23/11/04(土)20:47:50 「今の... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1699098470762.jpg 23/11/04(土)20:47:50 No.1120403256
「今のソングちゃんの姿すごくカッコいいですよおおおおお!!!!!!!!!」 「そうだし。ほらほら鏡みるし」 「おいおい押すな二人とも……」 化粧担当のソダシとハンガーまみれのエールに連れられ、豪勢な額縁付きの姿見の前へ立たされる 目の前に写っていたのは、赤と黒のパーティードレスを纏い、華やかなお化粧を施された自分の姿だった 「前からトレセン学園の女帝のようなキリッとしたメイクが似合うと思っていたんだし……どうやら見立て通りだったし……」 「これが、アタシか……!?」
1 23/11/04(土)20:48:07 No.1120403391
ソダシの提案で、いつもの三つ編みおさげをほどいてストレートロングヘアにチェンジ またアイシャドウやマスカラにより目をパッチリ際立たせ、仕上げのアクセントに赤の口紅 自分で言うのも恥ずかしいが、まるで大人の女性になったかのようだった 「……だ、誰だこいつは!?」 「つまんないすっとボケはやめるし……紛れもなく、日本を代表するマイルの女王様だし……」 「いやだって、自分がこんな変わってたら誰だってビビるだろ……」 「ふふん……お褒めに預かり光栄だし」 ソングちゃんのメイクは私がやりたいし……と言われた時は、またこいつ何か変なことしそうだなと警戒したが、今回は真っ当に華やかなメイクをしてくれた。その手腕には素直に脱帽だ
2 23/11/04(土)20:48:22 No.1120403526
「私たちにかかればこんなものです!!!!!!!!!!!!!」 「お前はドレス選んだだけだろメイケイエール!その上1時間以上迷ってたし!!」 「だって難しいんですもん!!!!!!!なんてったって、このお屋敷、ドレスがたっっっっくさんありますもの!!!!!!!!」 「それはまあ、そうだな……」 振り向けば、大きな部屋の端から端までドレスがズラッと並んだ、デタラメのようなクローゼット アパレル店かよ!って突っ込みたくなるぐらいだが、服も全部好きにしていいって言うんだからもう頭の処理が追いつかない 「……どうやってこんな豪邸借りられたんだよソダシ」 「ふふ……ツテを使って、ちょちょいってやっただけだし」
3 23/11/04(土)20:48:35 No.1120403641
そう、アタシたちが今いる所は……ロサンゼルスの高級住宅街、ビバリーヒルズのとある大豪邸だった 1時間後のとある用事の準備として、アタシたちはここを借りて化粧とお着替えをしていたのだ 「私もちょっとびっくりしてます!!!!!!!!!」 「メイケイエールもここまで凄いところは初めてなのか」 「だってほら窓の外見てください!!!!!!!プールありますよプール!!!!!!!!!」 「ふふ……こっちじゃ全然普通だし……」 「メイケイ家の屋敷にも似たような物あったじゃん」 「あれは池です!!!!!!!!!錦鯉さんと泳ぎたくても泳げませええええええん!!!!!!!」 「どっちもないんだよ普通は」
4 23/11/04(土)20:48:49 No.1120403752
このボンボン二人とは数年の付き合いだが……二人とも金持ちとして振り切った振る舞いをしてくれてるおかげで、逆になんだか庶民感覚を維持出来てる気がするな それって良いことなんだろうか。まあ、どうでもいいか 「それにしてもこのドレス、動きづらくないか?」 「ふふ……レースじゃないんだし、動きやすさを求める方が間違いだし……」 「そのとおりです!!!!今から行くのは楽しいパーティなんですから!!!!!!」
5 23/11/04(土)20:49:06 No.1120403897
■ 「パーティ。なぁ……」 所変わって、パーティ会場前 ソダシのメイクが施され、青と緑の可愛らしいドレスにお着替えしたエールと二人きりになったアタシは、リムジンからレッドカーペットに降りる 目の前には、パルテノン神殿か国会議事堂みたいな入り口が出迎えてくれた 世界最高峰の大会ブリーダーズカップは、前日パーティも最高峰。最高峰の豪勢な会場で最高峰のビュッフェを肴に、最高峰の出席者たちと談笑する宴 かかったお金と凄さを考えるだけでアタシは気を失いそうだ しかし実のところ、アタシはお金とは別の理由で、このパーティにあまり乗り気ではなかった なぜなら……
6 23/11/04(土)20:49:26 No.1120404091
「……やっぱ参加者みんな、英語しか喋らないなぁ」 「アメリカですからそりゃ当然です!!!!!!!!!」 意外にもネイティブ並みに英会話ができるメイケイエールとは違って、アタシは英語がからっきしわからないからだ この話をすると、よくタイムあたりから「スマホの翻訳アプリ使えば良いじゃん」と言われる しかしあれは、街の看板や店員に対してなら使えるが、タイムラグと正確性の観点で雑談に使うにはかなり心許ない。何より、側から見たらダサいし まあ一番円滑なのは自分自身も英会話を習得することなのだが、勉強する時間のないアタシが最低限英語圏の方とコミュニケーションを取る手段は、日英両方わかる人に縋るということだけ パーティに出席するには、英語ができるメイケイエールにずっと付いてもらう必要があったのだ
7 23/11/04(土)20:49:40 No.1120404226
『パーティ不参加でいいよアタシは。英語できないし』 『大丈夫です!!!!!!ソングライン専属翻訳家の私がついてます!!!!!!だから行きましょうよ!!!!!!!!!!!』 『とかいって、お前はどうせまたアタシを振り回す気なんだろう?』 『安心してください!!!!!!!!!ソングちゃんのために今回は、大和撫子のように慎ましくいるつもりです!!!!!!!』 『世界一信用できない発言だな』 なーんて、前日までそんなことを話していたが、案の定会場の部屋に着いた途端…… 「あ!!!!!ローストビーフありますよ!!!!!!!こっちには高級メロンです!!!!!!」 「大和撫子のような慎ましさはどこ行ったんだバカエール!!!!!」
8 23/11/04(土)20:50:01 No.1120404420
アタシの腕を掴み、最高峰料理が並ぶテーブルに向かって引っ張ってゆくメイケイエール いやわかってた。わかりきっていたことだ 何年エールと一緒にいると思っている。アタシはずっとこいつのペースに引っ張られてきたウマ娘なんだぞ エール以上に英会話が出来るらしいソダシは、「点を稼ぎに行くし……」とかよくわからないことを言って勝手にどっか行っちゃうし(今一緒にいないのもそう) もしなにかあったら、アタシも自由にさせてもらおう。エールと逸れてたら、連絡入れてとっとと部屋に戻ろう それまでは、まあ……頑張ってついて行くか 「わぁ!!!!向こうから美味しそうなステーキの匂い!!!!!!!!!」 「あっちには寿司があるのか」 「本当ですか!!!!!?なんだかお稲荷さん食べたくなってきました!!!!!!!!!」 「それは日本に帰っても食べれるだろメイケイエール!!」
9 23/11/04(土)20:50:13 No.1120404527
すごい興奮しているのか、会場の中を巡行する暴走列車は止まる気配がない あぁ、料理を取って食べるタイミングがまるで無い!取れたとしても溢してしまいそうだ 誰かコイツを止めてくれ!心の中で叫ぶ。その時だった 「Hi! Yell-chan!!」 「Oh, Wort-chan!!!!!!!!!!?」 その一言で、暴走列車がキキキーッと急ブレーキをかける そこには、黄色の生地に青の横一本の帯が巻かれているドレスの、左耳飾りのウマ娘がニコりと笑っていた