24/03/05(火)21:53:57 (目と目... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1709643237588.jpg 24/03/05(火)21:53:57 No.1164541459
(目と目が合う僕…)
1 24/03/05(火)22:05:51 No.1164546463
見惚れる僕…
2 24/03/05(火)22:09:40 No.1164547934
名前を聞いておけば良かったと思う僕…
3 24/03/05(火)22:10:33 No.1164548294
(トレセン学園で再会する僕…)
4 24/03/05(火)22:55:07 No.1164566623
「日本では桜が特別な花、なのよね」 梅の木の立ち並ぶ並木路を、肌寒い三月の風が吹き抜ける。 長いまつ毛を羽ばたかせ、クラウンさんは左手にある梅の幹へとそっと手を伸ばした。つられて、僕もそれを見る。お菓子や香水で嗅いだことのある香りをずっと薄めたものが鼻をくすぐった。 「えと……向こうでは違うんだ?」 「ええ。お花見も梅なのよ」 クラウンさんの目線の先にある枝は、立派な花を携えていた。 梅の花をきちんと見るのは初めてかもしれない。紅白の入り混じった五枚の花弁が僕とクラウンさんの顔の高さでゆらゆらと揺蕩っている。二色が水彩絵具のように混じり合った色をしているものもある。 「……綺麗だね」 「ね」 僕らは、お互いの顔を見つめていた。 「シュヴァル。もう少ししたら、一緒にお花見をしましょう?」 お花見なんて、ずっと昔に家族でやって以来だ。みんなで集まるんだろうな、キタさんは演歌を歌ったりして。僕は何か面白いことができるかな……。梅花よりも真っ赤になる自分を想像して、慌ててかぶりを振る。 「……みんなの前で何か一発芸をしようとした、ってところかしら?」 二人きりで。そんな甘い言葉がその後に続いた、気がした。