虹裏img歴史資料館

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

24/01/08(月)00:17:17 「ふわ... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

画像ファイル名:1704640637385.jpg 24/01/08(月)00:17:17 No.1143820487

「ふわぁ…」 大きな欠伸。 時計を見ると10時近く。 正月休みも終盤になるが、すっかりレッドは起きるのが遅いのが習慣となっていた。 リビングに行くと、誰かがいた。 自分の恋人のブルーだ。 見慣れた格好ではなく、晴れ着姿になっている。 彼女にしては珍しい、赤を基調とした服装。 長い髪を結え、簪までつけていた。

1 24/01/08(月)00:18:33 No.1143820994

綺麗だ。 しばし見惚れてしまうが、気を取り直して挨拶する。 「おはよう。ってもう遅いけど」 「本当よ。もう、寝癖も直ってないし」 笑いながらも、彼女が髪を直してくれる。 「はい。これでよし」 「ああ、ありがとう」 礼を言うが、彼女はため息をついた。 「どうした?」 「あのね、他に言うことはないの?」 呆れたような言い方。

2 24/01/08(月)00:18:56 No.1143821135

なぜか腕を上下させ、袖を振っている。 しばし考え、ようやく思い至った。 「その、似合ってるよ。晴れ着。 すごい綺麗だ」 「うん。ありがと」 抱き寄せられ、頬にキスをされた。 「もう。気づくの遅いわ」 「ごめんごめん。寝ぼけて頭回らなかったのかな」 「いやアンタはいつも鈍いでしょ」

3 24/01/08(月)00:19:33 No.1143821344

皮肉を言われるが、口調は優しい。 「そういうところも好きだけどね」 耳元で囁かれ、安心する。 好意を素直に伝えられると嬉しくなる。 言われた通り自分は鈍いようなので、こうしてわかりやすい言葉の方が理解しやすい。 「ほら。ニヤニヤしてないで早くご飯食べて支度して。 今日は初詣でしょ」 「あ、ああ」 ブルーに促され、朝食を取りに行った。

4 24/01/08(月)00:19:52 No.1143821457

食事を終えた後、二人で家を出る。 着物で歩きにくそうなブルーの手を取って歩く。 横にいるブルーが微笑む。 だから好き、と目で語っている。 そんな風にレッドは受け取る。 さっきと同じ目をしていたから。

5 24/01/08(月)00:20:09 No.1143821561

近所の神社にはすでに人がいた。 もう三ヶ日は過ぎたというのに、人数はそれなりにいた。 「これならちょっと待つくらいで良さそうね」 「寝坊したから混んでるかなと思ってたけど、そうならなくてよかったよ」 安心して奥に進む。 賽銭箱にたどり着くと、二人でお金を投げ入れた。 二度のお辞儀の後に柏手を打ち、願い事を思い浮かべる。 終えた後、また手を繋いで歩く。

6 24/01/08(月)00:20:27 No.1143821686

「レッドはなにお願いしたの?」 「んー、ブルーとずっと一緒にいたいって」 「ふーん、アタシと同じね」 腕を組まれる。 厚めの袖が、普段と違う感触でくすぐったい。 香水をつけているのか、花の匂いがする。 何の花かはわからないけど、それでもいい。 ブルーが側にいる。 それが1番重要だから。

7 24/01/08(月)00:20:44 No.1143821781

家に帰ると、すぐにブルーが着替えた。 「はー、身体が軽いわ」 見慣れた服装に戻ったブルーが、伸びをする。 結えていた髪もレッドの目の前で解き、髪もいつもの下ろしたものにした。 「たはは、あの格好も綺麗だったけどな」 「当たり前よ。元がいいもの」 胸を張って、自慢げな笑みを浮かべてくる。 自信に満ちすぎているが、その通りの美貌を持っているのだから否定しようもない。

8 24/01/08(月)00:21:13 No.1143822007

「着物って案外中は暑いから辛かったわ。 結構重ね着するから重いし。 それに胸潰してるのもきつかったかな」 自分の胸に手を当てて、そう話す。 豊かな膨らみが、手に押しつぶされて形を変える。 「もう服全部脱いでスッキリしたいくらい。 やっていい?」 「まだ昼だし早いと思うかな」 質問に答えるが、ブルーには不満だったようだ。

9 24/01/08(月)00:26:24 No.1143823956

「なんか、慣れちゃってるわね」 「ブルーによくからかわれてたからな。 オレだってちょっとは慣れるよ」 付き合いは長い。 彼女に冗談を言われたことなど数えるのも面倒なくらいには多い。 「ふぅん…」 ブルーが目を細める。 嫌な予感がする。 彼女がこんな目をした時は、大体何か悪巧みをしている。

10 24/01/08(月)00:34:56 No.1143827123

「ところでね、レッド」 「ああ…」 「アタシ、今下着つけてないの」 上の服を捲り上げると、形のいい乳房が現れた。 「ちょ…!ブルー!!」 「オホホ、やっぱりこれならびっくりしたわね」 彼女が愉快そうに笑う。 そして、こちらの手を取った。 「ねえ、触ってみる?」

11 24/01/08(月)00:38:35 No.1143828582

妖艶な笑み。 こちらを乱す、甘い誘惑。 生唾を飲み込んで、それに乗りたくなる。 手を伸ばす。 何度も何度も味わった柔肌。 だけど何度触れても飽きることのない、魔性の魅力がある。 また一度。 もう一度触れたくなる。

12 24/01/08(月)00:49:09 No.1143832391

が、その欲求に抗う。 本能を理性で押さえつける。 深呼吸して、手を下げた。 「えっと、後で。 昼間からはちょっとな」 手を出したら、どうなるか。 理性でも抑えきれないほどに、止まれなくなる。 そうした後、その日を過ごすのは難しいと思う。

13 24/01/08(月)00:59:23 No.1143835758

「ま、それでいいわ。 からかいすぎてゴメンね」 一息つくと、少しの間だけ抱きしめてきた。 服越しだが、柔らかい胸の感触が伝わってくる。 「それじゃちゃんと下着着てくるから。 お昼ごはんはもうちょっと待っててねー」 余裕ある様子で去っていった。 結局、彼女にペースを握られる。 慣れたつもりでも、彼女に勝てない。 それでもいいかとレッドは思う。 こういうところも、ブルーの魅力だから。

14 24/01/08(月)01:15:57 No.1143840799

夜の寝室。 「なんか、もう眠いからこれくらいでいい気がしてきた…」 ブルーの胸を寝間着越しに触れながら、レッドは大きく欠伸をした。 「アタシは不満なんだけど…」 口を尖らせながら、小さく抗議してくる。 昼間に誘われた時の興奮は、時間が開けば落ち着いていた。 最愛の恋人の身体の感触が最高なのは変わらない。 でも、今は眠気の方が勝っていた。

15 24/01/08(月)01:20:02 No.1143841824

「ごめん、ブルーはする気なのに」 「いいわ。明日だってあるもの。 レッドの体調の方が大事よ」 ブルーが顔を近づける。 「レッド、結構疲れ溜まってたでしょ。 だから最近眠りが深くて起きれなかったんだろうし」 「…そうかな」 「そうです」 鼻を指で突かれる。

16 24/01/08(月)01:22:10 No.1143842368

言われてみればそうだ。 年末はバトルしてばかりであまり休みがなかった。 疲れから、身体が重かったこともあった。 でも今はそうではない。 倦怠感が完全になくなったわけではない。 でも、かなり楽になっていた。

17 24/01/08(月)01:25:22 No.1143843115

「ありがとうな。ブルー」 「いいのよ。レッドが身体壊して早々に未亡人なんて嫌だもん」 「まだ結婚もしてないんだけどな…」 結婚までするには貯金が足りない。 せめて式は上げれるほどにはほしいとレッドは思う。 「でもさ、レッドが元気になったら」 「なったら?」

18 24/01/08(月)01:29:11 No.1143844012

口を重ねられる。 唇の隙間から入ってきた舌に、軽く歯を突かれた。 顔が離れた後、満面の笑みでブルーが言う。 「その時は、しっかり搾り取ってあげるから。 覚悟しててね♡」 「たはは…」 この目は本気だ。 顔は笑ってはいるが、目は笑っていない。 それは鈍感なレッドにもわかった。 豊かな胸に包まれても、いつもとは別の意味でレッドは落ち着けなかった。

19 24/01/08(月)01:29:30 No.1143844108

以上です 閲覧ありがとうございました

20 24/01/08(月)01:31:53 No.1143844679

>この目は本気だ。 >顔は笑ってはいるが、目は笑っていない。 >それは鈍感なレッドにもわかった。 ブルー義姉さんはこういう笑い方する

21 24/01/08(月)01:33:20 No.1143845043

姫始め回になるかなと思ったけど書いてるとそこまで行く前にスレ落ちるのでここで終わりになりました 毎回やるわけでもなくてたまにはこんな日もあるくらいの熟練した2人の距離感ということでどうかお願いします

↑Top