虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    23/08/11(金)02:06:35 No.1088824635

    私はいつでも手遅れなのです。そういった星の元に生まれついた男なのです。 いつだって間に合いません。愛したものの元へ間に合いません。愛したものが間に合いません。 そして、私が口さがない言葉を言い捨ててしまった彼の王が崩御したという知らせを聞いたのも海を渡った彼方でのこと。その最期の戦いに間に合いませんでした。 ですから、今回も手遅れなのです。私が全容を知ったのは全てが終わりへと導かれるその直前でした。 ここは死者の國。終わりの國。あなたという心の裡を利用してできた、妖精國の冥界。 そうですね。私がもっと早くに察していればこのような事態は招かなかったのかもしれません。 私はこういう時に限っていつだって愚かです。何よりも大事なことを見落とし、気付かず、それが爛熟して腐り落ちる段になってようやく手を伸ばすのです。 しかし………此度に限ってはこうも思います。 気付くのが私ではなくあなたで良かったと。あなたが例えあなたの一部であろうと、あなたらしくトネリコを想い、心を砕いた。 私などという外野の余人による推察などではなく、そんなあなただからこそ辿り着けた答え。それこそが彼女を救えると思えるのです。

    1 23/08/11(金)02:06:45 No.1088824664

    ───なればこそトリスタンは愛弓を握りしめ、弦に指を這わせた。 背後の岩屋からは途方もなく濃い死の香りが漂うが、前方も状況はさして変わらない。抜け駆けは許さないと、夥しい数の死者が押し寄せる。 祭事はたけなわ。閉じた岩屋をこじ開けて不遜にも『石の女王』へ謁見を試みる不届き者を引きずり出し、打ち殺すために迫ってくる。 玲瓏とした音が鳴る。ただそれだけで近寄ってくる死者の足がまず刻まれ、それが地に転ぶ前に不可視の刃で粉微塵になった。 「ああ、白い帆船が遠ざかっていく……。  カルデアに戻った時、私はひどく叱られそうですね」 ひとつ、彼/彼女に嘘を言った。今際の際のトリスタンへ『訪れているのは黒の帆です』と告げた彼女のように。 私は正しくカルデアのサーヴァントではありません。かの妖精國で散ったトリスタンの残滓なのです。 ここで全てを迎え撃つ。何人たりとも通さぬ。誰ひとりとて邪魔はさせぬ。少女の涙のために戦う。是、騎士の本懐也。 「痛みを詠い、嘆きを奏でる───」 私があなたのサーヴァントでなくとも、この忠節は永遠に。何故なら………あなたは私の大事なものを取り戻させてくださった方なのですから。

    2 23/08/11(金)02:13:53 No.1088825880

    お前本当いつもはギャグ担当ですって顔して…

    3 23/08/11(金)02:16:35 No.1088826321

    メモ帳アイコンがちくわ持ってるように見えた

    4 23/08/11(金)02:17:00 No.1088826374

    ふふふ…竹輪しか持ってませんよベディ!

    5 23/08/11(金)02:18:27 No.1088826586

    >ふふふ…竹輪しか持ってませんよベディ! お前そういうとこだぞ

    6 23/08/11(金)04:58:18 No.1088838847

    いつだってよく働く男…

    7 23/08/11(金)07:32:47 No.1088850039

    トリスタンって6章の反転を考慮しても めっちゃ良い奴で後悔してるやつなんだよな…

    8 23/08/11(金)07:37:53 No.1088850703

    お前あのトリプルゴーグルはそういう意味があったんだな 同僚大好きかよ

    9 23/08/11(金)07:49:00 No.1088852337

    ハチャメチャに夏を満喫するトリスタンが今から楽しみ