23/12/09(土)18:11:00 思い返... のスレッド詳細
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23/12/09(土)18:11:00 No.1133022650
思い返すと、最初は偶然と、憐憫の情と、ほんの好奇心だった。 ある夜、情けない顔でコソコソパンツを洗っていた彼に、声をかけてしまった。経験も無かったのに、 手伝ってあげるなどと知ったかぶった。 そして、私は彼を壊してしまったんだ。 「フリーレン、どうしたんだよ」 開けた森の中。野営の支度をしながら、声をかけてきた。ぱちぱちと薪がはぜている。 揺らめく炎を反射して、三白眼が私の目を見つめている。 朱色の瞳の中は、何かを訴えるように揺れていた。 私は、この眼差しを、それが持つ感情を知っている。今なら、わかる。
1 23/12/09(土)18:11:18 No.1133022768
「ぼーっとしてさ、具合でも悪いのか?」 「…なんでもないよ」 お玉を持って、鍋をかき混ぜる手。日々の鍛錬がわかる、傷だらけで、無骨な戦士の手だ。 火の近くだからか上着を脱いでいて、腕や肩のラインは膨らんだ筋肉の凹凸がよくわかる。 あの腕に抱かれて、眠った夜は、とても… 「…何、見てんだよ」 「ごめん」 恥ずかしいなぁと言いながらも、彼は柔らかく微笑んだ。出会ったときには、もっとぶっきらぼうだったと思う。 それは、どうしてか。勇者たちとの旅を通じて、この年若い人間たちともに暮らしてきた旅を通して、 何となく気づきつつある。胸の中には、二つの感情が渦巻いている。恐怖と…期待だった。
2 23/12/09(土)18:11:52 No.1133022958
「シュタルク様、天幕を張り終わりました。そちらはどうですか」 「おう、もうできるよ」 「フリーレン様。夜に少し降るかもしれませんから、天幕からはみ出ないよう気をつけて下さいね」 「…うん」 私を見る、彼女の眼。落ち着いたすみれ色は、子どもを見つめる親か、親を見つめる子どもか、 そんな優しい光をたたえている。何故か、直視できない。目を伏せながら、食器を出すのを手伝うことにした。 ご飯を食べて、眠って…次の街はまだ遠い。私の目的地は、もっと、遠い… ……目が覚めた。まだ深夜だ。雨は降っていないようだ。 喉が乾いた。水筒を取り出したが、空っぽだった。確か、あっちの方に沢が…と寝間着のまま、 のそのそとブーツを履いて歩き出した。 沢の水はきんと冷たくて、頭が冴える。身体の疲れや、余計なことを思い出してしまうのがイヤで、 さっさとまた寝転がろうと思った。
3 23/12/09(土)18:12:11 No.1133023069
「起きちまったのか?」 背後に、彼がいた。 「…シュタルクこそ」 「まあ、そう」 嘘だな、と思った。二人で話すタイミングを、どこかで待っていたんだろう。 観念して、濡れていなさそうな木の幹に寄りかかった。 「…俺さ、フリーレ「もう、やめにしようか」 「人の話聞けよ」 「分かるんだよね。お姉さん…だからさ」 自分で言ってて、情けなくなって、力が抜けかけた。
4 23/12/09(土)18:12:39 No.1133023228
「お前はね、今、壊れてるの。私が、壊した」 「…フリーレン」 「私とするのをやめれば、治るはずだよ。お前はまだ若いんだから」 突き放した声音のつもりだったのに、語尾が潤んでいる。これは、何故だろうか。返事は無かった。 代わりに、近づいてくる。朱色の瞳は、私を捉えて離さず、息遣いが聞こえる距離になるまで、 身体を動かすことは出来なかった。 「お前はどうなんだよ」 「…私は…そんなこと…」 「俺さ、壊れたままで、いいよ」 「シュ…タ」 逞しい腕で抱きしめられると、もうまったく抵抗ができなくなった。 下腹がジリジリと熱くなり、寝汗のにおいが脳を刺激する。抗い難い幸福感があった。
5 23/12/09(土)18:13:17 No.1133023463
「どうせ俺、戦うことしか知らないんだ。長生きはできないだろうし…」 「う…ぁ、だめ」 「だったら…ちょっとくらい一緒にいてくれたって、いいだろ」 密着した身体から、確かな早い心音が伝わる。同時に、私の心臓も、めちゃくちゃな早さで どんどんと鼓動していることがわかった。顔を見た。あの柔らかい、寂しそうな笑顔。 怖い。このままでは、お互いの大切なものが崩れてしまうのに、信頼を、愛を、誰かを、裏切ることになるのに。 でも…抗えなかった。 かさついた、感触がした。唇が触れた部分から、電撃のような快楽が全身を駆け巡って…やっと自覚した。
6 23/12/09(土)18:13:36 No.1133023576
「……ねえ…もう一回、して」 私も、壊れているんだよ。お前に壊されちゃったんだよ。だから…一緒にいてあげるよ。お前が満足するまで。 そんな自分を肯定すると、すぅーっと胸のつかえがとれていき…またお互いを貪りたくなった。 舌と舌を絡めて、お互いの唾液を舐めて、歯並びや唇の裏側の形を感じることだけ考えるようになった。 顎まで唾液を濡らして、ちゅばちゅばと下品な音を立てて、キスをした。
7 23/12/09(土)18:13:52 No.1133023675
「好きだ」 その言葉は、肉欲からの錯覚なのか。…いや、もう変わりないんだ。 私たちはふたりとも、壊れてしまっているんだからね。
8 <a href="mailto:s">23/12/09(土)18:14:31</a> [s] No.1133023903
キス受け入れは完落ちって感じがしていいですよね
9 23/12/09(土)18:15:12 No.1133024155
フリーレン様。
10 23/12/09(土)18:15:24 No.1133024223
私フリーレン様を殺せます。
11 23/12/09(土)18:15:39 No.1133024322
殺します。
12 23/12/09(土)18:15:58 No.1133024444
殺。
13 23/12/09(土)18:16:15 No.1133024567
シュタフリによる脳破壊はいずれがんに効く
14 23/12/09(土)18:17:00 No.1133024899
>No.1133024444 >殺。 ものすごい殺意を感じる…
15 23/12/09(土)18:17:55 No.1133025242
久遠の愛情破壊いいよね
16 23/12/09(土)18:18:58 No.1133025640
クソにございます
17 23/12/09(土)18:19:08 No.1133025705
壊れて求めあう2人いいよね
18 23/12/09(土)18:19:56 No.1133026054
お互いがお互いに壊されるのいい…
19 23/12/09(土)18:20:44 No.1133026357
>殺。 ちょっとこのゾルトラーク高圧縮過ぎない?
20 23/12/09(土)18:21:25 No.1133026637
ゾ ル ト ラ ー ク 年増を殺す魔法
21 23/12/09(土)18:22:36 No.1133027105
私はシュタルクのをナメてるからね