様な思考していたよね

32 17/01/15(日)22:45:36 No.403188430

俺もそれは思ってた…みぽりんは一種のギフテッドなんだろうね 書いてくれて嬉しい!また待ってる!!

33 17/01/15(日)22:46:09 No.403188605

まほの思考の速さとみほの突飛な思考方向を合わせたら最強だな…それが愛里寿ちゃん?

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