虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。

  • iOSアプリ 虹ぶら AppStoreで無料配布中
  • 「きゃ... のスレッド詳細

    削除依頼やバグ報告はメールフォームにお願いします。 個人情報,名誉毀損,侵害等について積極的に削除しますので、メールフォームより該当URLをご連絡いただけると助かります

    23/08/19(土)00:54:06 No.1091942833

    「きゃー!ラモーヌのトレーナーさん!」 「頑張ってー!」「お幸せにー!」 心当たりのない声援に手を振りながら正門前に向かう。トレーナー寮を出てからずっとこんな調子だ。何故か今日は人が多い。それも俺目当ての。正門前に向かうごとにギャラリーの声援は大きくなっていく。 半ば怖くなりながら待ち合わせの場所に向かうと、更に増えたギャラリーの中心に見慣れたリムジンが停まっている。小走りで向かうと和装のラモーヌが降りてきた。いつも以上に秀麗で瀟洒な彼女に目を奪われる。 「乗らないのかしら」 「…ああ…!」 彼女の声でハッと我に返り今の状況を疑問にしてぶつけてみる。 「な…なんなんだこの人だかり?誰か…プロポーズでもするのか?」 「フッ…つまらない冗談ね。貴方がするのでしょう?」 「え?なんのこと?」 「え?」

    1 23/08/19(土)00:54:27 No.1091942945

    「…それではごゆるりと」 老女将が洗練された所作で部屋を後にすると、部屋には俺とラモーヌだけになった。 庶民にとって食事をするには些か落ち着かないだろうとも思える広々とした料亭の一室で俺とラモーヌは向かい合う。 改めて彼女の格好に見とれてしまう。メジロ家御用達なのか、黒地に翠玉色と白色の装飾が施された着物に美しく結われた髪、そしてとびきり整えられた化粧を見て誰もが「綺麗」と口を揃えて言うだろう。しかし俺はただ黙って見ているしか無かった。 ずっとラモーヌが笑顔でこちらを眺めているからだ。

    2 23/08/19(土)00:54:45 No.1091943048

    二十分は経っただろうか。足は痺れて感覚はもう既にないし相変わらず彼女は一切表情を崩さない。時計を確認する余裕等ある訳が無い。ラモーヌの笑顔に気圧され視線をずらすことさえままならないのだ。 三年程メジロラモーヌと過ごした中で彼女について学んだことがいくつかある。弾けるような笑顔は不機嫌の証であることもその一つだ。 「………なぁ…」 静寂に耐えられず声を発する。喉が渇いていたせいか思ったように声は出なかった。 「あら。愛しの“トレーナー”様。なにか素敵なお話でもあるのかしら?」 メジロラモーヌと同一人物だとは思えない高いトーンで目の前の彼女は応えた。

    3 23/08/19(土)00:55:05 No.1091943179

    「その…すみませんでした…!」 俺は頭を机に擦り付けて許しを請う。 「貴方…この期に及んでまだつまらないのね。机が傷むでしょう。早く頭を上げなさい。」 頭を下げた方向から冷たい声が響いてくる。いつもの彼女に戻ったようだ。安心して頭を上げると思わず笑みが零れてしまう。 「とても許しを得られなかった男の顔とは思えないわね」 彼女は頬杖を着くと俺のことを睨みつけてくる。だいぶ機嫌は良くなったようだ。 「話して貰えるかしら?こうなった経緯を」

    4 23/08/19(土)00:55:23 No.1091943270

    一ヶ月程前、俺は父が東京に会いに来るのに合わせてこの料亭を予約したが直前になって父の仕事に外せない予定が入ってしまった。 今更キャンセルも勿体無いので俺は初めてラモーヌを食事に誘うことを決断したのだ。 これまで彼女の高貴な生まれや本人のオーラに怖気付いてプライベートではほぼこちらから誘うことは無かったが、これ程の高級料亭ならば満足して貰えると思ったのだ。 しかし、その時は生憎間が悪くラモーヌは実家のメジロ関係者の集まりに出席していたため俺はメジロ家にラモーヌと料亭に食事に行きたいので彼女に予定は空いてるか伝えて欲しい。と頼んだのだ。

    5 23/08/19(土)00:55:42 No.1091943361

    「ちょっと待ちなさい。」 ラモーヌはそういうと眉間に皺を寄せ難しそうな表情をする。彼女のこんな表情は記憶にない。数秒の静寂の後彼女は口を開いた。 「貴方。謝る義理はないわ。」 ラモーヌはそう言うとより一層深刻そうな表情をする。 「貴方の話を整理すると、貴方はただ私と食事がしたかっただけで、貴方からの誘いを勘違いした私はこんなに張り切って着物を仕立てて髪を結っておめかししてもらったことになるのかしら」 「………そういうことに…なるかも…」 もう一度数秒の静寂の後、ラモーヌは勢いよく机に顔を伏せ駄々をこねる子供のように悶えた。ラモーヌのこんな所は見たこと無かったので俺もどうすればいいのか分からず慌てふためく。

    6 23/08/19(土)00:56:02 No.1091943490

    「だ…だれにでも…か…か勘違いはあるものだから…」 こういう時に陳腐な台詞しか出てこない自分のつまらなさに呆れてしまう。 「フフ…ええ…そうかもしれないわね…。…貴方…私がなんでこんな勘違いしたか分かるかしら?」 ラモーヌは顔を伏せながら静かに聞いてくる。 「これまで男の人と食事と言ったらね。みんな料亭でお見合いだったのよ。だから私…貴方に料亭に誘われるってことはそういうことだと思ったのよ。生き恥ね。」

    7 23/08/19(土)00:56:22 No.1091943594

    「ここに来る前、ギャラリーが居たでしょう?」 「ああ…うん…」 「私、誰にも言ってないはずなのに学園中に広がってたのよ」 俺はここに来るまでに会った沢山のギャラリーを思い出す。 多分、このまま何も無く帰ればラモーヌは更に恥をかくことになるだろう。 「………ラモーヌ…顔を上げて…」 ゆっくりと顔を上げた彼女の唇を奪う。彼女の鼓動が大きくなっていくのが伝わる。これが正解かどうかは分からないが、つまらない選択肢ではないことは確かだ。 唇を離すと改めてラモーヌと目を合わせる。 「……結婚しよう…」 またの静寂の後、ラモーヌは笑顔で答えてくれた。 「………面白い人ね」

    8 23/08/19(土)00:57:13 No.1091943839

    実装前だから好きに書いちゃったけどラモーヌはお嬢様+レースにしか興味無いせいで見た目と歳の割に俗世間的なことに無知だと超いいよね

    9 23/08/19(土)00:58:15 No.1091944118

    この後一心同体しますのね!

    10 23/08/19(土)01:01:25 No.1091944969

    はじめての一心同体ですのね!?

    11 23/08/19(土)01:02:12 No.1091945166

    料亭 目白

    12 23/08/19(土)01:13:23 No.1091948202

    生徒とセックスしちゃ駄目だよ…

    13 23/08/19(土)01:13:44 No.1091948297

    >生徒とセックスしちゃ駄目だよ… キスだから…

    14 23/08/19(土)01:32:51 No.1091953209

    俺言いふらした犯人わかった!

    15 23/08/19(土)01:39:50 No.1091954884

    君本当に学生?手帳あれば見せてもらえる?

    16 23/08/19(土)02:07:11 No.1091960397

    ラモーヌが基本強者すぎるから悶えさせたい

    17 23/08/19(土)02:44:08 No.1091966621

    地味にモブからラモーヌって呼び捨てにされててダメだった

    18 23/08/19(土)02:46:11 No.1091966927

    そいつ本当にモブか? タケーズとか応援してそうな芦毛じゃないか?

    19 23/08/19(土)02:51:03 No.1091967657

    ここで日和らないのがラモーヌのトレーナーなんだろうな

    20 23/08/19(土)03:27:05 No.1091971927

    マ禁