虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    23/08/15(火)20:00:01 No.1090733192

    お久し振りです! フラッと現れてはフルートのお話を投げつけるモブウマ娘! そう!フルートリズムです!! フルートリズムのフルートひとくち講座! 24回目となる今回は、お盆にちなんで今は無きフルートメーカー、 ルイ・ロットについてのお話です。 フルートの名手であり近代で最も偉大なフルート奏者と呼ばれる、 ジャン=ピエール・ランパル氏が愛用していた事で有名なメーカーですね。

    1 23/08/15(火)20:00:40 No.1090733531

    フルートの設計思想は、主に ・繊細で上品なフレンチ系 ・質実剛健なドイツ系(ハンミッヒ等) ・2つのミックス&最新技術のアメリカ系(パウエル、ブランネン等) の3種類がありますが、 このルイ・ロットは、その中の「フレンチ系」の代表格です。 「フルート界のストラディバリウス」と評される事もしばしば・・・。

    2 23/08/15(火)20:01:16 No.1090733777

    ルイ・ロットは今は昔、1850年頃から1950年頃までフランスのパリに存在したメーカーでした。 (その後、オーボエで有名なマリゴ社に吸収され、1975年頃までフルートを作っていました。) ベームさんが現代フルートの祖となるモデルを作ったのが1847年ですが、 その時期に既に存在していたフルートメーカーのゴドフロイ(ゴッドフロア)社から、 ルイ・ロット氏が独立して設立した会社です。

    3 23/08/15(火)20:02:14 No.1090734203

    ルイ・ロットの一番の特徴は、 「美しく、上品で繊細なデザインと音色」です。 ティアドロップ(涙のしずく)と呼ばれる、流線形でコロンとしたキーデザイン、 薄くて軽量、そしてEメカニズムも搭載されていないシンプルなメカニズム。

    4 23/08/15(火)20:02:50 No.1090734487

    そして何よりも、緻密で表情豊かなその音色。 現在のクーパーカット(吹き口の形状)に比べると音の鳴るポイントが狭いのですが、 そのポイントを押さえると、とても甘美で濃密な音色を奏でます。

    5 23/08/15(火)20:03:47 No.1090734901

    約100年に渡り作り続けたルイ・ロットですが、 特に1850~1900年初頭までの50年の間にルイ・ロット氏やそのお弟子さんによって作られた楽器が人気です。 その頃の楽器はシーム管(一枚の板を丸めて作ったボディ)で作られ、 その後に作られたシームレス管(現在一般的な継ぎ目の無いボディ)に比べて音が良い、と言われます。

    6 23/08/15(火)20:04:22 No.1090735165

    うわあ!久しぶりにみた!

    7 23/08/15(火)20:05:04 No.1090735573

    そんな評価の高いルイ・ロットですが・・・ 普通の方にはオススメ出来ません・・・

    8 23/08/15(火)20:05:33 No.1090735812

    まずは、とにかく古い!!! 新しいモデルでも70年、最初期のモデルでは170年以上が経過し、 使われているハンダもキーシステムもボロボロになっている個体が多いです。 修理する際には部品を新造する必要がある事もしばしば・・・

    9 23/08/15(火)20:05:53 No.1090735945

    次にお値段が高い!!! 修理代もそうですが、まず楽器自体がとても高い! 「ランパル氏が使っていた今は無きメーカー」という肩書はとても強く、 状態以上の強気な価格が付いている事も良くあります・・・ 更に、使われているタンポも現代のモノに比べて薄く、かなり専門性の高いお店でないと修理出来ないです。 状態にもよりますが、修理代だけで現代の良いモデルが買えます・・・。

    10 23/08/15(火)20:06:41 No.1090736311

    トドメに吹きにくい!!! 仮に完璧に修理したとして、当時のフルートはいわば超プロフェッショナルモデル。 設計が古いというのもあり、少しでもポイントがズレてしまうと全く音が出ません。 音大生レベルではキチンとした音を出せる人がかなり少ない、とまで言われるくらいに難しいです。

    11 23/08/15(火)20:07:00 No.1090736455

    そんなルイ・ロットですが、現代でも復刻した楽器を購入する事が出来るんです!! 秋山さんが製作している「アキヤマフルート」は、 当時の銀製食器などを溶かして素材とし、当時のルイ・ロットの製造方法を忠実に守って製作するという拘り具合です。 製作過程がFacebook等で公開されていますが、正直「よくやるなぁ・・・」というレベルの作業です・・・

    12 23/08/15(火)20:07:55 No.1090736826

    また、アルタスもルイ・ロットを意識した「AL」モデルを製作しています。 もっと言えば、現代のメーカーは基本的に少なからずルイ・ロットの影響を受けているので・・・。

    13 23/08/15(火)20:08:43 No.1090737182

    今回はここまで! また気が向いたら、他のメーカーの事の解説もするかもしれません。 ではまたー!!

    14 23/08/15(火)20:09:35 No.1090737541

    ウマ娘ブラスバンド部なんてあったら華やかでいいねとふと

    15 23/08/15(火)20:10:44 No.1090738078

    う~む勉強になる リズム一族はそれぞれ自分の名前の楽器に造詣深そう

    16 23/08/15(火)20:10:58 No.1090738176

    本当に久しぶりに見た

    17 23/08/15(火)20:11:06 No.1090738233

    >うわあ!久しぶりにみた! お盆なので久々に戻ってきました!! 搾り切ったと思ったんですが意外とまだ書けますね…

    18 23/08/15(火)20:13:40 No.1090739424

    今回の分までの24回をまとめておきました!! フルートに興味がある人に投げ付けて見てください!! もし最後まで読んでくれる人が居たらかなりの変態です!!! fu2469219.txt

    19 23/08/15(火)20:14:21 No.1090739757

    ありがたい…

    20 23/08/15(火)20:33:39 No.1090749439

    ちなみに蛇足ですが、 以前もお話した通り、古いフルートは洋白製でも廉価品ではなく、 総銀製と同じ手間・設計で製作されています。 その為、本気でルイ・ロットを狙うなら、総銀製より安価な洋白製のルイ・ロットが狙い目だったりします。 上記の通り、普通の人には基本的にオススメ出来ませんが・・・

    21 23/08/15(火)20:55:08 No.1090760307

    初めて見たけど知らない世界だったから面白かった

    22 23/08/15(火)20:56:09 No.1090760796

    いつもありがとう 知らない世界は勉強になる