17/01/04(水)22:54:58 ダーペ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1483538098059.jpg 17/01/04(水)22:54:58 [su1699978.txt] No.400919304
ダーペコ怪文書 ひどいダーペコ ひどくてながい
1 17/01/04(水)22:55:26 No.400919456
熱の籠もった吐息が暗い部屋を満たす。 粘性の高い水の音がして、長い長いキスが終わった。名残を惜しむかのように銀の糸が二人の唇を繋いだままにする。 古い寮の一室に、なにかが軋む音が響く。 冬の夜。他に音はなにもない。 しっかりと閉じられた窓からは、ガラスとカーテンを貫いて冷気が忍び込んでくる。だがそれすらも、お互いの身体の熱をより一層感じさせる、快楽のスパイスに思えた。 「こんな言葉を知ってる? 一目惚れは恋というより発作」 「存じ上げません。どなたの言葉でしょう?」 オレンジペコは、相手の顔すら見えない暗闇の中、しかし向かい合った裸の女が、微かに小さく笑ったように感じた。
2 17/01/04(水)22:55:42 [su1699978.txt] No.400919524
「加藤鷹」 「ダージリン様は初等部からコツコツやり直された方がよろしいのでは?」 溜息をひとつ。静まりきった部屋の中へと響いていく。 「あらまあ。カチューシャみたいな子たちに混じって学園生活するのかしら。楽しそうね」 「ダージリン様の全方位に敵をつくるスタイルだけは嫌いではないですよ」 「ありがとう。私もペコのこと好きよ」 「またそうやって。口説くならティーポットにでもしてください。きっと大人しく聞いていてくれますよ」 「信じてくれないのね?」 「信じると思いますか? ああ、そうです、何度も何度も何度も何度も何度も何度も、何度も申し上げておりますが」
3 17/01/04(水)22:56:12 No.400919630
「ダージリン様セックスのときぐらい格言やめてください」 オレンジペコは強く引き寄せられる。心臓の音が感じられるくらいに素肌が密着する。 「い、や、よ」 囁かれたあと、耳朶に固い感触。 噛みつかれる。声にならない声がペコの口から漏れた。それを聞いて、痕をつけないギリギリを楽しむかのように、少しづつダージリンは力を籠める。 「あ、やっ、いや」 「そう、私もいやなのよ」 はっきりと、ダージリンが漏らす笑い声が聞こえた。きっと、いやらしく笑っているのだろうと、普段他人には決して見せない顔で笑っているのだろうとペコは想像する。 胸に手が伸びていく。もどかしく、焦らされる。 きっと、あの顔だ。私を責めるとき、だけの顔だ。私だけの。
4 17/01/04(水)22:56:29 No.400919695
「あっ」 びくん、と自分の身体が跳ねたことにペコは驚いた。 噛まれた。うなじ。今度は強く。隠せる、だろうか。 ダージリンの所有物であることを皆に知らしめるような、奴隷の焼印のような、その痕。 特別な扱いは、嫌ではない。こんな扱いは嫌だけれども、嫌ではない。 自分、だけだから。 自分、だけなら。 自分、だけか? 本当に? この女の言うことは、一から百まで信用できない。ことベッドの上においては。 他の一年生。ダージリンのこの姿を知らずに、かつての自分のように憧れる者は多いはずだ。かつての自分のように、簡単に毒牙にかかるだろう。 他の学校。たとえば黒森峰。サンダース。知波単。ほかにも。 ペコの思考はまた遮られる。痛みの次は、熱。耳へと侵入しようとする軟体動物のような舌。執拗な音が脳に響く。
5 17/01/04(水)22:56:45 No.400919771
「あ、あ、や、やめ」 言葉に、ならない。 ああ、また、蹂躙されるのだ。好き放題されるのだ。 それを期待している卑しい自分が、いやらしいダージリンが、大っ嫌いだ。 「ねえ、ペコ。ペコってドМよねえ。こんなに滅茶苦茶されて、もう、こんなに濡れてる」 「そ、そんなこっ」 指を口に突っ込まれる。 女の臭いがした。 「SはサービスのS、なんて言葉を知ってる? 素敵よね。V for Vendetta. R is for Rocket. 美しい言葉は響きも美しいものよ。美しい楽器がその姿も美しいように。あなたの調べが、あなたの姿が、とても私を興奮させるように」 謝れ。Vに謝れ。三枚舌の独裁者め。 オレンジペコはコミックの主人公に成り代わって憤った。
6 17/01/04(水)22:57:14 No.400919901
「Sはサービス。サーバント。マスター、ご命令を。あら、おかしい。МはマスターのМだったのね。私はしもべ。Мのオレンジペコのしもべ。私はペコにご奉仕しているの。しもべだもの。みっつのお指で痙攣だ。ポセイドンは指でイけ。気持ちよく果てて頂けるように私の有り余る愛を捧げているのよ」 さいていだ。 オレンジペコは首を強引に振って、戒めから逃れる。しかし、責めは止まらない。双丘の頂点へと、ゆっくりとしなやかな指が迫っていく。口を解放したもう片方の腕は、ペコの耳をまた苛んでいく。 「なにを、あっ、ごちゃ、ごちゃと、なっ、に、が、いいた、あっ」 「そうね、言葉は無粋だわ。言葉なんて。そんなんどうだっていいから冬のせいにして暖め合いましょう。それだけが真実よ。全部雪のせいよ」 「無粋の、極み、みたいな人が、なにを、だから、なにを言いたい、んです」
7 17/01/04(水)22:57:32 No.400919981
「あら、聞きたいのね。うふふ、じゃあ言ってあげる。好きよ、オレンジペコ」 好きよ、というその言葉が、なんと薄ら寒く聞こえることか。 いつも弄ぶだけ弄んで。 オレンジペコは無意識のうちに太股を擦り合わせていたことに気づく。 あ、あ、嫌だ。期待している。いつ、その指は私の中に侵入してくれるのだろうか。嫌いだ。こんな女なんか、大っ嫌いだ。火照っている。この女のせいだ。淫らでいやらしい、この女のせいだ。私も淫らな女にされてしまった。嫌だ。嫌だ。 この女は、私をどうしてしまうのだろうか。 私は、この女と、どうなりたかったのだろうか。 聖グロリアーナ、紅茶の園。 優雅にアフタヌーンティーを楽しんでいるように見えるダージリンは、その実、心穏やかではいなかった。なにか良くないことが進行している感覚。戦車の中でときたま感じるものに近い。この感覚を放置すれば、それは敗北に繋がる。
8 17/01/04(水)22:57:39 No.400920012
む!
9 17/01/04(水)22:57:54 No.400920092
「ねえ、アッサム」 同じテーブルにつく、隊長車チャーチルの砲手、信頼のおける右腕であるアッサムへと声をかける。 「なにかしらダージリン」 「……ペコがいないわ」 常に傍に控える後輩がいない。ただそれだけのことだ。目に見えていることは、ただそれだけ。だが、それだけでダージリンは落ち着かない。自分でもそれが不思議だった。逸る気持ちを抑えられず、ついアッサムへと尋ねてしまう。 外見だけでも取り繕うように、質問の後にはゆっくりと、できるだけゆっくりとティーカップを傾ける。まるで気にしていないかのように、なにかの戯れで聞いてみた、とでも言うかのように。
10 17/01/04(水)22:58:11 No.400920167
「ああ、オレンジペコ」 アッサムはダージリンの不調を見抜いている。それを外に出していないつもりであることも。長い付き合いである自分か、いまはこの場にいない渦中のオレンジペコでなければ気づきもしないだろうが。 オレンジペコ。彼女は自分の存在がダージリンにこんなにも影響を与えていることに気づいているだろうか。そして、これからどのような衝撃を与えるかも。 アッサムはたっぷりと時間をかけて、ダージリンにとって残酷なその言葉を口にした。
11 17/01/04(水)22:58:32 No.400920284
「あの子ならもう来ませんよ」 カシャン、とカップとソーサーが音を立てた。アッサムはほんの少しだけ眉を顰める。 「どういうことかしら」 「曰く、もうダージリン様につきあうのはまっぴら、だそうよ」 「そう」 ダージリンは目を伏せる。 「そうなの」 視線が彷徨う。テーブルの上をあちこちと迷って、部屋の中を移動する。定まらずに、窓の外へ。風景を眺める、ふりをしながらダージリンは紅茶を一口飲んだ。 「…………残念ね」 アッサムは堪えきれずに小さく吹き出した。 時間をかけて用意された言葉が、目の前の女に似合わずひどく陳腐だったことがアッサムにはおかしくて仕方がない。口から先に生まれたようなこの女が、気の利いた言葉ひとつ返せないなんて。
12 17/01/04(水)22:58:51 No.400920366
「ふふっ、失礼、ダージリン。冗談よ。風邪引いただけ。今日は休みますって」 「アッサム!」 勢いよくテーブルに手をついてダージリン立ち上がる。並べられた白い茶器が盛大に跳ね、ポットがぐらりと揺れた。 「あなた、言っていい冗談と悪い冗談があるでしょう!?」 アッサムは口元を隠す。 常に優雅たる聖グロリアーナの戦車道隊長がどうしたことか。だめだ。我慢できない。自分も優雅ではない真似をしているが、こればかりはどうしようもない。笑ってしまう。このジョークは傑作だ。 「ふふっ、うふふふっ、ああ、可笑しい。まったく、どの口が言うのかしら。あなたの口からそんな言葉が出るとは思いませんでしたわ。悪い冗談の集合体みたいな癖して」 「だから、ペコが、その、あの」 「なあに? ダージリン? ペコがどうかした?」
13 17/01/04(水)22:59:09 No.400920436
「あなた、もう、ああっ、ひどい人!」 言うに困って、ひどい人、とは。皮肉と嫌味ならいくらでも出てくる『歩く悪魔の辞典』ことダージリンであるが、直接的な罵倒語の収録数はないのだな、とアッサムは少し驚いた。ここまで弱っているダージリンをみるのは久しぶりだ。 「あなたの方がひどいのではないかしら。まあ、落ち着きなさい」 手のひらを差し出して、座るように促す。ダージリンは力が抜けたようにすとん、と腰を下ろした。 「今回は私の冗談だったけれども、いつ愛想を尽かされてもおかしくないわ。あんなに純真だったオレンジペコがすっかりスレてしまったのは、あなたのせい以外なにものでもないわ。憧れの先輩から弄ばれて、辱めを受けたのですもの、仕方のないことよね。可哀想な子」 「ペコのことは、その、大事に想っているわよ」 「それ、あの子に伝わっているかしら? いつも冗談めかして言ってるだけじゃない?」 「その……」
14 17/01/04(水)22:59:31 No.400920521
「別にあなたの行動を強制……矯正、正す方ね、矯正する気はないけれども。少し、自分を見つめ直した方がいいんじゃないかしら。きっとあの子からしたら、あなたの行動は、言動はまったく信頼できないわ。あの子の他に何人抱いたの?」 「ゼロよ……」 「あら?」 「ゼロよ! あの子が来てからは!」 「へええ、ご馳走様。でも、ならちゃんとそう言ってあげればいいじゃない。真剣にね。愛しています、あなたのことしかみえません、って」 「だって、それは……」 口ごもるダージリン。 顔が紅潮しているような気がする。自分でもそれを自覚しているのか、視線を窓の外に向けて言葉を続けた。
15 17/01/04(水)23:00:00 No.400920657
「私らしく、ないじゃない?」 「馬鹿じゃなくて?」 「そういうあなたはローズヒップとどうなのよ!」 話題を逸らそうとするダージリンの言葉を、すました顔でアッサムは受け流す。 「同じにしないでくれますこと? 私たちの間には信頼があるわ」 「進展はないけれどね」 苦し紛れの精一杯の抵抗も、アッサムには効果がないようだった。 「愛にはいろんな形があるのよ、ダージリン。ローズヒップったらかわいいのよ? この間も……」 「あなたも面倒見が良いわね。『いい先輩』してあげるのも大変ではなくて?」 「全然。楽しいわ」 「あらそう、重症ね。……重症。はっ、そうだ、ペコを看病してあげなきゃ! お見舞いに行くのよ! あなたの悪趣味なジョークを聞いてる場合じゃないわ!」 「せめて、のろけ、と言ってくれないかしら」
16 17/01/04(水)23:00:17 No.400920752
長いのでつづきはテキストー su1699978.txt ダージリンさまはペコのことがだいすきです ほんとです
17 17/01/04(水)23:02:00 No.400921255
バベル二世でダメだった
18 17/01/04(水)23:06:11 No.400922416
>みっつのお指で痙攣だ。 酷いエネルギー衝撃波だ
19 17/01/04(水)23:06:27 No.400922500
キテル…
20 17/01/04(水)23:08:28 No.400923040
どこぞのピンク脳殿みたいな事言ってる…
21 17/01/04(水)23:12:46 [sage] No.400924197
>どこぞのピンク脳殿みたいな事言ってる… もっとぶちこみたかった 開帳ロプロス空をトベとかロデム全身膣ハメろとか… 包皮の皮に守られたバベルの塔にクンニするとか…
22 17/01/04(水)23:13:47 No.400924492
ペコちゃんが憧れたダージリン像を自分でぶち壊しておきながらダージリンを保とうとするダー様可愛いな で あの子が来るまでには何人抱いたのかしら? ああいいのよ答えなくて 今はあなたに意識させようとして言っただけなの ただの意地悪よ
23 17/01/04(水)23:14:59 No.400924772
>開帳ロプロス空をトベとかロデム全身膣ハメろとか… >包皮の皮に守られたバベルの塔にクンニするとか… ひどい!
24 17/01/04(水)23:15:10 No.400924812
ダーペコ!
25 17/01/04(水)23:23:42 No.400927176
可愛い先輩だな…
26 17/01/04(水)23:26:58 [sage] No.400927974
>ペコちゃんが憧れたダージリン像を自分でぶち壊しておきながらダージリンを保とうとするダー様可愛いな ダー様はダー様を演じてこうなってるんだけどなにかかっこつけかたを間違ってるんだ 個人的にはダーペコは純愛だとおもうんです
27 17/01/04(水)23:29:34 No.400928610
なんと淫靡な…でもセックス中に格言はダメだって!
28 17/01/04(水)23:31:06 No.400928988
フムン… ペコちゃんが来るまでに抱かれていた誰かが ダージリンがもう自分には興味がないのはわかった上で あの方に意地悪したくなったら使いなさいって自分がどういう風に抱かれたのかをつらつらとペコちゃんに説きながら泣いちゃうのが見えた
29 17/01/04(水)23:31:32 No.400929090
ちょいちょいギャグを挟んでくるのはズルい…
30 17/01/04(水)23:35:15 No.400930040
ペコの看病が出来なくてしょぼくれたダーさんは可愛かったよ…うん でもその他のパワーワードの連発がさぁ… だっていきなり加藤鷹だよ! 素晴らしい!!!11
31 17/01/04(水)23:35:36 No.400930149
ダー様面倒臭可愛いな!
32 17/01/04(水)23:37:53 No.400930737
ありほう?
33 17/01/04(水)23:38:59 No.400931006
よかった…
34 17/01/04(水)23:41:26 No.400931622
いかなる時も優雅で気品あふれる佇まい そしてどんな時も遊び心を忘れず相手の言葉を悪いやつだぜいつまでもと躱しながら その時々に合わせた格言をズキューンと決める こぉんな素敵で不敵な聖グロリアーナ戦車道の隊長を知ってる?
35 17/01/04(水)23:42:04 No.400931788
>アッサムがレティクルを覗き込んでいる間に。次弾装填、なんて私が言っても何も起きない。次弾は私がペコの胎内に装填しちゃってるから ひでぇ戦車だなどうも アッサムとルフナは怒ってよし!
36 17/01/04(水)23:42:07 [sage] No.400931801
>なんと淫靡な…でもセックス中に格言はダメだって! 格言クロー!
37 17/01/04(水)23:44:55 No.400932567
妄想が暴走して早口が止まらなくなるダー様!
38 17/01/04(水)23:45:17 No.400932665
>>なんと淫靡な…でもセックス中に格言はダメだって! >格言クロー! 今ペコちゃんは疲れちゃってるから誤魔化しは心の距離を空けるだけだからダメだって!
39 17/01/04(水)23:46:03 No.400932849
これには鮨住ペコさんもニッコリ
40 17/01/04(水)23:48:09 No.400933428
ペコダーもいいけどやっぱりダーペコも良いなぁ…ほっこりする
41 17/01/04(水)23:52:00 No.400934467
ずっと掌の上だけど 掌の上から零れ落ちそうになる度に心穏やかでいられない