虹裏img歴史資料館

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24/01/17(水)00:04:18  テレ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1705417458075.webp 24/01/17(水)00:04:18 No.1147023514

 テレビの画面の向こうでは、村野つかさが――わたしの姉が、わたしがこの世に生を受けてからずっと想いを寄せ続ける相手が、笑っている。隣にいるのは、わたしじゃない。 「ねぇ、さや」  隣から綴理先輩の声がする。 「……なんですか」  わたしは前を向いたまま応える。幸せそうに笑うお姉ちゃんから目を離せなかったのか、綴理先輩のほうを向けなかったのかは判らない。 「……さやは、さやは……」  言葉が途切れ、苦しそうな呻き声に代わる。その続きを口にするのを躊躇っているのが、空気にまで伝わってくる。 「…………あの人のことが……好き、なんだよね」  あの人、と云うのは訊くまでもなくお姉ちゃんのことだろう。わたしがお姉ちゃんを見ているのを、唯の妹としてでなく見ているのを、ずっと隣にいたこの人が気づかない筈もない。 「……はい、そうです」  口にしてしまった。曖昧なままにしていた筈の感情に、明確に名前を付けてしまった。恋情。

1 24/01/17(水)00:04:30 No.1147023585

「ごめん……」 「どうして綴理先輩が謝るんですか」 「さや、苦しそう、だから……」  そう云う綴理先輩のほうが苦しそうだ。一音一音を発声するのに、まるで針の束を吐き出しているみたいで。 「……ねぇ、綴理先輩」  綴理先輩のほうへ振り向き、その手を握る。愁いを帯びた瞳の美しいひと。にわかに、その表情が明るくなる。 「なぁに、さや? ボク、さやにしてあげられることならなんでも……!」  わたしはきっと、自暴自棄だった。その頭の中は、煮込み過ぎたスープのようにドロドロで不明瞭だった。 「お姉ちゃんのこと、忘れさせてください」  綴理先輩は悲しそうな顔だった。その綺麗な瞳からは今にも涙が零れ落ちそうで。  ……ごめんなさい、綴理先輩。ごめんなさい……。  ベッドの中で「お姉ちゃん」と言うと、綴理先輩の指が激しくなることをわたしは知っている。そうして綴理先輩は、決まってわたしに痕をつけようとする。お豆腐みたいできれいだ、絹ごしのやつ、と褒めた肌に、自ら痛々しい痕をつけようとする。……わたしは、それが好きだ。

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