デマな... のスレッド詳細 24/02/01(木)23:35:59のログ

画像ファイル名:1706798159648.jpg 24/02/01(木)23:35:59 No.1152821333

デマなのか本当なのかは知らないけれど、ネットニュースで「ピザまん」は日本にしかない、という話を聞いたことがある。何度かの咀嚼と嚥下の後、そんなことを思い出していた。なぜって、クラウンさんが僕の食べているピザまんを物珍しそうに見つめていたからだ。浮遊感と共に僕は「良かったら」と差し出し、彼女はそれに応じた。西日のせいでクラウンさんの顔はよく見えなかったけれど、多分、驚いていたと思う。「好！日本の肉まんは本当に色んな種類があるわね。饅頭の生地が濃厚なピザソースとチーズを受け止めて……ってどうしたのシュヴァル？」「あ……いや……ごめん。クラウンさん、食レポが上手いなぁ……って」僕が美味しい、という四文字を言うよりも早く、彼女はその理由まで解き明かそうとしていた。一瞬前まで舞い上がっていた自分が恥ずかしくなる。「そうかしら？」僕は頷き、それから彼女が口を付けていない辺りを一口。彼女の唇が切り取った部分は至聖所のような気がしたからだ。口いっぱいに溶けたチーズが広がる。「……シュヴァルも上手だと思うわよ？」「ふぇ？」クラウンさんは、多分笑った。依然、西日が彼女の表情を隠している。

1 24/02/01(木)23:36:12 No.1152821419

眉目傳情、シュヴァルを見ているとそんな言葉を思い出す。もっとも、彼女の場合は口よりも表情の方がよっぽど雄弁だけれど。所在なさ気に泳いではこちらを窺う瞳と、もぐもぐとハムスターのように動く頬。周期的に嚥下する喉。それを眺めていると、シュヴァルもそれに気付いたらしい。せっかく西日を背にしたのにバレちゃうなんて。「あ、あの……クラウンさん。良かったら……」「？」どうやら、私の視線の先は誤解されたようだった。好都合だけれど。染まりやすい彼女の頬は真っ赤な夕焼けの返照を受けている。「ありがとう。お言葉に甘えて、それじゃあ」ピザまんの溶けたチーズと繊細な指の両方が蠱惑的に映る。走性を持つようにそれは私へと向けられている。「好！」生まれて初めて食べたピザまんは、ざっくりと言うなら罪の味だった。それをマイルドな言葉に置き換えていくと、シュヴァルは私のことをまるで魔法使いでも見るように目を輝かせる。「シュヴァルも上手だと思うわよ？」数秒の逡巡の後、目を瞑って彼女は残りを齧る。そんなに美味しそうに食べるんだもの。照らされてもいないのに、私の頬も真っ赤だろう。西日を背にしていてよかった。

2 <a href="mailto:s">24/02/01(木)23:38:09</a> [s] No.1152822107

さっき立ってたスレを見て突発的に思いついたけど書いてる間にスレが落ちて悲しかったので書きましたピザまんが日本にしかない話のソースはimgだから本当かは知りません

3 24/02/01(木)23:38:39 No.1152822272