23/12/07(木)23:03:46 「うわ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1701957826259.png 23/12/07(木)23:03:46 No.1132419422
「うわぁぁぁぁ! アイデアに画力が追いつかん!」 叫びながら頭を抱える午後10時。目の前に広がる真っ白な原稿。タブレットの右上に表示された日にちはあたしに残されたタイムリミットが僅かなことを示していた。 いや、もう合同誌への寄稿は終わらせたし、一冊目の新刊は入稿済みなんで最悪落としちゃっても良いんですよ? でも憧れは止められねぇっていうか、あんな尊み溢れる学園にいたら一冊でリビドーが治まらないっていうか。でも欲望だけが膨らんじゃって技術が追いつかなくて、もどかしさで一回倒れてしまいたい……みたいな。 「デジタル、進捗はどう?」 「うぐ……ゼ、ゼロ……こんなんじゃウマ娘ちゃんたちにも申し訳が立たない……」 「まぁまぁ。あんまり思い詰めないでね。お茶淹れたけど飲む?」 「……いただきます」 しかもトレーナーさんの寮にお邪魔しての原稿作業。快く許可してくれたけれど、これ以上の迷惑はかけられない。他のウマ娘ちゃん……中でも同室のタキオンさんに見られるリスクを考えるともう学園内では作業ができない。残された時間を考えると、周りに見られないように気を配りながら執筆なんてやってられないから。
1 23/12/07(木)23:04:06 No.1132419513
「原稿そのものもいいけど、他に用意するものとかは大丈夫? 当日冷えるならカイロとか要るんじゃない?」 「いえ! その辺はバッチリ……いや、そういえば洋服……」 そうだ。神聖なイベントに参加するのだから、それなりにお洒落をしなくっちゃ。普段着ている服でもいいけど、それでは少し子供っぽすぎる気がするし。ここいらで新しい服を買って参加するのもいいのではないでしょうか。最低限失礼のないくらいには見た目も整えておきたいですし。 「んー……トレーナーさん、どういう洋服が好みですか?」 「え? 俺?」 「はい。トレーナーさんが好きそうな服を買って着ていこうかなって」 「え……っと。俺は女の子の服にそんなに詳しくないから、困ったなぁ……」 トレーナーさんの困惑顔を見て私の脳内に広がる違和感。待って、今あたしなんて言った? 無意識に自分が発していた台詞を理解した瞬間、喉元を通り過ぎようとしていたお茶が目的地変更。気管に流れ込みあたしはド派手にお茶を吹く。 「ゲホッ!ゲホッ! ヴォッ……!」 「大丈夫か!? デジタル!」
2 23/12/07(木)23:04:35 No.1132419701
体は無事かもしれないが、心はもう駄目かもしれねぇ……息が落ち着いたと同時に始まる脳内会議。この不祥事の責任は誰が取るっていうんだ。 そもそもなんであんなことを言ってしまったんでしょう。いや、本心ではあるんだけど、結構な問題発言っていうか、その本心はなんなんだっていうね。 というわけでね、アグネスデジタル緊急脳内会議、開催ってわけ。 「トレーナーさんは同志! 同志の好みに合わせるのは当たり前では?」 うんうん。脳内デジたんA、あなたの言う通り。 「いや、普通にガチ恋では? 服装の好みを知りたがるとか好かれたいのが見え見えじゃないですか」 脳内デジたんB、真顔の反論。ぐうの音も出ねぇあたし。 「そんなことより言い訳ですよ! ただでさえ迷惑かけっぱなしなのに、これ以上トレーナーさんに心配かけたら好感度ダダ下がりは必須! 枕を涙で濡らす夜が待ってます!」 脳内デジたんC、ド正論。これでこの会議のとりあえずの方向は決まった訳で。
3 23/12/07(木)23:05:06 No.1132419881
「もういっそ告白しちゃいましょうよ! ウマ娘を家に上げてるんですよ? 押せばイケますって!」 「いやいやいや、ここは冷静に原稿詰まって頭おかしくなったことにして立て直しを……」 「ここは開き直って聞いちゃえばいいのでは? 教えてくれれば好感度アップイベント成功! てことで……」 紛糾する脳内会議。結論は見えず、終いにはあたしたち同士が揉みくちゃになって喧嘩を始めて収集がつかない。 「おーい? デジタル……?」 「……っは! すみません! ちょっと考え事してて……」 「まぁ、大丈夫そうならよかった派手にむせたから心配でさ」 「ご心配なく! あたしはピンピンしてますから!」 「それでさ、さっきの服のことなんだけど……」 さぁ、どうするんだあたし。もうどっちにしろ答えるしかないぞ。戦略的撤退か、玉砕覚悟で立ち向かうのか。ごっちゃごちゃになった頭から弾き出せ、最適の解を。
4 23/12/07(木)23:05:35 No.1132420050
「あたしは……スーツ姿のトレーナーさんが好みですね。ピシッとしてる服が似合うというか……もしかしたらあたしの性癖なだけかもしれないですけど」 「……え?」 「ほら、ギブ・アンド・テイクですよ。あたしは好みを教えたのでトレーナーさんの方も服の好みを教えてください!」 再び困惑しているトレーナーさんを見て思う。やっぱ原稿のせいでおかしくなっちゃったんじゃないかな、あたし。選択した答えは性癖の開示と引き換えにトレーナーさんに回答を求める謎の一手。自分ごと剣て貫いてどうすんだ。自爆してどうすんだ。 「あー……えっと……この前、ウマドルのライブに言ったときに着てたシックな服。良かった……と思うな」 「アッハイ……参考にさせていただきやす……」 まるで時間が止まったかのような沈黙。気まずそうにテレビを着けるトレーナーさん。やたらと部屋に響く深夜枠バラエティ番組の音。
5 23/12/07(木)23:06:16 No.1132420348
「だから服なんて気にしてる時点で好意があるんですよ。だって服って結構高いじゃないですか。好みの服を着るっていうのはブランド物プレゼントするのと似たようなもんですよ」 「でもお前が着てる服、いつもやっすいアパレルショップのマネキンまんまやんけ!」 スタジオの笑い声が虚しく響く。どういう流れでそんな会話になったかはわからない。ただ、今のあたしたちを一斉掃射するような内容がピンポイントで流れた。それだけである。 きっと原稿の神様が怒ってるんだ。うん、きっとそう。こんな時期にまで新刊を描けずにいるあたしに試練を与えて、悟りをひらかせようとしてるんだ。うん。これは修行。 トレーナーさんが無言でテレビの電源を落とす。気まずそうなトレーナーさんと目が合った。なにか言わなきゃと思うけれど、言葉が浮かばない。 「……今日はもう寝ようか」 「…………うす」 その日はネットでシックな感じの服を一通り検索してから寝ました。 新刊の内容はガッツリ濃厚トレウマラブコメ本50pにしたった。悟りをひらいたあたしを舐めるなよ。
6 23/12/07(木)23:06:58 No.1132420599
冬の祭典も近いので書きました 恋心を自覚して同志にあわあわするデジタルが見たいです
7 23/12/07(木)23:09:36 No.1132421683
同衾したんか!
8 23/12/07(木)23:10:49 No.1132422148
体験談描いたんか!
9 23/12/07(木)23:12:51 No.1132423002
舐められたんだろ!
10 23/12/07(木)23:15:50 No.1132424219
デジたん舐めたい
11 23/12/07(木)23:23:19 No.1132427236
全身舐められたんか!
12 23/12/07(木)23:33:12 No.1132430733
これは君のトレーナーにそっくりだねぇ…
13 23/12/07(木)23:35:01 No.1132431370
R-18にはしない節度はあったんやな!?
14 23/12/07(木)23:36:16 No.1132431817
…ところで50pも描いて体調は大丈夫なの?
15 23/12/08(金)00:01:05 No.1132440467
体力が70回復した!
16 23/12/08(金)00:18:34 No.1132446574
>体力が70回復した! なそ にん