虹裏img歴史資料館

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24/01/05(金)00:38:41 泥の夜 ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1704382721004.jpg 24/01/05(金)00:38:41 No.1142675794

泥の夜 https://seesaawiki.jp/kagemiya/

1 24/01/05(金)00:45:59 No.1142678234

https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/%c7%f2%c3%eb%a4%cb%cc%b4%a4%f2%b8%ab%a4%eb 函館afterのはなしです

2 24/01/05(金)01:04:01 No.1142683514

色んなものが動くな…

3 24/01/05(金)02:01:09 No.1142694105

>https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/%c7%f2%c3%eb%a4%cb%cc%b4%a4%f2%b8%ab%a4%eb >函館afterのはなしです こういうやり取りいいな…

4 <a href="mailto:1/3">24/01/05(金)02:15:55</a> [1/3] No.1142696330

『へ~!ティーがそんな殊勝なことを?変なものでも食べたんでスかねぇ!』 「お前は逆にミス・トゥメアーの慎ましやかさをいい加減に学んでみたらどうだ……!」 電話口から陽気な笑い声がけらけらと響く。自前のデスクに腰掛け受話器を耳にあてながらロード・エルメロイⅡ世は渋面を作った。 国外からの通話はどこか上擦った調子がある。きっと目の前にいたとしたら仄かに酒臭いだろう。 歳を取って幼さと一緒に純粋さを失い、徐々に妖怪めいてきているこの教え子は今頃何処にいるのやら。 長い逃亡生活でフットワークはかなり軽い。騒動の中心にいたという日本の函館からは遠く離れているはずだ。 「彼女を焚き付けるような輩がいるとしたらお前くらいだとは踏んでいたがな」 『ま、そうでスね。わたしが本気になって喋りだしてもついてこれるのは同期じゃティーくらいのものでス』 あっけらかんと語る。それはふたりの封印指定という事実で証明されていた。 当時のエルメロイ教室には特に麒麟児が多かったが、その最たるものがトゥメアーと電話先の女であった。 目的ですらなくあくまで過程として手のひらサイズの函の中に擬似的な惑星を生み出してしまう───

5 <a href="mailto:2/3">24/01/05(金)02:16:06</a> [2/3] No.1142696360

そんな才能の怪物は橋の下送りにでもした方がいい、というのはロードも認めざるを得ない。 受話器を頬と肩で挟み、ロードは机から葉巻を取り出す。カッターで吸口を作り、マッチを擦り、そしてふと語った。 「ミス・トゥメアーは……挑むそうだ、命題に」 『当然でシょ』 「私に別れを告げに訪れたつもりだったようだ、突っぱねたがね」 『カワイイでスよね~。そういうトコ愛してまスよ、ティーのこと』 笑い混じりの返答にはいささかの動揺もなかった。 そうだろうな、とロードは肯定する。電話先の女はこう見えて実に魔術師らしい魔術師だ。 友がこの世から消え去るよりも友が有していた奇跡が損なわれることをまず惜しむ。それが魔術師というものだし、この電話先にいるのはそういう人種だ。 電話先の女であればある日突然何の前触れもなく世界から消え去るとしても、それが自身の目的のためであれば全く躊躇わないだろう。 わざわざ心残りのために別れを告げには来ない。それは正しくもあり、間違ってもいる在り方だ。 トゥメアーの逡巡にも、電話先の女の淡白さにも、ロードは双方に共感するものを感じていた。 それだけ彼は人間であったし魔術師であった。

6 <a href="mailto:3/3">24/01/05(金)02:16:21</a> [3/3] No.1142696391

「……で、彼女の話はこのくらいにして、今回はどういう吹き回しだね。  一応聞いておくがこの通話は素っ破抜かれていたりしないだろうな」 『大丈夫、新作の礼装を回線に噛ませてありまスからバレたりしまセんよ。  もし盗聴してる人がいても先生が日本のゲーム会社にクレームを入れてるようにしか聞こえまセん。  いや~、礼装そのものより声のサンプリングの方が難航したんでスよね~!ゲーム会社のクレーム担当の人の声なんてレアで~!』 どうせただの盗聴対策ではなく、舌を巻くほど超精密な術式ハッキングが行われているのだろう。ロードは咳払いした。 「で、内容は?」 『ああ、そうでシた。“ガラクタ置き場”の面倒を見に近日参上するんでお暇でシたら食事でもどうでス?』 「仮にも封印指定の魔術師が気軽に君主へ会いに来るのだから、法政科も気味が悪かろうな……」 溜息をつきつつも、ふとロードは思う。 この女でさえ口癖のように縁という言葉を多用し、こうして自分を食事にさえ誘ってくる。 トゥメアーが課題の提出を残したように……テアの語る“縁”とは、この生ける魔術礼装と化してしまった教え子が遺した人間らしさなのかもしれないと。

7 24/01/05(金)02:32:09 No.1142698543

ちなみにサムナくん >「大人しくしていたら特段追わないんですけどね?なんでしたっけこの前は、なんか霊脈からゴリゴリ魔力を搾り取ってましたけど本当に何がしたかったんですか…?」 あれはわたし悪くない。 むしろどちらかといえば正義サイド。 わるーい魔術師が計画してた霊脈の魔力いっぱい溜め込んでドッカン大作戦をぶっ潰すために現地の子と協力して「霊脈から魔力を吸い上げて無力化する装置」なる世界一無駄な魔術礼装をフル回転させた結果なんでス ちょっとでも漏れたら猛毒になるとかいう状況下で魔力を99.999999999%完全に使い切らなきゃいけない礼装とかわたしも苦労しまシたよ~ 規模的にさすがに誤魔化しきれなくて礼装起動させた瞬間全力でとんずらこきまシたよ、アハハハハ

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