虹裏img歴史資料館

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23/10/27(金)20:13:23 「殿下... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1698405203347.png 23/10/27(金)20:13:23 No.1117309269

「殿下ー!どちらにいらっしゃるんですか!?殿下ー!!」 午後のティータイムを終えた王宮に、侍従たちの声がこだまする。 主の不在にも慣れたと言わんばかりの執務室を覗き込むと、ご丁寧に役目を終えた書類の束とメモが揃えて置かれている。 黒いスーツを身に纏ったリーダー格のウマ娘はひとつ大きなため息をつくと、侍従たちに指示を出してその場を後にする。 仕事に真面目なのは結構なことだが、こういうところは誰に似たものやら。まったく。 戻ってきたら小言の二つ三つは言わせてもらう、そう決意して彼女は廊下を静かに、しかし強く蹴って走り出す。

1 23/10/27(金)20:14:13 No.1117309719

広い野原をウマ娘たちが駆けていく。緑が揺れる丘に白い柵を立てただけの、簡素で野性味あふれるコース。 広さだけは自慢できるが、あの学園の整備された環境に比べればたいそう牧歌的な風景だ。 しかし、こうして自由にのびのびと走る姿こそがウマ娘の本質なのかもしれないと、そう思えてくる。 彼女たちはこちらに気付いているが、声をかけるか迷っているようだ。その迷いは自分の立場を思えば仕方ないだろう。 納得したはずの答えに一抹の寂しさを覚えながら、せめて邪魔にならないように手短に声をかけていく。

2 23/10/27(金)20:14:44 No.1117310007

「貴女はもう少し腕の振りを大きく、そちらの貴女は曲がる時の視線を意識して、貴女はもう少し前に出るように意識してみようか」 突然のアドバイスに驚いたのか彼女たちは一瞬びくりと尻尾を振り上げたが、すぐに元気な返事が返ってくる。 一周、二周、彼女たちの歩調も軽やかになり、どこか表情も明るくなったように見える。 こうして王宮を抜け出してその風景を眺めるたびに、心の奥で自問自答する。 いずれあの国を離れるのは分かっていたこと。未練はある。つらいこともいやなこともある。 それでも、今の方がいい。 だってそれが、君との約束だから。

3 23/10/27(金)20:15:33 No.1117310416

やがて遠くの丘が橙色に染まり始めた頃、二人のウマ娘が車を降りてこちらに向かってくる。 一人は険しい表情を、もう一人は満面の笑みを浮かべている。 「……やはり、こちらにいらしたのですね……」 「ふふっ、キミはいつまで経っても変わらないね……"殿下"♪」 ついにタイムリミットのようだ。こうなれば後はいつも通り、愛する人の小言と信頼する部下の諫言を粛々と聞き入れるだけだ。 「わかりましたよ、俺の負けです」 「あら、じゃあどんなご褒美を頂こうかしら?」 こちらの腕に抱きついて頬を膨らませる王女様と、滔々と説教を始めた部下に挟まれて、王宮への帰路に就く。 やがて三つの影が長く伸びて、アイルランドの遅い夜に溶けていった。

4 <a href="mailto:s">23/10/27(金)20:16:50</a> [s] No.1117311060

あっちの国の原っぱみたいなコースは一度見に行ってみたい

5 23/10/27(金)20:34:07 No.1117320535

アイルランドに行ったかトレーナー君…

6 23/10/27(金)20:35:30 No.1117321350

凱旋門賞を連覇しただけなのに…

7 23/10/27(金)20:41:43 No.1117324961

殿下になってる…

8 23/10/27(金)20:51:12 No.1117329916

殿下と殿下で被ってしまった

9 23/10/27(金)20:54:00 No.1117331414

4年ぐらい修行してそうな元トレーナー来たな…

10 23/10/27(金)21:03:14 No.1117336411

いずれここから凱旋門とジャパンカップとブリーダーズカップを蹂躙することになりそう

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