23/08/28(月)00:11:10 「レッ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1693149070605.jpg 23/08/28(月)00:11:10 No.1095317458
「レッド、お願い。 すぐに来て欲しいの」 その日の朝、ブルーから電話が来た。 「ど、どうしたんだ?」 真剣な声音でのお願い。 急にそう言われてレッドは戸惑った。 「説明してる時間はないの。 明日、コガネ百貨店に来て」 「わ、わかった」 惰眠を貪っていたベッドから出て、着替えようとする。 が、そこで思い至ることがあった。
1 23/08/28(月)00:12:05 No.1095317835
「そんなこと言って、単にオレを買い物とかに付き合わせるつもりじゃないだろうな? 荷物持ちとかカップル割引とか目当てで」 「お、オホホ…」 指摘が図星だったのか、ブルーが苦笑いした。 乾いた笑いを浮かべている姿すら思い浮かぶ。 こういったことは初めてではない。 ブルーはあの手この手でレッドを呼び出して、買い物に参加させるようにしていた。 レッドとて、さすがに何度もそうされればもしや今回もとは思う。 「…ごめんね?」 「いや暇だし行くよ。 そういうのに付き合うの嫌いじゃないし」 素直に謝られると、怒る気にもなれない。
2 23/08/28(月)00:12:52 No.1095318155
騙そうという意図こそあったが、彼女がこちらを頼ってきたのだ。 それに応えてあげたいという気持ちはあった。 「ホント?レッドってば優しくて素敵♡ じゃあ待ってるわ。 急がないでいいけどあんまり待たせすぎないでねー」 「どっちだよ…」 苦笑してる間に通話が切れた。 通話してくるのも切るのも突然。 「ブルーらしいや」 呟くと、つい笑ってしまう。 彼女のお願いも、つい聞いてしまう。
3 23/08/28(月)00:13:37 No.1095318410
心の隙間をついてくる。 不思議な魅力を持っている。 「明日楽しみだなぁ」 つい独り言を言ってしまう。 だけど本心だった。 かつては酷い目に遭わされたはずの相手。 でも今は。 大事な友達の1人となっていた。 奇妙な縁だと今更ながら思う。 それでもいい。 今はこの関係に満足しながら、レッドは明日に思いを馳せた。
4 23/08/28(月)00:13:59 No.1095318565
翌日。 「おはよう、ブルー」 「おはよ、今日は来てくれてありがと」 コガネ百貨店の出入り口で、ブルーと合流した。 「今日はコガネシティのなんだな」 「いつもカントーじゃ味気ないしね。 たまには他の地方にも行こうかなって」 確かに何度もカントーの店には行った。 たまには彼女のいう通り別の場所での買い物でもいいかもしれない。 「じゃあ行きましょう」 彼女に腕を組まれる。
5 23/08/28(月)00:14:48 No.1095318867
「ここでもやるんだな…」 「ナンパ避けよ。 それに来てくれたレッドにもいい思いしてもらわないと」 ブルーが笑いながら身を寄せる。 目を細めて、横目でこちらを見てくる。 色気に満ちた目線。 それについ照れてしまう。 これこそ何度もそうされているのに。 腕に当たる感触も、未だに慣れることはない。
6 23/08/28(月)00:20:28 No.1095320895
ブルーは、楽しそうにこちらを見てくる。 からかえて楽しいのか。 それとも別の理由があるのか。 それはレッドにはわからなかった。 「ふふふ」 ブルーが楽しいのなら、いいかと今は割り切った。
7 23/08/28(月)00:32:06 No.1095325072
いくつかの店で買い物を済ませて。 「そろそろ休憩しましょう。 そこの喫茶店はどう?」 「任せるよ」 大量の荷物を抱えながら、レッドは同意した。 正直、持っている荷物が多くて辛いところはあった。 「あそこにロッカーがあるから、預けてからにしましょう」 「あ、ホントだ」 彼女の指示に従って、荷物を預けてから店に行く。 店内に入ると、店員が近づいてきた。
8 23/08/28(月)00:43:56 No.1095329025
「いらっしゃいませ。2名さまですか?」 「はい」 「わかりました。こちらの席にどうぞ」 席に通され、メニューを読む。 「あ、これ食べていい? カップル限定だけどレッドにも分けるから」 「いいよ。 じゃあオレもこっち頼むよ」 相談し合うと、店員を呼んだ。 「ご注文は?」
9 23/08/28(月)00:48:34 No.1095330632
「このビッグチョコパフェと、 特性モンブランケーキください。 あ、アタシたちカップルなので」 アピールするように手を繋いできた。 「かしこまりました」 顔色を変えることなく、店員が下がっていった。 「こういうのも慣れてきたなぁ…」 嘘をつくことへの抵抗が減って、罪悪感がかえって湧いてくる。
10 23/08/28(月)00:58:06 No.1095333697
「いいのよ。こういうのは本当のカップルじゃなくて。 お店も注文する人たちが減るよりはいいでしょ」 「まあそうかも…」 ブルーの理屈にとりあえずは納得した。 しばらく待つと、注文したデザートが来た。 「すみません、アイスコーヒーも二つ」 追加で注文して、2人で食べ始める。
11 23/08/28(月)01:09:17 No.1095337090
「はい」 「うん」 ブルーから差し出されたパフェの乗ったスプーンを口にする。 お返しにこちらもケーキの乗ったフォークを差し出した。 時折、デザート自体を交換して食べる。 特にパフェは大きいので2人でなければ食べ切れなかった。 「こういうの、慣れちゃったわね」 届いたコーヒーを飲みながら、ブルーが言う。
12 23/08/28(月)01:20:22 No.1095340114
「アタシたちの関係って、なんなのかしら」 ため息混じりに呟かれる。 「なにって、友達だろ?」 「それで終わるの味気ないのよねー。 それに、アタシがただの友達にこんなにベタベタしないわ」 つまらなさそうな反応。 「じゃあ、姉弟?」 「弟はもうシルバーがいるわ。 これ以上増やしたくもないし」 思いつきを口にしたが、否定された。
13 23/08/28(月)01:24:41 No.1095341121
「それとも、アタシに妹になってほしい? レッドお兄ちゃん」 言われて、少し心が揺らぐ。 いつもより、ブルーが可愛く見える気がする。 だが気のせいだと頭を振って気を取り直す。 「いや、やっぱり妹は無しで」 「なんか今、変な反応しなかった?」 「気のせいだよ」 「ま、いいけど」 ブルーはそれ以上追求しなかった。
14 23/08/28(月)01:30:38 No.1095342560
「でも、確かに普通の友達じゃないかもな」 少なくとも、自分とてただの友達にここまではしない。 ブルーの人柄もあるが、お互いの距離感が近い。 あまり考えないようにしていたが、自覚せざるを得ない。 「なんなら、ホントにカップルになってみる? レッドならアタシもいいわよ」 「え…」 言われて、思い浮かぶ。 自分たちが交際している光景を。
15 23/08/28(月)01:35:19 No.1095343617
一緒に買い物して、食事して。 たまにはお互いの家に遊びに行って。 「あんまり今と変わんないような…」 「そうね。ま、今のままでも当分いっか」 そこで話を切って、食事を再開した。 でも、彼女との交際。 それを誘われても拒絶の意思は湧かなかった。 ブルーは、どうなのだろう。 言葉通り、彼女もいいと思ってくれているのか。 疑問には思うが、聞く気にならずレッドもフォークを持つ手を動かした。
16 23/08/28(月)01:35:33 No.1095343670
以上です 閲覧ありがとうございました
17 23/08/28(月)01:37:40 No.1095344110
最近交際後レブルばかり書いていたので交際前レブルで書いてみました それとマンネリ回避にジョウトにも行かせようとしてみました