虹裏img歴史資料館

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

24/01/02(火)00:34:18 「トレ... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

画像ファイル名:1704123258188.png 24/01/02(火)00:34:18 No.1141573850

「トレーナーさん、これ、お茶です」 「ありがとう。シュヴァル」 「あ、トレーナーさん、肩凝ってますね。マッサージしましょうか?」 「気が利くなぁ来る頼むよ」 「はい! ……あんまり無理しすぎないでくださいよ、もう」 「ごめんごめん。あ、そうだ。この間頼んでおいた書類は?」 「もちろんちゃんと書いてきましたよ。それとこれ、今日のお弁当です」 「おぉー……今日も美味しそうだな。まったく、俺はシュヴァルがいないと生きられないかもしれないな」 「そ、そんな……言い過ぎですよ、トレーナーさん。そんなことより、一緒に初詣行きましょうよ!」 「んー? シュヴァち、何やってんの?」 「ヴィ、ヴィブロス!? どうしてここに!? ぼ、僕はトレーナーさんと二人きりで過ごしているはずじゃ……」 「シュヴァち?早く起きないとお雑煮冷めちゃうよ??」 「え、いや……あれ? そういえば僕、姉さん達と一緒に家に帰ったんだっけ……あ」

1 24/01/02(火)00:34:55 No.1141574052

その瞬間、視界がぐにゃりと歪んで冷たい風が体を包む。目を擦って瞬きをすれば目の前には姉さん達がいた。 「新年早々お寝坊さんね、シュヴァル」 「シュヴァち、あけおめ~!」 「あ……あけましておめでとう…………アレは夢かぁ……」 まずはもう少し続きを見たかったという名残惜しさ。そしてすぐにあんな都合の良い夢を見ていた自分に対する自己嫌悪がやってくる。現実ではまだまだなのに、なんであんな都合の良い夢を見ちゃってんだろう。 「シュヴァル……? 朝ご飯食べに行かないの?」 「あ……ごめん、姉さん。今行くよ」 ……そういえば、今年はトレーナーさんと初詣に行く約束だっけ。せめて、あんなに都合の良い夢じゃなくていいから……もう少しマシな僕で会えるように頑張らなきゃ。

2 24/01/02(火)00:35:18 No.1141574197

「そういえばシュヴァル、初夢はどうだった?」 「え……?」 「寝ている間に夢、見たんじゃない? 一年の運勢を示すとも、正夢になるとも言われたりするけれど……どうだったの?」 「え……正夢……? いやいやいや! そそそそそ、そんなわけ……」 「あー! 分かった! シュヴァち、トレーナーさんの夢見てたんだ! 寝起きの顔、ちょっと寂しそうだったし!」 「な、なんでそれを……ぁ」 「ふふっ。どうやらいい夢、見れたみたいね」 「いや、それはその……あぁ……もう……」 正夢、だなんて言われたら。すごく情けなくて都合がいいって痛いほど感じてるのに、それでも…… もしかしたら、って思っちゃうじゃないか。はぁ、カッコ悪い……

3 24/01/02(火)00:35:31 No.1141574279

スマホで時間を確認する。神社に着いてからまだ10分しか経っていない。賑わう人々の目線が気になる。姉さん達が着物を着せようと迫ってくるのをなんとか断り制服で来たけれど、周りの女性を見ているとやっぱり着物の方が良かったかも、なんて思ってしまう。 「お、いたいた。シュヴァル、あけましておめでとう!」 耳に入ってきた聞き慣れた声で僕の体の緊張は解けていく……はずなのに。元旦の朝に聞いた姉さんの話と、初夢が頭に浮かんで体が強張ってしまう。耳はピンと張ったまま固まって、笑顔を作るはずの表情筋も上手く動かない。 「ぁ……あけまして……お、おめでとうございます……」 「さぁ、お参りに行こうか」 「あ、は、はい……」 あぁ、やっぱり情けない。こんなんじゃ、あんな夢が現実になるわけないじゃないか。そんな事を考えながらトレーナーさんと参拝の列に並ぶ。待っている間、トレーナーさんの横顔を見るのもなんだか恥ずかしくて、ただ小石が転がる地面を眺めていた。 列は少しずつ進んでいって、いよいよ僕たちの順番になった。賽銭箱に勢いよくお賽銭を投げ込んで、小さく手を合わせて願いを念じる。

4 24/01/02(火)00:35:51 No.1141574380

(少しでも今より偉大なウマ娘に近づけますように!あと……) ちらりとトレーナーさんの横顔を見た。見てしまった。真剣な顔で何かを願うトレーナーさんの横顔を。結局僕は夢を諦められなくて……つまりその、少しでもトレーナーさんに近づいていたかった。願いを2つも言うなんてきっとすごく傲慢だけれど、それでも。 (あと……あの夢が正夢に……半分くらいでいいから、正夢になりますように!) 参拝を終えてトレーナーさんと屋台を回る。チョコバナナに牛串にいちご飴……どれも美味しかった。……新年早々食べ過ぎる僕に、ちょっとがっかりしたけれど。でも、一緒にいるトレーナーさんが楽しそうにしているので、僕も僕を許すことにした。いつまでも自分を責めていてはトレーナーさんにも失礼だ。

5 24/01/02(火)00:36:15 No.1141574509

「ちなみに、シュヴァルは何を願ったんだ?」 「え……? あ、偉大なウマ娘に近づけますようにって……」 「そうか。一緒に叶えような、その願い」 「ト、トレーナーさんはなんて願ったんですか?」 「俺はなるべくシュヴァルと一緒にいられますようにって。君の成長をなるべく長く見届けていたいからな」 「あ、えっと……それって……」 「本当のこと言うと、君がいない日常は寂しくなりそうだからね。シュヴァルがいない日常がなかなか想像できないっていうか……」 「わ……え? 僕が、ですか……?」 思い出す、あの初夢。 「まったく、俺はシュヴァルがいないと生きられないかもしれないな」 トレーナーさんが言った言葉は、半分くらい……いや、7割くらいはきっとそういう意味で。 「ぼぼぼ、僕も! トレーナーさんがいない日常なんて、嫌です! だから……僕、もっともっと頑張りますから! い、一緒に、頑張ってくれますか……?」 「もちろん! 今年もよろしくな!シュヴァル!」 「……はい!」

6 24/01/02(火)00:36:26 No.1141574577

……うん。大丈夫。少しは……いや…前よりはずっと、確実に進んでいる。今はまだ、あなたの優しさに甘えて受け取るだけの僕だけど。きっと必ず、僕からもあなたに送ります。言葉とか、感情とか、もっと伝わりやすいように、頑張って。 「あ、トレーナーさん、後で肩のマッサージでもしましょうか?」 「え、外で……?」 ……でもやっぱり、もうちょっとくらい…初夢にあやかってもいいかな?

7 24/01/02(火)00:38:47 No.1141575343

自分の見た夢に悶々とするシュヴァルが見たいので書きました おでかけイベントとかバレンタインとかクリスマスが……いいよね……

8 24/01/02(火)00:40:49 No.1141575931

>自分の見た夢に悶々とするシュヴァル わかるよ...見たいよね...

9 24/01/02(火)00:42:12 No.1141576376

いつもエッチな妄想してるシュヴァち?

10 24/01/02(火)00:44:27 No.1141577018

(そういうお年頃なのかしら…)

11 24/01/02(火)00:44:58 No.1141577163

そういう年頃だよ!

12 24/01/02(火)00:45:50 No.1141577439

あっこれ初夢になるやつやんけ~って思いながら読んでたらそれは通過点で 最後トレーナーに夢と同じセリフを言わせて少し叶ったなってオチにするのは シュヴァちかわいいだけじゃなく話として上手いと思った

13 24/01/02(火)00:50:18 No.1141578674

>いつもエッチな妄想してるシュヴァち? 最低だ...僕って

14 24/01/02(火)00:50:58 No.1141578842

シュヴァル…シュヴァル…聞こえるかしら… あなたの美貌と肉体美を使えばイチコロよ…

15 24/01/02(火)00:53:54 No.1141579675

お願い……静かに……

16 24/01/02(火)00:54:06 No.1141579746

シュヴァルちゃんが色気付いたら姉妹はすごいお節介焼きそうではある fu2985633.jpeg

17 24/01/02(火)01:12:30 No.1141584592

中学生の恋愛観を破壊する

18 24/01/02(火)01:34:59 No.1141589641

破壊すな

19 24/01/02(火)02:12:06 No.1141596464

シュヴァち可愛い怪文書ありがたい…

↑Top