虹裏img歴史資料館

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24/03/11(月)00:22:04 子供の... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1710084124070.jpg 24/03/11(月)00:22:04 No.1166316195

子供の頃。 脱走して間もない日の野宿中に。 ブルーは弟のシルバーと話をしていた。 「ねえさんは、家族と再会できたらどうするんだ?」 「そりゃあ、一緒に住むわ。 こんな生活なんて二度としないように、 綺麗さっぱり過去を乗り越えてからね」 「…そうだな。オレもそうしたい」 焚き木の火に照らされ、2人の笑顔が浮かぶ。

1 24/03/11(月)00:22:18 No.1166316285

それがいつなのか。 遠い道のりなのはわかっている。 辿り着ける保証が無いのも。 だけど、もう戻れない。 せめて今は希望を持って生きよう。 だから、つとめて明るくしようと思った。 「ねえさんも家族に会って、そのうちどこかに嫁に行ったりするのかな」 「お嫁?」 言われてみて、首を傾げた。

2 24/03/11(月)00:22:53 No.1166316498

「ねえさんだって、いつかは結婚するだろう。 そうなったら、オレは祝福したい」 「いや、気が早いから。 それに、アタシ結婚なんて想像できないわ」 実際そうだった。 自分がまだ結婚などとは考えられない。 普通の家庭にいたのなら、お嫁さんになることを夢見ていたのかもしれない。 でも、今の自分はその家庭すらも持っていない。 スタート時点にすら立っていない自分では、そこに至ることもできない。

3 24/03/11(月)00:23:13 No.1166316603

「まあ男なんて、簡単に利用できるチョロいものよ。 結婚なんてしなくても、うまくやっていけるから」 「そうなのか…?」 困惑するシルバーの頭を撫でる。 あまり、未来のことは想像できない。 ひょっとしたら、破滅が待っているのかもしれない。 でも、希望は持ちたい。 その希望が、具体性を持つのはまだ先のようだが。

4 24/03/11(月)00:27:46 No.1166318073

そこから時間が経ち。 大人になった自分。 ブルーは自宅で、両親と朝食をとっていた。 「今日もレッド君の家に行くのかい?」 「うん。今日もお休みだから一緒にいたいなって」 恋人のことを思う。 お互い仕事で会えない時もある。 だからこそ、会える機会は大事にしたい。 「ブルーも、すっかりレッド君に夢中ね」 「えー、そう?」

5 24/03/11(月)00:32:18 No.1166319503

言ってはみたものの、自分でも頬が緩むのがわかる。 彼のことを思うと、嬉しくなる。 昔は誰かとの交際なんて考える余裕はなかった。 でも、家族を取り戻して。 こうして普通の生活ができるようになって。 一緒にいてくれる相手を欲しがるようになった。

6 24/03/11(月)00:38:41 No.1166321703

贅沢になったのかもしれない。 昔の夢が叶っても、そこで満足できない。 欲しいものが増えた。 好きな人が出来たのなら、結ばれたくなる。 「ごちそうさま。 それじゃ行ってきます」 「ああ待って。 これレッド君に持って行って」 母から、紙袋を渡される。 「デパートで買ってきたケーキよ。 2人で食べなさい」 「ありがとう、ママ」

7 24/03/11(月)00:47:06 No.1166324354

母に礼を言って受け取る。 父も笑っている。 両親共に、レッドのことを好意的に見てくれている。 自分が好きな人を、家族にも認めてもらえるのは嬉しい。 「今度こそ行ってきます!」 「気をつけてね」 「レッド君によろしくな」 両親の声を聞きながら、ブルーは部屋を出た。

8 24/03/11(月)00:52:15 No.1166326001

「お邪魔しまーす」 「おお、いらっしゃい」 レッドの家にあがり、ブルーは買ってきた袋をテーブルに置いた。 「これママから。 一緒にケーキ食べてって」 「ありがたいなぁ。 今度お礼しないと」 そんな話をしつつ、レッドの隣に座る。 すっかりここが定位置となった。

9 24/03/11(月)01:00:38 No.1166328482

紙袋を開けて、中身を取り出す。 少し値段の高そうな、ケーキが出てくる。 「アタシこのタルトにしよーっと。 レッドはどれにする?」 「うーん、ショートケーキかな」 2人で選んで、食べ始める。 美味しい。 母が勧めただけはある。 タルトのサクサクとした歯応え。 それにクリームの甘味やケーキの柔らかさ。 それらを同時に味わう。

10 24/03/11(月)01:07:12 No.1166330345

「レッドも食べる?口移しで食べさせてあげようか?」 「え…」 冗談で言ったつもりのセリフ。 だが、レッドが固まる。 断る気配がない。 緊張したかのように、動かなくなっていた。 「…してほしい?」 自分で提案したことなのに、聞く時には頬が赤くなる。 彼が首を縦に振る。

11 24/03/11(月)01:14:15 No.1166332015

レッドが望んでいる。 自分が言い出したことを。 ならば、とブルーは覚悟を決めた。 ケーキを口に含み、彼にキスをする。 唇を開いて、口の中のものを舌で押し出す。 レッドから、それが吸い出された。 ケーキを食べられている最中に、唇を押し付ける。 ごくり、とケーキが彼の喉を通る音がする。 その後、彼からもキスをされる。

12 24/03/11(月)01:16:02 No.1166332377

スレッドを立てた人によって削除されました 1時間近く一人で喋ってて虚しくないのか

13 24/03/11(月)01:17:40 No.1166332742

「また、してあげようか?」 「うん…」 またケーキを口に含み、口付けする。 何回もしていく。 自分の分だけでなく、レッドのケーキでもそうして食べさせる。 正直ケーキの味なんてもうわからない。 それも、こうしてキスをする理由にしかなっていない。

14 24/03/11(月)01:20:43 No.1166333422

スレッドを立てた人によって削除されました 書き上げてからスレ立てろや!

15 24/03/11(月)01:26:16 No.1166334584

食べ終わって、息を整える。 互いに、呼吸が荒い。 もう何回したか、覚えてすらいなかった。 「ねえ…」 「うん?」 答えを待たずに、キスをする。 もう、理由なんていらない。 したくて仕方がなかった。 彼からも、同じことをされる。

16 24/03/11(月)01:27:58 No.1166334963

「はぁ、はぁ…」 息が上がる。 どちらの呼吸か、わからない。 ただ、夢中で口付けしていた。

17 24/03/11(月)01:32:29 No.1166335905

「あのさ、ブルー」 「なに?」 今度こそ本当に終えて。 呼吸を整えた後、レッドに声をかけられる。 「オレ、えっと。 ブルーと、こういうことをすると、その…」 頭をかいた後、レッドが突っ伏す。 「ダメだ…。何言っていいかわからないや」 「どうしたの?急に」 聞いてみるが、レッドは身体を揺らす。

18 24/03/11(月)01:35:08 No.1166336513

「ちょっと、プロポーズしようと思ってたんだけど。 何言おうとしたか忘れて…」 「え…」 言われて少し考えて。 言葉の内容を把握すると、ブルーの顔が赤くなった。 「え、その、オレ…。 ごめん。変なタイミングで」 「う、ううん!恥ずかしいけど、アタシ嬉しい…」

19 24/03/11(月)01:38:31 No.1166337249

恥ずかしさで、頭がいっぱいになる。 彼からの突然の言葉。 もちろん嬉しいことだ。 だけど予想外すぎて、すぐには飲み込めない。 「えとさ、また、後でやり直すよ。 今度はちゃんとした言葉で」 「…うん」 手を重ねる。 昔、結婚について何か言ってた気がする。 でも、そんなのは今はどうでもいい。 彼に言われて、嬉しさで焦がれているから。

20 24/03/11(月)01:38:42 No.1166337286

以上です 閲覧ありがとうございました

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