虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。

  • iOSアプリ 虹ぶら AppStoreで無料配布中
  • ハート... のスレッド詳細

    削除依頼やバグ報告はメールフォームにお願いします。 個人情報,名誉毀損,侵害等について積極的に削除しますので、メールフォームより該当URLをご連絡いただけると助かります

    23/08/28(月)23:11:06 No.1095624972

    ハートにそっと、触れてはじまって。 夢中になって、何も見えなくなって。 場所は宮崎、詳細は控える。  盆は遠くに過ぎ、初秋を迎えようとしている。陰暦では8月かられっきとした秋である。 それというのに50日連続猛暑日と言うので秋の匂いは一切感じない。 今日もピーカンの日輪が真南を指している…だろう、確証は持てない。もちろん持つ気もない。 今はただ、この眼の前にいる妹。ルビーと。ただ繋がっていたい。それだけなのだから ―――いつから繋がっていた? ―――肉体的には受精卵が分裂してから、同じ胎盤で繋がっていた。精神的には産まれる前の前世からである。

    1 23/08/28(月)23:11:16 No.1095625043

    そして今、ある意味別の意味で肉体的に重なってる。性の充足が行われている。 古い雨戸は全て締め切られており、光はその隙間から微かに漏れ出るほどにしか当たらない。  一週間前、台風が過ぎ去ってから閉めっぱなしの網戸、4日前に干してから敷きっきりの布団。3日前から繋がりっぱなしの體(からだ)が二つ。蚊帳の中で収まってる。 外は摂氏35度を有に超えているだろう。 しかしそんな物なんとも感じない、目の前の體の方が温かいのだから 「…ダメッ…オニイチャ…ソコダメ…」 かすかに声が漏れる、絶叫に絶頂の末にその声はどこかガラガラに枯れている。 「ルビー、声を殺すな」 耳元でささやく。たとえふしだらな行為と言えども誰も聞いちゃいないんだもっと大きな声で伝えればいい 「お兄ちゃん!もうだめ!イグッ!イグがら!!!!ダメ!!!」 ルビーが根負けした。全ての母音に濁音が入った汚い声が家中に響く、その汚さすら美しい。  

    2 23/08/28(月)23:11:36 No.1095625162

    外から見たら部屋は灼熱地獄のように思われるだろう。しかし意外と冷えてて気持ちがいい。お腹を下しそうな寒さとは言わないが適温に冷やされている。熱交換を必死に行うのはエアーコンディショナーと名前が付く前の空調装置 木目調の柄が時代を感じさせる巨大なクーラーがほどよく冷やす。部屋の掃除のついでに触媒ガスを補填した。まだ部品があるという事に驚きだ、それ故経年劣化を感じさせない風量だが、温度はいかんせん心もとない。居間はなきダイヤルコントローラーで最低温度にしているが23℃程度の風しかこない。まぁ40年落ちとはこういうものだろう。  事の最中は暑さが籠もって心地よいのだが、事後…果てた時にこのエアコンじゃちょっと心もとない。 朝から晩まで本番を終えるとまず麦茶かスポーツ飲料をガブ飲みしてお互い大の字になって眠る。そしてまどろむ頃には昼になっていてペッティングがはじまる。  シャワーはもう3日入ってない、髪も体もベタベタだ。互いの腋やうなじ、耳の裏のニ匂いを嗅ぐと同じ血のつながりの匂いがモワっと広がり、やる気とエロスが襲いかかってくる。

    3 23/08/28(月)23:11:58 No.1095625297

    気がつくとルビーは俺の俺自身をアイスキャンディーのように舐め回していた。 「おにいひゃん…ちょっと」ルビーがだらしなくしゃぶりながら問う どうしたんだ?と答えたら 「クーラー寒いよおにいひゃん…温度上げよう?ね?」との事 多分、セックスで体の穴と言う穴から汗を吹き出したあと冷風に吹かれて体が冷え切ったんだろう 「そんなに寒いならほらっ」とタオルケットをかけるがルビーは頬をふくらませる 「ちがうのおにいちゃん…ねぇ❤」と何かを催促する。その両手はアクアに向かって開いている。 「仕方ないなー」と心でつぶやきながらルビーを抱き寄せる。少しひんやりした肌が重なり合う。 互いの血が互いに流れ出すような感触を覚える、体温が上昇しそれと同時に気分も高揚してくる。

    4 23/08/28(月)23:12:35 No.1095625525

    「えへへ…おにいちゃん❤」ルビーもご満悦のようだ 「たまにはクーラーもいいなルビー」 「せっかく田舎に来たのに…こんなセックスなら家でいくらでもできるよ!」 「北海道や東北ならまだしも九州でやる事じゃないよルビー、けどまぁそうなんだけどな…久しぶりに雨戸開けるか…布団も汗やら汁でぐしゃぐしゃだ 「そうだね…もうエッチおしまい?」 「そうだなぁ…シャワー浴びてから考えよう、まずは健康的にお日様を浴びないとな」 そういって1週間も貼り続けていた蚊帳を外す。 ガラガラと音を立てる雨戸を開けると、目がくらむほどの太陽が少し西にそれながらも照りつけている。 アクアとルビーふたりは生まれたままの姿で縁側で日光浴をする。花柄の描かれた瓶から麦茶を乱暴にコップに移して、品もなくゴクゴクと喉をならして一気に飲みきる。 多分それでも昨日から続く逢瀬で失った水分は補えきれてないはずだ。

    5 23/08/28(月)23:13:07 No.1095625695

    「夏、終わっちゃうねお兄ちゃん…」ルビーは俺の膝枕でそう呟く 「そうだな。これが最後の夏かもな。もうすぐ9月だ」 「寂しいなぁ…この夏…先生の実家で過ごしたひと夏。とっても楽しかったのに」 「また夏はくる。またここに来ようなルビー」 「うん…」 陽は沈み、少しひんやりとした風が古い日本家屋へ抜けていく。 夏が終わるけど、かなしくはない。また来年もルビーと夏の思い出を作ればいいだけである それまでパパラッチの目をかわしながら逢瀬の限りを尽くす。それだけだ  鉄床雲が天高くそびえ立っている。また一雨くるのだろう。 「とりあえずシャワー浴びよう。ベトベトだからな。それにご飯も食べてないし適当にある物で済ませよう」 「ニ回戦❤二回戦❤」 浮足立つルビーとてをつなぐ、また愛を紡ぐのだろう。  愛を紡ぐ、たぶんこれから一生ルビーと愛という糸を紡いでいくのだろう。その先にある物は決して暗くない。明るいものだと信じている。とっぽりと日が落ちる前に乾いた敷布団をしまう。お日様の匂いの奥から香る饐えた愛液の匂いが二人の愛の証左である。

    6 23/08/28(月)23:13:25 No.1095625817

    その夜、ふとルビーがつぶやいた。 「お兄ちゃんの―――ちゃん、産みたいな」 「なんだって」 「赤ちゃん、赤ちゃん産みたいな…」  この夏、避妊は一切していない。医者の不養生とかいうレベルではない倫理観だが、自分とルビーの距離を隔てる物が存在してはいけないと思ったからだ。  俺は兵隊にも歌手にもならず親父になるんだ。そう思っていた。まだ二十歳にもなってないのに毒舌キャラを、自分を偽って演じる事にも疲れてきた。きっと役者には向いていない。人の親になったらこんなヤクザな仕事(芸能界)から足を洗って普通にルビーと暮らすつもりだ。  当ルビーはどう思ってるかわからない。ママ…いやアイと同じ道を歩めると信じているかも知れない。実際聖子ちゃんもお母さんになってから活躍してたし。ない道ではない。