虹裏img歴史資料館

1 23/12/30(土)22:26:24 No.1140660898

企画主人公組vs泥組織主人公vs喪失帯/異聞帯主人公

2 23/12/30(土)22:33:10 No.1140664350

TRPG時代聖杯戦争優勝者たちも呼ぼう

3 23/12/30(土)22:43:40 No.1140669871

fu2974908.png 「寒…」 手のひらに息を吹きかけて温める。街灯に照らされて小さな影が点々とちらついていた。 いつの間にか雪が降ってきたらしい。冷え込んでくるわけだった。 ぶっ通しの運転で火照った体の温度が急に下がっていくのを感じる。脱いだジャケットを再び羽織る。 正月の帰省でキミドリさんの実家へと貯金をはたいて買ったバイクを転がしていたらこれだ。トンネルを潜った先は知らない街でした、という寸法。 見下ろす街並みはどう見ても復興が進む東京ではない。大都会とは言い切れず、田舎とも言い難い、どこかの地方都市。地名に覚えはなかった。 何故か端末の電波も繋がらず何県かさえも分からない。この歳になって迷子とは恐れ入るけれど、事態が事態だ。不可抗力だ。 ───振り返った。後ろ髪がちりちりする。しんしんと雪が降る公園の闇の中に気配を感じる。 自分でも嫌になるくらいに慣れきった感覚だ。心より体が先に準備を整えていった。 「『全ては空なり(Vanitas　vanitatum)』」 暗闇を睨みながら起動キーを口にする。がちりと自分の中でかつて失われたものの残滓が噛み合う音がする。 せめてバイクだけは壊されたくないなと祈った。

4 23/12/30(土)22:46:59 No.1140671434

うわー！哀歌ちゃんだ！！

5 23/12/30(土)22:54:59 No.1140675479

年の瀬。東京。行き交う人々の雑踏が、寒空の下に渦巻いている。 その下、地表を経た街の下。言い知れぬ引力に身体を揺られながら、少女は手元の端末に目を傾ける。 届くメッセージに指を伸ばす。姉、と簡潔に綴られた宛先は少女の帰りを待ち望んでいるようだった。 そんな些細な言葉がどれほど心を満たすのか。それはきっと、数奇な運命を経た少女にしか推し量れまい。 この東京の地で少女は死んだ。呆気なく、息を吐くように。日常の一欠片のごとく、雑踏に飲まれ命を終えた。 同じく命を終えた者達と共に、文字通りに“命を賭けた”戦いの末、少女は勝利し蘇った。 それが半年ほど前のこと。蘇った少女はまず家族に手厚く迎えられ、その涙と感情を受けて己の命の重みを知った。

6 23/12/30(土)22:55:11 No.1140675591

同時に、胸の中で揺れる六つの命の重みも知った。目をつぶれば今も、魂の中で継ぎ接ぎされた不格好な蝋燭が揺れている。 これはもう、私だけの命ではない。自身が踏み越えた者たちの命を抱えて、少女は生きていくのだと心に決めた。 ……一度地の底から這い上がり黄泉帰った少女は。地下鉄の階段を登り終え、地から出た景色を一望する。 「────これは」 異変。在り得ざる景色。飽きるほど見慣れた東京の景色ではない、見知らぬ街。 異常だ。頬を刺す寒気が冷や汗と混じり合い理性を張り詰めさせる。飲み込む唾の音だけが脳裏に響く。 既に少女は“異常”を乗り越えた。在り得ざる景色を知るからこそ、目の前に現れたそれを敏感に感じ取り、その素性すらも直感的に察しとる。 一歩。この最後の階段を踏み出せば、あのときと同じように“異常”の中へと囚われるだろう。

7 23/12/30(土)22:55:37 No.1140675822

脳裏に僅かな葛藤が過ぎった。あの日々、日常の裏側で過ごした日々──共に戦った“彼女”に未練が無いとは言い切れない。 もし、また彼女に会えるとしたら？……そんな誘惑が、耳朶に流れるスピードコアと混じり合って鼓動を早める。 けれど。少女は一息を吐き出して、目を背けるように踵を返す。振り返れば眼下には、見覚えのある地下鉄の階段。 かん、かんと、無機質な足音と共に地下へと潜る。異変に見てみぬ振りをして、待つ人のいる“日常”に戻るために。 「…………死神に手招きされるのは、もう御免だからね」 抑えた胸の奥。瞬き灯る蝋燭を案ずるように、少女は静かに呟いた。 この判断は誤りであったのだろうか────いや、素直に異常に突っ込むよりはマシであっただろうと思いたい。 そう己の行いを振り返りながら、少女は決してホームに辿り着く事のない“異変”混じりの廊下を駆け抜けながら後悔を振り払うのであった。

8 23/12/30(土)23:06:47 No.1140681445

哀歌ちゃん挿絵付きだ かわいい

9 23/12/30(土)23:09:36 No.1140682807

東京と東京が被っているが潜ってきた修羅場の種類が違う

10 23/12/30(土)23:16:16 No.1140685940

「円安最高！」 とまぁサンウッドの激戦と天摩市の内偵となぞのそしきの調査を終えて羽根を伸ばそうと日本に来てコンビニでしこたまビールとツマミを買って高速バスに乗って酔っ払いながら降りたらそこは聞いたこともない土地でしたとさ。 何？ここ何処？私は羽田から東京に行ってホテルに泊まりたかっただけなんだけど。サイタマ？イバラギ？グンマー？そもそもここ明らかに異界化してない？爆破していい？ とまぁ酔いに任せて手持ちのC4を1kg程派手に爆破して一切異常がない事を確認したのが2分前、異常なのは私だ。 ｶｼｭｯ追加のビール缶を開けて1本飲み干す。でもね、仕方ないの、大人はつらくて苦しい事ばかりだからお酒を始めた仲間達と理不尽に立ち向かうの。今理不尽なの私の思考回路だけど。 まぁ取り敢えずお酒無くなるまで様子見てダメなら動こう。レジーナ・グレイボーンはバス亭に座り込んで酒とツマミを広げると二缶目のビールを開けた