24/02/22(木)00:00:27 そう遠... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1708527627199.png 24/02/22(木)00:00:27 No.1159981290
そう遠くない未来… 見渡す限りの荒野に旧式の電信柱と送電線が走る。 ワイヤレス送電の時代に何とも旧式な装備だが、彼らのための仕様だ。 連綿と連なる強化ガラスの内側には、白子のような脳味噌が浮遊する。 社会を捨て社会から捨てられた名前なき「」という集団だった。 世俗を遠く離れ、この地でそれぞれが視覚センサで旧式モニタに向かう。 彼らの一部は、医学がまだ現在より未発達の時代から身体を捨てようと… 輪ゴムなどを用いて去勢した者も居るという。肉体からの脱却。 だが彼らはそれでも物理キーボードを好む。ミスタイプから生まれる何かを期待しているという。 一部にはコーヒーを吹き出す機能も搭載した物好きも居る。個性なき者の中にもある個性だった。 虹裏の芋毛と呼ばれるこの地では、白と黒のメイド服を着こなした青髪の女が時折り目撃される。 ビーカー生命体のために珈琲を淹れ、生命維持装置の土埃を拭き、甲斐甲斐しく世話するという。 「」らの視覚センサーは彼女のスカートの中を覗いたりはせず、物理モニタに釘付けのままだ。 時に彼女は彼らに口づけするという。――例えば、物理モニタの中に彼女自身の画像を見た時に。