虹裏img歴史資料館

1 24/01/10(水)12:33:10 No.1144623773

風紀委員会活動記録 　 バンブーメモリー　著 秋に行われる聖蹄祭、それが終わるとアタシたちは、秋競バモードになってゆき、 全国各地に遠征に行くトレセン学園生がいたるところに目撃されるのは秋の風物詩っス。 それゆえ、トレセン学園にいる子が少なくなりがちな季節でもあるっス。 最も、人が少なくなっても結局はトラブル起きたりするのがトレセン学園でもあるっスが…

2 24/01/10(水)12:33:41 No.1144623920

アタシは、外泊届をしまいながら此方を伺う気配を探る、 …ちょうどアタシの真正面の繁みから気配を感じ取る、というか耳がでてる。 「それで、いつまでこちらを見ているんっスか？」 あきれながらいうアタシに、相手は動揺したのか、繁みが激しく動く。 「なぬ！ウインディちゃんの完璧なカモフラージュが見破られたのだ！」 「そりゃ、あれだけ気配を出してればまるわかりっス…」 繁みから出てきたのは、シンコウウインディ。 よく大きな穴を掘ったりする…いたずら好きのいわゆる問題児って奴っスね。 「それで、アタシの方をずっとみてたようっスけど、何か用っスか？」 「ふんだ、バンブーには関係な…いや、バンブーに聞きたいことがあったのだ！」

3 24/01/10(水)12:34:01 No.1144624059

隠れていたのがばれて興奮していたが、すぐに冷静さを取り戻し、アタシに質問をぶつける。 「やい、バンブー！外泊届を受け取っていたようだが、ハロウィン当日は全体で何人学園に居ないのだ？」 「こちらを観察していたのはそれを知りたかったためっスか？」 「そうなのだ！何人か把握しようと思ったけど、提出する人が多くて結局わからなかったのだ！だから教えるのだ！」 「…ソレをやるってことは、後ろめたいことをやるつもりってことっスね？」 「ふんっ！ウインディちゃんの偉大なる計画の事なんて教えてやるつもりはないのだ！」 「やっぱり、なんか企んでるじゃないっスか！」 「いいから！教えるのだ！」 そんな問答が数回繰り返され…結局アタシは折れて教えることにしたのだった…

4 24/01/10(水)12:34:22 No.1144624168

「えっと、こちらが把握してる数はだいたい全校の8分の1強といったところっスね…」 「外泊届だけでそれだけあるのか！」 「そうっス！しかしハロウィン当日は外泊しないだけで外出する子は結構いるので、 半分とは言わないっスけど結構いなくなるっスよ？」 「どうしてなのだ！」 ウインディは知らないようだが、ハロウィン時期はハロウィン関係のイベントで、アタシ達が呼ばれる事が多々あるのだ。 同室のシチー曰く、ハロインのイベントは若い人が対象になる事が多いので、アタシたちが呼ばれやすいだとか、 ともかく、それゆえにアタシ達はレースじゃなくても外に行く子は結構いることを説明した。

5 24/01/10(水)12:34:45 No.1144624292

「むー…それじゃ仲間内で集まってパーティーとかもやらないのだ？」 「あるにはあるっスが、人が少ないから結局こじんまりとした感じにはなるっスね」 「ぐぬぬぬ…これではウインディちゃんの計画が意味を持たないのだ…」 「結局、どんなことを計画してるんっスか？ウインディ？」 アタシの問いにウインディは何かを言おうとしてそして…

6 24/01/10(水)12:35:04 No.1144624401

「…やめたのだ」 「え？」 「計画は中止なのだ！人がいなきゃ意味がないのだ！」 計画は中止と叫びそして彼女は走り去っていった。 「ちょっとウインディ？どこに行くっスか！」 アタシは、ウインディの事を追いかけ始めた

7 24/01/10(水)12:35:20 No.1144624508

アタシはウインディを追いかけて走る！ 校舎を抜け＿＿校庭を駆け抜け＿＿練習場を横切りたどり着いた先＿＿＿よく見知った美浦寮＿＿その中の無駄に広い倉庫… 倉庫内は、多くの物がうず高く積まれており、生徒たちに隠れる場所としてよく使われている、 ･･･ウインディも例外なくそこにいるのだろう。 美浦寮はアタシの部屋がある寮ではないが、風紀委員としてよくチェックしてて勝手知ったる何とやら、 倉庫内のアタシが目星をつけていたところに、迷わず静かに歩いていくと声が聞こえてきた。 「…これも、それも、あれも、みーんな要らなくなったのだ…」 彼女の声だ。

8 24/01/10(水)12:35:56 No.1144624716

「せっかく用意したのに、人がいないのなら、あっても無駄なのだ…」 そう言いながらウインディは、力なくがらくたの山…彼女曰くいたずらの種の山の前でへたり込んでいた、 そんな姿の彼女を見たアタシは、思わす声をかける。 「やはり、いたずらの用意をしていたんっスねウインディ？」 「ふんだ、まだ何もしてないしやる事も無くなったからバンブーには関係ないのだ！」 アタシは、がらくたの山から、大きいカボチャのレプリカを取り出した。 「これは？」 「………それはひとりでに転がるカボチャなのだ…内蔵したサーボモータで回転するのだ」 さらに、アタシは布の塊を取り出す。 「これも、いたずらにつかうんっスか？」 「その布は、ドローンに括り付けて幽霊がいるように演出するのだ…」

9 24/01/10(水)12:36:16 No.1144624828

ウインディは、流石にアタシに胡乱げな目を向ける。 「バンブー、さっきから何なのだ？」 「いやあ、ここまで用意したのに使わないのかなぁ？と思ったっス」 「…意味がないのだ、だから使わないのだ」 「意味がない？」 「聖蹄祭終わって、秋競馬が始まってみんなナーバスになってるのだ！ だからウインディのちゃんの恐怖を知らしめるチャンスなのだ！」 「ふむ」 「だから、たくさん人がいるところでやったらそういう子たちにも届くと思ったのだ…」 「なるほどっスね」 つまりナーバスな子のメンタルケアをしたいってことっスね、 …意外と思いやりがある子っスよねこの子。

10 24/01/10(水)12:36:34 No.1144624927

「…そうだバンブー！人を集めて大規模なパーティーを開くのだ！」 「開いたら、そこでいたずらをして騒ぎを起こすじゃないっスか…」 「やるのだ！いいからやーるーのーだー！」 「そもそも、アタシ達風紀委員はハロウィン当日はああ見えて忙しいっスよ？」 「ふんっ！ウインディちゃんは知ってるのだ！風紀委員が毎年集まってこそこそ何かをしてるのを！」 ･･･どうやら重大な勘違いをしているようだ、 アタシは、ウインディの誤解を解くためにあの集まりの事を話す。

11 24/01/10(水)12:36:51 No.1144625027

「言っておくっスけど、あれは風紀委員の仕事のあつまりっスよ…」 「じゃあ何だといううのだ！」 「いいっスか？ハロウィン当日は多くの生徒がトレーナー寮に行くんっスよ、 そして、トレーナーに「トリックオアトリート」って菓子をねだるんっスよ…」 「なに！そんな楽しいことを他の子は毎年やっていたのだ！知らなかったのだ！」 「…菓子目的じゃなくて、トレーナーの自室に入り込むための口実っスよ、ソレ」 「？？？、どういうことなのだ？」 「本当の目的は、トレーナーといちゃつきたいっスよアレ、 で、門限になっても帰ってこない子が多数いるんっスよ、…毎年それも本当にたくさん」 「つまり、連れ戻しに行ってるってことなのだ？」 アタシの言葉に、腑に落ちるものがあったのか納得した表情になった。

12 24/01/10(水)12:37:06 No.1144625114

「そういう事っス、毎年ハロウィン翌日に、 簀巻きにされた生徒が逆さづりにされて、飾られた木を見たことないっス？」 「あー…アレそういう事だったのだ…、 毎年吊るされてる寮長に聞いても「ウインディは知らなくていい」って教えてくれなかったのだ…」 「ちなみに、簀巻きにした生徒を飾り付けてるのは、たづなさんっス」 「…それは、知りたくない情報なのだ」 「…一応聞くけど、それなら毎年変な格好をしてたのは何だったのだ？」 そう、ウインディの言う通りコスプレのような格好で毎年風紀委員はトレーナー寮に連れ戻しに行っていたのだ ･･･去年までは

13 24/01/10(水)12:37:22 No.1144625219

「集団で動くのでジャージ姿だと、風紀委員が動いてるとばれるからコスプレしていたんっスよ…」 「バレると困るのだ？」 「風紀委員が動いてると知ると、妙な連帯感を発揮してバリケード設置とかするんっスよ」 「…本当に学生なのだ？」 「というわけで、コスプレまがいの格好をしていたんっスけど、今年からはたづなさんからNGを出されたんっスよ」 「どうしてなのだ？」 「去年、「家宅捜索を行う捜査員たち」というコスプレをして、 「あけんかいコラ」とかの怒号をあげながらドアカッターでドアを開けるって言うのをやったんっスよ」 「……」 「そしたら、籠城してた子たちはガチ泣きしちゃって、たづなさんからコスプレNGって言い渡されたんっスよ…不思議っスね」 「多分たづなさんは正しいのだ、トレセン学園の学生の品格が疑われるのだ…」 「？？？、そうっスか？」

14 24/01/10(水)12:37:41 No.1144625333

アタシの言葉に「なぜか」ドン引きした、ウインディ。 そんなにおかしい事をしたわけじゃないんっスけどね不思議っスね？ ･･･それはともかく。 「そういうわけで、今年はジャージで捕まえに行くことになったんっスよ…ってどうしたんっス？」 アタシの説明に何かを考えこむウインディ。 ･･･少し考えこんでから、意を決したように口を開く。

15 24/01/10(水)12:37:57 No.1144625449

「バンブー？ハロウィン当日はトレーナー寮に居る子はどれだけいるのだ？」 「えーと、外泊届を出してなく担当トレーナーがついている子は大半がいるっスね、 夜遅くなので、イベントで呼ばれて外出してた子も、普通にいるっスよ、 あと、トレーナーがついてない子も、トリックオアトリートと称して契約を結ぼうとする輩もいるっス」 「結構悪質なのもいるのだ…でも、それだけいれば…」 「ウインディまさか…」 「そう、恐怖のずんどこに陥れるには十分な数なのだ！」 「いやいや、アタシ達は遊びに行くわけじゃないっス…」 「わかってないのだ！ウインディちゃんの恐怖におののいているところにバンブーが突入すればいいのだ！」 ･･･まいった、ウインディの言う通りだ。 今アタシ達には、ウインディの陽動が必要だ。 しかし＿＿

16 24/01/10(水)12:38:12 No.1144625525

「しかし、ウインディが言ってた「ナーバスになった子」への対応はどうするんっス？」 「甘い甘い甘いのだ！そういう行動をするのはみんな不安だからなのだ！」 「不安…？」 「そう！だからこそ、ウインディちゃんの活躍の場所にふさわしいのだ！」 「ふむ…」 「レースへの不安をウインディちゃんへのずんどこの恐怖に塗り替えるのだ！」 「…」 不安か…確かにライバルとの最高のレースこそ至高なアタシにはない発想だった、 アタシは、皆色ボケしてると考えていたのだ。 認めるしかないのだろう、彼女の提案を…ただしこちらが制御できる形でだ。

17 24/01/10(水)12:38:27 No.1144625611

「で、どうなのだ！バンブー！ウインディちゃんの計画を認めるのか！」 「わかった、わかったっスよ…でも、風紀委員会に協力するっていう前提ならっス」 「もちろんなのだ！」 「じゃあ、こんなところに居ないで、行くっスよ？」 「えっどこになのだ？」 「風紀委員会の部屋っスよ、協力という事はこちらのリソースもウインディに知ってもらいたいっスからね」 「なにっ！使ってもいいのだ！」 「もちろんっス！あと手空きの風紀委員も手伝わせるっスよ！」 「おー！！！それはすごいのだ！」

18 24/01/10(水)12:38:39 No.1144625670

自身の計画に予期しない援軍が来て「にぃいいい」と顔をほころばせるウインディ。 そして、ウインディの計画にアタシ達が制御できると確信して「にぃいいいい」と顔をほころばせるアタシ。 「ハロウィン当日までにトレーナー寮で作業する許可もとるっス！」 「なら、こんなところに居ないでさっさと行くのだ」 お互い邪悪な笑みを浮かべ、そして倉庫を出て行ったのだった…

19 <a href="mailto:長くて本当にごめんね">24/01/10(水)12:40:22</a> [長くて本当にごめんね] No.1144626237

･･･こんな感じでバンブーとウインディちゃんが協力する姿が見たくて書いた 長くなりすぎたから全文はfu3017631.txt

20 24/01/10(水)12:48:06 No.1144628698

過去からのコピペか再放送スレかと思った

21 24/01/10(水)12:51:51 No.1144629858

まだ続くのか 読んでくる

22 24/01/10(水)13:04:04 No.1144633300

大作ありがたいのだ 帰ったら続きを読むのだ

23 24/01/10(水)13:04:37 No.1144633453

長っ

24 24/01/10(水)13:12:06 No.1144635368

ウインディちゃんかわいいのだ

25 24/01/10(水)13:30:19 No.1144639932

ウインディちゃんありがたいのだ…

26 24/01/10(水)13:55:29 No.1144645594

色ボケしてる子も居ると思うのだ